ビットコインブロックチェーンを活用して、違法売春の取り締まりへ

ニューヨーク大学タンドン・スクール・オブ・エンジニアリング、カリフォルニア大学バークレー校及びサンディエゴ校の合同研究チームは、売春に関与していると疑われるbitcoin(ビットコイン)のアドレスを、ブロックチェーンの中から特定するAI(人工知能)の開発計画について発表しました。この研究チームは、機械学習アルゴリズムを用いてポルノ関係のインターネット広告を調査し、背後にある暗号通貨(仮想通貨)ウォレットへの資金の流れを特定することで、違法売春の関係者を特定できるようになることを目標にしているようです。

ネットを介した性的産業が盛んなアメリカ

アメリカには、出会いやコミュニティづくりを目的としたウェブサイトが多数存在しています。利用者の安全を保護するために法律を遵守し、セキュリティ対策を行ったり、書き込みに一定の制限を設けているウェブサイトが存在する一方で、これらの措置が施されていないウェブサイトも散見されます。これらの中で悪評の目立つ一部ウェブサイトを米国政府が調査した結果、子どもの性的人身売買が行われている証拠が発見され、即座に法的措置が取られたケースもあります。この事件を受け、米国ではインターネット上の性的勧誘行為に対して強い規制がかけられるようになりました。その結果、違法セックスワーカーは直接的に路上で勧誘する方向に転換するようになり、オンラインの違法性的産業の規模は、一時に比べて縮小したと言われています。しかし、未だに問題が表面化していないウェブサイトが水面下に存在している可能性もあり、一概にすべてのウェブサイトが健全になったとは断言できません。さらに近年に入り、違法な性的勧誘行為にビットコインが使われ始めていると言われており、オンライン性犯罪の発見がより困難になっていく可能性があり、問題となっています。

ブロックチェーン技術と性的産業の親和性

性風俗産業全体をみると、合法的に性産業に従事している企業でも金銭のやり取りにビットコインが積極的に活用され始めているようです。2016年10月には、アメリカの某アダルトサイトが、利用者の取引の安全性を向上させる目的で、スイスに拠点を置くブロックチェーン企業Decentと提携を結んだことで注目を集めました。

ブロックチェーン技術を用いると、匿名性を保ったまま金銭のやり取りを行える場合があります。特定の取引の追跡を困難にするミキシング技術を使用した暗号通貨で決済が行われると、利用者を特定することは非常に困難になります。この特性は、一般的に知らない人とお金のやり取りをする際には便利ですが、マネーロンダリングへの悪用や、違法な性的産業を助長してしまうことが懸念されています。

同研究チームは、Amazon Web Service、Giant Oak、Googleやその他米国の研究機関などの支援を受けて開発を進めていくようです。現時点ではまだ技術面での詳細は発表されていませんが、開発が成功すれば、違法な性的産業の取り締まりがより一層進んでいくことでしょう。

 

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BBC編集部
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