Audius:ブロックチェーン技術を用いて音楽業界に変革をもたらすか

2018年8月16日 BBC編集部 0

アーティスト、ファンと開発者からなるコミュニティが所有する分散型の音楽共有プラットフォームのAudiusは、ラウンドAで550万米ドルを調達、世界初の音楽共有ブロックチェーンプラットフォームを発表しました。2018年8月8日の報道によると、今回の投資ラウンドははゼネラル・カタリスト社とライトスピード社がリードを取り、クライナー・パーキンス、パンテラ・キャピタル、122ウエスト、アスコルタ・ベンチャーズなどが参加しました。 今までの音楽ビジネスの仕組みは、レコード会社経由でアーティストの作品を制作・宣伝し、さらに小売の流通業者から音楽商品を購入したファンたちに作品が届くという流れですが、Audiusでは、ブロックチェーン技術を用いて、アーティストとファンという一対一の関係を成立させ、ミドルマンがほぼ存在しないアーティスト直のビジネスを実現する仕組みを推進しています。 Soundcloudに対するブロックチェーンを用いた代替案として 、Audiusプロジェクトは元々発足されました。Audius音楽共有プラットフォームでは、アーティストがレコード会社などの組織を経由せず、直接にファンと接触でき、自分の作品を宣伝・販売して利益を得られます。Audiusのプロトコルは永続的であり、アーティスト、ファンと開発者からなるコミュニティによって所有しコントロールできるとAudiusの開発者は宣言しています。 Audiusの利用によって、仲介組織の介入なしに、アーティストはファンへの直接交流と宣伝ができるほか、Soundcloudのように、Audiusが提供するプラットフォームでファンたちに作品をアピールし、自分のファンクラブを拡大することが可能です。しかし、Soundcloudとは違い、Audiusの利用者たちのアカウントは永久にブロックチェーンに保存され、第三者に改ざん、使用中止にされるリスクはありません。また、ブロックチェーン技術によってリアルタイムにトークンによる支払いの状況を把握できので、アーティストたちは常に自分の作品の利用状況を確実に把握することができるようになります。

米国飛行機事故を機に、サプライヤーはブロックチェーン技術を採用へ

2018年5月9日 BBC編集部 0

  2018年4月17日、米国サウスウエスト航空1380便がペンシルベニア州上空を飛行中に第1エンジンが爆発し、客室で急減圧が発生、11時20分頃にパイロットはフィラデルフィア国際空港に緊急着陸を行いました。 その後、何万もの異なる部品を追跡するという航空宇宙産業が直面する課題が明らかになりました。その課題とは航空会社がエンジン内の個々のファンブレードの履歴を把握していないことであり、この事件を通して明らかになりました。

音楽・イベント産業で活躍するブロックチェーンスタートアップ5社

2017年11月15日 BBC編集部 0

  今回の記事では、音楽・イベント産業において活躍している、海外のブロックチェーンスタートアップを5社、紹介していきたいと思います。音楽・イベント産業は、大企業が絶大なパワーを有しており、彼らの後ろ盾なしには個人のアーティストが大きな成功をつかむことは難しくなっています。 このようにパワーバランスが偏った業界において、ブロックチェーン技術を武器に戦う新規参入者が、どのように展開していくかに注目が集まっています。またパワーバランスの問題だけでなく、チケットの転売問題など、長年イベント産業を悩ませてきた様々な問題をブロックチェーンが解決する可能性についても述べていきます。 イベント産業をディスラプトする 1.KickCity KickCityの創業者は、市場規模30億ドルと見積もられている巨大産業である、イベント業界の抱えている問題について指摘しています。今日の世界では、1分あたりに100個以上ものイベントが同時に開催されていますが、イベントオーガナイザーやイベント代理店は、常に複数の問題に直面しています。彼らは自身のイベントのマーケティングや宣伝を行うにあたり、クレジットカード会社や銀行に多額の手数料を支払っていることに加え、チケットの転売や詐欺といった問題にも対処を行っていかなければなりません。イベントの予算のうち、およそ20%がマーケティング活動に用いられているとされるなか、半分以上のイベントオーガナイザーは集客率の低さに頭を抱えています。加えて、26.4%のイベントオーガナイザーは、どのオンラインツールを用いてイベントの集客を行えばいいのか把握できていないとのデータが出ており、非効率的なオンライン広告事業者に振り回されている可能性があります。 既存のオンライン広告配信プラットフォームは、ユーザーに多大な費用を負担させるようにデザインされている、といえます。しかしKickCityの提供するサービスは、既存のサービスとは対照的です。KickCityは、オフラインイベント参加者を母体とする、評価経済型のコミュニティプラットフォームで、ブロックチェーンベースで分散的に運営されています。KickCityのユーザーは、身の回りのローカルイベントを発掘して、イベントと潜在的な参加者となりそうな人をつなぐ(=宣伝する)ことで、デジタルトークンを得ることができる、というモデルになっています。 ブロックチェーンを用いることで、KickCityはイベント産業における非効率的な中央集権プレイヤーや第三者機関を回避して手数料を削減しつつ、分散型評価経済プロモーションシステムを用いてイベントオーガナイザーの業務時間を50%まで削減することに成功している、とのことです。 全体の透明性向上にブロックチェーンを 2.Crypto.Tickets 偽物のチケットによって、イベントオーガナイザー、チケット販売プラットフォーム、チケット転売事業者は長年の間苦しめられてきました。例えば2017年上旬、Ed Sheeran(イギリスのシンガーソングライター)のファンたちが、非正規のチケット販売業者から定価の8倍もの価格でチケットを購入した結果、会場で偽物であることが判明したために、10000人ものファンがコンサートイベントへの入場を拒否されるという出来事が発生しています。 Crypto.Ticketsは、このようなチケット詐欺を未然に防ぐことを目的として開発されたブロックチェーンプラットフォームです。イーサリアムブロックチェーンとスマートコントラクトを用いることで、Crypto.Ticketsはチケットを暗号化して正当性を保護することができるのです。Cryptp.Tickets社の創業者であるEgor Egerev氏は、「ブロックチェーンは既存のプレイヤー間のコミュニケーションを塗り替え、予約に関するすべての手続きの透明性を向上させることができます。イベントオーガナイザーはチケットに対して、それぞれジャンルや価格設定、交換、返金、転売ポリシーなど複雑なルールを設定しています。スマートコントラクトによってCrypto-ticketはこれらの全てをブロックチェーン上で実現しています。同時に、チケットを購入する顧客は、そのチケットが正真正銘のホンモノであることの確信を持つことができます。我々は、どのようなチケット販売システムでも利用できるブロックチェーンプラットフォームを開発しようとしています。」と述べています。 中央集権構造が利益の一極集中を招いている 3.Vibrate Viberate社は、音楽産業におけるプロモーションまわりの中央集権的な構造について、こう述べています。 「高度に中央集権化された構造では、極一部のプレイヤーに利益が集中し、大多数の小規模プレイヤーはもがき苦しむことになります。音楽産業におけるアンダーグラウンドで小規模なライブハウスやレーベルに所属しているイベントオーガナイザーは、大企業によって、収益構造の蚊帳の外に置かれています。」 今日の大規模なチケット予約代理店や、中央集権化されたチケット販売プラットフォームにマネーが集中しているライブミュージック産業のエコシステムにおいて、タレント・エージェンシー(タレント事務所)の恩恵に預かれるアーティストはごく少数に留まります。タレント・エージェンシーの後ろ盾がないアーティストは、マーケティング、セールス、ネットワーキング、リーガル、税制、資金調達といった様々な問題を自力で解決せねばならず、本業であるクリエイティブな活動に専念することが難しくなります。 同時に一方で、イベントオーガナイザーは、イベントに登場してくれるアーティスト探しに奔走しますが、当日ドタキャン、低クオリティなパフォーマンス、支払いの滞りといった様々なリスクに向き合う覚悟で仕事に臨まなければなりません。 Viberateはライブミュージック産業のグローバル市場を構築しようとしているブロックチェーンスタートアップです。Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンを用いてミュージシャンと予約情報の管理をし、スマートコントラクトを用いてチケットの販売を行います。Viberateは現在、タレント・エージェンシーやチケット販売業者とのパートナーシップを結ぶことを計画していますが、彼らの最終的なゴールは、世界中にいる、事務所の後ろ盾のないアーティストとイベントオーガナイザーのマッチメイキングをするプラットフォームを展開することにあります。 ミュージシャンは、このプラットフォームをプロモーションや露出媒体として用いることができる一方で、プロモーターにとってはイーサリアムブロックチェーンによる支払いシステムを、分散型のエスクローシステムとして用いることができます。 既存の配信プラットフォームと比較して、20倍の収益が見込める 4.TokenFM TokenFMは、既存のメディアが抱える問題点に対してブロックチェーンを用いた世界初の企業です。TokenFMは、メディアの分散化を推し進めるとともに、アーティストとファンを直接結び付ける活動をしています。 […]

ブロックチェーン関連企業のETF銘柄取り扱いを米国2社が申請

2017年11月9日 BBC編集部 0

ブロックチェーン企業銘柄のETF 2017年11月上旬、ETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)の取り扱いを専門とする2社がブロックチェーン関連ETF銘柄として、アメリカのSEC(Securities and Exchange Commission, 証券取引委員会)に申請を出していたことがわかりました。Reality Shares ETFs社の子会社であるReality Shares Advisors社は、ブロックチェーン企業への投資環境を整備するため、NASDAQと協働していくようです。時を同じくして、同じ目的で、Amplify Trust ETF社もSECに対して独自ETF銘柄の申請を行ったようです。 2社とも「ブロックチェーン企業への投資環境を整える」という文脈では同じでした。しかし事業計画書によると、それぞれが投資先として想定している会社は、まったく異なるものを描いており、ETF銘柄が真正面から競合する可能性は低いとのことです。   Reality Shares社は、申請時のコメントで 「今後多くの市場や産業がブロックチェーン技術の恩恵に預かるであろう、ということが予想されていますが、ブロックチェーン技術のもつ可能性にはまだまだ探求され尽くされていない領域がたくさん残っています。そのため、インデックス(同社の策定する指標)には、(ブロックチェーン技術が)活用されている会社と、そうでない会社の持分証券が含まれる可能性があります。」 “Blockchain technology may be used to […]

ブロックチェーンで変わる?結婚のアレコレ

2017年11月6日 BBC編集部 0

  スマートコントラクトの登場によって、ブロックチェーンはより日常的な場面でも簡単に利用することができるようになりました。スマートコントラクトに署名をすると、契約内容はブロックチェーン上に半永久的に、ハッキングされない安全な形で格納されます。このブロックチェーンとスマートコントラクトの性質を生かしたビジネスが、「結婚」に関する領域で新たに誕生しています。 婚姻届けをブロックチェーン上に? 2014年10月5日、人類史上初めて、婚姻記録がパブリックブロックチェーン上に記録されました。David MondrusさんとJoyce Bayotookさんの結婚式は、フロリダ州オーランドのディズニーワールド内で開催された、プライベート・ビットコインカンファレンスで執り行われました。ふたりはQRコードをスキャンして承認ボタンを押すことでスマートコントラクトを締結し、婚姻関係を結びました。婚姻情報は、ビットコインブロックチェーン上にただちに記録されました。ふたりは婚姻に際し、 「命は有限であり、死がふたりを分かつことがあるかもしれない。しかし、ブロックチェーンは永遠である。」 とコメントを寄せています。 他にブロックチェーンに記録された結婚記録の例としては、ビットコイン活動家であるOles Slobodenyukさんと、Irina Dkhnovskayaさんの夫妻が挙げられます。2016年7月17日に結婚したふたりは、披露宴にてWeddingbook.ioというブロックチェーンプラットフォーム上で結婚証明書を発行しました。Weddingbook.ioは、Cryptograffitiというウェブサービスを用いて婚姻情報を登録しています。Cryptograffitiは、オンラインインタフェースを用いることで、ビットコインブロックチェーン上に秘密のメッセージを記録することができるサービスです。結婚証明書だけに留まらず、結婚の証人一覧や結婚の誓いをブロックチェーン上に半永久的に保管することができます。 イーサリアムブロックチェーンで結婚 すべての結婚がめでたく「成功」に終わるとは限りませんが、開発者たちは、年々ブロックチェーン上に婚姻情報を保管したい、という要望が増加している手ごたえを感じているそうです。いくつかのブロックチェーン結婚プラットフォームでは、ふたりの婚姻情報だけではなく、家族情報の登録も行っている、とのことです。IT開発者のGaurang TorvekarさんとSayalee Kaluskarさんは、2016年のイーサリアムブロックチェーン上で初めて婚姻を結びました。夫妻は、婚姻契約書のテンプレートをクラウドファイル管理システムからダウンロードし、Ethereum(イーサリアム)ベースのAttoresプラットフォーム上で電子署名をし、結婚しました。 Prenup With Loveというイーサリアムブロックチェーンベースのサービスは、同棲前の婚前契約情報を保管することができます。婚前契約の内容は多岐に渡り、例えば買い出しの頻度、家事の分配、最低限デートに割く時間、ふたりで見るドラマ番組などがあります。婚前契約は、ふたりがそれぞれのIPアドレスから、暗号化されたメッセージを送信することで締結され、スマートコントラクトに反映されます。これらのコードは公開されているため、新婚のカップルが気軽に利用することができます。しかし現時点では、これらの婚前契約に法的拘束力はないと考えられています。夫妻は、ふたりの決断について、下記のように述べています。 「ブロックチェーンのもつ無限の可能性を、私たちは家族問題の解決につかうことにしました。婚姻をブロックチェーン上で結ぶことは、賢い選択だと思っています。」 離婚をブロックチェーンにどう組み込むか そしてさらに、2017年10月、ロシアで初となるブロックチェーンサービスを利用した結婚が行われたそうです。Vasily LifanovskyさんとAlla Tkachenkoさん夫妻は、夫婦の暗号貯蓄資産をひとつの家族資産に統合しました。この手続きは、結婚状態を含めた様々なライフステージに応じた暗号資産管理を提供する、MyWishというサービスプラットフォーム上で行われたそうです。 MyWishは、思想や実装の面で、先ほどのPrenup With […]

Sonyがブロックチェーンベースの多段階認証システムの特許を出願

2017年11月1日 BBC編集部 0

2017年10月26日、Sony(ソニー)が、USPTO(United States Patent and Trademark Office 、米国特許商標庁)に、ブロックチェーンを用いたMFA(Multi Factor Authentication、多段階認証)システムの特許を出願したようです。電気機械メーカーはこの特許を用いることで、相互に結びついた2つのブロックチェーンプラットフォームを用いた、安全性の高い多段階認証ログインシステムを利用できるようです。 2つのブロックチェーンプラットフォームを用いる 米国特許商標庁から公開された資料によると、ソニーは2つのブロックチェーンプラットフォームを行き来することで、ユーザー認証を行うシステムを出願したようです。ここでは、ブロックチェーンプラットフォームAとBの2つがあると仮定して、説明します。ブロックチェーンプラットフォームAでは、ユーザーは通常どおり、ユーザーネームとパスワードを入力します。ユーザーがログインに成功すると、プラットフォームA上で「ログイン認証コード」が発行されます。 もう一方のブロックチェーンプラットフォームBは、プラットフォームAで発行された「ログイン認証コード」を受け取り、それを承認する役目を果たします。プラットフォームAのログイン認証コードを、プラットフォームBが承認したと同時に、プラットフォームB上でトランザクションの生成が行われます。ここで生成されるトランザクションに含まれる情報として、データの移動、コントラクトの生成、資産の移動などが挙げられるそうです。 MFAシステムの仕組み MFA(Multi Factor Authentication、多段階認証)システムとは、単一ではなく、複数の方法を用いてユーザー認証を行うシステムのことです。MFAシステムは、ユーザーがウェブサイトやプログラムにログインするために、2つ以上の資格証明情報(例:ログインIDとパスワードの組み合わせなど)を入力することで成立します。MFAシステムは、たとえハッカーをはじめとする侵入者がユーザーの「ユーザー名とパスワード」を盗むことに成功したとしても、ログインのたびにコードが変化する仕組みがあれば部外者がトークンにアクセスすることはできず、ユーザー資産の安全が保たれる、という考えに基づいて開発されています。 ソニーのブロックチェーンプロジェクトのこれまで 今回発表されたプロジェクトは、ソニーが開発している数あるブロックチェーンプロダクトのうちの一つです。以前にも発表があった通り、ソニーはIBMとパートナーシップを組み、教育現場に特化したブロックチェーンプラットフォームの開発を進めています。(2018年中のローンチ予定がアナウンスされています。)それだけに留まらず、ソニーはブロックチェーンの多分野への応用方法について、検討を進めているそうです。その項目として、サプライチェーン、ロジスティクス、データマネジメントなど、知的財産の管理が重要視される分野が挙げられています。 Sonyが教育現場におけるブロックチェーンベースの情報管理システムの開発へ http://businessblockchain.org/sony_education_platform_with_blockchain 引き続き、ソニーのブロックチェーンプロジェクトの動向に注目です。  

CarbonXプロジェクトとは?気候変動問題に取り組むカナダのブロックチェーン企業

2017年10月20日 BBC編集部 0

その行動は本当に「環境に優しい」…? 多くの人々が気候変動問題に高い関心を持っている一方で、実際にCO2排出量削減に向けて行動をしている人は少数にとどまります。また「省エネ電球」のような環境に優しい製品を利用することがよしとされている一方で、ヒトはただそれらを「購入した」という事実だけで満足しがちで、その他のCO2排出量の削減行動に結び付くことは稀です。そして、環境に優しいとされる行動を地道に積み重ねている人たちがいる一方で、アメリカのニューヨークからデンバーまで、たった片道分のフライトに乗るだけで乗客1人当たり、車の走行距離12000㎞分に相当するCO2が排出されます。このような現状では、環境に優しい行動を積極的にとろうとするインセンティブが削がれていくばかりです。 CO2排出権をトークンに しかしもし仮に、CO2排出量の少ない、環境に優しい行動をとるたびに換金可能な報酬を得られるようになったら、私たちの行動はどう変わるでしょうか。そんな夢のような計画を進めているのが、カナダにあるブロックチェーン企業であるCarbonX社です。CarbonX社は、国連のREDD+という規定に基づいたCO2の排出権を購入し、代わりに換金可能なCxTトークンを発行しています。 仕組みはこうです。ユーザーが自家用車の代わりにバスに乗ったり、あるいは東南アジアから空輸されてきた食物の代わりに地元の海産物を購入すると、購入が発生したそのタイミングでCxTトークンを受け取ることができます。そして、そのCxTトークンを別の商品の購入にあてがうことができます。例えばホームセンターで「燃費のとても良い芝刈り機」を購入すると、購入時にCxTトークンがもらえ、そのCxTトークンで新たな商品を購入することができます。これらは一見すると複雑なプロセスのように聞こえますが、CarbonX社によると、処理は完全にバックグラウンドで行われるため、ユーザーのシームレスな買い物体験を阻害することはない、とのことです。 ブロックチェーン・レボリューションでも注目されていたカーボン・クレジット ブロックチェーンは当初より、複数産業をまたぐロイヤリティスキーム(ポイントサービスのような、購入時にユーザーが更なる特典を得られるサービスのこと)における活用が期待されていました。「ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか」の共著者の一人である、Don Tapscott氏は、「カーボン・クレジット(炭素クレジット)はトークン化しやすいため、ブロックチェーンで実装するにはもってこいでしょう。そして、カーボン・クレジットP2Pのオープンネットワークで取引できるようにするためには、今後”価値のインターネット”を実現していくことが不可欠です。」と述べています。ここでTapscott氏の述べている「価値のインターネット」とは、「株式、票、ポイント、知的財産、音楽などのような物理的実体のないものを、銀行や市場など中央集権構造を経由せずに、ブロックチェーン上でトークン化して電子資産としてやりとりできるシステム」のことを指しています。 アプリでCxTトークンを管理する Tapscott氏は、兄弟のBill氏と息子Alex氏、そしてロイヤリティー産業のプロフェッショナルであるJane Ricciardelli氏と協力して、CarbonX社を創業しています。CarbonX社は、小売業者や製造業者を代表してCO2排出権を購入し、各トランザクションから少額の手数料をとることで初期のCO2排出権の購入費用を補填していくようです。CarbonX社は、2018年度の第二期中にリリース予定であるスマートフォンアプリを通して、ユーザーがCxTトークンを買い物で利用できる状態を実現することを目指しているとのことです。例えば、ガソリン代にかかる炭素税の支払いに、CxTトークンを用いる、といったことも可能になるようです。(現在、カナダでは二酸化炭素の排出活動に対して課税を行う、”炭素税”の全土導入が検討されています。) Bill Tapscott氏は、インタビューで小売り業者がCarbonX社のプログラムを利用するメリットについて述べています。CarbonX社のユーザーは、合意の下でアプリ上の「炭素計算機」を利用することができ、効率的なCxTトークンの回収が行えるようになります。ユーザーにメリットを与えると同時に、各ユーザーの日常的に利用している製品や移動手段、各家庭のエネルギー消費活動が可視化されます。CarbonX社のプロジェクトに参加することで、企業はこの匿名ユーザーデータにアクセスすることができるようになる、という仕組みです。実際に、2018年の年初にCarbonX社のプロジェクトに参加するパートナー企業がいくつか発表されるそうです。 市場原理で利益の調整を 従来は、個人がCO2の排出量を緩和する(CO2排出上限を引き上げる)目的で、カーボン・クレジットが利用されることが主でした。しかし、今回の計画は従来とは異なります。Tapscott氏は、個人レベルの排出量制限では個人にとってうまみのある話でなくなる可能性について、懸念していました。平均的なアメリカ人は、年間一人当たり20トンものCO2を排出しているといわれており、これを西部気候イニシアチブの算出する炭素の現行市場価格に照らし合わせると、$400もの価格になるとのことです。1人当たりのCO2排出削減量を20%と仮定すると、年間の収益見込みは$80程度となります。しかし、$80のために習慣となっている行動を変えるユーザーは極めて少ないと考えられます。 この問題に対して、CarbonX社は、トークンの価格を炭素市場の価格から切り離すことを検討しているようです。ひとつの案では、トークンの価値が販売者の設定するトークン付与量に関連づけられるようです。例えば、環境に優しい食器洗い機を購入する場合、報酬として5CxTトークンを付与するか、あるいは3CxTトークンしか付与しないのか、販売者が自由に設定することができます。そしてこれと同時に、トークン価格は取引市場の状況も反映されていくようです。最終的な調整を経て、Tapscott氏らは年間$250をユーザーに還元することを目標としているそうです。 地球規模の問題に取り組むブロックチェーン企業 「気候変動問題は、もはや大きな組織や政府だけに任せておいて解決できる問題ではありません。現在ではまだ、ヒトに何か行動を促すための、効果的な手段は確立されていません。しかしこの誰もが使えるCarbonXのプラットフォームが足がかりとなって、気候変動問題が解決されていくことに期待しています。」とDon Tapscott氏は答えます。今後も地球規模の問題に取り組むブロックチェーン企業、CarbonX社に注目です。

チューリッヒ大学とProcivis社がブロックチェーンベースの電子投票システムを開発へ

2017年10月11日 BBC編集部 0

  スイスのe-government計画を推進しているスタートアップのProcivis社と、チューリッヒ大学の情報科学部のCSG(Communication Systems Group)は、電子投票ソリューションを開発するための計画を発表しました。現在計画中のプラットフォームでは、有権者情報の提供から結果の評価まで、投票プロセス全体を電子的かつシームレスに取り扱うことを目指しています。Procivis社は、ブロックチェーンの起業家Daniel Gasteiger氏によって2016年秋に設立されたスイスのベンチャー企業です。同社は、社会のデジタル化と世界中のオンライン公共サービスの提供を可能にする「サービスとしての電子政府」プラットフォームを提供しています。 e-Votingで変わる投票のありかた 今回のプロジェクトは、Burkhard Stiller教授率いるProcivis社とCSGのチームにThomas Bocek博士による技術関連のバックアップサポートが入るかたちとなるそうです。Stiller博士とBocek博士は、ともにチューリッヒ大学に在籍しています。このチームのプロジェクトは、安全に電子投票を行うための投票サービスの実現を目指しています。本投票プラットフォームでは、例えば有権者に投票先候補に関する情報を提供する機能のように実際に有権者が投票を行う前のフェーズをサポートする機能から、投票数カウントと分析など、投票後のフェーズをサポートする機能まで備えるとのことです。開発後は、チューリッヒ大学内部で行われる選挙において、電子投票プラットフォームがテスト導入されることが検討されています。 このプロジェクトでは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンを用いることで、安全性を確保するそうです。プラットフォームが完成したあとについては、選挙の透明性を保ちつつ、公平性を確保する目的でオープンソースライセンスの下で公開されていく予定です。また有権者の登録については、電子アイデンティティの発行と管理を可能にするProcivis社の「eID +」プラットフォームが用いられるとのことです。 産学共同で進められるブロックチェーンプロジェクト Procivis創設者兼CEOのDaniel Gasteiger氏は、「電子投票システムは、電子ガバナンスの実現を支える中核要素です。スイス連邦議会は、電子投票システムの導入に向けた明確なスケジュールを発表しました。それ以来、我々はチューリッヒ大学と協力して、電子投票ソリューションの開発に貢献してきました。」と述べています。また、チューリッヒ大学CSGの 「P2Pと分散システム」の責任者で、大学側のプロジェクトを担当しているThomas Bocek博士は「ブロックチェーン技術に基づく電子投票は、投票の透明性を高めると同時に、技術的にも非常に挑戦的な内容となっています。これは非常に興味深い分野です。我々はこのエキサイティングなプロジェクトに携われることを楽しみにしています。」と述べています。プロジェクトのさらなる発展を目指して、Procivis社とチューリッヒ大学は、スイス内外にある学術機関や企業が今後さらに活動の輪に加わってくることを期待しているそうです。今後も産学共同で進められるブロックチェーンプロジェクトへの注目は高まっていくでしょう。    

広告配信の分散化を進めるBitClaveプロジェクト

2017年9月30日 BBC編集部 0

イーサリアムブロックチェーンをベースにした検索エンジン「BitClave(ビットクレイヴ)」を提供しているBItClave社は、広告配信システムの分散化を押し進めようとしています。 BitClave社の提供する、The BitClave Active Search Ecosystem (BASE)というテクノロジーでは既存のブラウザと異なり、ユーザー自身が自身のブラウザにアクセスできるプレイヤーを制限することができます。このシステムにより、従来アドネットワークなどの仲介プレイヤーに広告配信を行っていた小売り業者は、直接的に商品を買う可能性が高い消費者にターゲットを絞ってプロモーション活動を行うことができます。 BitClaveが塗り替える広告配信市場   BitClave社の提供する検索エンジンでは、ユーザーがインターネットを閲覧している際に、プライバシー侵害につながる恐れのある第三者のネットワークや信頼できないデータソースからのアクセスを排除することができます。従来のシステムでは、アドネットワークとよばれる自由に取引できる広告枠市場を経由して広告配信が行われていました。しかし、このBitClaveの検索エンジンを中心とするネットワークでは、ユーザーと広告主がP2Pで結びつく新しい経済圏が誕生します。 例えばBitClaveエンジンのユーザーが車を検索していた場合、「車」といったキーワードで検索したユーザーのデータが、カーディーラーグループの手に渡ります。カーディーラーたちはその消費者に対して、車販売の広告を配信します。その広告を通して実際に取引が成立したかどうかにかかわらず、消費者はBitClave Consumer Activity Tokens (CATs トークン)をディーラーから受け取ることができます。そしてユーザーは、このCATsトークンを暗号通貨(仮想通貨)の取引市場にて、自由に現金に換えることができます。このフローは、車に限らず、不動産や保険など、あらゆる商品カテゴリで行われます。 広告業界を脅かす深刻な問題 現在オンライン広告へ流入しているトラフィックの約半分は、ボットと呼ばれる自動クリックプログラムによるものだそうです。広告販売業社は視聴数、クリック数などで広告枠を販売しますが、このような現状において、売り手側が媒介媒体(フェイスブックやグーグルなど)を使うと、実在しないトラフィックに対して支払うコストが発生して収支を圧迫している結果、巡り巡って消費者にまでコストの負担が生じています。 この問題に対して、BASEテクノロジーは新しいエコシステムを生み出すことで解決を図ろうとしています。ブロックチェーンによってアドネットワークなどの仲介プレイヤーをなくすことで、ボットの脅威から逃れられるだけでなく、広告主は低価格で自由に広告を配信することができます。 BitClaveを支えるBASEテクノロジー BASEテクノロジーでは、ユーザーデータの保管とユーザーアクティビティ管理にイーサリアムブロックチェーンを使用しています。マーケットダッシュボードや小売業者側の管理画面では、消費者の検索リクエストをブロックチェーンから読み込み、小売業者が設定したキーワードに呼応して、ブラウザ上に広告が配信されます。 BASE上には、ユーザーどのような嗜好、趣味、興味はあるのかを、なにを検索エンジンにかけたかといったようなユーザープロファイルデータが匿名の状態で蓄積されていきます。この蓄積された大量のデータをもとに、小売業者のマーケターは、BASE上に蓄積された各種のデータをブロックチェーン上からいつでも参照することができるため、広告のクリエイティブや販売方法の改善につなげることができます。また、BitClave社はこれらのデータをシンクタンクやアナリストに対して販売することも想定しているようです。 資金調達に成功したBitClaveの今後 BitClave社は、2017年7月のプレセールですでに180万ドルもの資金調達に成功しています。現在は、10月のCATsトークンの販売開始に向けて活動しているようです。このオープンセールによって、BitClaveの初期ユーザーを確保していくようです。広告業界の歪な力関係をブロックチェーンが塗り替える可能性に注目です。

The Plastic Bankプロジェクトとは?ソーシャルビジネス×ブロックチェーンのもつ可能性

2017年9月28日 BBC編集部 0

リサイクルシステムをほとんど持たない途上国において、プラスチック製ごみを再利用するプロジェクトがIBMのブロックチェーン技術による支援によって実現されようとしています。銀行のような信頼性が高く、かつハブのような機能を有する金融インフラが確立していない途上国の多くでは、「信頼」をベースにした経済構造が未発達となっていました。しかし、ブロックチェーンによって信頼の可視化が可能になったことで、途上国において新たな経済圏が誕生しようとしています。 デジタルトークンが現金にとって代わる 「私たちは、今まで利益をあげることが難しかったリサイクルというコンセプトを、お金を貯めることができるコンセプトに変えました。」と、The Plastic Bankの共同設立者Shaun Frankson氏は語ります。彼は、The Plastic Bankの報酬モデル、その背後にあるブロックチェーン技術、そしてどのような信用の形をもって、グローバル世界に展開していくのかについて話しました。 2013年に設立されたThe Plastic Bankは、プラスチックのリサイクルの報酬として、現金ではなく、ブロックチェーン上で発行されたデジタルトークンを付与しています。これらのトークンは、非営利団体の開発したアプリを使用し、モバイル決済システムを導入している店舗で、食料や水と交換できるほか、公共料金の支払いに用いることもできます。 「これは世界中のどこであっても展開できるように設計されたシステムだ。」とFrankson氏は語りました。 The Plastic Bankを支えるIBMのテクノロジー The Plastic Bankのプログラムを支えているテクノロジーには、IBM Blockchain、Hyperledger Fabric(分散型帳票ソリューションのプラットフォーム)、IBM LinuxONEサーバーなどが挙げられます。 IBMは動作中のデータを自動的に暗号化するSecured Service Containersというセキュリティ機能を含む、新世代のLinuxONEメインフレームを発表しました。これにより、ブロックチェーン取引のためのセキュリティレイヤーが新しく追加されることとなりました。 IBMのDickinson氏は本技術について、「これはあなたが利用しているどのLinuxアプリケーションにも使用することができます。これにより、マルウェアやインサイダーによる攻撃から、自分のアプリケーションを守ることができます。」と説明しています。  […]