Rootstockとは?-サイドチェーンによりビットコインの機能を拡張

2017年5月31日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からRootstock(ルートストック)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Rootstockとは?-ビットコインブロックチェーンを用いながら様々な機能拡張を実現 Rootstockとはビットコインブロックチェーンの「サイドチェーン」の一つです。サイドチェーンとは、ビットコインブロックチェーンとは独立したブロックチェーンを用いることでビットコインブロックチェーンそのものの機能拡張を行うものです。イメージで言えばビットコインが大きな一つの木で、Rootstockはその木から生えた葉っぱに例えることができます。まさにRootstockのロゴがそれを表しています。 ビットコインは現在、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」という二つの大きな問題を抱えています。ビットコインはブロックに1MBまでしか記録することができないため、近年の取引量急増によって取引の遅延や手数料の高騰が生じています。またビットコインはシステムの関係上、送金完了までに約10分かかるため、これまで大きな課題として毎度挙げられ続けていました。Rootstockを用いることで、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」というビットコインの課題を解決することができるのです。 ビットコインのスケーラビリティ問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited」 Rootstockのもう一つの大きな特徴は、ビットコインブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行することができる点です。スマートコントラクトとは「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行される」ことで、ブロックチェーン上で任意のプログラムを実行できる機能を指します。 スマートコントラクトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」   Rootstockのサイドチェーンはどのように機能するのか? Rootstockの特徴①「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」 Rootstockは「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」という機能を備えています。双方向ペグとはビットコインブロックチェーンからサイドチェーンへの資産の移転を実行することです。正確には二つのブロックチェーンの間に一時的なトークン(RSKトークン)を生成し、承認を得ることでそのトークンが再びビットコインブロックチェーンに戻されます。 このとき交換レートを固定されており、ある量のビットコインの価値とある量のトークンの価値が等価となるように交換が実行されます。たとえば、1BTC=1RSKといった具合です。このようなプロセスを経て、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーンとの間の資産価値の整合性を保っているのです。 Rootstockの特徴②「マージマイニング」 もうひとつの特徴として、二つのブロックチェーン上の価値を等価とするためにマージマイニングを行います。マージマイニングとは、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーン(Rootstock)の双方に対して同時にマイニング作業を行うことです。 またRootstockでは「GHOST」や「DECOR+」または「Fast Block protocol」といったトランザクション処理システムを用いることで、より大きなスケーラビリティと処理スピードの向上を実現しています。具体的には、一秒間に約100回ものトランザクション処理が可能になり(イーサリアムの五倍)、送金処理などが秒単位で実行できるようになります。   […]

Global KeyPlayer Interview vol.4 All Coin News兼Chain Finance Matthew氏

2017年5月30日 BBC編集部 0

当連載では、海外の暗号通貨およびブロックチェーンに関わるキープレイヤーにインタビューを行います。キープレイヤーの方々が関わる事業についてはもちろんのこと、業界の展望などについて話を伺っていきます。 第4回目となる今回は、All Coin News兼Chain FinanceのMatthew氏に話を伺いました。   ご自身のことと、携われている事業について伺えますか? マシュー・ワーナーと言います。ジャーナリストとして働き、基本は暗号通貨通貨とブロックチェーンにフォーカスしています。現在、All Coins  Newsというオンラインパブリケーションとブロックチェーンテクノロジーに関するプレゼンやイベントを行っているオンラインパブリケーションのChain Financeの2社に勤めています。   ブロックチェーンについての意見を教えてください。 ブロックチェーンというものは、システムにどうやって実装するかわかれば、何にでも応用できると思います。トラストレス、不変性、透明性などの特徴です。ジャーナリストとして、ゲーミングやギャンブルなど様々な業界から多くの会社が既にブロックチェーンを使っています。本日出展している会社もそうです。Auger、First Bloods、Quanta、等の会社はオンラインゲーミングやオンライン宝くじにブロックチェーンテクノロジーを導入しています。例えば、ブロックチェーン技術のもつ公平性という特徴を利用すれば、業界全体に大変革をもたらすと思います。ユースケースが生まれれば、現在のインターネットのように遍在的存在になると思います。   これまでの経験の中で、変革は既に起こっていると思いますか? 絶対に起こっています。特に暗号通貨の業界には様々な会社が立ち上がっています。ビットコインと他の暗号通貨を利用して、オンラインギャンブルができるようになりました。大規模な変更まではやはり時間かかりますが、色々な会社が現在ブロックチェーンテクノロジーを検討したり試したりし始めました。時が経つにつれて、幅広くなってくると思います。   特に注目しているブロックチェーンのプロジェクトなどはありますか? ジャーナリストですから一つだけの会社に集中できませんが、最近気になっている会社がいくつかあります。例えば、First BloodやQuantaやSatoshi Diceを詳しく調べたりするつもりです。   アジアや日本のブロックチェーン市場についてどう思いますか? […]

リップル社が自身の保有するXRPの約9割の凍結を発表

2017年5月30日 BBC編集部 0

  2017年5月16日、リップル社(Ripple Labs, Inc.)は現在保有するXRPの約90%にあたる550億XRPを一定期間の間にロックアップすることを発表しました。本記事ではその概要について紹介したいと思います。 リップルネットワークの基軸通貨であるXRPの総発行量は1000億XRPとなっています。しかし、現在その約3分の2は運営主体であるリップル社が保持しています。そのため、リップル社が一度に大量のXRPを売却する可能性が懸念されていました。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」   XRPロックアップ(凍結)の概要 リップル社が今回発表したのは、リップル社が保有する630億XRPのうち、約88%にあたる550億XRPを2017年までに凍結(ロックアップ)するということです。これには Suspended Payments(SusPay)と呼ばれる機能が用いられ、XRPはスマートコントラクトを通じてブロックチェーン上に仮想的に生成されたエスクロー(取引仲介者)へと隔離されます。 2017年末または2018年以降、毎月1日に、各コントラクトにより10億XRP分がロックアップの期限切れとなると、リップル社がその分を自由に売却・分配できるようになります。つまり、55カ月後までの間に10億以上の大量のXRPが一度に売却される可能性がなくなったということです。もし、1カ月に10億XRPを分配しきれなかった場合は、その分がエスクロー機能によって再びロックアップされ、55カ月後以降に分配されることになるそうです。 リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏が明らかにしたところによれば、過去18カ月の間、1カ月に3億XRPを市場に分配していたそうです。XRPを市場に売却(分配)することでオープンソースコードを監督するエンジニアに支払う資本を調達していたとのことです。 実行までの具体的なスケジュールは明らかにされていませんが、ガーリングハウス氏はこのロックアップのプロセスが今年末までに完了するとみています。   XRPロックアップの影響は? XRPが市場に突然溢れると、XRP価格が暴落する恐れがあります。リップル社がXRPの大半を売却せずに保持しており、それらを一度に売却して市場をコントロールされる可能性があったため、市場からのXRPに対する評価は高いとは言えませんでした。しかし、今回のロックアップによって供給量に制限を加えたことで、そのリスクを軽減する狙いがあると言えます。 またガーリングハウス氏は、XRPが安定した暗号通貨であるという認識を広めることで、それを利用する企業や個人が増える可能性があると考えているようです。暗号通貨が市場に安定的に参入することによって、多くの銀行がその価格に悪影響を及ぼすことなく取引を行うことができます。   ますます影響力を強めるリップル リップル社はP2P(個人間)の仕組みに基づいて、分散型の金融取引を実現するための決済プロトコルを提供し、現在は国ごとに異なっている決済プロトコルをグローバルで統合し、あらゆる「価値」を世界中どこへでも動かせるようにすることを目標としています。 このため、国際送金をより簡単にしたいと望む銀行等がリップルとの提携をはじめているほか、世界中の企業とのネットワークを構築しはじめています。2016年にはみずほFGがリップルを活用した国際送金の実証実験プロジェクトを行い、そのネットワークに参加しています。また、2017年に入ってからは、三菱東京UFJ銀行がリップルを活用し、次世代型の国際送金サービスを2018年から始めることを発表しました。バンクオブアメリカ・メリルリンチなど米欧豪の大手6行とも連携し、手数料の引き下げと即時決済を実現していく方針です。 XRPの価格は上記の発表を境に上昇し、時価総額もイーサリアムを抜いてビットコインに次ぐ規模にまで成長しました。   […]

マイクロソフト、uPortなどが提携し分散型ID実用化へ向け前進

2017年5月29日 BBC編集部 0

  5月22日に行われたConsensus2017において、マイクロソフト、uPort、Gem、Evernym、Blockstack、Tierionは共同で分散型IDファウンデーション(Decentralized Identity Foudation、DIF)の設立を発表しました。DIFは、個人や法人が身元を確認するために必要な本人確認書類(ID)をブロックチェーン上に分散的に保持する上での標準化を図るべく、複数企業によって構成されています。今回の記事では分散型IDとは何か、またそれによって得られるメリットについて説明していきます。   分散型IDを用いた本人確認プロセスを実現へ 個人が本人確認を行うためには、従来は中央管理機関によって取得された個人情報をもとに発行された証明書を提示して証明する必要がありました。このプロセスでは、信頼のおける第三者(中央管理機関)がその本人確認情報の信頼性を担保していたと言えます。しかしその反面、各個人は自分自身の情報に自由にアクセスすることができなかったり、あるいは行政や警察機関によって無断でアクセスされる可能性があるなど、情報を完全に自分で管理しているとは言えませんでした。 この本人情報をブロックチェーン上で管理するのが分散型IDです。たとえば、DIFの参加企業の一つである「uPort(ユーポート)」は、以前よりイーサリアムを活用した分散型ID管理システムの構築を行っていました。これらのシステムでは集中型サーバーではなくブロックチェーン上に本人確認情報を記録しているため、サーバーがダウンすることはなく、本人確認情報へのハッキングや改ざんを防ぐことが可能です。 uPortについてはこちらの記事でも触れていますので、ぜひご覧ください。 →「イーサリアム・ビギナーズガイド-ビットコインとの違いとその活用可能性」   分散型IDファウンデーション(DIF)の狙いとは? DIFの取り組みでは、分散型IDを標準化することで複数業界に渡って本人確認として利用できるIDを構築することを目的としています。マイクロソフトの分散型ID担当者であるダニエル・ブフナー氏によれば、DIFでは人や組織、デバイスのすべてにIDを組み込むことを目指しているようです。ブロックチェーン上の分散型IDを企業間で共有することで、商業的なメリットだけでなく、人々にとっても非常に利便性が高まると述べています。 さらに、生体認証を用いる新たな分散型IDも現在開発中です。これは、身分証明の手段を持っていない難民や発展途上国の人々が本人確認を行うことを目的としています。彼らが身分証明を行うことができれば、より容易に公共サービスおよび金融サービスにアクセスすることができるようになるでしょう。 このように、分散型IDを用いることで人々の生活の利便性がさらに高まる可能性は十分にあると言えます。大手マイクロソフトが参画したことで、その実現に向けた取り組みの前進が期待されます。   ※画像は@iotatokenのツイート(https://twitter.com/iotatoken/status/866727260035985410)より

Global KeyPlayer Interview vol.3 GamCloud CEO Chris氏

2017年5月29日 BBC編集部 0

当連載では、海外の暗号通貨およびブロックチェーンに関わるキープレイヤーにインタビューを行います。キープレイヤーの方々が関わる事業についてはもちろんのこと、業界の展望などについて話を伺っていきます。 第3回目となる今回は、GamCloud CEO Chris氏に話を伺いました。   ご自身のことと、携われている事業について伺えますか? クリス・ノースと申します。GamCloudのファウンダーでありCEOを務めています。GamCloudはギャンブル業界のイノベーションの源となるものです。これまでオペレーター業界にいて、かつてはロンドンにあるカジノのポーカールームを所有していました。これをマレーシアのゲンティンのカジノ業者に2012年に売却した後、次に何をしようかと考えていたときに、カジノ業界に押し寄せている新しいテクノロジーに興味を持ったのです。   ゲーミング業界へのブロックチェーン技術の関係性について教えてください。 現状ではゲーミング業界は、まだブロックチェーン技術に対して準備ができているとは言えません。ビットコインにまつわるスキャンダルのせいで悪い評判もあり、その価値観をまだ乗り越えられていません。GamCloudなどがこれからイニシアチブをとって、暗号通貨だけではないブロックチェーンの利便性を市場に対して教育をしていくことで、人々にも理解されるようになっていくと思います。またFirstBloodやQuantaのようなスタートアップがこの技術を使い新しいプロダクト生み出していくことで、業界全体も重い腰を上げていくと思います。いくつかの既存業者は、この変化に素早く対応することができず淘汰されていき、新規事業参入者がそのギャップを埋めることになると思います。   特に注目しているブロックチェーンのプロジェクトなどはありますか? 個人的にはトラストレスの分野に取り組んでいるプロジェクトに興味があります。ギャンブル業界にいると、頻繁に本当に仕組みはフェアなのかという質問を受けます。たとえレギュレーターが入っていても、テストが行われていても、最終消費者にはそれが本当にフェアなのかはわからないのです。よく、プログラムの下の方に「我々のRNGはテストされたものです」という記載がありますが、ブロックチェーンの技術を使えば、この問題を解決することができます。このことは長期的にギャンブル業界に必ずインパクトを与えることになるので、特にこの分野に注力していますが、他にもブロックチェーンにおけるKYC、AML、社会貢献やRegTechなどの分野も素晴らしい取り組みだと思います。まだ市場として早期段階なので、特定の会社やプロジェクトというよりは、これらの一連の動きに注目しています。   アジアや日本のブロックチェーン市場についてどう思いますか? あまり多くを知っているわけではないですが、ベトナムなどでもブロックチェーンシーンが盛り上がっているということは素晴らしいことです。日本においてもUKと同じように、戦略が多く練られており、それをもっと労働力の安くかつ優秀なエンジニアがいるような国で実現していくというようなエコシステムが出来上がっていると思います。   ご自身の2017年の動きについて教えてください GamCloudでは引き続きギャンブル業界のテクノロジーを牽引しつつ、業界においてブロックチェーン、AI、IoT、シェアリングエコノミーなどの新規テクノロジーに関する教育をしていきます。ギャンブル業界において、どのような可能性があるのかを示す必要があります。この業界はまだまだ若く、起業家精神にあふれているので、新しい技術に取り残されないように発展していってほしいと思っています。 (そのためのクラスも始めるんですよね?) はい、それを実現するために、「デジタルフォーメーションクラス」という講座を開設して、人々にテクノロジーについてや、ビジネス化するためのロードマップ策定の方法なども教育していきます。ギャンブル業界はジャンボジェットのようなレガシーシステム上で動いているので、新しいテクノロジーをどのように使っていくかの指針を与えられればと思っています。 また、私たちは「London Tech Week」の一環として、6月12日~19日に初となる「Gambling Technology […]

Global KeyPlayer Interview vol.2 FirstBlood 共同創業者 Marco氏

2017年5月28日 BBC編集部 0

当連載では、海外の暗号通貨およびブロックチェーンに関わるキープレイヤーにインタビューを行います。キープレイヤーの方々が関わる事業についてはもちろんのこと、業界の展望などについて話を伺っていきます。 第2回目となる今回は、FirstBlood 共同創業者のMarco氏に話を伺いました。   ご自身のことと、携われている事業について伺えますか? FirstBloodの共同創業者であり、ビジネスデベロップメントのヘッドをしているマルコ・クエスタです。初めはフィンテックの分野でAlt-Optionsという会社を立ち上げ、初の電子通貨でのリテールトレーダーのためのトレーディングプラットフォームを提供していた際にブロックチェーン技術に出会いました。この技術はEスポーツに応用し、パワーゲーマーに受け入れられると考え、現在取り組んでいます。   ゲーミング業界へのブロックチェーン技術の関係性について教えてください。 はい、我々の会社がどのようなことをしているのかお話ししますね。FirstBloodは、ブロックチェーンベースのEスポーツ競技のプラットフォームであり、参加者が互いに競争し対価を得るものです。なぜブロックチェーンでのEスポーツが革新的であるかというのは、全てが透明性に基づいているからです。自分自身に賭けた場合、その金額やいつ起きたかをリアルタイムに公開するので、それに対して友達に自慢する人から、不正が起きないよう管理するレギュレーターまで全員にすぐにわかります。そのため、ゲームに関わる人々すべてにとって、より民主的で、早くて、効率的なプラットフォームを実現できます。   特に注目しているブロックチェーンのプロジェクトなどはありますか? Eスポーツのアプリケーションや支払いに関連する部分は、ブロックチェーンがまず価値を与えられるところだと思います。その後は、分散化したネットワークであるというブロックチェーンの特徴からも、より透明性の高い情報の共有という部分でその性質をもっと生かすことができれば、KYCやAMLなどの個人情報管理をより強固にして、ある特定のプラットフォームに参加しているのは、この特定人物だということをレギュレーターも含めて知ることができます。この仕組みは未成年者の参加の阻止など、個人・プラットフォーム運営者・レギュレーターにとっての悩みの種をなくすことにつながります。 (何か注目している特定のプロジェクトはありますか?) Golem(ゴーレム)という分散化したスーパーコンピューターのプロジェクトはとてもクールだと思います。みんながそれぞれのコンピューティングパワーを持ち寄って計算問題を解決する取り組みはとても興味深いです。あとはToken Card(トークンカード)というプロジェクトも興味深いです。この会社は、イーサリアム上の価値に基づいたデビットカードを作りました。それ自体はビットコインや他のイーサリアムプロジェクトでもあったのですが、トークンカードは、イーサリアム上にあるどのトークンも使えて、それがVISAカードの決済として使えるというのは非常に素晴らしいと思います。今後さまざまなサービスが融合して、ユーザーが非常に簡単に使えるようになることが、分散化世界が現実世界に価値をもたらすことにつながると思います。 イーサリアム上のソーシャルネットワークを提供するAkasha(アカシャ)というプロジェクトも興味深いです。これは、真に分散化されたネットワークであり、Facebookのような大きな中央組織に管理されるものではないので、個人情報が中央組織によって意図と反する形で使われたり売買されることのない民主的で透明性の高い仕組みとなります。   アジアや日本のブロックチェーン市場についてどう思いますか? もちろん、国によって違うと思います。日本は規制に関してより進んでいてでビットコインを通貨として認めようとしているので、リテーラーとしては商機があると思いますし、トークンを使ったオンラインのゲーミングは大きな市場だと思います。まだ日本に行ったことはないですが、これら2つのカテゴリは日本において最も可能性があると思います。   ご自身の2017年の動きについて教えてください。 現在、全精力をFirstBloodの成功のためにかけています。今は10人の小さなチームですが、マーケティング部隊やコンテンツデベロッパーなどを含めて今後拡大していく予定です。 現在アルファ版を終了するところで、100人規模の人に参加してもらいました。2017年6月ごろにはベータ版を公開する予定で、数千人が参加に興味を示してくれています。現在はイーサリアムのテストネット上にありますが、ベータ版では本番のブロックチェーンに乗せることになります。スタートアップでは珍しいことだと思いますが、当初の計画通りにプロダクトを発表し、人々にテストしてもらえることを誇りに思っています。

JPモルガンがZcash(ジーキャッシュ)のセキュリティ技術を採用

2017年5月26日 BBC編集部 0

2017年5月21日から24日にかけてZcash(ジーキャッシュ)の価格が高騰し大きな話題となりました。2016年10月28日にローンチされてから徐々に価格が落ち最近では100$を彷徨っていたZcashですが、5月21日夜から価格が急上昇し遂に約300ドル近くまで到達しました。ローンチ時の価格高騰と大幅下落以来あまり目立った動きのなかったZcashですが、この価格の上昇には、JPモルガンがZcashで用いられているセキュリティ技術を採用したことが要因として考えられます。詳しく見ていきましょう。   Zcash独自の暗号化技術「ゼロナレッジセキュリティ」を採用 暗号通貨Zcashの開発企業であるZcash Electric Coin Company(ZECC)は、世界最大の銀行JPモルガンと自身の持つエンタープライズ向けセキュリティ「Quorum」にZcashのゼロナレッジセキュリティーレイヤーを導入するためにパートナーシップを結んだと、2017年5月22日に行われたConsensus2017で発表しました。 JPモルガンが開発した「Quorum」はスマートコントラクト機能を持つイーサリアムベースのエンタープライズ向けのブロックチェーンです。ここにZcashの「ゼロナレッジセキュリティ」と呼ばれる暗号化技術を導入し、Quorumのセキュリティを強化するとのことです。 ZECC代表でZcashの開発者であるZooko Wilicox氏は「Quorumを通じ世界最大規模の金融機関であるJPモルガンはブロックチェーンの活用可能性をリードしており、我々Zcashはブロックチェーン上の資産を暗号化しセキュリティを高める技術において提携することで新たな可能性を実現できるだろう。」と述べています。 Zcashについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ジーキャッシュとは?-第二のビットコインとも言われる匿名性暗号通貨」   Zcashとイーサリアムの関係性 Zcashがローンチされる前から、Zokko Wilcox氏はイーサリアム(Ethereum)との繋がりの可能性を述べていたものの、当時は具体的な計画はありませんでした。しかし今回、JPモルガンの「Quorum」に技術提供を行ったことで、イーサリアムとの連携が実現したことになります。今後、様々なビジネス分野での活用を目指すZcashにとって、イーサリアムベースのJPモルガンのQuorumとの提携は、Zcashに大きな発展をもたらすことになるのではないでしょうか。今後の動きにも注目です。   (画像はETH News “J.P. Morgan’s Quorum To Integrate Zcash”より)

BBCミートアップ第4回イベントレポート

2017年5月25日 BBC編集部 0

  今回は、5月24日に行われましたブロックチェーンビジネス研究会(BBC)ミートアップ第4回「ブロックチェーンの活用について既存業界の課題から読み解く〜ブロックチェーンx IoT、不動産、著作権〜」の様子をご紹介致します。早いものでキックオフイベントも含めると5回目の開催でしたが、今回も60名を超える方々にお越しいただきました。   今回のイベントではブロックチェーンの既存業界への活用について、IoT、不動産、著作権の分野について具体的なお話を頂きました。   まずは著作権とブロックチェーンという観点から、アルタアップス株式会社の森川夢佑斗様からお話を頂きました。ブロックチェーンに関する基本的な知識を前提に、今の著作権管理の在り方をブロックチェーンで効率化するメリットについて、詳しくご解説いただきました。 続きまして、ブレークスルーパートナーズ株式会社の赤羽雄二様からお話を頂きました。IoT(Internet of Things)にブロックチェーンを組み合わせるメリットについて、個別の事例を中心にご解説いただきました。昨今話題になっているトヨタの自動運転車開発にブロックチェーンを活用する話題にも触れていただき、参加者の方も大変刺激を受けたのではないかと思います。 最後に、ニッセイ基礎研究所の佐久間誠様からお話を頂きました。普段馴染みのない不動産業界の業態について一から詳しくご説明をいただいたうえで、その構造の中でどのようにしてブロックチェーンを活用できるのかについてとても具体的かつ丁寧に解説していただきました。さらには既存の不動産仲介業者が将来的にはどのような役割を担っていくのかについても述べていただき、大変興味深い内容でした。 講演終了後、毎回恒例となりました懇親会の場を今回も1時間ほど設けました。登壇者の方々にもご参加いただき、講演中に聞けなかった質問等にもお答えいただいたほか、参加者の方同士での情報交換も盛んに行われておりました。   今回残念ながらご参加が叶わなかった方も、ぜひ次回の6月26日(月)のミートアップにはご参加ください! 第5回のテーマは、「ブロックチェーンの活用について既存業界の課題から読み解く〜ブロックチェーンx AI、エネルギー、リーガル〜」となっております。  参加申し込みはこちらから→http://peatix.com/event/268937/   それでは皆さん、6月のミートアップでまたお会いしましょう。

トヨタがtoB利用に特化したエンタープライズ版イーサリアムに参画

2017年5月25日 BBC編集部 0

2017年5月22日、自動車メーカーのトヨタが企業におけるブロックチェーン技術の標準化を目指す企業連合「エンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(Enterprise Ethereum Alliance)」に加盟し、ブロックチェーン技術を自動運転車の開発などに応用する姿勢を明らかにしました。このニュースはトヨタがブロックチェーンの活用に向け動き出したことで、日本のメディアでも大きく取り上げられました。詳しく解説していきましょう。   エンタープライズ版イーサリアムとは?-企業利用に特化 エンタープライズ版イーサリアムは、企業での活用に合わせた形でイーサリアムプラットフォームを構築することを目指しています。既にマイクロソフトやJPモルガン、インテルなど100社を越える企業が参画しており、銀行、経営コンサルティング、ハードウェアなどの幅広い分野での活用に向けて研究が進められています。 通常のイーサリアムは不特定多数がマイニングを行い、また誰もがブロックチェーン上に記録された取引記録を閲覧することができます。そのため企業内部においてブロックチェーンを活用しデータ管理の効率化を図る場合、顧客情報のプライバシーや企業の内部情報のセキュリティに大きな問題となります。そこでスマートコントラクトなどイーサリアムの利点はそのままに、取引記録の生成や承認を行うノードを承認制とし、ブロックチェーン上の情報閲覧を制限する企業内部での活用に特化したプライベートチェーン型のイーサリアムプラットフォームの開発が進められているのです。 パブリックチェーンとプライベートチェーンの違いについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「パブリックチェーンとプライベートチェーンの違いとは?」   たとえば、米大手生命保険企業のジョン・ハンコック・ファイナンシャルは、資産管理部門の顧客情報共有およびマネー・ロンダリング対策への活用を検討しています。また欧州航空機メーカーのエアバスは、サプライチェーン管理をブロックチェーン上で実行する計画を調査しており、ともにエンタープライズ版イーサリアムを利用して研究を行っています。   トヨタはどのように自動運転車開発にブロックチェーンを活用するのか? トヨタは2017年5月23日に、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディア・ラボなど複数のブロックチェーン関連団体との提携を発表し、自動運転車の開発におけるブロックチェーンの活用に向けた取り組みを急激に活発化させています。では具体的に、トヨタはどのようにブロックチェーンを自動運転車の開発に活用しようとしているのでしょうか。 現段階での一番の目的は、メーカー側と個人が走行試験やその実績などのデータを安全に共有することです。安全な自動走行を実現する自動運転車の開発のためには、何千億キロにもわたる人の手による走行データが必要になります。さらに、自動運転車の安全性に対する消費者からの信頼を獲得するためには、これらのプロセスを信頼できる形で公開していければさらに良いと言えるでしょう。ブロックチェーンを用いることで、個人とメーカー間で走行データなどの情報共有を安全に実現できます。将来的にはそれらのデータを活用したカーシェアリングや、走行距離に基づいた自動車保険料算定システムの開発も検討しているとのことです。   ブロックチェーン活用の未来 これまで見てきたように、ブロックチェーンを企業内外での情報共有に用いる考え方が大きく広まってきています。プライベートチェーンの活用によって、権限を付与された複数主体における効率的かつ安全なデータ共有が可能になると言えるでしょう。企業におけるブロックチェーン活用の標準化を目指すエンタープライズ版イーサリアムの今後の動きに注目です。  

スマートコントラクトにおける法的課題

2017年5月24日 BBC編集部 0

前回記事「現役弁護士によるスマートコントラクトの概観」に続き、スマートコントラクトの論点について説明します。今回は、論点整理的な記事となります。 スマートコントラクトの特徴(「ネット上の契約」との違い) スマートコントラクトは、契約の締結と履行の双方又は一方が、コンピュータ・プログラムによって自動的に行われるものであると理解されています。「プログラム」、「自動的」といったキーワードで、「ネット上の契約」と区別されますが、この差を要素に分けてみると以下のように整理できます。 従来のネット契約 スマートコントラクト 締結場所 インターネット ソフトウェア/インターネット 締結意思 人の入力 自動 or 人の入力 契約言語 自然言語 プログラム or 自然言語 履行場所 現実世界 デジタル台帳 or 現実世界 履行方法 請求行為・法的手続 自動 or 請求行為・法的手続 ブロックチェーン 想定なし 活用を想定 プログラム言語で書かれた契約が自動的に成立し、自動的にブロックチェーン上で契約の履行が完了するのが、スマートコントラクトの典型像です。しかし、ネット契約と同じように、相互の意思確認に基づいて自然言語で締結され、契約履行の部分のみ自動的に実行されるものや、反対に自動的にプログラムコードで契約が成立し、契約履行はリアルな方法で行うものも、「スマートコントラクト」の範疇と考えられます。 具体的にどのようなタイプのスマートコントラクトから普及していくかは、現在全世界で実証実験等が行われており、その状況を注視していくことになります。 […]