ブラジル中央銀行が決済機能のバックアップシステムをブロックチェーン上に構築することを検討

2017年8月28日、ブラジルの中央銀行は、ブラジル国内の金融における、ブロックチェーンと分散型台帳技術の活用可能性に関する研究論文を発表しました。

本研究はブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil)によって開始され、論文内では国民ID、地方通貨、決済などの分野において、実際にブロックチェーンを導入した場合のモデルケースなどについて検討していました。これらの分野のうち、特に「決済における活用事例」の項目に関しては、早急に実働可能なプロトタイプの作成を行うことが推奨されました。

論文内では、既存の中央銀行用の一次決済プラットフォームの上位互換となるようなモデルを作成する目的でブロックチェーンを導入することについては述べておらず、主要決済システムが完全なメルトダウン(決済システムの完全崩壊)を引き起こした場合に備えて、最低限資金移動を行える状態を維持するために必要とされるバックアップシステムを、たとえ機能が「ミニマム」なレベルであったとしても、早急に実装するべきであることを強調していました。

 

銀行のコア機能が失われた場合に備えて

レポートでは、SALT(Secure Automated Lending Technology)というブロックチェーンテクノロジーが非常時のバックアップシステムに有効だとしており、「致命的な事故が起こった場合、RTGS(Real-Time Gross Settlement、中央銀行における金融機関間の口座即時振替の取り組み)メンバーはお互いに資金を送ったり(やりとりする)ことができず、完全な財政停止につながってしまいます。取引決済の代替システム(SALT )は、システムが完全なメルトダウンを起こした際に、ブラジルにおけるRTGSのコア機能をすぐに置き換えることができる偶発的解決策のための概念的なシステムです。」と説明されています。

このシステムでは、金融機関や中央銀行自体が有効なノードとして許可され、ブロックチェーンネットワークの構成者となっているようです。論文は、プライバシーを潜在的な問題になってくる可能性についての認識を示した上で、「さまざまな機関へ供給・複製された多種多様な情報を、一元的に共有することは可能である」と結論づけています。

現在、世界中の中央銀行では、ブロックチェーンがどのように活用可能かについて研究が進められています。例えば、イギリスの中央銀行であるイングランド銀行とシンガポール通貨当局は、ブロックチェーンが決済にどのように適用されるかについて研究を進めています。調査の結果、イングランド銀行は現行で用いられている最新の決済システムを「分散台帳技術にて互換することができる」と結論づけています。今後も銀行におけるブロックチェーン技術の積極的な導入に期待が集まります。

 

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BBC編集部
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