Factom(ファクトム)とは?-分散型データ記録プラットフォームの概要と将来性

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からファクトム(Factom)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。

ファクトムとは?

 ファクトムはあらゆる電子データをブロックチェーン上に記録することが出来る、分散型のデータ管理プラットフォームです。ウォール街の金融データプロバイダー企業であるIntrinioと提携しているほか、土地権利の登記システムの構築についてホンジュラス政府との提携も行っています。

 

ファクトムの特徴:記録証明・記録管理

 従来は契約書などの記録が実際に存在していることを証明するためには、信頼性の高い第三者機関(第三者機関)が記録を管理する必要がありました。例えば、不動産売買に関する契約書を個人間で交わすのみでは改ざん・不正の可能性が排除しきれないため、信頼性のおける第三者として「不動産業者」を介します。第三者機関がユーザーの情報を管理し、また取引記録や契約記録が存在することを証明する必要があるのです。しかし、第三者機関による情報管理には多大なセキュリティコストが必要なうえ、一箇所での集中管理には常に外部からのハッキングといった攻撃リスクが存在します。

 これに対しファクトムは、2つの意味で第三者機関を不要とします。情報をブロックチェーン上に記録することで、記録されたデータは技術的に改ざんが困難となります。改ざんできないブロックチェーン上の記録はそれ自体が存在の証明となるため、記録の存在をその都度証明するための第三者機関を必要としません。ブロックチェーン上にあるデータをいつでも参照すれば済むのです。また記録管理についても、ブロックチェーン上の記録は改ざん不可能であるためセキュリティコストを大幅に削減でき、従来よりも低コストで管理できます

ファクトムのメリット-ビットコインレイヤーとは?

 ファクトムは、ビットコインブロックチェーンを用いて機能拡張を行う「レイヤー(層)」に構築されています。本来ビットコイン自体は、暗号通貨としての機能がメインであり、拡張性に欠ける部分がありました。しかし、ブロックチェーン外で行われた処理(オフチェイン)をブロックチェーンに記録することで、実質的にブロックチェーンの機能を拡張する「レイヤー」という概念が登場しました。

 ビットコインブロックチェーンはマイナーの数も非常に多く、攻撃に対する耐久性が強いというメリットがあります。ファクトムはビットコインブロックチェーン上に構築されていることで、セキュリティ面での恩恵を受けているのです。

 また2016年9月にはイーサリアム上でも利用が可能になり、さらに分散化されてセキュリティが高まった上、利便性も向上しました。

ファクトムのデメリット-ビットコインブロックチェーンの影響

 デメリットとしては、仕様などがビットコインブロックチェーンに左右されてしまうことが挙げられます。ブロックの生成が10分間隔であることに加え、今後ハードフォークなどがなされた場合には、それに合わせた対応が必要となります。

 

ファクトムの普及と今後の可能性

 ファクトムは、記録管理に関する手続きを大幅に効率化する可能性を秘めています。事実、企業監査、医療カルテ、サプライチェーン、選挙システム、資産登記、法的申請など、様々な形での応用が考えられています。いずれにしても改ざん不可能な情報記録・管理がもたらすメリットは非常に大きく、ファクトムが今後、情報記録・管理のスタンダードになっていく可能性もあると言えるでしょう。

 

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BBC編集部
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