LISKとは?-サイドチェーンを用いたスマートコントラクトとDAppsのプラットフォームへ

現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からLisk(リスク)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。

 

Liskとは?-DApps構築プラットフォーム

Liskとは、スマートコントラクトやDApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォームを目指したプロジェクトです。またそのネイティブ通貨(基軸通貨)を「LISK」と称します。マイクロソフトの法人向けクラウドサービスである「Microsoft Azure」との提携が進むなど、大きな注目を集めています。

スマートコントラクトとDAppsについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
 「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」

 

Liskの特徴-サイドチェーン上でDApps構築

ブロックチェーン上にプログラムを記録し実行する「スマートコントラクト」は、「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行されること」を実現しています。同じくスマートコントラクトを備えたDApps構築プラットフォームであるイーサリアムと対比されるLiskですが、イーサリアムとの最大の違いは「サイドチェーン」の実装です。

Liskでは、ひとつのブロックチェーン上に全てのDAppsを構築するのではなく、DAppsごとにサイドチェーン化しています。サイドチェーンとは、あるブロックチェーンの機能拡張を行う際にメインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーン(=サイドチェーン)を用いるものです。

イーサリアムでは、イーサリアムのメインのブロックチェーン上に全てのスマートコントラクトを記述してDAppsを構築します。これに対しLiskを用いてDAppsを構築するとき、開発者はDAppsごとに新たなブロックチェーンを構築したうえでスマートコントラクトを記録し、「サイドチェーン」としてメインのブロックチェーンと接続します。そのため、DAppsの開発者は、Liskのメインのブロックチェーン上に記述を行うことはできません。

また、サイドチェーンはメインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーンであるため、DApps開発者がサイドチェーンとなるブロックチェーンを構築する際、取引記録の記録者とその承認者を新たに設定することが可能です。DApps開発者が承認者を選ぶことができるため、Liskにおけるサイドチェーンはプライベートチェーンに近いと言うこともできるでしょう。将来的にはコンセンサスアルゴリズムの設定も自由に可能にする予定で、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワークや、プルーフ・オブ・ステークを導入したパブリックチェーンを作ることも可能になるとのことです。

プルーフ・オブ・ワークについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
「ブロックチェーンを支える技術『プルーフ・オブ・ワーク(PoW)』とは?」

 

Liskのサイドチェーン化には一長一短が…

メリット-スケーラビリティと柔軟性

DAppsごとにサイドチェーンを構築するメリットは主に、スケーラビリティと柔軟性の二点です。サイドチェーンごとにスマートコントラクトを実行しているため、一つのブロックチェーン上で複数のDAppsを実行するよりも負荷を小さくすることができ、スケーラビリティを持たせることが可能です。また、それぞれのスマートコントラクトは各サイドチェーン上に記録されているため、DApps開発者によるコードの変更が容易に実行できます。イーサリアムではブロックチェーン上に記録されたコードを自由に変更することができないため、より柔軟性が高いプラットフォームといえるでしょう。

デメリット-承認者を設定できる

Liskではマイニング(取引の記録作業)のことを「フォージング」と呼ぶほか、記録承認者を「delegate」と呼びます。先ほども述べたようにサイドチェーンは、メインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーンであるため、開発者が取引記録者と記録承認者を設定することができます。フォージングを行う人数を減らすことで、プライベートチェーンのようにサイドチェーン自体を中央集権的にコントロールすることができてしまいます。

また開発者がサイドチェーンを構築する際に承認者を設定できる反面、裏を返せばメインのチェーンとは別に承認者を新たに設定する必要性があるという手間もあります。サイドチェーンの承認者の数が少ない場合にはブロックチェーンのフォークが容易に起きてしまうため、攻撃を受けやすくなってしまい十分なセキュリティが担保できない可能性もあります。

 

Liskの普及と今後の可能性-サイドチェーン化の一長一短

以上のようにLiskがイーサリアムと大きく違う点はサイドチェーンの採用ですが、そのどちらがより実用的なのかといった部分については賛否の分かれるところです。イーサリアムにおいてはスマートコントラクトを実行する際に必要となるETH建ての手数料「Gas」がETHの価格上昇に伴って上昇していることが開発者に打撃となるのではという懸念もあります。Liskにおいてはサイドチェーンを用いることでその問題が生じないといったメリットもあると言えるでしょう。

イーサリアムのスマートコントラクト記述に用いられる言語が独自のものであるのに対し、Liskでは汎用性の高いJavaScriptを用いているため開発参入が容易であるという側面もあります。これらを踏まえれば、Liskにはイーサリアムに太刀打ちできるだけのポテンシャルはあると言えるでしょう。今後に期待が高まります。

 

サイドチェーンを用いたプロジェクトとして、ビットコインのサイドチェーンを構築する「Rootstock」というプロジェクトもあります。

Rootstockについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
「Rootstockとは?-サイドチェーンによりビットコインの機能を拡張」
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BBC編集部
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