ビットコインの分裂騒動とその問題の本質に迫る

2017年7月31日 BBC編集部 0

  ビットコインのスケーラビリティ問題を巡るビットコイン分裂の危機はひとまず回避され収束に向かっていると言われています。しかし、ビットコインをはじめとする暗号通貨(仮想通貨)には、今後も同様の問題が起きる可能性があります。分裂の危機が生じた原因から今に至るまでの流れを踏まえ、現在のビットコインの状況および、今回の分裂騒動におけるを考え、暗号通貨の本質的な課題を見て行きましょう。   ビットコインのスケーラビリティ問題とは? ビットコイン分裂問題の発端は、ビットコインの「スケーラビリティ問題」と呼ばれるものです。ビットコインでは一つのブロックに約10分間に起きた世界中の取引をまとめて記録していますが、ブロックには1MBという制限があるため、それを超える取引を記録することができません。そのためブロックに入り切らなかったトランザクションの遅延や優先的にブロックへ取引を入れるために手数料を高く支払う必要が生じてしまうため、ビットコインが多くの人へ浸透し取引量が拡大するにつれて問題化してきました。   SegWitの提案からBitcoin Unlimitedとの対立-分裂危機 ビットコインにおいてスケーラビリティ問題によるデメリットが顕著になる前から、ビットコイン開発の中心となっている少数のコア開発者達を中心としてBIP(Bitcoin Improvement Proposals)と呼ばれる提案がなされてきました。当初コア開発者によって提案されたのがBIP141の「SegWit」と呼ばれるソフトフォークをもとにしたオフチェーンスケーリング提案でした。 一方でSegWitの提案に至るまでの非公開会合など不透明な意思決定に対する反発が生まれたほか、SegWitによってオフチェーン取引が実現されるとマイニング報酬の減少に繋がるとして、マイナーを中心としてSegWitを支持しない層が一定数を占めていました。このようなマイナーを中心とするオンチェーンスケーリング派がハードフォークによるブロックサイズ上限の撤廃を主張する「Bitcoin Unlimited」を提唱し、対立を深めていました。 詳しくはこちらの記事をご覧ください。 →「ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited」 このようにコア開発者とマイナーという対立構造が生じたことで、ビットコインコミュニティはいわば二つに分裂した状況でした。しかしBitcoin Unlimitedの採用する突発的なコンセンサスの危険性やそもそもの開発能力に疑念が呈されたこと、そして2017年3月18日には世界の大手取引所19社が合同で「Bitcoin Unlimitedのハードフォークが実行された場合、ビットコイン(BTC)とは異なる通貨(BTU)として扱う」との声明を発表したことなどから、Bitcoin Unlimitedの支持勢力は次第に発言力を失っていきました。   遅々として進まぬSegWit有効化-UASF&UAHF SegWitが提案されたBIP141においては、「マイナーの95%の承認によってSegWitが有効化される」とされていました。しかしながら前項で述べたように利害の不一致やBitcoin Unlimitedの台頭などでマイナー間で支持が得られず、2016年11月に投票が始まってから長らく有効化(アクティベート)に至りませんでした。 […]

BBCミートアップ第6回イベントレポート

2017年7月31日 BBC編集部 0

7月26日(水)にブロックチェーンビジネス研究会(BBC)ミートアップ第6回が開催されました。今回のテーマは「ブロックチェーンのビジネス事業活用~予測市場・株式取引・電子マネー~」です。本記事ではこのイベントの様子をご紹介いたします。 今回のイベントではブロックチェーンのビジネス利用について、特に予測市場・電子マネー・株式取引の分野から講演をしていただきました。40人ほどの方にご参加いただき、大盛況となりました。   まず初めに、アルタアップス株式会社の森川夢佑斗様から、ブロックチェーンの時事ニュースとして、主にビットコインのスケーラビリティ問題とSegwitの動向について簡単にお話を頂きました。その後、ブロックチェーンの予測市場への活用について、Augurというプロジェクトに焦点を当てて解説いただきました。現実に起こったことをどのように記録するかという仕組みはとても興味深いものでした。 続きまして、LINE Pay株式会社の房安陽平様に、プリペイド型電子マネー業界の構造とブロックチェーンの活用可能性について解説頂きました。導入コストが高く、モバイル化がなかなか進まないという日本の電子マネー業界の課題を、ブロックチェーンを活用することで解決できる可能性があるとのお話でした。地域通貨としての導入例など、実際のブロックチェーン活用事例についての紹介もあり、参加者の方も真剣に耳を傾けていました。 最後に、ブレークスルーパートナーズ株式会社の赤羽雄二様からお話を頂きました。株式市場においてブロックチェーンの導入が続々と発表されていること、アメリカのEC大手オーバーストックがブロックチェーン上で株を発行したこと、役割が拡大しつつあるICOとそのアメリカにおける規制についてなど、株式取引とブロックチェーンに関連する大きな動きについてご解説頂きました。 講演終了後には、前回までのミートアップと同様に、軽食を用意して懇親会の場を設けました。登壇者の方にもご参加頂き、質疑応答や情報交換の場として非常に充実した時間であったことと思います。 8月にもBBCミートアップの開催を予定しております。今回参加された方も、残念ながらご参加できなかった方も、皆さま奮ってご参加ください!

スイスのツーク市で分散型ID導入へ

2017年7月27日 BBC編集部 0

スイス連邦北部のツーク市では、イーサリアム(Ethereum)を使用したデジタルID認証サービスを2017年9月に開始すると発表しました。ブロックチェーンベースで分散的に本人確認データを保持する分散型IDの取り組みは各所で進められており、昨今注目が高まっているトピックの一つでしょう。 分散型IDについてはエストニアでの取り組みがあります。こちらの記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。 →「ブロックチェーンは国家を超越するか – Bitnationとエストニアから見る未来国家」   個人情報管理はどう変わる? ツーク市の取り組みによって、今後市民の個人情報はデジタル化され、ブロックチェーン上に分散的に記録されるようになります。ツーク市民はモバイルアプリを通じ、どこにいても個人情報にアクセス・管理することができます。個人情報は市によって証明された後にブロックチェーン上で暗号化され、高いセキュリティによって保護されます。 ツーク市の取り組みでは、以前よりイーサリアムを活用した分散型ID管理システムの構築を行っていたuPortのプラットフォームが活用されます。また開発面ではスイスのスタートアップTI&Mとルツェルン経済大学との連携が図られるとのことです。   ブロックチェーンに積極的なスイス・ツーク市 ツーク市にはイーサリアムベースのプラットフォーム構築を行うConsenSysが拠点を置いているほか、2016年6月にはツーク市の公共料金のビットコイン決済が試験的に導入されるなど、官民ともにブロックチェーンの導入が非常に盛んになっています。ツーク市における分散型ID導入においてuPortプラットフォームが活用されるのも、uPortの開発元がConsensysであるからこそ実現したものと考えられます。 このようにスイス、特にツーク市はブロックチェーンテクノロジー企業の大きな拠点になっ  ており、政府の施策によってますますブロックチェーン技術を活用した取り組みを進めるだけでなく、ブロックチェーン開発の一大拠点としての成長が期待されます。

米海軍の製造施設にブロックチェーンの導入を検討

2017年7月21日 BBC編集部 0

米国海軍のイノベーション部門は、製造システムへのブロックチェーン技術の導入を検討しています。特に、製造プロセスにおけるデータを確実に転送するため、3D印刷のプロセスにブロックチェーン技術を導入することを検討しているとのことです。   ブロックチェーン技術を用いたデータ共有の実験を行う予定 McCarter中尉によれば、海軍防衛諮問委員会(NIAC)は、ブロックチェーン技術を使用し、製造プロセス全体におけるデータをサイト間で安全に共有することを目指しているとのことです。そのために、ブロックチェーン技術をシステムに統合するテストを主導する予定で、データの共有に関する実験の他にも、海軍の情報ネットワークを通じて、設計や生産のデジタルデザインを保護するパイロットテストを行う予定となっています。9月にはその実証に関する報告書を作成する予定です。中尉は、9月にブロックチェーン技術が実際に運用されれば、海軍のシステムに劇的な革命を起こす可能性があると述べています。   政府機関でブロックチェーンの普及へ この動きは、米国政府内におけるブロックチェーン技術の普及の始まりにすぎません。社会的にもブロックチェーンの普及はゆっくりと進んでいるため、政府が導入を遅らせていることは不思議ではないと言えます。 しかし、ブロックチェーン技術に興味を持つ政府部門は他にもいくつか存在しています。昨年5月、国土安全保障科学技術局は、ブロックチェーン技術の使用に関する研究を推進するために、いくつかの中小企業に総額970万ドルを支援しました。また、米国政府は現在、ブロックチェーンを利用した契約入札のためのソリューションを探しています。今後、ブロックチェーンは政府機関においても普及が進むと考えられます。

アクセンチュア、ブロックチェーンを航空業界のメンテナンスコスト削減に活用へ

2017年7月20日 BBC編集部 0

  2017年6月19日から25日にかけて、フランスのパリにて隔年で開催される、世界最大規模の航空宇宙機器産業の国際見本市であるパリ航空ショーの第52回が開催されました。その中で、大手コンサルティング会社アクセンチュアの航空・防衛部門のトップを務めるJohn Schmidg氏が、航空産業界においても今後数年以内にブロックチェーンが導入されるであろうとの見解を示しました。   ブロックチェーンで、航空機器の状態を効率的に管理 航空業界全体に関わる課題としては、主に航空機器の高額なメンテナンスコストが挙げられます。例えばエンジンに関しては、それぞれの部品についてどの会社のどの製品が使用されているのかを把握している必要があります。さらにそのメンテナンスにおいては、逐次それぞれの部品の消耗度合を監視し、必要に応じて適宜部品交換を行います。その際、「どのタイミングでどの部品が交換されたのか」、また「どの会社の製品が使用されたか」などの項目について、厳密に記録していく必要があります。 しかし現在のシステムでは、一つのエンジンの状態を複数の会社が各自で監視し記録しています。この状況に対して、ブロックチェーンをひとつの部品管理台帳として分散型ネットワークで管理することができるようになれば、無駄が省かれて大幅なコスト削減が見込まれます。   エンジンメンテナンスにおける2つの大きな問題 またエンジンメンテナンスのプロセスにおいては二つの問題点が挙げられます。一つは、整備士がエンジンの状態について「マクロな視点」で見る傾向があるということです。すなわち、その「エンジン全体」がどれぐらいの期間使用されたのか、といった部分について注目しがちであり、個々の部品の消耗状態が見過ごされるなど適切な管理が行われないリスクがあるのです。エンジンの使用状況は常時一定ではなく、高負荷状態と低負荷状態があるため、各部品の寿命を正しく見極めることが重要です。ここにブロックチェーンを用いることで、部品の使用履歴を簡単に追跡できるため、より適切なメンテナンスを行えるようになると考えられます。 またもう一つは、エンジン整備を工場に依頼する際、一般的に過去にそのエンジンの整備を経験したことがある工場に依頼をするため、特定の工場に依頼が偏りがちな構造がある、という点です。たとえ工場に整備依頼が殺到していて納期が1ヵ月以上かかるような場合であっても、他の工場に整備依頼を出すことを検討しないため、大幅なタイムロスが発生するケースが多く、多大な機会損失にも繋がっています。この問題構造はそのエンジンに関する情報の偏在化によって発生しているものですが、ブロックチェーンによって各部品の状態がどの工場からでも把握できる状態になれば、ひとつの整備工場にこだわることなく、余裕のある工場に依頼を出しやすい構造が生まれます。   適切な部品管理を通して、より安全なフライトへ このように、アクセンチュアはブロックチェーンには航空業界におけるメンテナンスコストの問題を解決できるポテンシャルがあると考えており、数年以内にこれらのことが実現するという見通しを立てているそうです。ブロックチェーンを用いた航空機管理によって、今後のフライトの安全性はより高まっていくでしょう。

医療分野でのブロックチェーン活用を目指すBowhead Healthとは?

2017年7月19日 BBC編集部 0

  ブロックチェーン技術は金融分野にとどまらず様々な産業を変革していく可能性を秘めています。その中でもヘルスケアアプリを提供するスタートアップのBowhead Healthは、医療分野とブロックチェーンテクノロジーを結び付けられないかと模索しています。この取り組みを通じ、ブロックチェーンによってリアルタイムで生体認証ができるシステムを提供しようとしているのです。   医療分野でのブロックチェーン活用の課題-セキュリティ 現在、医療分野では一人一人にあわせた治療のニーズが高まっており、一つの巨大なマーケットを構成していると言えます。たとえば健康サプリメントの市場は毎年2000億ドルにものぼりますが、まだまだ多くの市場開発の余地があります。 Bowhead Health社の新しいプロジェクトでは、世界中だれもが自分の体をテストして、彼らに対した個人の体に応じて、コンディションを高められるようなサプリメントを提供しようとしています。 ブロックチェーンを医療分野へ活用する際に問題となるのが、どのようにして患者のプライバシーを保つかという点です。従来のビットコインをはじめとしたパブリックブロックチェーンでは第三者が全ての記録を閲覧することができますが、医療記録のような個人情報に関しては閲覧に制限を加えるなどセキュリティを強化する必要があります。同社ではユーザーが情報を開示するかどうかを選択できるようにしようとしています。患者の記録はすべてスマートコントラクトとして保管し、ユーザーは常に自分のデータを完全に管理し、第三者が自分に関する情報に対してどのようなアクセス権限があるのかを常に把握することができます。   Bowhead Healthデバイスによって自宅にいながら診察が可能に Bowhead Healthによって開発されたデバイスはインターネットに接続されており、自宅にいるときでも常に個人の健康状態をデータとして記録します。これにより患者と医療従事者の双方が、健康状態に関するデータを得ることができるほか、データから病気の兆候があれば、医師の診察を受けることが可能です。さらには、個人ごとに処方された薬の投薬ペースを調整することができます。開発初期段階では、サプリメントとビタミン剤の提供が検討されています。 現在Bowhead Health社ではデバイスに対応したモバイルアプリも開発されています。このアプリでは患者さんが自分の健康状態のデータを見たり、医療関係者に直接質問して回答を得たり、投薬スケジュールのリマインダーを設定することができます。このようにデバイスを通じてブロックチェーン上に記録された健康データから、アプリを使うことで日常の様々なシチュエーションにおいて自らの健康管理をすることができるのです。   Bowhead Healthの今後の将来性-ICO Bowhead Healthの開発チームはモバイルアプリやテストデータ、過去18カ月間に開発されたプロトタイプを含む計画を明らかにしています。一方でこのようにハードウェアの開発を含むプロジェクトを世界規模で展開するには、非常に膨大なコストがかかります。このためBowhead Health開発チームは独自のAHTトークンを販売するICOが実施されます。このICOは7月17日から8月31日まで行われるほか、目標調達額の下限や上限は設定されていません。トークンはAHTあたり0.65ドルで販売されますが、最初の1,500万ドルのトークンを販売する間はボーナスが設けられます。ICOの状況も引き続き注目していく必要があるでしょう。

BBC学生向け勉強会「Blockchain2.0で世界はどう変わるのか」イベントレポート

2017年7月18日 BBC編集部 0

BBC運営メンバーの市原です。7月13日に、学生向け勉強会第3弾となる「Blockchain2.0で世界はどう変わるのか」を開催しましたので、イベント報告をさせていただきます。 今回の会場は株式会社コロプラ様のセミナールームをお貸しいただきました。(詳しくはこちら) いつも通り学生向け勉強会ということで登壇者もBBC運営メンバーである学生で務めました。登壇内容は以下の通りです   第一部:「暗号通貨とは」/矢口 第二部:「暗号通貨が作る社会」/秋田 第三部:「暗号通貨が変える将来の世界」 / 楢本   第一部では暗号通貨とは一体どういうものだろうかとおうことを、使用方法とともに取り上げました。また、ビットコインの成り立ちからの簡単な歴史を振り返りました。 第二部では暗号通貨がどのような社会をつくっていくのかを、既存の金融システムの問題をどのように克服・改善できるのかを話してもらいました。振込手数料やクレジットカードなど、実生活に根ざしたものが問題として取り上げられていました。 第三部ではビットコインやその他の仮想通貨が生み出す新たな経済圏の説明をしていただきました。トークンエコノミーなど未来のトレンドになりそうなものを具体的にピックアップしていただいたので、大変興味深い内容でした。 後の第四部では秋田の説明に基づいて、グループごとに銀行がどのように生き残るべきかを話し合っていただき、最終的には各グループで考えていただいたアイディアを発表していただきました。 またイベント終了後も、イベント参加者間で意見交換がしばらく行われており、きたるブロックチェーン時代への意識の高さを感じました。 次回の学生向けブロックチェーンビジネス研究会の勉強会は8月8日を予定しています。次回も奮ってご参加ください! お申込みはこちらからご案内しております。  

金融分野以外に広がるブロックチェーンの活用

2017年7月14日 BBC編集部 0

  インターネットがコミュニケーションを変えたように、ブロックチェーンは世の中のあらゆる「取引」を従来とは全く違ったものに変えると言われています。たとえばビットコインを用いれば、銀行などの仲介業者を経由せずに通貨を個人間で直接、つまりP2P(ピア・ツー・ピア)でやりとりできます。しかしビットコインはあくまで最初のブロックチェーンアプリケーションに過ぎません。ブロックチェーン技術の活用可能性は無限大に広がっているのです。 ブロックチェーンの世界では、すべてのプロセス、すべてのタスク、すべての支払いで、識別、検証、保存、共有が可能なデジタル記録と署名があります。弁護士、ブローカー、銀行家などの仲介業者はもはや必要ではないかもしれません。個人、組織、機械、アルゴリズムが障害なく自由に取引することができるようになります。これこそがブロックチェーンの大きなメリットであり、この特徴ゆえに大きな可能性を秘めていると言えるのです。   ブロックチェーンの仕組み ブロックチェーンにおいては、すべてのトランザクションは参加者の合意(コンセンサス)によって承認される必要があります。約10分間に行われたトランザクションをまとめた「ブロック」と呼ばれるデータが生成されます。すべてのブロックはネットワークを介して同期・複製され、トランザクションデータが分散的に保持されることになります。。 ブロックチェーン技術についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ビットコインを支える技術『ブロックチェーン』とは?」 このコンセンサス処理とデータ複製のプロセスにおいては、膨大な量の計算リソースとストレージが必要になる可能性があります。ビットコインではブロックサイズの上限の問題から「スケーラビリティ問題」が生じ、取引遅延や手数料高騰といった問題に直面しています。しかしそれでも、ブロックチェーン技術は様々な業界で可能性があるとされています。 たとえば現行の金融取引には実に多くのプロセスを経る必要があります。今日のクレジットカード取引では複数の仲介者を経由する中で16もの段階を経る必要があり、決済処理の完了までに計7日もの時間を要します。一方でブロックチェーンを活用することで、同じような取引処理でも一時間以内で完了さできます。」   金融分野以外にも広がるブロックチェーンの活用例 スウェーデン通信機器メーカー大手のエリクソン(Ericsson)は、ブロックチェーンを用いてデータの真正性を検証する「Ericsson Data Centric Security」を開発しました。Forsgren氏は、多くの企業や組織はクラウド経由でデータを共有しているため、正確なデータを確実に処理する必要があると述べています。データは強固なセキュリティ対策によって保護されていますが、それでもハッキングなどに対しては脆弱性が否めません。これに対しエリクソンでは、ブロックチェーンを使ってデータの正確性を担保しています。このとき確認されたデータはブロックチェーン上には保存されないため、高いセキュリティを保つことができると言えるでしょう。 またオープンソースのブロックチェーン「Hyperledger」を開発するLinux Foundationは、企業内でのブロックチェーン活用促進に向けた取り組みを進めています。たとえば企業内におけるデータ管理や企業間取引の管理にHyperledgerを活用することで、これまで複数主体が関わることで効率性が低下していた部分の効率化を図ることができるのです。この場合はセキュリティ上の問題からブロックチェーン上の記録を制限する「プライベートチェーン」を採用しています。このようにブロックチェーンは銀行や貿易、IoTに至るまで、実に幅広い産業を変革する可能性があります。

ウクライナ政府、10月にブロックチェーンによる土地登記実証実験を開始

2017年7月13日 BBC編集部 0

  ウクライナではブロックチェーンをベースとした電子政府「eGovermentプラットフォーム」の構築計画を明らかにしており、マイニングプールのBitfuryと提携して事業を進めています。2017年6月21日、ウクライナ政府はブロックチェーンを用いた土地登記システムの実証実験について発表しました。   ウクライナの土地登記の状況 ウクライナ領の約71%(4270万ヘクタール)が農地として分類されています。このうち国有地は、約25%にあたる約1000万ヘクタール以上にのぼります。 2015年に世界銀行からの資金提供を受けてウクライナの農業政策省が行った研究プロジェクトによれば、ウクライナの土地管理の現状は多くの問題をはらんでいるとされました。その一つは私有地の七割近くが登記済みであるのに対し公有地の登記状況はわずか二割にとどまっており、所有者などの情報の透明性が低く不正行為を誘発しやすい状況です。また農地のリース料も2015年現在で約37ドルとヨーロッパで最も低い水準にとどまっているため土地所有者の地代収入が小さく、土地資源の利用が非効率的になってしまっています。そのほか、土地所有者や土地利用者の数に比べて土地納税者の数が非常に少ないことも問題となっています。   土地登記におけるブロックチェーン活用の狙い 2017年10月から実証の始まるこのプロジェクトの実証実験において、政府はブロックチェーンを活用して土地の賃貸借を行うほか、土地賃貸のオークションをデジタル化するとのことです。ウクライナのフロイスマン首相は、今後ウクライナのすべての土地賃貸をオークション形式とすることを発表しました。これは、競争の促進のほか、地域経済の活性化や違法行為の削減を図る目的です。 ウクライナのほかにも、実に多くの国が土地登記においてブロックチェーンの活用を検討しています。2017年3月にはスウェーデンの土地登録機関が不動産取引の記録の実証実験を行ったほか、ガーナやブラジルでも同様の取り組みが進んでいます。このように主に土地登記システムが十分に機能していない途上国などで多く見られます。 こちらの記事ではエストニアの取り組みをご紹介しています。 →「ブロックチェーンは国家を超越するか – Bitnationとエストニアから見る未来国家」

インドでビットコイン合法化に向けた動き、ビットコインの巨大マーケットとなるか?

2017年7月11日 BBC編集部 0

4月14日、インド政府は、ビットコインの法的位置づけを調査し、市場を規制することを検討していることを明らかにしました。本記事ではインドにおける暗号通貨の位置づけとその合法化への動きについて解説していきます。   インドにおけるビットコイン取引所の取り組み インドでは暗号通貨についての知識がまだ政治家たちの間に普及しておらず、暗号通貨への批判が多く為されてきました。また、3月1日には、 インド準備銀行(RBI)のガンジー副総裁もバーチャル通貨の財務、法律、顧客保護、セキュリティ関連のリスクに対して懸念を表明していました。 しかし、これまでのインドでは電子通貨市場における規制が充分に整っていなかったにも関わらず、インドの3つのビットコイン取引所は過去3年の間、資金洗浄対策として厳しい顧客確認(KYC、Know Your Customer)の体制を敷いてきました。このように取引所が自主規制を行ってきたことが評価され、政府は暗号通貨に関して再考することとなりました。 さらに、ビットコインの利用が増え、ブロックチェーンが金融市場の機能、担保の識別、支払いシステムについて重大な変革をもたらすという認識が広まったこともあり、インド政府は、暗号通貨の市場と業界を標準化するために、ビットコイン取引所への資源配分と市場規制によって、各取引所に平等な競争の場を提供することを決定しました。   ビットコイン合法化により取引量はさらに増加へ インドで最大の暗号通貨取引所の1つであるCoinsecureのカルラCEOは、インド政府がビットコインを受け入れ、市場を規制する可能性を検討していることは、暗号通貨業界にとってプラスのことであるとポジティブに捉えています。 6月20日には、短期間でビットコインを完全に合法化することを目的として、暗号通貨の枠組みを調べるための委員会が設立されたことが発表されました。 ビットコインの合法化は、インド国民のビットコインの信頼性への不安を取り除くのにも役立つでしょう。また、ビットコインサービスプロバイダーも、そのサービス内容を拡大することができます。インドにはすでに100万人規模のビットコインユーザーが存在することが指摘されていましたが、インドでビットコインが合法化されることで、その取引量はさらに増加することが予想されます。今後もインド政府の発表に注目していきたいところです。