リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨

 現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からリップル(Ripple)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。

リップルとは?-グローバルな価値移動を目指す

 RippleはシリコンバレーのRipple Labs, Inc.(リップル社)によって開発・運営されています。リップルはそれ自体の価値ではなく、リップルネットワークを通じてあらゆる資産価値をやり取りできる、「グローバルな価値移動のための分散型台帳ネットワーク」を目指しています。Googleが出資しているほか、みずほフィナンシャルグループやSBIホールディングスがリップルを用いて実証実験を行うなど、大きな注目を集めています。

リップルネットワークの基盤である「XRP Ledger」についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読みください。

「リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?」

 

リップルの特徴①-分散型台帳で管理する「IOU」とは?

 リップルネットワークは送金を行うユーザーと、ユーザー資産を保有・管理する「ゲートウェイ」によって構成されています。ゲートウェイはユーザーから資産を預かり、IOU(I owe you=借りている)と呼ばれるデジタル借用証書を発行します。IOUは預けた資産を受け取ることができる借用証書であり、資産の所有権を示していると捉えることができます。

 そしてユーザーは、このIOUをリップルネットワーク上で取引することで資産の所有権を移転します。たとえばAさんがゲートウェイで100万円と引き換えに受け取ったIOUをBさんが購入した場合、BさんはそのIOUと引き換えにどのゲートウェイでも100万円を受け取ることができるのです。このようにリップルネットワークにおけるゲートウェイは銀行に近い役割を担っています。

 

リップルの特徴②-プルーフオブコンセンサス(Proof of Concensus)とは?

 ビットコインなどで採用されているコンセンサス方式(承認方式)はプルーフオブワーク(Proof of Work、PoW)と呼ばれ、ノードと呼ばれる世界中のコンピュータが膨大な計算を行うマイニング作業を通じて記録者を選び、その承認を行っています。

 一方でリップルネットワークにおけるIOU取引の記録作業は、限られた数の承認されたノードによって行われています。これをプルーフオブコンセンサス(Proof of Concensus、PoC)と呼びます。少人数かつ信頼性の高いノードに限って記録・承認を担うことで、プルーフオブワークに必要なマイニング作業での電力消費を抑え、取引承認にかかる時間を数秒以内にまで短縮できます。しかし一方で承認作業を行う者がクローズな状態になってしまうため、非中央集権性が失われてしまう恐れもあります。

リップルのメリット-より効率的な国際送金の実現

 リップルは従来よりも効率的な形でグローバルな価値移動を実現します。従来の銀行を通じた国際送金では、送金に数日かかることや、送金手数料が高いことが問題視されてきました。これに対しリップルでは、国際送金を即座に、かつ低い手数料で行うことができます。たとえば、日本で発行したIOUをリップルネットワークを介して取引し、そのIOUをすぐにアメリカで交換することができるのです。

リップルのデメリット-カウンターパーティリスク

 一方でIOUとそれに対応する資産の交換は必ず履行されるとは言い切ることができません。ブロックチェーンはIOU保有残高や所有権を担保しますが、IOUと資産の交換を保証するのはゲートウェイです。そのため、ゲートウェイの信頼性によっては資産の交換が担保されない危険性があるのです。

 ゲートウェイは十分な資産を保有することによって、ユーザーのIOUと資産の交換に応じることができるという信頼を担保しています。そしてユーザーはリップルを利用する際、それぞれのゲートウェイが十分に信頼できるかどうかを各自で判断しなければなりません。ゲートウェイに100万円を預けてIOUを得たとしても、そのIOUの交換を保証するはずのゲートウェイが倒産するカウンターパーティリスクが常につきまとうのです。

 

リップルの普及と今後の可能性

 カウンターパーティリスクをできる限り軽減するためには、銀行など信頼性の高い機関がゲートウェイを開設する必要があります。一方銀行側にとってもリップルを導入し国際送金の利便性を高めることは大きな利点となります。実際にリップルは、既存の大手金融機関とアライアンスを進めています。リップルは、枠組みを有効に活用する形で既存の金融機関と併存した形で国際送金の利便性を高めることができる可能性があります。将来的には国際送金ネットワークの根幹を担っていく可能性をも秘めていると言えるでしょう。

 

リップルの基盤である「XRP Ledger」についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせてお読みください。

「リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?」

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BBC編集部
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