Blockchain to Blockchain:今注目されている新たな「B2B」とは?

 

ブロックチェーン技術は現在、黎明期から普及期へと移行しつつあります。その傾向は、新規ICOプロジェクトの傾向に注視すると読み取ることができます。従来のブロックチェーンプロダクトは、通貨としての利用や、その他の価値の保存目的での利用などに主軸が置かれていました。すなわち、現実世界で起きている問題の解決や、現実世界にある価値の代替物を作る目的で、ブロックチェーンが活用される場合が主でした。

メタアプリケーションのICOが相次ぐ昨今

しかし現在では、ブロックチェーンのエコシステムにおける「メタアプリケーション」の開発に、投資家たちの熱い注目が集まっています。メタアプリケーションとはすなわち、「ブロックチェーン経済圏のなかにおいて発生している問題を解決するプロダクト」のことです。

一般的にメタアプリケーションは、直接的に消費者のニーズを満たすことがない一方で、企業体のニーズを満たすことに特化しています。いわゆるB2B(business-to-business)と呼ばれるビジネス領域に属しています。

昨今、メタアプリケーションを扱うICOプロジェクトが急増している背景には、ブロックチェーンエコシステム全体の「複雑性」が急激な勢いであがっていることが原因として挙げられます。世界を席巻したbitcoin(ビットコイン)という一大暗号通貨が誕生して以来、様々なアルトコイン(ビットコイン以外の暗号通貨)が誕生しました。新たに誕生したアルトコインやブロックチェーンは、それぞれが違う目的を実現するために設計されている一方で、実際のユースケースを見てみると、相互に関係性を持った経済圏が誕生していることがわかります。

巨大なマーケットに食らいつく

これにより、異なるアルトコインやブロックチェーン間における、相互運用性や互換性が問題となってきました。暗号通貨の市場規模は、2017年10月現在で17兆円以上と推計されています。そのため、この相互運用性や互換性を実現する機能をもったメタアプリケーションを開発したプレイヤーには、莫大な資金やユーザーが集まる可能性に期待が高まっています。

このようなメタアプリケーションを開発プレイヤーの例として、Aionブロックチェーンを提供している、Nuco社が挙げられるでしょう。Nuco社は、グローバルコンサルティング企業であるDelloite社における、ブロックチェーン専門部門であるRubix社という前身企業をもとに作られているそうです。Nuco社は、銀行から自社のプライベートブロックチェーンを経由して、様々なアルトコインブロックチェーンの架け橋となるような機能を提供しています。社員数は20名ほどであるそうですが、ブロックチェーン技術を数年に渡って扱ってきた豊富な開発経験と、Delloitte社から得られるビジネスコネクションは大きな強みとなるでしょう。Nuco社は、Aionブロックチェーンにいちはやくエンタープライズユーザーを惹きつけ、ネットワーク効果を発揮することで、Aionブロックチェーンの価値を高めることを目指しているようです。

メタアプリケーション開発における3つの壁

しかしこの領域においては、3つの大きな課題が残されています。

一番大きな問題として立ちはだかっているのが、①スケーラビリティの問題です。Ethereum(イーサリアム)のRaidenネットワークが開発されたように、ビットコインのLightningネットワークや、ビットコインブロックチェーンのフォークが行われた背景には、このスケーラビリティ問題があります。

スケーラビリティ問題とは?

http://businessblockchain.org/what-is-bitcoin-split-and-its-fundamental-problem

これからの企業は、それぞれ大量のデータを含んだブロックチェーンを持つようになることを考えると、ブロックチェーン間のやりとりを担保する中間プレイヤーは、大量のトランザクションを捌けるシステムを開発することが必須となります。

スケーラビリティ問題は、ふたつめの②相互運用性の問題にも絡んできます。あるブロックチェーンから別のブロックチェーンへとデータが移動する場合、プログラムの使用上、互換性がないことや、バグが発生してしまうこと懸念されます。この問題に対処できなければ、メタアプリケーションにとって致命的となります。

そして最後に、③プライバシーの問題が挙げられます。暗号通貨の重要な特徴のひとつとして「取引の透明性」を担保できることが挙げられます。この特徴は活用方法によってはメリットになる一方で、一般に公開されることが望ましくない顧客の個人情報など、企業が扱うセンシティブなデータのやりとりにおいては問題となってきます。

これら3つの大きな課題を乗り越え、なおかつ複雑でリアルタイムなビジネスの取引を運用できる中間プレイヤーが、次の覇権を握るでしょう。

次世代B2Bビジネスの覇権を取るのは誰か?

Nuco社のCEOは、「今日、すでに何百と存在しているブロックチェーンですが、じきに数千、数百万ものブロックチェーンが誕生するでしょう。今後のブロックチェーンの発達には、公私の主体を問わず、ブロックチェーン同士のネットワークを構築できるかどうかにかかっています。そして、我々はその実現に向けて活動しています。」と述べています。Nuco社は、EEA(Enterprise Ethereum Foundation、イーサリアム企業連合)の立ち上げメンバーでもあります。

日々混沌さを増しているブロックチェーンビジネスですが、今後この巨大なマーケットを制するプレイヤーが誕生する様子に注目です。

この記事をシェアする:
BBC編集部
About BBC編集部 253 Articles
ブロックチェーンビジネス研究会(略称:BBC)編集部です。海外の業界ニュースや、ブロックチェーンや暗号通貨について基礎的な内容を発信していきます。