Tezosとは?―互換性あるシステム修正を可能とするブロックチェーン

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からTezos(テゾス)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。

 

ハードフォークによらないシステム修正を実現

ブロックチェーンにおいては、そのプロトコルにバグが見つかったり、システム修正が必要な場合は、フォーク(分岐)による修正が行われます。このフォークには、旧・新バージョンの間に互換性のある「ソフトフォーク」と、互換性のない「ハードフォーク」の2種類があります。

修正内容がノードによる多数決によって承認されると新バージョンが採用されますが、旧システムとの互換性がないハードフォークの場合、旧システムと新システムの採用者間で永続的な分岐が生じてしまうという懸念がありました。

この問題点を解決し、ハードフォークによらないシステム修正を実現するブロックチェーンがTezosです。Tezosにおいては、ネットワークプロトコル、トランザクションプロトコル、コンセンサスプロトコルをそれぞれ独立させることによって旧・新システムの互換を常に可能にしています。

 

Tezosのプロトコル修正メカニズム

プロトコルの仕様修正をノードが承認するルールはプログラム上に明確に規定されており、修正はノードの合意にもとづく民主的な方法によって行われます。具体的には、「Tutarchy」と呼ばれる投票システムを採用することにより、ブロックチェーンの分散性という特徴を維持しながらも、集合知的な意思決定を行うことが可能となっています。さらに、「OCaml」というプログラミング言語の導入によって、この承認プロセスを速く正確に行うことができます。

また、従来のブロックチェーンでは、既存のシステムを改善するインセンティブはほとんどありませんでした。一方でTezosでは、システムのバグを発見したり、それを修正し採用された場合には、報酬を得ることが出来ます。これによって、システムを改善しようとする動機が生じやすくなるでしょう。

 

プルーフ・オブ・ステークによる承認システムを採用

Tezosでは上記の承認プロセスにおいて、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しています。ビットコインブロックチェーンではプルーフ・オブ・ワーク(PoW)による承認システムが採用されているために51%攻撃やマイニングを行うための大量の電力消費などの課題が存在していましたが、Tezosではこれらの問題が解消されています。

Tezosブロックチェーンにおいては、個人や団体がシステムを悪い方向に変更しようとする可能性もありますが、通常はそのような変更はPoSによって拒否されることになります。しかし、Tezosプロジェクトチームは、それらの変更がネットワーク内で拒否されない事態も生じうると考えています。そこで、より良い決定を行う承認者のトークンを保護し、承認プロセスの公平性・有効性を高めていくことを検討しています。

Tezosのプロジェクトチームは、ICO6月から行い資金を調達することを発表しています。今後もプロジェクトチームからの情報に注目していきたいところです。

Webサイト:https://www.tezos.com/
ポジションペーパー:https://www.tezos.com/static/papers/position_paper.pdf
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BBC編集部
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