リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?

リップル(Ripple)はネットワーク内であらゆる価値と交換できるようにすることを目的とした決済プラットフォームです。リップルではビットコインと同様に、台帳によって各利用者の取引記録を管理しています。しかしその台帳は「ブロックチェーン」ではなく、より広義の意味を持つ「分散型台帳」(distributed ledger)と呼ばれています。リップルではこの分散型台帳は「XRP Ledger」と呼ばれています。

このXRP Ledgerは、主に法人の国際送金に対応しており、銀行等の途上国への事業拡大にも適した台帳であるとされています。2012年の運用開始以降、XRP Ledgerは、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)の次世代手段として運用されてきました。

このXRP Ledgerがさらにグローバルに採用されるようになるためには、承認システムを分散化し、システムをさらに強化することが必要だとされています。そこで本記事では、XRP Ledgerの仕組みと今後の分散化に向けた取り組みについて解説していきます。

リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。
→「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」

 

これまでのXRP Ledgerの仕組み

XRP Ledgerでは、ビットコインブロックチェーンとは異なり、コンピューター計算による取引の承認(マイニング)を行うのではなく、承認者(validator)による投票で承認が行われていました。このプロセスは、ビットコインのプルーフ・オブ・ワークに対して、プルーフ・オブ・コンセンサス(Proof of Consensus、PoC)と呼ばれます。ここでは、80%以上の承認者が有効と判定した取引のみを台帳に記録しています。この仕組みにより、数秒以内という非常に速い時間で、余分な電力の消費もなしに、取引を承認することが可能となっています。

承認者のリストはUNL(Unique Node List、ユニーク・ノード・リスト)と呼ばれ、UNLの各承認者はお互いを承認者として許可することでネットワークを形成しています。リップルの場合、基本的にはリップル社(Ripple Labs, Inc.)が指定するUNLが選ばれており、信頼性が担保されていました。管理者がいなくなってもネットワーク自体は継続されるので完全な中央集権的システムとは言えないものの、実質的にはリップル社が管理主体となるシステムをとっており、一方では非中央集権性が失われてしまうという懸念があがっていました。

 

XRP Ledgerの分散化は2つの方向性で行われる

1. XRP Ledger 上の承認者を多様化していくこと

ネットワークの信頼性を将来に向けて維持し、単一障害点によるリスクを軽減するためには、XRP Ledgerは特定の組織に依存せず運用される必要があります。そのためリップル社は、推奨する承認者を引き続き拡張し、分散化していくことを重要課題と位置付けています。ここでの分散化とは、アイデンティティ、地理的ロケーションや使われるソフトウェアプラットフォームが多様であることを指し、これによって単一障害点によるリスクが軽減されることになります。承認者がXRP Ledgerに参加するにあたっては、合意形成率、連続稼働時間、身分証明などの一定の基準にもとづいて運用パフォーマンスの監視がなされます。

2. 第三者が指定した承認者をUNLに追加すること

現在はリップル社が指定したUNLが選ばれていますが、今後、これらのUNLの承認者を、第三者が指定した承認者に置き換えていくことが計画されています。これは、第三者により認められた承認者が2つ加わるごとに、リップル社が指定する承認者を1つ取り除くというプロセスで行われます。これを、特定の組織が承認者の過半数を占めるような状況がなくなるまで、今後18ヶ月にわたって続けるとのことです。

 

安全性が高く、分散化されたXRP Ledgerへ

現在、ビットコインの5大マイニングプールの計算力の合計は51%を超えるため、万が一5大マイニングプールが結託するようなことがあれば、51%攻撃によってビットコインブロックチェーンの改ざんが可能になってしまう可能性があります。イーサリアムについては、たった3つのプールが結託することでネットワークの乗っ取りが可能となってしまいます。

そのなかで、リップル社は、リップルをビットコイン以上に分散化されたネットワークにすることを目標にしています。ビットコインの分散レベルに達するのに必要な承認者の数は16です。(現在リップル社が指定している承認者の数は25。)さらに数を増やせば増やすだけ障害によるリスクも軽減することができます。つまりリップルの分散化戦略によって、XRP Ledger は他のパブリックなブロックチェーンの分散レベルに匹敵するだけでなく、それを超えるポテンシャルも持っています。

さらに、XRP Ledger における承認者は、安全性がより高いということができます。ビットコインはマイニングのスピードのみに基づいて承認者を選んでいるため、逆に安全性に対するモチベーションが低いとも言えます。一方で、リップルの承認者は、その能力に基づいて選ばれているため、最もネットワークへの信頼性が高く、評判が良い承認者がUNLに含まれる可能性が高くなっています。

 

リップルとは?こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてお読み下さい。
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BBC編集部
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