アクセンチュア、ブロックチェーンを航空業界のメンテナンスコスト削減に活用へ

 

2017年6月19日から25日にかけて、フランスのパリにて隔年で開催される、世界最大規模の航空宇宙機器産業の国際見本市であるパリ航空ショーの第52回が開催されました。その中で、大手コンサルティング会社アクセンチュアの航空・防衛部門のトップを務めるJohn Schmidg氏が、航空産業界においても今後数年以内にブロックチェーンが導入されるであろうとの見解を示しました。

 

ブロックチェーンで、航空機器の状態を効率的に管理

航空業界全体に関わる課題としては、主に航空機器の高額なメンテナンスコストが挙げられます。例えばエンジンに関しては、それぞれの部品についてどの会社のどの製品が使用されているのかを把握している必要があります。さらにそのメンテナンスにおいては、逐次それぞれの部品の消耗度合を監視し、必要に応じて適宜部品交換を行います。その際、「どのタイミングでどの部品が交換されたのか」、また「どの会社の製品が使用されたか」などの項目について、厳密に記録していく必要があります。
しかし現在のシステムでは、一つのエンジンの状態を複数の会社が各自で監視し記録しています。この状況に対して、ブロックチェーンをひとつの部品管理台帳として分散型ネットワークで管理することができるようになれば、無駄が省かれて大幅なコスト削減が見込まれます。

 

エンジンメンテナンスにおける2つの大きな問題

またエンジンメンテナンスのプロセスにおいては二つの問題点が挙げられます。一つは、整備士がエンジンの状態について「マクロな視点」で見る傾向があるということです。すなわち、その「エンジン全体」がどれぐらいの期間使用されたのか、といった部分について注目しがちであり、個々の部品の消耗状態が見過ごされるなど適切な管理が行われないリスクがあるのです。エンジンの使用状況は常時一定ではなく、高負荷状態と低負荷状態があるため、各部品の寿命を正しく見極めることが重要です。ここにブロックチェーンを用いることで、部品の使用履歴を簡単に追跡できるため、より適切なメンテナンスを行えるようになると考えられます。

またもう一つは、エンジン整備を工場に依頼する際、一般的に過去にそのエンジンの整備を経験したことがある工場に依頼をするため、特定の工場に依頼が偏りがちな構造がある、という点です。たとえ工場に整備依頼が殺到していて納期が1ヵ月以上かかるような場合であっても、他の工場に整備依頼を出すことを検討しないため、大幅なタイムロスが発生するケースが多く、多大な機会損失にも繋がっています。この問題構造はそのエンジンに関する情報の偏在化によって発生しているものですが、ブロックチェーンによって各部品の状態がどの工場からでも把握できる状態になれば、ひとつの整備工場にこだわることなく、余裕のある工場に依頼を出しやすい構造が生まれます。

 

適切な部品管理を通して、より安全なフライトへ

このように、アクセンチュアはブロックチェーンには航空業界におけるメンテナンスコストの問題を解決できるポテンシャルがあると考えており、数年以内にこれらのことが実現するという見通しを立てているそうです。ブロックチェーンを用いた航空機管理によって、今後のフライトの安全性はより高まっていくでしょう。

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BBC編集部
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