新たな資金調達手段「ICO」とは?

2017年4月28日 BBC編集部 0

ブロックチェーン周りで聞かれる新しい用語の一つに「ICO」という言葉があります。「ブロックチェーンを用いた〇〇がICO間近!」という言葉を見たことがある人も少なくないでしょう。今回の記事ではこのICOとはいったい何なのか、解説していきます。 従来の資金調達の形-株式公開、クラウドファンディング 資金調達手段には融資などの手段もありますが、今回の記事では「出資」にフォーカスして見ていきます。出資は、融資と違い返済義務がないため出資先が潰れてしまえば出資者は大損してしまいます。出資者はこのようなリスクを負うため、出資者に対しては必ず何らかのリターンを提供する必要があります。 日本において民間企業が出資を募るときの最も代表的な手段は、株式の発行でしょう。企業は株式を発行し販売することで資金を調達し、株主は株式を購入することで配当権や経営参加権などを持ちます。企業が成長し株式市場に上場すると、一般公開された市場において株式を売買できるため、より機動的な資金調達が可能になります。これを新規株式公開、またはIPO(Initial Public Offering)と呼びます。 また近年ではクラウドファンディングといった手法も盛んになってきています。これは何らかのプロジェクトが実現する前にあらかじめ「サービス受益権」を直接一般向けに販売しすることで、投資者のハードルを下げることを実現するものです。 近年、IPOによる株式公開やクラウドファンディングとは異なる、暗号通貨を用いた資金調達が登場しています。   暗号通貨建ての資金調達「ICO」とは? 「ICO(Initial Coin Offering)」とは、ある組織や企業が資金調達する際に暗号通貨やブロックチェーン上でトークンを発行し、それらを一般の投資家に向けて販売することで資金調達を行うことを指します。暗号通貨やトークンの発行を伴うため、ブロックチェーン関連のプロジェクトにおいてよく用いられています。「クラウドセール」や「プレセール」と呼ばれることもあります。たとえば、分散型予測市場プロジェクトの「Gnosis(ノーシス)」のICOでは、数分で1200万ドルにも上る資金調達に成功しました。 では、ICOにおけるリターンはどのようなものがあるのでしょうか。ICOにおけるリターンには複数のパターンがあります。以下のようにスマートコントラクトを活用し、様々な形態でのリターンを提供できるのも暗号通貨およびトークンならではのメリットだと言えるでしょう。   ICOにおけるリターンの3分類 (1)議決権 スマートコントラクトを通じ何らかの形で多数決による何かしらの意思決定に投票に参加できるというものです。株主のように運営主体の経営に関する議決に参加できる場合や、サービス内での投票に参加できる場合もあります。たとえば、自律分散的な投資ファンド運用を目指した「The DAO」のプレセールにおいて販売されたDAOトークン保有者は、The DAOにおいて提案された投資先への投資の可否についての投票に参加することができます。 (2)配当権 こちらのタイプは、サービス利用に伴う手数料収入などをスマートコントラクトによって配分するものです。このように直接金銭的なリターンを提供するものも多くあります。たとえば公正な著作権料分配を目指す「SingularDTV」がプレセールで販売したSNGLSトークンの保有者は、SingularDTV内の動画の再生回数に応じた収益を受け取ることができます。(1)の議決権と併せて付与される場合もあります。 (3)サービス内で使えるコイン サービスにおいて手数料や利用料などの支払いに利用することができるトークンをそのままプレセールで販売するパターンです。たとえば、コンピュータリソースの共有を目指す「Golem」がプレセールで販売したGNTトークンは、サービス内でそのままコンピュータリソースの購入に利用することができます。   […]

ブランド品の真贋判定「VeChain」中国のブロックチェーン活用事例紹介

2017年4月27日 Wang Pengfei 0

中国では、ブランド品の偽物にもランクがあることをご存知でしょうか?「Plada」「Cucci」のように明らかな偽物もあれば、専門家でないと判定できなく、本物とほぼ変わらないハイランクの偽物もあります。ブランド品の生産を請負った中国の工場がだまって鐘形をそのまま使い、本物とほぼ同じな偽物を生産する場合すらあり、それを見分けることが極めて難しいのです。 メーカーも消費者も頭を抱えている偽物問題を解決には、ブロックチェーンという選択肢があるとBitSE社の管理層が気づきました。   ブロックチェーン技術によりブランド品の偽物を防ぐ  BitSEは「Bit Service Expert(ビットサービスエキスパート)」の略で、「ブロックチェーン技術でグローバル経済活動協力の効率化や信頼コストの削減」を目指している会社です。同社のCOO陸揚氏は中国Louis Vuittonの元CIOで、ブランド品の偽物問題をよくわかっているでしょう。 2015年10月、BitSE社はブロックチェーンを活用した偽物対策のプロジェクト「VeChain」を発足しました。ブロックチェーン技術の記録された情報が改ざんが困難であるという特徴を活用して、商品データの偽造を防ぎ、世界中のどこからでも商品データにアクセスすることを可能とします。 VeChainでは、メーカーおよび消費者向けに2種類のプロダクトを提供しています。メーカー向けのプロダクトは商品管理プラットフォームと商品に内蔵できるNFCチップです。消費者向けのプロダクトはスマホアプリで、消費者はスマホを使って商品が偽物かどうかをすぐに見分けることができます。   有名ブランドとのタイアップも果たす「VeChain」 2016年10月11日、中国の「東京ガールズコレクション」ー上海ファッションウィークでは、VeChainは数多くの有名人が愛用しているブランド「Babyghost」とコラボレーションして、全ての服にVeChainのチップを内装しました。このNFC機能を使い、商品の内蔵チップの情報を読み込み、ブロックチェーン上の情報と照らし合わせ、偽物かどうか判断でき、商品の生産情報なども全て確認することができます。 VeChainの技術がその他のブランドに広まることで、中国の偽物問題を解決できるかもしれません。今後の動きにも期待しています。   関連記事: チャリティーへのブロックチェーン活用「Ant Financial」|中国のブロックチェーン活用事例紹介  

ブロックチェーン革命を乗りこなす組織の構築:組織原理が根本から変わる

2017年4月26日 赤羽 雄二 0

今回は、あらゆる産業に大きな影響を与えるブロックチェーン革命を組織として乗り越えるために、組織をどのように作り変えていくべきかについて述べていきます。   スピードが決定的に重視される ブロックチェーン革命を乗りこなすには、組織の意思決定、行動が圧倒的に速くならないといけません。大企業の安泰だったビジネスにも新進ベンチャーがブロックチェーンベースのサービスで次々に参入してくる可能性が高くなっていきます。海外のベンチャーもブロックチェーンベースであれば、言語対応だけすればすむので、平気で入ってきます。規制も、非関税障壁もありません。 大企業が従来のスピードで議論に議論を重ねていたら、その間に新しいスマートコントラクトをばらまかれて中抜きされてしまいます。気がついたときには、なぜか顧客がどんどん減り、手の打ちようがなくなってしまう、ということになります。顧客に泣きついても、「いや、サービスがよくてずっと安いからさあ」と言われて終わりです。 例えば、大手の人材紹介ビジネスは、顧客と人材の莫大なデータベースを構築し、それを参入障壁としてかなりの利益をあげていました。ところが、ブロックチェーン技術を持つベンチャーが顧客と人材をスマートコントラクトでマッチングし始めると、ユーザーインターフェースさえ使いやすければ、燎原の火のように一気に広まる可能性があります。 失うもののないベンチャーは、手数料を従来の1/2や1/3に下げることも全くいとわずやってきます。それでも、彼らにとっては非常に大きなビジネスだからです。こういう状況に対して、大企業でもベンチャー並の意思決定の速さで対応しなければなりません。 大企業病とよくいいますが、多くの中小企業も意思決定の遅さ自体は相当にひどく、同様に意思決定の速い企業の餌食となっていきます。   従来の組織のまま、ビジネスへのブロックチェーン活用を最速で進める ビジネスへのブロックチェーン活用を最速で進めるには、組織は既存組織のままでいいので、前回述べた「ブロックチェーン化推進リーダー」や「ブロックチェーン新事業開発支援チーム」を置き、一部だけ異次元のスピードで進めるほうがいい良いでしょう。組織全体に手を入れていたらあっという間に1,2年かかってしまうからです。 ほとんどの組織の問題は、構造にあるというよりは、以下のどれかです。 ①上長のフォローが不十分のため、責任を果たしていない部署がある ②協調すべき部門間でコミュニケーションが成立せず齟齬を来している ③人材評価がずさんでゆがんでいるため仕事のできない人が昇進している ですから、そういう問題は別途手当てをしていけばいいですし、それしかしょうがありません。 ということで、自社のスピードの遅さにはいったん目をつぶっても、ブロックチェーン活用のところだけは電光石火で進め、加速していきます。   社長に必要なリーダーシップ 当然ながら、そのように進めるには、社長自身のリーダーシップが不可欠です。本当は、大してむずかしいことではありません。数ページ以上の書類は見ないと宣言し、すべての会議も従来の半分の時間でストップすると宣言して実際そのようにし、自分の出ない会議も「会議生産性3倍増チーム」を派遣して実施させ、中間管理職や現場の意見を真剣に聞くようにすればいいだけです。 「本当は」と前置きをしたのは、本当に全然むずかしいことではないのに、思い切ってやろうとする、押し切ってやらせようとする社長が決して多くはないからです。多分、決めたくないのだろうと思います。リスクを取りたくないからだとよく言われますが、リスクなど全くありません。サボっているだけだろうと理解しています。不勉強で、危機意識があまりないのだろうと理解しています。   自社も中央集権型から分散自律型へ ブロックチェーンベースのサービスである程度のシェアを取り始めたら、自社の改革にも手をつける必要があります。従来の中央集権型から、より各部門の分散自律型に変えていくことで、競争力を一段と高めることができるからです。ただ、この点は言うのは簡単ですが、実際は結構大変で、相当の試行錯誤が必要です。 どこの記事にも書いてありますが、最大の問題とは、ブロックチェーンによって分散自律型を促進すると、分散自律させるためにそれぞれの部門長が大きく成長しなければならないことです。今まで上長の意向を聞いてその通りに実行していればよかったものが、自分の判断でむずかしい意思決定を進め、リスクを取って事業を進めていかなければなりません。 […]

ブロックチェーンは国家を超越するか – Bitnationとエストニアから見る未来国家

2017年4月24日 久保田 紘行 0

中央集権機関による管理を必要としないブロックチェーンには、実に様々な活用可能性があります。ビットコインにおいて通貨発行を担う中央銀行が存在しないのと同じように、政府という最も巨大な中央集権機関をも必要とせず自律分散的に動くのがブロックチェーンの最たる特徴です。 今回の記事では「ブロックチェーンと国家」というテーマで、自律分散的な国家を目指すビットネーション(Bitnation)というプロジェクトと、2000年代から急速に行政サービスの電子化が進んでいるエストニアの事例を合わせてご紹介します。   信頼性を担保する役割としての国家 さまざまな文書の記録やその内容の証明を行うときには、信頼性をどのように担保するかが問題となります。従来は第三者が仲介することで記録の信頼性を担保する必要がありました。しかしながら、改ざんが困難なブロックチェーン上に記録しそれらを参照することで、記録の存在や内容を証明すること(Proof of Existance、プルーフ・オブ・イグジスタンス)ができます。「ブロックチェーンに記録されている」という事実そのものが、信頼性の根拠となりうるのです。 ではこれによって具体的には何が実現できるのでしょうか。第三者が仲介することで信頼性を担保していたものは実に多くありますが、その最たるものに行政による公的認証サービスがあります。例えば、土地の登記や戸籍謄本など、国民や国家に関する実に多くの情報が行政サービスを通じて集中的に管理されています。この膨大個人情報の管理には大きなコストがかかっています。これをブロックチェーンによって効率化することを目指すプロジェクトが存在します。「Bitnation」というプロジェクトです。   Bitnation(ビットネーション)とは? – 公証サービスの自動化 ビットネーション(Bitnation)は、イーサリアムを利用し国家の手を介すことなく様々な認証を自動的に行うプラットフォームを提供するプロジェクトです。いわゆる公的認証サービスとして従来国家が担ってきたものをスマートコントラクトを活用し自動化することで、管理にかかるコストや手間を大幅に削減できます。具体的には土地登記、婚姻届、出生届、死亡届、パスポートなどのID、戸籍登録、財産権の記録などがあります。 Bitnationはインターネットの普及や、輸送にかかる時間短縮やコスト低下などに伴うグローバリゼーションが進行する一方で、国家や国籍が領土と密接に結びついていることを地理的制約であるとして問題視しています。Bitnationは従来政府が担ってきた認証サービスを代替することで、最終的にブロックチェーン上に地理的な制約にとらわれることのない自律分散的な国家を構築することを目指しています。 BitnationによるID発行と行政サービス提供は既に実現しており、国民として登録されていない難民をブロックチェーン上に登録するなどの取り組みも行われています。またネットワーク上に構築された共同体として、投票機能や、スマートコントラクトを利用した民事契約の体系など、共同体のガバナンスに必要な諸機能を整備する計画も明らかになっています。近代国家に代わる存在として、居住地や国籍にとらわれず世界中の人々が多様な選択肢の中から自ら共同体を形成したり選択できるようになる世界もありうるかもしれません。 このようにBitnationの掲げるビジョンは、国家の役割を代替しうるものであり、ある意味では国家という存在に真っ向から対立するようにも思えます。しかし一方で、エストニアがBitnationとの提携を進めています。詳しく見ていきましょう。   なぜエストニアなのか? – 電子立国「e-エストニア」 エストニアは北欧にある、総人口130万人程度(沖縄県と同程度)の小国です。1991年のソ連崩壊に伴って独立を果たしたのち、様々なIT技術を活用して電子立国の取り組みを進めています。エストニアの取り組みは「e-エストニア(e-Estonia)」と呼ばれ、教育、司法、警察、閣議など行政の電子化に加え、2002年に導入されたデジタルIDカードが「e-エストニア」の大きな柱となっています。 エストニアでは一人一人に割り振られた国民IDに従って、様々な個人情報が自動的に紐づけられて管理されています。エストニア国民はデジタルIDカードを用いることで自らの個人情報にアクセスし、様々なサービスを受けることができます。例えば、納税から土地登記、教育、医療、選挙、法人登記、電子署名、公共交通機関の運賃支払いに至るまで、実に幅広いサービスをオンラインかつペーパーレスで実施することができるのです。 これにより国民・政府の双方において手間やコストが大幅に削減され利便性の向上が実現されていますが、個人情報を電子化し政府が一括管理することにはプライバシーの問題が懸念されます。これに対しエストニアでは個人情報保護法に基づき、国民が自らの個人情報へのアクセスログを確認し、またデータ保護庁にアクセス理由を問い合わせることができるようになっています。このように「自分の情報を自分自身でコントロールできる」という仕組みを構築することで個々人のプライバシーにも配慮されています。 現在、エストニアにおける多くの電子サービスはX-Roadというクラウドサービス上に構築されています。しかしクラウドサービスでの個人情報の管理にかかるセキュリティコストや、アクセスログの確認など個人情報の自己コントロールなどの観点から、記録の改ざんが困難なブロックチェーンの活用は非常に適していると言えるでしょう。   […]

InChainから考える、取引所への仮想通貨(暗号通貨)の預金リスク

2017年4月20日 BBC編集部 0

 Inchain(インチェイン)は、サイバー攻撃やハッキングによる暗号資産損失のリスクを軽減することを目的とする初の”分散型”保険プラットフォームです。取引所に暗号通貨を預け、資産管理を委託する際の”損失リスク”を分散させるための保険とも言えます。暗号通貨資産の管理委託とは何か、損失リスクとは何かということを見ていきながら、暗号通貨と法定通貨の2つを比較していきましょう。 ※InChainは公式サイトが2017年4月現在閉鎖されており、資金調達の失敗に伴ってプロジェクト自体が終了しています。   暗号通貨管理の委託によりリスクが生じる構図  そもそも暗号通貨は何の目的で預けられるのでしょうか。本来は取引所で両替した暗号通貨は各個人のアドレスに送金し、秘密鍵を自己責任で管理するべきだとされていますが、個人での管理には盗難や紛失などリスクが伴います。そこで取引所や中央管理型のウォレットサービスは、自己管理のリスクを避けたいユーザーに代わって秘密鍵を管理しています。  しかしこれには大きなリスク要因が潜んでいます。取引所では大勢のユーザーの暗号資産をサーバーで集中的に管理しているため、サイバー攻撃の対象となりやすいのです。これは必然的に生じてしまうリスクですが、ブロックチェーンの大きなメリットの一つである「分散化によるサイバー攻撃耐性」を殺してしまうも同然であり、本末転倒とも言えます。さらにこのことはウォレットサービスや取引所が秘密鍵を管理する際の大きなリスクとなっており、Mt.Gox事件や香港の取引所Bitfinexでのビットコイン消失事件などの原因ともなっています。InChainは主にこの種のリスクを軽減する目的で開発されたものです。   同じ構図が法定通貨においても存在  この構図は法定通貨で言えば、もともとタンスで管理していた現金を銀行に預金として預ける行為と同様です。銀行預金者はタンス預金により生まれる盗難・紛失リスクを避け、銀行に資産管理を委託しているのです。このように取引所の管理する暗号通貨資産は、法定通貨で言うところの銀行預金であると言えるでしょう。  そして銀行預金は同様の構図を持っている以上、同種の攻撃リスクを抱えています。銀行の金庫やサーバーには銀行預金が集中的に保管されているため、銀行強盗やサイバー攻撃の対象となりやすいのです。暗号通貨と異なる点は、たとえば銀行強盗の場合は特定の口座からのみ盗まれるということはなく、基本的には銀行がプールしている資金の中から補填されるということです。しかし、銀行がプールしている資金で賄えなくなった場合はどうなるのでしょうか。   取引所と銀行預金の相違点  現代の銀行では銀行預金として預かった資金の一部をそのまま融資として貸し出すことで金利収入を得る、「部分準備制」というシステムを採用しているところがほとんどです。そのため銀行は全ての預金額を資金として保持しているわけではなく、預金者全員の預金引き出しに対応することはできないのです。例えば、リーマンショックの際には先行きに対する不安感が広まり金融危機に陥ったことで銀行へ預金引き出し要求が殺到し、資金不足に陥って預金を支払うことが出来なくなった銀行が破たんする事態にまで至りました。   銀行預金リスクに対する補償  リーマンショックに象徴されるように「銀行は破綻しない」というのは幻想にすぎず、銀行が全ての預金額を資金として保持しているわけではない以上、最悪の場合には銀行預金が失われる可能性があるということが分かるでしょう。このようなリスクを抑えるために、銀行預金には「ペイオフ制度」と呼ばれる預金保険があります。各金融機関が預金保険に加入し保険金を積み立てることで、その金融機関が経営破綻し預金の払い戻しが出来なくなった場合に金融機関当たり1000万円までの預金額が補償される仕組みです。   bitFlyerと三井住友海上の取り組みについての見解  2016年11月には国内取引所大手のbitFlyerと三井住友海上が共同で保険を開発しました。取引所の事業者が加入対象となっており、有事の際には取引所の被害と個人資産の被害それぞれについて1000万円~10億円の補償がなされるとのことです。  (産経ニュース「三井住友海上が「ビットコイン」のトラブル向け保険 取引所と共同で開発」2016年11月24日)  取引所事業者が加入し保険料を支払う仕組みということですので、各金融機関が保険料を支払うペイオフ制度に近い形であると言えるでしょう。取引所で万が一損失が出ても補填される、ということにより暗号通貨取引への心理的ハードルを下げる可能性はありますが、第三者に暗号通貨資産を預けるという行為に対する抵抗感が薄れてしまうおそれもあります。一人一人が「暗号通貨資産の管理を第三者に委ねるべきではない」という認識を持っておくことが重要だと言えるでしょう。 ※InChainは公式サイトが2017年4月現在閉鎖されており、資金調達の失敗に伴ってプロジェクト自体が終了しています。

改正資金決済法のポイントと仮想通貨交換業者の注意点

2017年4月19日 池田宣大 0

本年4月1日、仮想通貨に関する改正を盛り込んだ資金決済に関する法律(「資金決済法」)の改正法が施行されました。 これにより、日本では、初めて仮想通貨が法律上に位置づけられることとなり、また、いわゆる取引所の運営者が仮想通貨交換業者として資金決済法の適用を受けることになります。 また、この改正資金決済法の施行を受けて、ビックカメラが、ビットコインによる決済サービスを4月7日より一部店舗で試験導入すると発表しました。ビックカメラの発表では、「今般の改正資金決済法の施行に伴い、ビットコインは安全性が向上し、今後国内での普及が進むことが考えられます。また、ビットコインが先行して普及している海外からの観光客の利用も見込んでおります。」とのコメントも出されており、今回の資金決済法の改正を契機として、ビットコインをはじめとする仮想通貨を利用したサービスの拡大が期待されます。   改正資金決済法の意味 このように、早速ビジネスの現場に影響を及ぼしつつある資金決済法の改正について、その意味を改めて整理してみます。 まず、今回の改正により、仮想通貨交換業者に対して登録制が導入されました。 その結果、仮想通貨を取り扱おうとする事業者の観点からは、仮想通貨の売買や他の仮想通貨との交換等を業として行うためには登録が必要であり、登録をしない限り、仮想通貨の売買等のサービスを提供できないことになりました。 仮想通貨を利用する一般の利用者の観点からは、仮想通貨の購入や売却をするためには、個人間で仮想通貨を交換するようなケースを除くと、基本的には、登録業者を通じてのみ行えることになりました。 また、資金決済法では、仮想通貨交換業者が取り扱うことになる仮想通貨の概念を定義しています(同法第2条第5項)。加えて、仮想通貨交換業者の登録に際して、取り扱う仮想通貨の名称を申請することとされています(同法第63条の3第1項第7号)。そのため、資金決済法上の仮想通貨の定義に該当するものであっても、仮想通貨交換業者が取り扱っていなければ、事実上、その仮想通貨は流通しないことになると考えられます。 このように、資金決済法の改正により、今後は、仮想通貨の売買等を取り扱う事業者や実際に取り扱われる仮想通貨が法律上限定されることになります。 同時に、今回の改正では、マネロン・テロ資金供与対策及び利用者の信頼確保のための法制度が整備され、仮想通貨交換業者には様々な規制が課されることになりました。そのため、仮想通貨交換業者やそのサービスの質が一定程度担保されることが見込まれ、結果として、仮想通貨を利用したビジネスの進展につながる可能性も高まったと考えられます。   法律上の仮想通貨の範囲 次に、資金決済法で定義された仮想通貨の範囲を説明します。資金決済法上、仮想通貨は以下のように定義され、(1)と(2)の2つの種類に分けられています。 (1) 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの (2) 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの (1)がいわゆるビットコインであり、(2)は(1)の要件を満たさないものの、ビットコインと交換可能な他の仮想通貨を意味しています。 上記(1)の内容は一見すると複雑な定義となっていますが、ポイントは以下の3点です。 不特定の者に対して代価の弁済として使用可能であり、かつ、不特定の者を相手方として仮想通貨自体の売買(=法定通貨と交換)が可能であること 電子的に記録・移転が可能であること 法定通貨及び通貨建資産でないこと このうち、①の「不特定の者」との関係という点が重要なポイントです。 具体的には、例えば、プリペイドカード等の前払式支払手段、企業が発行するポイントカード、ゲーム内で利用可能な通貨は、それらを使用できる店舗やゲーム等の範囲が、当該プリペイドカード等の発行者との契約により特定の範囲に限定されることになります。そのため、基本的には「不特定の者に対して代価の弁済として使用可能」という要件を満たさないと考えられ、仮想通貨には該当しないことになります。 また、仮想通貨の発行者が仮想通貨と法定通貨との交換を制限している場合や、仮想通貨と法定通貨との交換市場が存在しない場合は、「不特定の者を相手方として仮想通貨自体の売買(=法定通貨と交換)が可能である」という要件を満たさない可能性があり、その場合は、やはり仮想通貨には該当しないことになります。 […]

パブリックチェーンとプライベートチェーンの違いとは?

2017年4月18日 BBC編集部 0

   ブロックチェーンには大きく分けて「パブリックチェーン」と「プライベートチェーン」という二種類があります。この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。今回の記事では、それぞれのメリットやデメリットも含めて解説していきます。   ブロックチェーンにおける「取引承認」のプロセス  ブロックチェーンにおいては取引の「記録」と「承認」という二段階のプロセスが存在します。まずブロックチェーンに取引が記録されるプロセスでは、プルーフ・オブ・ワークなどを通じて選ばれたマイナーが取引記録の塊である「ブロック」を生成します。 (プルーフ・オブ・ワークについてはこちらの記事で詳しく解説しています。)  その後マイナーによって生成されたブロックは、他のノードが同期したり、他のマイナーが次のブロックを繋げることによって徐々に「承認」されていきます。この時ノードやマイナーはブロックに記録された取引記録の検証作業を行っており、不正なブロックであると判断された場合には承認しないこともあります。つまり、ブロックチェーンでは多くのノードやマイナーによる検証作業を経て取引が承認されるほど、その取引記録の正当性が高まっていきます。   最大の違い-誰が取引承認を担うのか?  ここでパブリックチェーンとプライベートチェーンの最大の違いは、誰が取引の承認を担うのかという点です。結論から言えば、パブリックチェーンにおいて取引の承認を担うのは不特定多数のノードやマイナーです。たとえば、パブリックチェーンに分類されるビットコインにおいてマイナーの生成したブロックを承認するのは、ビットコインブロックチェーンに参加している不特定多数のノードやマイナーであり、ノードおよびマイナーには誰でもなることができます。  パブリックチェーンでは不特定多数による承認作業が取引の正当性の根拠となるため、特定の個人の恣意による操作や改ざんが非常に困難です。これは分散化の大きな利点の一つです。  このようにブロックが生成されるたびに全てのノードによって取引記録の検証と正当性の担保が行われているという意味で、パブリックチェーンは真に「パブリック」かつ「自律分散的」であると言えます。    一方プライベートチェーンでは、取引記録の生成や承認を行うことができるのは一部のノードに限られています。このとき、記録生成や承認のための権限が一部のノードに限定的に集中してしまっている点で、分散化の利点が失われてしまいます。また記録生成や承認の権限を持つノードは予め管理主体によって指定されていることが多く、管理主体が存在している点でも「非中央集権化」という側面が弱くなっていると捉えられるでしょう。このように特定の管理主体によって権限を持つノードが指定されているブロックチェーンを「許可型ブロックチェーン(パーミッション型)」と分類する場合もあります。  多くの暗号通貨はパブリックチェーン上に構築されていますが、たとえばリップル(Ripple)などは取引承認をユニーク・ノード・リスト(UNL)に限定しているため、プライベートチェーンに分類されることが多いと言えます。   プライベートチェーンの強みとは?-迅速な取引承認  プライベートチェーンにおいて、取引承認を一部のノードに限定する大きな利点は、迅速かつ効率的な取引の承認が実現できる点です。たとえば、ビットコインではプルーフ・オブ・ワークというプロセスを踏み、悪意のあるマイナーによる記録を防いでいますが、それには時間と膨大な計算を行うマシンパワーおよび電力消費が必要となります。一方、プライベートチェーンにおいては管理主体によってあらかじめ指定された信頼性が高くかつ少数のノード内部で取引の承認が完結するため、迅速かつ効率的な取引承認が可能になります。そのほかにもマイニング報酬など、正しい情報を記録するためのインセンティブが不要であるなどの利点があります。   プライベートチェーンの活用可能性-管理のしやすさ  プライベートチェーンの強みはそれだけではありません。パブリックチェーンが完全に自律分散的であるのに対し、ノードを指定することができるプライベートチェーンは裏を返せば管理がしやすいと捉えることができます。このためノードを信頼性の高い者のみに限定するだけでなく、たとえばブロックチェーンに記録された情報の公開範囲を指定できるなどの利点があります。  このようにプライベートチェーンでは中央による管理を損なうことなく、ブロックチェーンのメリットを取り入れることが可能なため、既存の金融機関などの中央集権機関による採用に適しています。具体的には既存のシステムを効率化するために活用されることが多く、実際に先ほど例に挙げたリップルは既存の銀行内システムや銀行間決済の効率化に活用される動きが進んでいます。  しかし、単一組織内でのプライベートチェーン採用においては、中央管理者によるデータ改ざんの可能性などが拭い去れず、従来型の分散型データベースと同じなのではないかといった議論も起きています。  一方で、国際送金や銀行間決済におけるリップル採用の例においては、単一の中央管理者というよりは複数の信頼の高いノード間で自律的に取引が記録・承認されるため、効率化に貢献する側面は大きく、分散化のメリットもある程度保っていると言えます。このように中央管理者が単一ではなく複数の主体からなるものは「コンソーシアム型ブロックチェーン」と分類されることもあります。   […]

カラードコインとは?

2017年4月17日 BBC編集部 0

   分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からカラードコイン(Colored Coin)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 カラードコインとは?-様々な資産をブロックチェーン上で取引可能に  ビットコインが2008年に登場してから、ブロックチェーンを電子通貨であるビットコイン以外に応用する「ビットコイン2.0」や「ブロックチェーン2.0」と呼ばれる領域が活発化してきました。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上の取引データに、付加情報を記録することで、機能の拡張を目指し開発されました。具体的にはカラードコインを用いることでデジタルから現物まであらゆるアセット(資産)を取引することができます。詳しく見ていきましょう。   カラードコインの特徴:「レイヤー」を用い様々な資産取引が可能に  本来ビットコインそのものは暗号通貨の移転としての機能がメインであり、それ以外の用途について拡張性に欠ける部分がありました。しかし、ビットコインブロックチェーン上にビットコインの取引記録に加え新たに付加情報を記録することで機能を拡張する「レイヤー(層)」という概念が登場しました。カラードコインでは、この「レイヤー」を活用し、ビットコインブロックチェーンを用いながらにしてビットコイン以外の取引データ記録を実現したのです。  他の資産と結びつけられたブロックチェーン上のデータは「スマートプロパティ」と呼ばれており、株式などの金融資産や、モノの所有権などを記録することができます。ほかにも独自通貨(トークン)が発行できる機能を実装しているプロジェクトも存在します。実際にアメリカ証券取引所のNASDAQの非上場株式取引や、アメリカ小売大手のOverstockが公開した自社株取引プラットフォーム「TØ」などで、すでに採用が進められており、ビットコインだけでない様々な価値記録を実現したカラードコインの活用可能性は実に幅広いものとなりました。   カラードコイン発行の仕組み-価値を保証するのは誰か?  カラードコインの発行の仕組みは、オープンアセット・プロトコル(Open Assets Protocol)というシステムが代表的です。これによってユーザーは独自通貨(トークン)を発行することができます。たとえば太郎君が「太郎トークン」という名前のトークンを100枚発行することができるのです。   カラードコインの普及と今後の可能性-ビットコインブロックチェーン  カラードコインは、ビットコインブロックチェーンを拡張する形で取引されているため、その拡張性にはビットコイン自体の制約を受けるため限界があります。、その一方で、ビットコインブロックチェーンを用いているメリットもあります。  ビットコインブロックチェーンではマイナーの数が非常に多く、そのため外部からの攻撃に対する耐久性が強く改ざんが困難です。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上に記録されていることで、セキュリティ面での恩恵を受けています。またカラードコインはビットコインの秘密鍵・公開鍵を用いて取引できるため、利便性の面でも大きなメリットがあります。ビットコインブロックチェーンというひとつのプラットフォーム上で、通貨のみならず様々な資産の取引が可能となります。  ビットコインが発展するに従い、カラードコインもより注目を浴びていくかもしれません。今後の発展にも注目していきたいところです。

ロシアは2018年まで、ビットコインを法規制に組み込むために、すべての取引を監視すると発表

2017年4月13日 BBC編集部 0

Alexey Moiseev副大臣は、同国の中央銀行による声明に沿って説明をブルームバーグのインタビューで行いました。 そこでロシアは、すべての取引監視を条件として、2018年にビットコインを法規制に組み込む計画があると発表しました。 今後の暗号通貨での違法行為については、完全に法的措置を取ると述べました。 https://cointelegraph.com/news/russia-to-recognize-bitcoin-in-2018-monitor-all-transactions

サイバーセキュリティ企業Thalesとブロックチェーン企業が協力して、セキュリティ強化のアルゴリズム開発

2017年4月13日 BBC編集部 0

サイバーセキュリティとデータセキュリティプロバイダーであるThalesは、Nasdaq、Citi、Visaとも協力しているブロックチェーン企業Chainと「nShieldハードウェアセキュリティモジュール(HSM)」の開発について提携を行いました。 ブロックチェーンのセキュリティを高めるために、ブロックチェーンで行われるトランザクションに対して、ワンタイムキーの必要性を訴えました。 そこで「nShield HSM」を使用して、重要なキーを生成して保護するChain Key Derivationアルゴリズムを開発しました。 http://www.ibtimes.co.uk/chain-integrates-blockchain-technology-thales-hardware-security-modules-1614430