ビットカートがDASH決済に一本化、ビットコインからの世代交代か

2017年6月30日 BBC編集部 0

ビットカート(Bitcart)は、暗号通貨でAmazonギフトカードを購入できるサービスです。従来はビットコイン(Bitcoin)での販売でしたが、ビットカートは2017年6月7日、DASH(ダッシュ)での決済へと一本化することを発表しました。   ビットカートがDASH(ダッシュ)を選んだわけとは?-送金手数料と時間 ビットカートはアイルランド系スタートアップで、AmazonギフトカードをDASH(ダッシュ)で販売しています。このギフトカードは通常の15%引きで販売されており、ディスカウントを受けることができます。ビットカートがビットコイン決済からDASHでの決済へと移行したのは、送金手数料と送金処理時間という二つの理由からでした。 ビットコインは近年の取引量の増大に伴って、送金手数料の増大が大きな問題となっています。またビットコインは送金完了までに約10分の時間がかかるほか、送金処理の確定までにはさらに長い時間がかかります。これ対して、DASHは「Instant Send」という即時決済機能を実装しており、送金処理にかかる時間を大幅に短縮できます。DASHは1分間で5回の取引を実現するほか、膨大な取引量を効率よく処理することができるのです。 DASHの即時決済機能についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 「ダッシュとは?-即時決済可能な匿名性暗号通貨の今後の展望」   決済シーンでは、今後DASHに注目が集まるか 最初の暗号通貨であるビットコインは、他の暗号通貨と比べて取引額が大きく増加してきていました。しかしそれに伴い、特に決済の場面におけるビットコイン課題が浮き彫りになってきています。一方で今や、それらの課題を解決するアルトコインがDASHをはじめとして数多く開発されてきています。そのため、今後もビットカートのようにビットコイン決済から他のアルトコインへの移行が進む可能性は大きいと言えるでしょう。実際にビットカートではDASH決済に移行してから、ビットカートにおけるギフトカード購入需要も著しく増大したとのことです。またビットカートがイーサリアムやライトコインではなく匿名性の高いDASHを選んだことの影響は大きいと考えられ、今後の進展が期待されます。

EOSとは?ーより優れたDAppsプラットフォームを目指す新たなブロックチェーン

2017年6月28日 BBC編集部 0

2017年6月26日より、スケーラビリティ問題や取引コストの課題を乗り越える新たなブロックチェーンとして注目を集めている「EOS」のICOがスタートしました。この記事では、そのEOSの特徴について、詳しく見ていきたいと思います。   EOSの特徴について EOSはGraphene上で開発されており、BitShares(ビットシェアズ)同様に高度な情報処理能力を有しているほか、Ethereum(イーサリアム)のスマートコントラクト機能を併せ持っています。また、Ethereumなどのブロックチェーンで顕在化しているユーザビリティ問題の解決策も目指しています。 人間にやさしいデータ記録方式 まずEOSの大きな特徴として、ブロックチェーン上にバイナリでない方法で記録ができることが挙げられます。バイナリとは、0と1で構成されたコンピュータ言語のことで、人間が一目見ただけで、その意味を解読することが困難な形式です。 Ethereumでは、記録がバイナリで行われるため、ブロックチェーン上の記録を参照することが難しく、使い勝手の面で問題がありました。これに対してEOSでは、ブロックチェーン上に人間が読める状態で作成したプログラムを直接アップロードすることが可能なため、ユーザビリティが大きく向上することが見込まれます。 コンセンサスアルゴリズムは、PoSを採用 Ethereumでは、PoW(Proof of Work、プルーフ・オブ・ワーク)を採用しているのに対し、EOSではPoS(Proof of Stake、プルーフ・オブ・ステーク)を採用しています。これにより、マイニングにかかるエネルギーコストが低く、コンセンサス形成にかかる時間も短縮でき、さらに一部マイナーへの権利集中リスクも低くなります。 プルーフ・オブ・ワークについては、こちらをご参照ください。 ブロックチェーンを支える技術「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」とは スケーラビリティ問題を解決し、よる優れたDAppsプラットフォームを目指す EOSはさらに、Ethereumのスケーラビリティ問題についても解決を試みています。非同期通信と並行処理を採用していることで、EOSは、Ethereumと比較して取引処理能力が大幅に拡大します。Ethereumは取引処理能力がボトルネックとなり、実際のビジネスユースに耐えうるかどうかが懸念されていましたが、EOSはこのボトルネックを解決した形になります。 また、EOSは集中型アプリケーションと同様な機能を持つ分散アプリケーションをサポートするよう設計されており,トランザクション毎に使用料を支払わなくていいという特徴を備えています。昨今Ethereumの人気に伴い、取引手数料が高騰し、スマートコントラクトのビジネス展開が難しくなることが懸念されていました。これに対し、EOSは手数料をゼロにすることで、誰でも気軽にスマートコントラクトが履行できる世界を目指しているようです。   EOSのICOスケジュールについて EOSトークンの総量は、1,000,000,000EOSとなっており、Ethereumの基軸通貨であるEther(イーサ)と引き換えに入手できます。このうち全体の20%にあたる200,000,000EOSが、最初の5日間のプレセール(2017年6月30日まで)で販売されます。 プレセール後の7月1日以降では、全体の70%にあたる700,000,000EOSが、23時間毎に350回に分けて分配されます。(2017年7月1日から約335日間、1回あたり2,000,000EOSが分配)このように従来のICOの方法とは、大きく異なった形態となっています。 EOSの開発元であるBlock.One社によると、現在のICOは一部の人にトークンが集中しがちで、少数の人にのみオープンになっている実態について指摘しています。今回、EOSトークンでこのような新しい分配方法が採用されている背景として、EOSの根本的な設計思想が「真の意味で万人にとって開かれたプラットフォーム」を目指しており、トークンを通してより多くの人に開発を見守ってほしいとのアナウンスがありました。 BLOCKCHAIN CapitalのBrock […]

量子コンピュータでも破ることができないブロックチェーンが開発される

2017年6月27日 BBC編集部 0

ロシアの科学者が、世界初となる、量子コンピュータでも破ることのできない強固なセキュリティを持ったブロックチェーンを開発しました。今日では、量子コンピュータはまだ構想段階にあり、実現には至っていません。しかしもし仮に実現すれば、既存のコンピュータとは比較にならないほど高速に、かつ大量の情報を処理できるコンピュータが誕生することになります。   量子コンピュータがブロックチェーンの公開鍵暗号を突破する? 電子署名など高度なセキュリティが求められる場面では、「公開鍵暗号方式」という暗号化手法が一般的に用いられています。公開鍵暗号方式ではランダムな文字列の組み合わせからなる公開鍵・秘密鍵のペアが生成されます。秘密鍵は複雑な計算を経て作成されるので、その秘密鍵を特定するのは容易ではありません。そのため総当たりで数字を試して解読するほか方法がありません。このように、膨大な計算を処理できない人間や今日のコンピュータにとっては突破が極めて難しい、という点で安全性が担保されています。 公開鍵暗号方式についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーンを支える技術『公開鍵暗号方式』とは」 しかし将来的に膨大な計算量を一瞬で処理できる量子コンピュータが実現すれば、秘密鍵を総当たり的に特定することが可能になってしまうため、この公開鍵暗号方式によるセキュリティが確保できなくなってしまうことが考えられます。ブロックチェーン技術も同様に公開鍵暗号方式を用いた電子署名を採用しているため、量子コンピュータの登場によって秘密鍵が特定され第三者によって不正送金されてしまうといった可能性が懸念されます。   これに対し開発されたのが、量子コンピュータによってもハッキングされることのない、より強固なセキュリティを持ったブロックチェーンです。 量子コンピュータにも破れない、新しいブロックチェーンの仕組みとは? 今回開発された新しいブロックチェーンには、「量子鍵配送(Quantum Key Distribution、QKD)」という、量子暗号技術が用いられています。 量子は、「量子の重ね合わせ」と呼ばれる、古典力学で説明できない不思議な性質を持っています。すなわち、量子は「Aの状態」と「Bの状態」という、表裏一体の状態を同時に体現することができます。しかし、一度誰かがその量子を観測すると、途端に「量子の重ね合わせ」が解消され、AもしくはBの、どちらかの状態へと収束していくという性質を持っています。 また「量子のもつれ」という現象があります。これは、異なる2地点に分散した量子がそれぞれ量子が重ね合わさった状態で存在していても、片方の量子が観測され状態が収束すると、量子間の距離や媒介物などを一切無視して、時間差ゼロで、もう一方の量子の状態も収束する、という性質です。   一見不可解なこの「量子のもつれ」という現象ですが、外部からの侵入者を検知したい場合に効果的に用いることができます。すなわち、誰にも観測されていない、もつれを引き起こしている量子を、通信を行っているAさんとBさん二人のそれぞれの端末に配置します。この状態において、ハッキングなど外部からの侵入者によって量子が観測され、「量子の重ね合わせ」からひとつの状態に収束した瞬間に、通信を遮断することによって情報漏洩を即座に防ぐことが可能です。これが「量子鍵配送」と呼ばれる量子暗号技術です。 この量子鍵配送技術を用いたブロックチェーンは、二層構造を擁しています。第一層では、そのブロックチェーンに参加している二者に対して量子鍵配送を用いてそれぞれの通信の安全性を認証することで、そのブロックチェーンへの参加が承認されます。そして第二層では、「Toeplitz Hash」というコンセンサスアルゴリズムに基づいて、取引記録がブロックチェーン上に記録されていきます。   実用化に向けての今後の展望 量子鍵配送の技術は、既に金融業界の一部でも用いられ始めているとのことで、高度なセキュリティが求められる金融取引の分野での活用が期待されています。この技術がブロックチェーンに応用されるのは世界初のことですが、既存のブロックチェーンとは根本的に仕組みが異なるため、既存のものとは独自に新規のブロックチェーンを構築する必要があります。量子コンピュータが実現した未来では、量子鍵配送技術を用いたブロックチェーンが新たなスタンダードになっているかもしれません。   ※画像はInternational Business […]

OmiseGOとは?―スマートコントラクトを用いた台帳間取引ネットワーク

2017年6月26日 BBC編集部 0

  「OmiseGO」は、複数のブロックチェーン間での取引を可能にする新たな決済プラットフォームです。日本人企業家が東南アジア向けに展開しているクレジット決済システム「Omise」が、ブロックチェーンを活用したウォレットアプリの提供を発表したことで話題になりました。Omiseには、SBIホールディングスや三井住友フィナンシャルグループなどが出資に加わっているほか、イーサリアム(Ethereum)の開発者であるVitalik Buterin氏がアドバイザーとして加わるなど、注目を集めているプロジェクトの一つです。 本記事では、OmiseGoの基盤である「OmiseGOブロックチェーン(OMGブロックチェーン)」の仕組みを簡単に解説したいと思います。 「Omise GO」のリリースについてはこちらの記事もあわせてご覧ください。 「東南アジア向け決済プラットフォーム『Omise』がイーサリアムベースのウォレットアプリ『Omise GO』の提供をアナウンス」   複数の決済ネットワークを繋げる独自ブロックチェーン 現在の決済ネットワークは金融機関ごとに異なるものが用いられているため、異なる決済ネットワークを介した取引は、手数料や取引時間の面でデメリットがあります。たとえば、国際送金を行う際には複数の銀行を経由する必要があるため、高額な送金手数料がかかったり、時間もかかってしまいます。OMGブロックチェーンはこのような複数の決済ネットワークにまたがる取引を迅速かつ低コストで実行するため、既存のものとは独立した新たなブロックチェーンとして開発されました。 ユーザーはOMGブロックチェーン上に生成される「eウォレット」を通じてトークンのやり取りを行います。OmiseGO上では「eウォレット決済提供者(EPP)」が法定通貨の裏付けを持つトークンを発行します。これにより、eウォレットを持つユーザーは発行されたトークンを決済手段として利用することができます。eウォレット決済提供者は法定通貨を保有してその価値に基づくトークンを発行する主体であり、リップルのIssurer(旧IOU)を発行する「ゲートウェイ」に近いものだと言えます。このようにユーザーがeウォレットを用いてOMGブロックチェーン上で発行されたトークンをやり取りする、モバイルペイメントが実現されます。   イーサリアムブロックチェーンとの連携により、複数トークンの交換を実現 さらにOMGブロックチェーンは異なる決済ネットワーク間での取引を行うとき、イーサリアムブロックチェーンとの連携を行っています。これは異なる暗号通貨もしくはトークンを直接交換すると組み合わせが増えすぎてしまうため、ETHを媒介として交換を行うことでいわゆる「為替スプレッド」を抑え、取引の流動性を高めるというものです。イーサリアム上ではスマートコントラクトを活用してトークンの交換が行われ、OMGブロックチェーン上で決済が実行されます。このようにブロックチェーン上で分散的にトークン同士を交換する機能を、中央集権型の暗号通貨取引所と対比して「分散型取引所」と呼びます。 このように、eウォレットを用いることでOMGブロックチェーン上でトークンをやり取りできるだけでなく、分散型取引所を通じて法定通貨の裏付けを持つトークンを他の暗号通貨やトークンと交換することが可能になります。   今後もOmiseGOの情報に注目 そのほかにも、OMGブロックチェーンの特徴として、コンセンサスアルゴリズムはプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake、PoS)を採用しています。また、OMGトークンの保有割合に応じてネットワーク上で決済された際の手数料をを配当として受け取ることができます。 また、OmiseGOはイーサリアムだけでなく、Golem(ゴーレム)、Cosmos(コスモス)、Tendermint(テンダーミント)などのブロックチェーンを活用した各種プロジェクトとも連携することを目指しています。このOmiseGOのセキュリティ等の詳しい技術については、「Exonumia Labs, Inc.」から今夏に詳細な発表がなされるとのことです。決済サービスの在り方に影響を与えるであろうOmiseGOには、今後も注目が集まりそうです。 6/26 […]

「ICO」による資金調達の課題、暗号通貨「DASH」が解決の糸口となるか?

2017年6月22日 BBC編集部 0

ICO(Initial Coin Offering)は、トークン(暗号通貨)の発行を通じた新たな資金調達手段です。分散型アプリケーション(DApps)内で使用できるトークンをローンチ前に売り出すものもあれば、配当権や議決権を付与した株式に近い性質を持つトークンを発行していることもあります。今回の記事ではアルトコインの一つ「DASH(ダッシュ)」がICOにおける問題点をどのように解決するのか、という点について解説していきます。 ICOとはなにか?についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「新たな資金調達手段『ICO』とは?」   浮き彫りになったICOの問題点とは? 最近ではICOにおいて10分足らずで数億円規模の資金調達に成功する事例が現れるなど、プロジェクトの初期の資金調達方法として活用が進んでいます。しかし、その一方で、ICOの問題点やリスクについても言及されるようになってきました。ICOの問題点は、「そのプロジェクトの信頼性を測ることが難しい」という点です。 従来の株式市場への上場によるIPOでは、上場審査や監査情報の公開など、その企業の信頼性について十分に情報を得られるようになっています。しかしながらトークンを発行し販売するというICOは誰もが出来てしまうため、ICOを行う主体が果たしてサービスを完成させることができるのかなど、必ずしも正しい情報が手に入るとは限らないのです。 さらに、ICOが一度成功すれば開発者は資金を調達できるため、開発者にとって公開したスケジュールに従ってサービスの開発を行うインセンティブは薄れます。通常の株式であれば議決権を行使し経営陣の交代などを求めることができますが、ICOの場合はトークンを購入した後は待つしかありません。   DASHは、ICOの問題点をどうやって解決するのか? DASHについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「DASH(ダッシュ)とは?-即時決済可能な匿名性暗号通貨の今後の展望」 DASHではこのような問題を解決することができます。DASHの支払いメカニズムに従えば、ICOを通じて調達した資金は一度にまとめてではなく、一か月ごとに支払われます。また調達資金の支払いは自動ではなくDASHのマスターノードの投票により決定されますので、開発者は常にサービスのローンチに向け開発を進めるインセンティブを持っているのです。 このようなマーケットインセンティブは、開発を集中的かつ効率的に行うように開発者に働きかけるとともに、分散型アプリケーション開発が非効率的になってしまう問題を解決する糸口となるでしょう。

ブロックチェーンがもたらす事業部運営の変化:より厳密な経営遂行ユニットへ

2017年6月21日 赤羽 雄二 0

ここ数回に渡ってブロックチェーン革命を乗り越えるために、組織としてどのように立ち向かっていくかについて触れてきました。今回は、ブロックチェーンによって組織構造自体がどのように変化していくかについてお話したいと思います。   スマートコントラクトによってすべての経理・会計業務が自動化されたら あと数年してブロックチェーンとスマートコントラクトが普及すると、すべての経理・会計業務が安全、確実、安価でリアルタイムに自動処理できるようになります。 ビットコインやイーサリウムでできるかどうかは微妙ですが、例えばIOTA(イオタ)はIoTをサポートするブロックチェーンとして先週上場し、時価総額1650億円($1=110円)を実現して世界中を驚かせました。産業界や市場の期待は大変大きい状況です。トランザクションコストが無料で、かつ処理量も莫大にこなせます。 IOTA以外にもまだいくつもの革新が必要ですが、遅かれ早かれ、すべての経理・会計業務が自動化されることはまず間違いないことだと思います。決まりきった作業であり、人が手作業でやり続ける意味が全くないからです。判断業務の部分はもちろんありますが、恣意的にやらないためにはむしろ人手を完全に排除することが必要です。東芝などでの不正会計、粉飾の可能性をゼロにすることもできます。 もちろん、スマートコントラクトの設計にインチキがないように確認・監査する必要はあります。 これらの結果、事業部ごとの業務や財務状況が人手を全く介さず、リアルタイムで把握できるようになると理解しています。 これは大変なことで、ローマ時代に簿記が発明され、14世紀に複式簿記が発明されて以来の大きな変化をもたらすのではないかと勝手に考えています。   事業部がどうなるかの大胆な仮説 すべての経理・会計業務が安全、確実、安価でリアルタイムに自動処理できるようになったとき、企業経営がどうなるのか、事業部がどうなるのか、ということに関しては、世界中見渡しても、まだどこにも詳しい見解が述べられていません。 多分、企業経営に詳しい人、経営改革に詳しい人、ブロックチェーンとスマートコントラクトに詳しい人がばらばらで、しかもダイナミックに変化している真っ最中なので、そういうことなのだろうと思います。 ということは言ったもの勝ちなので、内外大小の多数の企業の経営改革の経験とブロックチェーンとの深い関わりをもとに、大胆な仮説を述べさせていただきます。 私個人の意見ですので、「いやこうではないか」「こう考えたらもっと意味があるのではないか」という意見をどんどん出していただければ非常に嬉しく思います。 事業部がどうなるのか、またその意味合いがどうなるかということに関して私の仮説は以下の通りです。 事業部の経営・運営状況が常時把握されているので、KPI(Key Performance Index 経営指標)経営がより徹底される。 何をどうすればより売上・利益を拡大できるのかが瞬時に提示されるので、経営判断、方針変更がより早くなる その俊敏で的確な判断ができる事業部長が生き残り、のんびりとした勘と人脈、人柄で生きてきた事業部長は淘汰される 業績、企業への貢献が不透明だった役員、部長、課長の貢献度がKPI達成の一部として明示されるので、どの階層も成果を出すことに全力を挙げるようになる。成果を出せない役員・管理職も淘汰される IoTやウェアラブルの活用で、誰が誰とどうやり取りしているか、会話しているか、仲間作りをしているかなどもすべて把握され、貢献度との関係が明示される 企業全体として見た場合、黒字事業部の業績をどうすればより早く向上できるのか、赤字事業部をいつまでにどう黒字化するのか、どこで見切るのかの判断が明確になる。従来のように赤字のテレビ事業を10年維持・放置するといったことがなくなる […]

ブロックチェーンは音楽著作権管理のあり方を変えるか?

2017年6月20日 久保田 紘行 0

データの改ざんが難しく、誰もが参照可能なブロックチェーンには、実に様々な活用可能性を見出すことができます。その一つが「著作権管理」の分野です。特に音楽著作権は、作詞家、作曲家などの著作者にはじまり、歌手、演奏家などの実演家、レコード製作者、放送事業者など多くの関係者が関わるためより複雑です。そのため、著作権の管理にコストがかかったり、実際に誰が権利を持っているのかが不明確になるといったことも生じています。 直近では、音楽ストリーミングサービス大手のSpotifyはブロックチェーンスタートアップの「Mediachain Labs」を買収し、Spotifyの提供する楽曲とその著作権者をブロックチェーン上で紐付けるための技術開発を進めると発表しました。そこで今回の記事では、ブロックチェーンの活用が音楽著作権の在り方をどのように変える可能性があるのかについて見ていきたいと思います。   楽曲の著作権管理プロセス-使用料徴収と分配 楽曲の著作権は登録などの手続きを必要とせず、著作物を創作した時点で自動的に発生します。著作権法によって著作権侵害は親告罪であると定められているため、著作権侵害行為があった際には、著作権者自身で対処していく必要があります。著作権者は著作物の利用条件を明記した上で、利用条件に沿って「楽曲使用料」を徴収します。 さらに、徴収した楽曲使用料は著作権者だけでなくステークホルダーへの分配を行わなければなりません。特に音楽制作におけるステークホルダーは、前述の通り非常に多岐に渡るため、楽曲使用料の分配は非常に複雑です。 このように各楽曲の著作権を管理する際には、「再生や演奏に際して発生する楽曲使用料の徴収」と、「徴収した楽曲使用料の著作権者やステークホルダーへの分配」という二つのプロセスが存在しています。   著作権管理団体への委託が一般的、しかし課題も 著作権者が自らの楽曲の再生回数をすべてカウントして楽曲使用料を徴収することや、すべての著作権侵害を指摘するのは現実的に考えて非常に困難でしょう。そこで日本では著作権等管理事業法に基づく非営利著作権管理団体であるJASRACが日本のほぼ全ての楽曲の著作権管理を委託されており、楽曲使用料の徴収と分配を担っています。 しかし、JASRACが単独で300万曲以上の楽曲の著作権を管理し、楽曲全ての再生回数のカウントや、YouTube等への違法アップロードの発見、そして徴収した楽曲使用料の公正な分配には、非常に膨大なコストや手間がかかっています。 またJASRACそのもののあり方を問題視する声もあります。JASRACの楽曲管理における手数料が高額であることに加え、徴収した楽曲使用料が公正に分配されているかが不透明であることなどから、利権と化しているのではないかといった疑惑が取り沙汰されることもあります。また昨今ではJASRACが音楽教室のレッスンにおいて楽曲使用料を徴収する方針を決定し、それに対し歌手の宇多田ヒカルさんがTwitter上で反発を表明するなど、本来の著作権者であるアーティストの意向に沿わない形での楽曲使用料徴収が行われているケースもでてきています。 このように、音楽の楽曲使用料徴収には大きなコストと手間がかかります。さらに、日本では現状透明性が担保されていないためにJASRACの仲介に不信感が募ってしまっている状況です。   ブロックチェーンに基づく分散型著作権データベースの構築 ではこの楽曲に関する著作権管理は、ブロックチェーンを活用することでどのように変わるのでしょうか。このとき著作権者は、レコーディングされた楽曲データや楽曲の歌詞・譜面などを含む著作権情報を、自らの手でブロックチェーンに記録します。ブロックチェーン上の記録は改ざんが困難であるほか、記録されたデータは誰もが参照できます。すべての著作権情報をブロックチェーンに記録することで、巨大な「分散型著作権データベース」を構築するのです。 さらにスマートコントラクトを活用することで、楽曲の購入代金や再生回数のカウントに基づく楽曲使用料の徴収から、著作権者やステークホルダーへの収益配分まで、全てをプログラムに従い自動的に実行できるようになります。これによってJASRACなどの著作権管理団体が不要になるばかりでなく著作権管理という作業そのものが自動化されるため、仲介手数料の削減や効率化が大幅に進みます。また収益配分についてもあらかじめ締結された契約に基づくスマートコントラクトによって自動的に実行されるため、ステークホルダー間での収益配分についてより高い透明性・公平性が確保されます。   アーティストが自分で自らの楽曲を管理できる未来へ これらのビジョンを実現しようとしているプロジェクトの一つが、冒頭で紹介したSpotifyとMediachain Labsの取り組みです。このほかにも「Ujo Music」や「Dot BC」といったプロジェクトで同じような取り組みが進められています。 従来非常にコストも手間もかかっていた著作権管理ですが、ブロックチェーンとスマートコントラクトの活用によって、アーティストは自らの楽曲を自分の手で管理することができるようになったと言えるでしょう。つまり、アーティストは自らの楽曲の著作権情報を自分でブロックチェーン上に記録し、自動化された楽曲使用料徴収とその分配を通じて、著作権管理ははるかに効率的に実行できるようになるのです。それだけでなく、著作権管理団体という仲介組織を排すことで、透明性や公平性の確保にもつながっています。 […]

Blockchain EXE #2「エンタープライズ領域でのブロックチェーン技術について」イベントレポート

2017年6月19日 BBC編集部 0

6月16日(金)、品川の日立製作所様オフィスにてBlockchain EXE Meetupの第二回「エンタープライズ領域でのブロックチェーン技術について 」が開催されました。今回もBBC運営メンバーが参加して参りましたので、そちらのイベントレポートを掲載いたします。 「Blockchain EXE(ブロックチェーンエグゼ)」はブロックチェーンやスマートコントラクトに関する技術面に重きを置いた情報交換を行うコミュニティとして設立されました。 ミートアップでは技術セッションと懇親会から構成されています。 第一回のイベントレポートはこちらです。 Blockchain EXE #1「ブロックチェーン技術の可能性について解説 」イベントレポート   Hyperledger Projectの概要と日立製作所のブロックチェーンへの取り組み まずは会場提供者でもある日立製作所株式会社から長稔也様が、エンタープライズ利用の進む「Hyperledger Project」について解説、またそれらの実用化に向けた日立製作所の取り組みをご紹介されました。 三菱東京UFJ銀行と提携しシンガポールで小切手の電子化の実証実験を行ったり、貿易取引業務でのデモアプリ作成など活発に取り組まれている様子が紹介され、特に貿易取引業務においてスマートコントラクトとイーサリアム(ETH)を活用し決済を実行するデモンストレーションでは参加者の注目を集めていました。   Hyperledger Fabric 1.0 技術概要の解説 続きまして、同じく日立製作所株式会社から山田仁志夫様が、Hyperledgerの最新版であるFabric 1.0について技術的な部分についての解説がありました。Hyperleder上ではスマートコントラクトのことをチェーンコードと呼びますが、チェーンコードの記述や、ノードに対する権限付与の仕組みなど、Hyperlederを用いた開発において欠かせない詳細な解説でした。 […]

Humaniq(ヒューマニック)とは?ー生体IDにより金融システムの不平等性の解決を目指す

2017年6月19日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からHumaniq(ヒューマニック)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Humaniq(ヒューマニック)とは? ”Unbanked”と呼ばれる銀行口座を持たない、または持つことのできない人々は、世界に20億人以上存在すると言われています。預金するに十分な収入がない、本人証明(ID)を持っていない、銀行インフラが未整備であるなど、その理由は様々です。 Humaniqはブロックチェーンを活用し、発展途上国の人々も含めたすべての人に公平に金融インフラを提供するアプリケーションです。   Humaniqの特徴 自分の暗号通貨をスマートフォンで管理し送金できるという点では、既存のウォレットアプリなどと似たもののように思えるかもしれません。Humaniqはウォレットアプリとどのような違いがあるのでしょうか。 ①生体認証によるセキュリティの高い「BioID」を生成 Humaniqの最大の特徴の一つは高度な生体認証を基礎とした「プルーフ・オブ・フェイス(Proof of Face、PoF)」という仕組みです。ユーザーが初めてHumaniqを使うときには、生体認証登録を通じて「BioID」を生成します。本人確認書類やメールアドレスではなく生体認証を採用したのは、Humaniqが発展途上国の人々をメインターゲットとしているためです。さらに生体認証の採用によって、1人につき1つのBioIDだけを割り当てることになり、アカウントの盗難や複製などの不正行為リスクが大幅に削減できます。 ユーザーはBioIDを取得して初めて、ウォレットの生成やトークンのやり取りが可能になります。サインイン時はジェスチャー認証によってウォレットにアクセスし、送金などを行います。既存の多くのウォレットではパスワードや公開鍵・秘密鍵、パスフレーズなどがセキュリティとして用いられていますが、それらが他人に知られてしまえば本人でなくともウォレットにアクセスして送金を実行することができてしまうため、厳重に管理する必要がありました。しかし、利用者にとってそれらのデータの管理は、少々煩雑であったり、情報の紛失などによって所有者であってもウォレットにアクセスできないということが少なからず起きていました。そこで、生体認証を用いれば容易に本人確認を行うことができるため、既存の多くのウォレットに比べてより高いセキュリティを保ち、かつ利便性を高めることができるでしょう。 ②HMQトークン もう一つの特徴は、Humaniq内で用いられる「HMQトークン」という独自イーサリアムトークンです。人々はHMQトークンを自国通貨に交換して日常的な決済に用いるほか、将来的にはHMQトークンを用いた店頭決済の導入も検討しています。 HMQトークンは、アカウントの開設、HMQトークンの送金、友人の招待など、ユーザーのアクティビティによって新たに生成され、ユーザーに付与されます。Humaniqの利用を促進するインセンティブとしてHMQトークンを用いつつ、付与されたHMQトークンを決済手段として提供することで、循環的にHumaniq経済を活性化させていきます。   Humaniqの普及と今後の可能性 高度な生体認証を用いてのアカウント付与と、HMQトークンを基軸とした経済圏の構築という2つのポイントが、Humaniqの大きな特徴です。Humaniqではこのようなウォレット・送金サービスに加え、保険や、個人間融資、データセキュリティサービスなどのサードパーティサービスの参入を見据え、それらに必要なインフラの提供も検討しています。 Humaniqの将来的な展望としては、HMQトークンを通じ暗号通貨を浸透させることで送金が容易になり、発展途上国における経済循環を活発化することができるとしています。また送金手段の浸透によってリモートワークなど職業の選択肢が広がることで国民所得が向上し、ひいては国全体の信用力の向上へ繋がることも期待されています。 まずはアフリカ、中南米、アジアの発展途上国に多数存在する、銀行口座を持たない”Unbanked”層をメインターゲットとした上で、将来的には世界各国への展開を検討しています。2017年4月6日にはICOが実施され、約500万ドルにも上る資金調達に成功しました。今後は2017年5月までにプロトタイプを完成させ、2018年を目途に世界中へと展開していくとのことです。   web site: https://humaniq.co/

BBC学生向け勉強会#2「ビットコインとブロックチェーンが塗り替える未来」イベントレポート

2017年6月17日 BBC編集部 0

みなさん、こんにちは。BBC運営メンバーの秋田です。6月15日に、第二回学生向け勉強会「ビットコインとブロックチェーンが塗り替える未来」を開催しましたので、イベント報告をしたいと思います。 会場はDRECOM株式会社様のカンファレンスルームをお貸しいただきました。(詳しくはこちら) 今回も前回と同じく、学生向け勉強会ということで登壇者もBBC運営メンバーである学生で務めました。登壇内容は以下の通りです 第一部:「ビットコイン・ブロックチェーンとは何か」/秋元 第二部:「Ethereumを用いたビジネス実用例について」/宮崎 第三部:「ブロックチェーンのビジネスモデルを考える」 / 市原   まず第一部では、「ビットコイン・ブロックチェーンとは何か」を秋元が説明させていただきました。ビットコインの日本での使用例を入り口に、法定通貨とビットコインを比較しながら、不正や改ざんが困難とされるブロックチェーンの仕組みについてわかりやすく解説されていました。 続く第二部では、アルトコインの代表格であるイーサリアム(Ethereum)の活用事例を宮崎から説明させていただきました。トヨタも先日ブロックチェーン技術の活用を発表した発表した自動運転車の例では、自動車についているセンサーからのデータを使って「安全運転の可視化」を図り、それにもとづく形でユーザーの保険料を設定するというものが挙げられました。 最後の第三部では市原の説明に基づいて、グループごとにブロックチェーンの活用事例についてのディスカッションを行い、最終的には各グループで考えていただいた活用事例を発表していただきました。 ディスカッションを通じ出されたビジネスアイディアの中には、音楽や書籍などをデータ化してブロックチェーン上に記録し、暗号通貨を通じてそれらを売買するというものもあり、実際に海外のプロジェクトである「Singular」などで目指されている形に近いアイディアもあがり大変興味深かったです。   またイベント終了後も、イベント参加者間で意見交換がしばらく行われており、きたるブロックチェーン時代への意識の高さを感じました。   次回の学生向けブロックチェーンビジネス研究会の勉強会は7月13日を予定しています。次回も奮ってご参加ください! お申込みはこちらからご案内しております。 http://peatix.com/event/275193