2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第五章

本文は、ChainDDとBlockchainBusinessCommunityが日本において、合同発表した文章です。
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連載:「2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書」

※第1回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第1章(上)

※第2回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第1章(下)

※第3回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第2章

※第4回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第3章

※第5回:2018-2019グローバル仮想通貨市場年間報告書 第4章

※第6回:2018-2019グローバル仮想通貨市場年間報告書 第5章

※第7回:2018-2019年グローバル仮想通貨市場年間報告書 第6章


2018年後半以後、ビットコインをはじめとする仮想通貨市場は不況を迎え、仮想通貨産業もマイニング産業もよく「もう終わるのではないか」と報道された。ChainDDはビットコイン、イーサリアムマイニングに関する社会的環境(地理的分布、電力消耗及びその来源)、ネット(ハッシュ値、難易度、マイニングプールにおけるシェア率の変化)、ハードウェア(マイニングマシンとその効率及びその市場占有率)等に基づいて仮想通貨マイニング業界を分析し、業界現状を紹介する。

第5章 独占された仮想通貨マイニング産業


   1. ビットコインマイニング

1) ビットコインマイニングの社会的環境

  • 中国のビットコインマイニング業の地理的分布:中国四川省を中心に、一部分が海外へ移転

    中国のマイニング業のおよそ八割は四川省に集中し、残り二割は雲南省、貴州省、チベット、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区、黒龍江省に分散している。なぜなら、それらの地域では電力コストを抑えられるからだ。Bitmain営業代表を務めるPengcheng Dai氏も電力コストに対して、現在中国の電力費用システムは比較的透明性が高いと述べている。現在新疆ウイグル自治区の費用は0.31-0.33元(約5円)であり、内モンゴル自治区の費用は0.34元(約6円)、四川省の費用は平均0.3元(約5円)、最低が0.1元(約2円)、となっている。全体的に見ると、2018年の中国政府の禁止政策によって、ビットコインの値段及びマイニングが多大な影響を受けたことから、一部分のマイニングファームがベネズエラなどの、電力費用がより安い国に移転する傾向が見られた。

  • ビットコインマイニングによる電力消費:年間消費量が前年より301.46%増加、マイニングコストが収入の過半数に

    ChainDDシンクタンクのデータによると、2018年12月31日の時点で、ビットコイン2018年の電力消費量は62.35兆kW/hであり、2017年の15.53兆より301.46%増加した。全世界のマイニングによる収入は約61億米ドルであり、その内マイニングコストが約31.17億米ドルとなり収入の過半数を占めた。マイニングの取引手数料の収入は-46%と大幅に減少したが、ビットコインの平均価格が高いため、マイナー収入は昨年より77.96%増加した。これに比例しハッシュ値も448.6%の増加を見せた。一方で2018年のビットコインの総取引量は8114.74万件であり、2017年度の9216.71万件に比べ11.96%減少したため、取引ごとの電力コストが354%増加した。

  • 採掘難易度:10月のピーク後12月に史上2番目の下げ幅を記録

    2018年において、採掘難易度は27回調整され、その内22回は難易度を上げ、5回は難易度を下げた。このように採掘難易度を反復調整する意味はビットコインの価値変化に影響されず、ブロックが生成される間隔がおよそ10分になるようコントロールし、予め決められたビットコインの発行ペースを守ることにある。2017年仮想通貨ブームによって、ビットコインの価値が高騰し、多くの企業や投資家が仮想通貨市場とマイニング業界に進出することになった。マイナーが増え、マイニング用のコンピュータも進化すれば、マイニングに掛かる時間は10分より短くなる。すると難易度調整で難易度は上昇する。それでも尚マイニングは儲かるということでマイナーは増え続け、コンピュータの進歩も止まらず、更に難易度が上昇する。このような背景から、2018年初頭から10月まで、難易度は常に上昇している状態を維持していた。

  • マイニングプール業界における独占

    ChainDDシンクタンクがBTC.comのデータに基づいて分析した結果、2019年1月21日の時点で、ハッシュレートは上位6つのマイニングプールが市場の74.48%を占めていることがわかった。シェア一位がBTC.comで約21.35%、二位はAntPool約13.97%、三位Slush Pool約10.96%、四位ViaBTC約10.51%、五位BTC.TOP約9.56%、六位のF2Poolが約8.13%であった。

 

2)ブロックチェーンハードウェア市場規模

Frost & Sullivanの統計によると、全世界のブロックチェーンに関するハードウェアの売上は2012年の4.2億円から、2017年には1158億円に増加しその年増加率は200%を超えた。ブロックチェーン技術はこれからより多くの領域に使われる事によって、それに関するハードウェアの需要も増加し続けると考えられていた。2018年における全世界的な市場規模は2736億に達し、2020年までにその規模は6000億円を突破すると見込まれており、これは市場が年間プラス72%の速度で拡大するということである。

しかしながら仮想通貨市場の不況によってトークン価値とマイニング収益は減少し続けており、一部のマイニングプールが運営停止した後、そのマイニングマシンが中古市場に入ることで、市場における新品のマイニングマシンに対する需要が減少したが、マイニング業界の計算能力に対する需要は相変わらず大きいままである。

     2.イーサリアムマイニング

2015年の公開以来、イーサリアム(ETH)は世界から注目され、2017年のicoブームによって仮想通貨の価格が高騰し、ETHもビットコインに続き二番目に知名度のある仮想通貨となった。2018年12月21日までに、GoogleでのEthereumに関する検索履歴は1.13億回を超えているが、ChainDDシンクタンクがetherscan.ioのデータに基づいて2018年のETH価格変動傾向を振り返って分析した結果、2018年12月31日までのETHの価格は133.49米ドルであり、前年の741.13米ドル記録と比較すると607.64ドル減少し、約81.99%の下落をみせている。2018年12月15日にはETHにおける年最低価格である84.28米ドルを記録。これに対し、最高値は2018年1月13日の1397.48米ドルであり、その下げ幅は93.97%であった。

ビザンチウムハードフォークが完成された日である2017年10月16日の20時から21時までの間に、ETHの採掘難易度は激減し、35.11%前後の下落をみせた。そのまま翌17日にも51.7%前後まで下落したが、ハッシュレートは安定して上昇していた。

ハードウェアのルールに則った結果、セキュリティ問題により完成が二回延期しているコンスタンティノープルハードウェアであるが、これが完成する際には、ETHの採掘難易度が一定数下落する可能があり、その価格の変動している時期には、ハッシュレートは上昇し続けるものと考えられている。

 

     3.マイニング産業の発展

仮想通貨市場の不況は続いている状態ではあるが、マイニング業界にはまだ希望があると言える。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は2018年に不況を迎えたが、マイニング産業にはまだ活力があり、現実の場所とマシンに依存している為実体経済とも言える。政府による政策も打ち出されてはいるが、マイニング産業のコアとなるのは電力、計算能力とトークン価格である。マイニング産業の規模とマイニングマシン市場の規模から見ると、マイニング産業はまだまだ拡大する余地があると考えられる。


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