広告配信の分散化を進めるBitClaveプロジェクト

イーサリアムブロックチェーンをベースにした検索エンジン「BitClave(ビットクレイヴ)」を提供しているBItClave社は、広告配信システムの分散化を押し進めようとしています。

BitClave社の提供する、The BitClave Active Search Ecosystem (BASE)というテクノロジーでは既存のブラウザと異なり、ユーザー自身が自身のブラウザにアクセスできるプレイヤーを制限することができます。このシステムにより、従来アドネットワークなどの仲介プレイヤーに広告配信を行っていた小売り業者は、直接的に商品を買う可能性が高い消費者にターゲットを絞ってプロモーション活動を行うことができます。

BitClaveが塗り替える広告配信市場

 

BitClave社の提供する検索エンジンでは、ユーザーがインターネットを閲覧している際に、プライバシー侵害につながる恐れのある第三者のネットワークや信頼できないデータソースからのアクセスを排除することができます。従来のシステムでは、アドネットワークとよばれる自由に取引できる広告枠市場を経由して広告配信が行われていました。しかし、このBitClaveの検索エンジンを中心とするネットワークでは、ユーザーと広告主がP2Pで結びつく新しい経済圏が誕生します。

例えばBitClaveエンジンのユーザーが車を検索していた場合、「車」といったキーワードで検索したユーザーのデータが、カーディーラーグループの手に渡ります。カーディーラーたちはその消費者に対して、車販売の広告を配信します。その広告を通して実際に取引が成立したかどうかにかかわらず、消費者はBitClave Consumer Activity Tokens (CATs トークン)をディーラーから受け取ることができます。そしてユーザーは、このCATsトークンを暗号通貨(仮想通貨)の取引市場にて、自由に現金に換えることができます。このフローは、車に限らず、不動産や保険など、あらゆる商品カテゴリで行われます。

広告業界を脅かす深刻な問題

現在オンライン広告へ流入しているトラフィックの約半分は、ボットと呼ばれる自動クリックプログラムによるものだそうです。広告販売業社は視聴数、クリック数などで広告枠を販売しますが、このような現状において、売り手側が媒介媒体(フェイスブックやグーグルなど)を使うと、実在しないトラフィックに対して支払うコストが発生して収支を圧迫している結果、巡り巡って消費者にまでコストの負担が生じています。

この問題に対して、BASEテクノロジーは新しいエコシステムを生み出すことで解決を図ろうとしています。ブロックチェーンによってアドネットワークなどの仲介プレイヤーをなくすことで、ボットの脅威から逃れられるだけでなく、広告主は低価格で自由に広告を配信することができます。

BitClaveを支えるBASEテクノロジー

BASEテクノロジーでは、ユーザーデータの保管とユーザーアクティビティ管理にイーサリアムブロックチェーンを使用しています。マーケットダッシュボードや小売業者側の管理画面では、消費者の検索リクエストをブロックチェーンから読み込み、小売業者が設定したキーワードに呼応して、ブラウザ上に広告が配信されます。

BASE上には、ユーザーどのような嗜好、趣味、興味はあるのかを、なにを検索エンジンにかけたかといったようなユーザープロファイルデータが匿名の状態で蓄積されていきます。この蓄積された大量のデータをもとに、小売業者のマーケターは、BASE上に蓄積された各種のデータをブロックチェーン上からいつでも参照することができるため、広告のクリエイティブや販売方法の改善につなげることができます。また、BitClave社はこれらのデータをシンクタンクやアナリストに対して販売することも想定しているようです。

資金調達に成功したBitClaveの今後

BitClave社は、2017年7月のプレセールですでに180万ドルもの資金調達に成功しています。現在は、10月のCATsトークンの販売開始に向けて活動しているようです。このオープンセールによって、BitClaveの初期ユーザーを確保していくようです。広告業界の歪な力関係をブロックチェーンが塗り替える可能性に注目です。

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BBC編集部
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ブロックチェーンビジネス研究会(略称:BBC)編集部です。海外の業界ニュースや、ブロックチェーンや暗号通貨について基礎的な内容を発信していきます。