2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第四章

本文は、ChainDDとBlockchainBusinessCommunityが日本において、合同発表した文章です。
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連載:「2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書」

※第1回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第1章(上)

※第2回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第1章(下)

※第3回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第2章

※第4回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第3章

※第5回:2018-2019グローバル仮想通貨市場年間報告書 第4章

※第6回:2018-2019グローバル仮想通貨市場年間報告書 第5章

※第7回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第6章


2017年後半、CryptoKittiesをはじめとするゲームを扱ったDAppが注目されるようになり、それと同時にギャンブルを扱ったDAppも人気を集めていた。この背景をうけ、DDは2018年1月1日より、DAppradar、DApp.com、Spider.store、DApp.totalという4つの統計サイトから得られる実証的データに基づき、ETH、EOS、TRONで開発されたDAppの発展過程や現状といった側面から分析を行った。

第四章: DAppの発展過程や現状


1.DApp業界の統計

2018年12月31日までの統計により、グローバル市場に存在するDAppの数は1609であり、その内訳はETHが1324、EOSが228、TRONが57となっている。また、分野別に見ると、ゲーム類、ギャンブル類、暗号化資産コレクション類、取引類などが取り上げられる。これをDAppランキングから見た際の上位2つは、ギャンブル類(29%)とゲーム類(26%)である。また日間平均利用者数においてはゲーム類と取引類が、取引量から見ると、取引類とギャンブル類がそれぞれ上位を占めている。尚、DAppランキングのTop10のDAppは、取引総量と日間平均利用者数の80%以上を有することが明らかになった。

DDの資料により2018年以降、ETHにおいてはDAppの数が年初から増加し、5月にピークに達したことが分かった。しかしその後EOSの稼働を経た結果、継続的に増加する勢力は失われたと見られる。2018年10月には一時的に急増し約200のDAppが増えたが、11月と12月には急激に減少していたことが明らかになっている。

一方でEOSにおいては、DAppの数が一貫して増加する傾向があった。しかし、11月と12月にはDAppの増加するスピードは落ち、この点においてはETHと類似している。

MAUのデータにより、ETHのMAUは2018年1月から一貫して減少していることが分かった。5月にはMAUは一時的に増加しており21万に達したが、12月31日時点では6.81万に減少したことが明らかになった。これに対して、EOSのMAUは一貫して増加しており、9月中旬にETHのMAUを超えたことがあった。その後、11月にピークの70万に達したが、12月には急激に減少し21万まで落ちたことが明らかになった。

TRONにおけるDAppの数は、前述のETHとEOSよりも少ない結果が出た。それにもかかわらず、ギャンブル類のDAppの人気によって、多くの利用者を獲得することに成功した。現時点では、EOSのDAUはETHを抜き2位となっている。

 

2.DAppと育成シミュレーションゲーム

従来のゲームとは異なり、CryptoKittiesは潜在的な投資価値を有すると見られている。そのため、短い期間のうちに多くの利用者を確保することが可能となり、2017年12月9日には利用者数が約1.5万人に達し、24時間の取引量は178万ドルとなっていたが、2018年1月には、利用者数は千人程度まで激減していた。そのまま減少を続け、現在では300~400人の水準を維持する結果となっている。

人気だったCryptoKittiesであっても、市場の低迷を隠すことができるとは言えないだろう。EOSにおいては、EOS knightsが人気DAppとして知られているが5000のDAUしか保有していない。TRONにおいては、ゲーム類DAppの数が少ないため、DAUの数値は100人のレベルで留まっている。

以上のことから、DAppがおかれている技術環境と現状は、①育成シミュレーションゲームが中心である、②ライフサイクルは短期的である、③安全問題・攻撃誘発性を有する、④投資価値の減少、という4つの結論を導くことが可能となった。

 

3.DAppとギャンブル

2018年後半以降、市場には変化が生じていた。ゲームを扱ったDAppの人気が落下した一方、ギャンブルを扱ったDAppは注目を集めており、DApp市場を支えているように見えた。DAUの高いギャンブル類のDAppを分類すると、以下のようになっている。

・Fomo3D、Last WinnerをはじめとするFomo型(Fear of Missing Out)

DDの統計資料により、Fomo3DのDAUは1万を超え、取引量は4万に達したことが分かっている。しかし、安全性の問題が懸念されている。

・EOSBet、Etherollをはじめとする数字型

サイコロのような簡単な遊び方で、多くのユーザーを獲得していた。2018年12月までには、EOSbetのDAUは1万を突破し、取引総額は1.34億EOSに達したことが明らかになった。

・FarmEOSをはじめとするギャンブルゲームのプラットフォーム

多くの遊び方が設けられている。ユーザーはTokenを獲得することで、現金に換えることが可能。

開発難易度と収益率から言えば、ゲーム類のDAppよりも、ギャンブル類のDAppのほうが圧倒的に安いため、多くの開発者が短期利益を獲得するために、ギャンブル類のDAppに関心を持ったが、これはライフサイクルの短さ(一週間ほど)にも繋がっている。

4.DAppと安全性

2018年後半以降、DAppに関するハッキング事件が相次き、ユーザーに大きな損失を与えていた。その中で、特にギャンブル類のDAppを狙ったハッキング事件が顕著であった。DDの統計データにより、2018年12月までに、およそ39.5万EOSと1.3万ETHが盗まれたことが分かった。小規模なハッキング事件による損失額は多くはないが、ハッキング事件自体が頻繁に発生することが、ユーザーを失うことに繋がっている。「透明性」、「公平性」を謳っているDAppは、厳しい現状と直面せざるをえない時期を迎えた。


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