ブロックチェーンは資金洗浄の有効な対策となるのか-現状と活用可能性

2017年5月1日 BBC編集部 0

金融犯罪が高度化する中、資金洗浄対策(Anti-Money Laundering、AML)にかかる費用は急激に増大しています。本記事では、マネーロンダリングに関して金融業界が直面している問題と現状における対策について述べ、ブロックチェーン技術が資金洗浄対策における課題を解決できるかについて解説していきます。   マネーロンダリングの現状 国際通貨基金(IMF)と国連薬物犯罪事務所(UNODC)によれば、マネーロンダリングによる被害額は年間約2兆ドルと推計されています。これは2016年のカナダのGDP(約1兆5000億ドル)を超える金額であり、また低採算国117か国のGDP合計(約1兆9000億ドル)をも超える金額です。マネーロンダリングによる被害額がいかに巨大かがご理解いただけるでしょう。 1989年にマネーロンダリングやテロ資金対策等における国際的な協調指導・協力推進を行う政府間機関としてFATF(Financial Action Task Force)が設立されていますが、マネーロンダリング被害額の1%未満しか摘発できていません。このことは世界的な金融システムの安定と安全に関する大きな懸念事項となっています。 疑わしい取引を防止・摘発するため、金融機関は規制を遵守する必要があり、世界中でマネーロンダリングに対抗するための法律強化もなされています。ゴールドマン・サックスによれば、資金洗浄対策のために費やされた金額は、2009年には年間70億ドルだったのに対し、2014年には年間100億ドルまで増加しています。また、規制違約金は2009年以来10倍に増加し、年間80億ドルに達しました。 規制の強化に伴い顧客情報を収集するための手続きにも時間と手間がかかるようになりました。そのため金融機関は効率性を高める必要があるのですが、顧客情報および口座情報の監視、把握、報告といった作業は非常に手間のかかるものです。金融機関は常に新技術を採用し、作業の効率化を追求しています。 金融機関はリスクを減らすために、リスクを持つ取引先の銀行パートナーや顧客との長期的関係を解消する傾向となっています。このことは、特に食料、水、住居、教育や医療などの緊急なニーズに直面する途上国を中心に、人びとの生活に及ぼす社会的影響を十分に評価することなく行われています。   課題の根本的な原因は、レガシーな体制に この課題の根源的な原因は、金融制度や規制が陳腐化しており、技術進歩・金融犯罪の高度化に追いついていないことです。金融機関は法律に基づき、それぞれの顧客に対して徹底した情報収集・管理をする必要があります。しかし、顧客が別の銀行に口座を持っている場合には、その銀行によってその顧客の情報は既に収集・管理されています。銀行間のデータ共有がなされていないことによって、顧客情報の収集・管理にかかる時間や費用が重複してしまっています。 さらに、システムが疑わしい取引を誤って検出することが多く、調査のためにも費用がかかります。現在使われている取引監視ソフトウェアでは、疑わしい取引を摘発するためのシステムがありますが、専門家がこれらの取引を判断すると、システムにより検出された取引の99%が誤っていることが分かります。この問題は、データが不完全であることに起因しており、この修正に多大な時間・費用が掛かります。 では、インターネットはこの課題に対する解決策を提示できるのでしょうか。私たちはインターネットによって情報を容易に入手することができるのですが、ここに問題があります。世界中に開かれたウェブを介して資産の取引を行う場合、取引における当事者間の情報を認証し、記録の保管を正確かつ安全に行う必要があります。このような価値の移転はこれまで伝統的に、銀行などの金融仲介機関が担っていましたが、これは非効率で、安全性が低く、コストのかかる方法でした。   金融基盤としてのブロックチェーンとは ブロックチェーンとは、価値を持つ資産を安全かつ個人間で移動・保管・管理することができる新しいプラットフォームであると言うことができます。銀行などの金融仲介機関は存在しませんが、代わりに高度に洗練された暗号化によって取引記録が保護されることで信用が成立しています。 ブロックチェーンは口座情報やデータが記録されているオンライン上の取引台帳のようなものです。情報は1つの中央機関によって保有されているのではなく、世界中の何万台ものコンピューターに保有されています。承認された全ての人が最新の情報にアクセスすることができ、その透明性も保証されています。   ブロックチェーンは、資金洗浄対策にどのように活用できるのか? ブロックチェーンの活用は以下の3点において効果的です。 1.顧客情報が暗号化されリアルタイムでアップデートされるため、誤検知率を大幅に削減する。 […]

InChainから考える、取引所への仮想通貨(暗号通貨)の預金リスク

2017年4月20日 BBC編集部 0

 Inchain(インチェイン)は、サイバー攻撃やハッキングによる暗号資産損失のリスクを軽減することを目的とする初の”分散型”保険プラットフォームです。取引所に暗号通貨を預け、資産管理を委託する際の”損失リスク”を分散させるための保険とも言えます。暗号通貨資産の管理委託とは何か、損失リスクとは何かということを見ていきながら、暗号通貨と法定通貨の2つを比較していきましょう。 ※InChainは公式サイトが2017年4月現在閉鎖されており、資金調達の失敗に伴ってプロジェクト自体が終了しています。   暗号通貨管理の委託によりリスクが生じる構図  そもそも暗号通貨は何の目的で預けられるのでしょうか。本来は取引所で両替した暗号通貨は各個人のアドレスに送金し、秘密鍵を自己責任で管理するべきだとされていますが、個人での管理には盗難や紛失などリスクが伴います。そこで取引所や中央管理型のウォレットサービスは、自己管理のリスクを避けたいユーザーに代わって秘密鍵を管理しています。  しかしこれには大きなリスク要因が潜んでいます。取引所では大勢のユーザーの暗号資産をサーバーで集中的に管理しているため、サイバー攻撃の対象となりやすいのです。これは必然的に生じてしまうリスクですが、ブロックチェーンの大きなメリットの一つである「分散化によるサイバー攻撃耐性」を殺してしまうも同然であり、本末転倒とも言えます。さらにこのことはウォレットサービスや取引所が秘密鍵を管理する際の大きなリスクとなっており、Mt.Gox事件や香港の取引所Bitfinexでのビットコイン消失事件などの原因ともなっています。InChainは主にこの種のリスクを軽減する目的で開発されたものです。   同じ構図が法定通貨においても存在  この構図は法定通貨で言えば、もともとタンスで管理していた現金を銀行に預金として預ける行為と同様です。銀行預金者はタンス預金により生まれる盗難・紛失リスクを避け、銀行に資産管理を委託しているのです。このように取引所の管理する暗号通貨資産は、法定通貨で言うところの銀行預金であると言えるでしょう。  そして銀行預金は同様の構図を持っている以上、同種の攻撃リスクを抱えています。銀行の金庫やサーバーには銀行預金が集中的に保管されているため、銀行強盗やサイバー攻撃の対象となりやすいのです。暗号通貨と異なる点は、たとえば銀行強盗の場合は特定の口座からのみ盗まれるということはなく、基本的には銀行がプールしている資金の中から補填されるということです。しかし、銀行がプールしている資金で賄えなくなった場合はどうなるのでしょうか。   取引所と銀行預金の相違点  現代の銀行では銀行預金として預かった資金の一部をそのまま融資として貸し出すことで金利収入を得る、「部分準備制」というシステムを採用しているところがほとんどです。そのため銀行は全ての預金額を資金として保持しているわけではなく、預金者全員の預金引き出しに対応することはできないのです。例えば、リーマンショックの際には先行きに対する不安感が広まり金融危機に陥ったことで銀行へ預金引き出し要求が殺到し、資金不足に陥って預金を支払うことが出来なくなった銀行が破たんする事態にまで至りました。   銀行預金リスクに対する補償  リーマンショックに象徴されるように「銀行は破綻しない」というのは幻想にすぎず、銀行が全ての預金額を資金として保持しているわけではない以上、最悪の場合には銀行預金が失われる可能性があるということが分かるでしょう。このようなリスクを抑えるために、銀行預金には「ペイオフ制度」と呼ばれる預金保険があります。各金融機関が預金保険に加入し保険金を積み立てることで、その金融機関が経営破綻し預金の払い戻しが出来なくなった場合に金融機関当たり1000万円までの預金額が補償される仕組みです。   bitFlyerと三井住友海上の取り組みについての見解  2016年11月には国内取引所大手のbitFlyerと三井住友海上が共同で保険を開発しました。取引所の事業者が加入対象となっており、有事の際には取引所の被害と個人資産の被害それぞれについて1000万円~10億円の補償がなされるとのことです。  (産経ニュース「三井住友海上が「ビットコイン」のトラブル向け保険 取引所と共同で開発」2016年11月24日)  取引所事業者が加入し保険料を支払う仕組みということですので、各金融機関が保険料を支払うペイオフ制度に近い形であると言えるでしょう。取引所で万が一損失が出ても補填される、ということにより暗号通貨取引への心理的ハードルを下げる可能性はありますが、第三者に暗号通貨資産を預けるという行為に対する抵抗感が薄れてしまうおそれもあります。一人一人が「暗号通貨資産の管理を第三者に委ねるべきではない」という認識を持っておくことが重要だと言えるでしょう。 ※InChainは公式サイトが2017年4月現在閉鎖されており、資金調達の失敗に伴ってプロジェクト自体が終了しています。

ビットコインがハードフォークしたらどうなるのか?保有者は何をすべき?

2017年3月31日 BBC編集部 0

 前回の記事ではBitcoin Core(ビットコイン・コア)派とBitcoin Unlimited(ビットコイン。アンリミテッド)派の対立について触れました。状況次第ではBitcoin Unlimitedによるハードフォークが実行され、ビットコインブロックチェーンが分裂する可能性があります。では、ハードフォークが起きた際にどうなるのでしょうか。詳しくみていきましょう。   ハードフォークが起きると持っているビットコインはどうなるの? ハードフォークが起きると、その時にユーザーが保有しているビットコインが、ビットコイン(BTC)とビットコインアンリミテッド(BTU)の二つに分かれます。ビットコイン10BTCを持っていた人は、ハードフォークと同時に10BTCと10BTUを保有することになるのです。これは、ハードフォーク時まではBTCとBTUが同じブロックチェーンを取引記録として同期しているからです。   リプレイ攻撃とは?-2つのコインを識別する必要 ハードフォーク時に問題となるのが、片方のコインの送金処理を行うと二つのコインが同時に送られてしまう「リプレイ攻撃(Replay Attack)」というものです。イーサリアムがハードフォークを行ってイーサリアムクラシックが誕生した時にも同様の問題が生じ、大きな混乱を生みました。このときはETHとETCの識別をする対応が遅れたため、取引所やウォレットによってはハードフォーク後にETHの送金処理を行うと同時にETCのブロックチェーンでも送金処理が行われてしまい、同額のETCが送金されてしまう事態が生じてしまったのです。  ビットコインにおいても同様の事態が発生するのを防ぐため、取引所19社は合同で、ハードフォークが実行された場合にはBTCとBTUを別の通貨として扱い、そのためにBU側にハードフォークの場合はリプレイ攻撃への対策を講じるよう求める声明を発表しました。これによって、リプレイ攻撃への対策がBU側でなされれば、19社の取引所では二つのコインを別々に取引することができるようになりますが、他の取引所やウォレットが対応するかは現時点では未定のものも多くあります。送金先がBTUに対応していない場合はBTUが引き出せなくなって実質消滅する可能性もありますので、フォーク前後はBTC・BTUともに送金を控える必要があります。   ビットコイン保有者は、何をすべきか? 送金をしなかったとしても、取引所や外部ウォレットサービスなどにビットコインを置いておくことには引き続きリスクが残ります。秘密鍵の管理を自分で行うタイプの分散型ウォレットでは、フォークとともにBTC保有者は同額のBTUを保有することになります。しかし取引所では各ユーザーが秘密鍵を所有しているわけではなく、銀行にお金を預けているのと同じ状態です。そのため、もしビットコインを預けた取引所がどちらか片方の通貨にしか技術的に対応していない場合、ユーザーがBTCとBTUを別々に管理できないだけでなく、そもそもユーザーにBTUが付与されない可能性もあるのです。 取引所に暗号通貨を預ける構図については以下の記事で詳しく解説しています。 取引所にビットコインなどの暗号通貨を預けることのリスクとは? このリスクを回避するためにも、自分で秘密鍵を管理できる分散型ウォレットにビットコインを引き上げ、取引所の対応を慎重に見ていく必要があります。そして各取引所のBTCおよびBTUの対応について確認してから取引所を利用することで、安全に取引を行うことができるでしょう。

ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited

2017年3月24日 BBC編集部 0

近頃、メディアにおいて「ビットコイン分裂の危機」と大きく報じられていますが、その実態はどのようなものなのでしょうか。その根底には、「Bitcoin Core(ビットコイン・コア)」と「Bitcoin Unlimited(ビットコイン・アンリミテッド)」と呼ばれる二つの派閥の対立があります。当記事で、詳しく見ていきたいと思います。   対立の発端-ビットコインスケーラビリティ問題 そもそもビットコインをめぐる対立はなぜ生まれてしまったのでしょうか。実はそこにはビットコインの課題の一つとして以前から言われている「スケーラビリティ問題」が深く関わっています。 ビットコインでは、ブロックサイズの上限が1MBと定められているため、1MBを超える取引が発生するとトランザクションの遅延や手数料の高騰が起きてしまいます。ブロックに記録しきれない取引の「積み残し」が発生するのです。これがスケーラビリティ問題であり、特にビットコインの取引量が増大している近頃は解決すべき問題として議論されていました。 これに対応するためには「フォーク」と呼ばれるアップデートを行って、より多くの取引をブロックに収めるためにビットコインの仕様変更を実施する必要がありました。   「フォーク」とは何か?➖ソフトフォークとハードフォーク ブロックチェーンではシステムのアップデートを「フォーク(分岐)」という形で行います。ブロックチェーンがある点から分岐する様子を思い浮かべて考えていただけると想像しやすいかと思います。フォークには、ソフトフォークとハードフォークという二種類が存在します。ソフトフォークでは、旧バージョンとの互換性があるので以前と同じように利用できますが、ハードフォークでは互換性がなくなってしまうので、旧バージョンと新バージョンに分裂した状態でそれぞれのブロックチェーンが続くという結果も起こり得ます。昨年には、イーサリアム(Ethereum)がハードフォークを行った結果、イーサリアムとイーサリアム・クラシックに分裂してしまいました。ブロックチェーンのフォークを行うためには、ネットワークに参加しているノードの多数決による民主的な決定が必要となります。しかし、意見が分裂してしまうと、前述のイーサリアムのように2つに別れてしまうという事態となります。   Bitcoin Core派の「Segwit」とは? 「Bitcoin Core」はビットコインのソースコードであり、それらの開発を担うごく少数のエンジニアを「コア開発者」と呼びます。彼らはスケーラビリティ問題への対応のため、2016年10月に「Segwit(セグウィット)」と呼ばれるソフトフォークを発表しました。Segwitはトランザクションデータの圧縮や「ライトニングネットワーク」と呼ばれるオフチェーン取引の実装によって、実質的にブロックに入るトランザクション容量の拡張を企図しています。 Segwitを有効にするためにはアドレスをSegwit対応の3から始まるものを利用しなければならず、効果が出るまでに時間がかかってしまうというデメリットが存在します。またマイナーからすれば、Segwit採用によりオフチェーン取引が増加するとマイニング報酬が減少するため、マイナーやマイニングプールの一部からはSegwitに対する反発の声も上がっています。   Bitcoin Unlimited派とは? ビットコインのスケーラビリティ問題はSegwitが開発されるまで実に約3年もの間、コア開発者内部で議論の的となってきました。この間にBitcoin XTやBitcoin Classicなどの解決策が模索されては対立を生み、「/r/bitcoin」というReddit内コミュニティにおいて過激な言論統制が行われたり、Bitcoin RoundtableやSatoshi Roundtabeなどの非公開会合における合意が何度か行われるなど、ビットコインコミュニティは次第に分散化とは相反する方向性へと進んでしまい、マイク・ハーン氏がコア開発者から離脱し「ビットコインは失敗だった」(英語記事)と題するブログを掲載するなどの事態に至りました。 […]

なぜ取引手数料が中国のビットコイン取引量に影響を与えているのか

2017年3月22日 Wang Pengfei 0

2013年末から人民元建てのビットコイン取引量が急上昇し始め、2016年になると一度総取引量の98%を占めていました。当時、「ビットコインは中国にある」と喜びの声をあげた人もいれば、「ビットコインは中国に翻弄されている」という心配な声もありました。そんな、ビットコインへ大きな影響力を持つ中国市場の傾向について、取引所の手数料という観点から解説していきたいと思います。   取引手数料の撤廃後、取引高が急上昇し世界第一位へ 2013年9月、中国三大取引所の一つBTCCはビットコイン取引手数料を徴収しない方針を打ち出し、他の取引所も相次いて取引手数料の徴収を廃止しました。 その後、週約4%のスピードで上昇していたビットコインの取引量は急上昇し始めました。当月、中国ビットコインの日取引量は1.75万で、世界シェアの30%を占めましたが、1ヶ月後、中国ビットコインの日取引量は世界シェアの50%の10万に達し、アメリカを超え世界一になりました。 2014年、BTCCは一度取引手数料の徴収を復元したら、一気に1位から4位に転落し、取引手数料がずっと無料だったHuobiという取引所は1位となりました。 「ビットコインの取引手数料を廃止するだけで、そこまで取引量を影響するか?」と疑問を持っている方が少なくないと思います。実は、取引手数料無料の時にしかできない「ビットコインの高頻度取引」が一つの要因だと考えられます。   自動取引により活性化したビットコインマーケット 「高頻度取引(HFT, high frequency trading)」はもともと証券用語で、コンピューターアルゴリズムを実行することで、 市況を自動的に判断しながら株のやり取りをするという取引戦略です。ビットコインは株と比べ、値幅制限・取引量制限がなく、24時間365日取引できるなどの特徴があり、取引手数料がない場合、高頻度取引には最適とも言えます。 したがって、ビットコインの取引手数料を廃止するによって、投資者だけではなく、「ビットコインの高頻度取引」をしている投機者もたくさんやってきました。中国の三大取引所の自己分析によって、60%のOKCoinでの取引・80%のHoubiやBTCCでの取引は人間ではなく、ビットコインの高頻度取引のプログラムが行ったようです。 2017年1月6日、中国人民銀行はビットコイン取引所9所と会合し、その日ビットコインの価格は17%も下がりました。1月24日12時、中国三大ビットコイン取引所は0.2%の取引手数料を徴収し始め、1時間でOKCoinの取引量は89%も下がり、Huobiは92%減でBTCCは82%減となり、ビットコインの高頻度取引も中国の世界一ビットコイン取引量の伝説も終焉を向かいました。 このように取引手数料の推移と取引高の相関性から、自動取引による取引高の増加が見て取れるでしょう。中国当局からの規制などの影響もありますが、取引手数料が導入されたことで、中国での取引高は減少しましたが、一方で日本のように手数料がないもしくは低い国でもともと自動取引を行なっていた人々が流入していることも考えられます。(実際に、中国と入れ替わる形で日本は取引高世界第一位となっています。) 今後も中国のマーケットに特化した情報を発信していきますので、ご期待ください。

イーサリアム・ビギナーズガイド-ビットコインとの違いとその活用可能性

2017年3月8日 BBC編集部 0

   この記事はCoinbaseプロダクトマネージャーであるLinda Xie氏によって書かれた“A beginner’s guide to Ethereum”を要約し、加筆・修正を加えた記事です。翻訳・公開の許可を下さったLinda Xie氏に厚く御礼申し上げます。  Thank you to Linda Xie, the author of the original article, for your permission of translation and […]

ブロックチェーン技術の持つ取引「追加性」の真正性と台帳「入力」技術発達への予測

2017年2月7日 大串 康彦 0

ブロックチェーンは、取引「追加性」部分の真正性を確保する技術 ブロックチェーンは、その仕組み上、不正や改ざんを極めて困難にすることが特徴ですが、この不正や改ざんができないというのはデータの「追加性」の部分に該当します。例えば、ブロックチェーンが基になっている暗号通貨を考えてみましょう。Aさんの残高が100万円分あって、5万円分をBさんに送金したとしましょう。 5万円送金したことによって、Aさんの残高が5万円減り、Bさんの残高が5万円増えます。この取引に関して、金額を不正に増減させる、または存在しない取引をでっち上げるといった不正操作はブロックチェーンの仕組み上できません。 もし不正な取引をでっちあげようとすれば、まず秘密鍵による取引情報の暗号化を行わなければいけませんが、秘密鍵は各ユーザーが保持しているもので、盗む以外には入手できません。ブロックチェーンは正しい秘密鍵以外の鍵で暗号化を行っても正当な取引として認められない仕組みであり、不正な取引ができない仕組みになっています。 また、ブロックチェーンの各ブロックは一つ前の取引の記録の情報を持つため、過去の記録を書き換えようとするとそれ以降に行われた取引記録と整合しなくなり、正当な取引として認められなくなってしまいます。さらに、ネットワークの全参加者が記録を保持しているため、すべての参加者の記録を書き換える必要がありますが、これはとても困難です。 このように、ブロックチェーンは取引の真正性を確保する強靭な仕組みを備えています。   記録する取引情報そのものは正しいか 上記で説明した通り、ブロックチェーンは取引の「追加性」の部分に関しての真正性を確保し、不正や改ざんができない仕組みを備えています。記録する取引に関する入力された情報そのものは正しいという想定で処理を行うのですが、暗号通貨取引以外に応用する場合、情報そのものの真正性を確保する別の仕組みが必要になる場合も多くあるのではないかと考えています。 事例で考えてみましょう。不動産の登記情報のブロックチェーンを作り、所有者を移転するときはビットコインと同じルールにより、一つの権威ではなくネットワーク全体による合意によって所有者の移転が成立すると想定します。このとき、新たな所有権移転取引の部分に関してはビットコインの取引同様、不正や改ざんが起こることはありません。そして所有権移転の履歴がブロックチェーン上に改ざんされることなく記録されていきます。 こうした取り組みは米国の会社が中米のホンジュラスで展開を試みていました。ホンジュラスでは腐敗した政治権力が自分たちの都合のよいように土地の権利を書き換えてしまい、人々の権利が守られていないからです。一旦正しい情報がブロックチェーン上に記録されれば、その後はブロックチェーンの仕組みによって土地の権利は守られるというのが狙いです。 この場合、最初にブロックチェーンに記録する情報が肝心だと考えています。ある土地の所有者がAさんであるべきところBさんになっていても、その情報が正式な手続きを経て記録される限り、ブロックチェーンには情報そのものの真正性は判断できません。最初の情報を記録する時点で不正が行われ、改ざんされた情報がブロックチェーンに記録させてしまえば、その後新たに正当な取引を行わなければ書き換えることはできず、さらに問題は厄介なことになるでしょう。 ブロックチェーンに記録を開始する以前に関係者の間で合意が成立し、合意に基いて記録を開始しなければいけないということになります。異なる意見があるとき、あやふやな情報があるときには合意形成に向けて人間の判断とリーダーシップが要求される領域になるでしょう。   会社で不正な支払い請求をどうやって見つけるか 別の事例を考えてみましょう。ある企業でブロックチェーンをベースにした会計システムを導入したとしましょう。支出項目として、ある費用が発生するとします。現在のシステムであれば、担当者が請求書や領収書を基に支払請求を起こし、その担当者の上司や経理担当がその支払項目の確認を行い、承認するというのが一般的な流れです。システムへの最初の入力は担当者によって行われるか、ERPなどによって自動的に情報がシステムに取り込まれるかもしれません。 承認された後は、その費用は担当者が入力したプロジェクトの支出として計上され、支払い処理が行われることでしょう。担当者がエクセルで仕分け・集計している会社もあるでしょうし、ERPなどで自動処理されている会社もあるでしょう。一旦承認されたら、人間の判断を入れずに会計システムで処理するというのは現在でもある程度はできていると思います。 ブロックチェーンの会計システムであれば、一旦入力した数字を改ざんすることはできません。また、デジタル化された請求書や領収書と照合するシステムを作れば入力間違いによる支払いの過不足などの問題もなくなるでしょう。しかしそれでも最初に入力された情報が業務の支出であることをきちんと見分ける仕組みは依然として必要ではないかと思います。 担当者が業務とは関係ない費用を精算しようとしたり、業務とは関係ない会社に支払を起こそうとしたら、そのデータが入力された時点で判断して止めなければいけません。請求書や領収書との数字の整合性確認は自動でできるでしょうが、そもそもこの取引が正しいか、本当に請求先に支払いを行ってよいかということは現在では担当者の倫理、承認者や経理担当者の判断に委ねられています。   ブロックチェーンの発達に伴い台帳入力技術も発達 「分散型台帳技術」のブロックチェーンが普及するに従い、情報の信頼性を向上させる「台帳入力技術」も発達する、いや、発達しなければならないと予測しています。既に書いた通り、入り口の情報が間違っていれば、その後の取引情報を正しく記録・管理しても意味をなさないからです。 進化した台帳入力技術がどういう姿になるか、あくまで予測ですが、企業の会計システムの場合は以下のようになるかもしれません。ある企業が請求書を発行して取引先に送り、取引先の企業がこれを処理することを考えてみましょう。 まずすべての入力情報は電子化されるでしょう。現在でもコーポレートクレジットカードでの支払情報がERPに上がってくるように、取引先からの請求情報はデジタルでシステムに取り込まれます。(もちろん得意先への請求書送付や社員が行う経費精算の費用の情報もデジタルで行われるでしょう。) 現在も請求書発行や経費精算の電子化システムは存在しますが、これらが進化し、入力情報の正真性を確保する仕組みが進むでしょう。本人証明および非改ざん証明のための電子署名はブロックチェーンの公開鍵基盤によって正真性の検証をすることができます。 […]

インターネットの発展からブロックチェーンの普及・発展を考える

2017年1月27日 大串 康彦 0

ブロックチェーンは、インターネット以後の社会に大革命を起こす技術と言われています。現在(2017年1月)は、インターネット普及初期の1995〜96年に相当する状態とも言われており、今後ブロックチェーンは、「信頼」「信用」に関する社会システムを変えていくといった見方が主流のようです。今後10年、20年でブロックチェーンがどのように社会に変革を起こし得るのでしょうか。これを過去20年余りで起こったインターネットの発展の特徴をヒントに考えてみたいと思います。   インターネット普及初期 まず現在はブロックチェーンに関して商用インターネット普及初期と似たような状態ということで、インターネット普及初期がどうだったか思い出してみたいと思います。1995年末、Windows95の発売とほぼ同時期にインターネットの普及が始まりました。当時私が勤務していた会社でも各従業員に電子メールアドレスが与えられ、パソコンにはメールソフト「Eudora」とブラウザソフト「Netscape Navigator」が導入されました。インターネットでできることと言えば、まず「電子メール」と「ホームページ閲覧」でした。 企業は自社の情報を掲載したホームページを作り始めましたが、テキストと簡単なイラストが中心で、現在のものと比べるととてもシンプルだったと思います。上場企業のホームページでも素人が作ったようなページもありました。問い合わせフォームなど充実していなかったため、多くの人は新聞やテレビのような一方通行の広告媒体と捉えていたのではないでしょうか。 会社では各従業員に電子メールアドレスが与えられましたが、通常の連絡手段として電子メールを使うことが習慣化するのは何年もかかりました。電子メールがあっても、簡単な連絡事項をワープロし、コピーしてメール便で送るような非効率な連絡方法は続きました。世の中に追従する形で利用を始めた人たちにとっては、インターネットは信頼できるか分からない通信手段に過ぎなかったのでしょう。 1995年当時は、大量の書類はクラウドで共有し、映画や音楽はネットで配信されたものを楽しみ、SNSで近況を報告しあうなど考えもつかなかったでしょう。しかし、それから現在までの間にインターネットは信頼できる情報基盤として社会の中に入り込み、インターネットを使った産業が発展しました。インターネットやインターネットを使ったサービスが現在まで発展するに至ったいくつかの側面を取り上げ、ブロックチェーンが今後どのように発展・普及し得るかを考えてみます。 1.  用途・アプリケーションとハードウェア・基本技術は影響しあいながら共に進化する 初期のインターネットの通信速度は遅く、ブロードバンドが普及する2001〜2002年頃までは家庭では電話回線を使ったものが主流でした。動画はおろか、ディスプレイ一杯に静止画を表示されるのでも数十秒かかり、非常にじれったい思いをしたことを記憶しています。その後ブロードバンドの普及とともに大量データ送信が可能になり、大容量ファイルをインターネット経由で送信できるようになったり、動画共有など新しい用途が生まれたりしました。 高速インターネットに対する切実な需要がADSLや無線LANのような通信技術の開発やインフラの整備を促し、そして進化したインフラが新しい用途やサービスの創出を可能にしたという好循環が働いていたと言えるでしょう。 これに相当するブロックチェーンで起こり得る変化とはどのようなものでしょうか。現状考えられるブロックチェーン技術の制約の一つは、取引が増えるに従いより大きい処理能力が必要になり、拡張性に制限があると考えられていることのようです。実際、2017年1月に中国ではビットコイン取引量増大時に決済所要時間の増大や取引所の一時停止が起こっており、これは通貨の信頼性に関わる重要な問題かと見受けられます。 処理能力の問題が解決され、ブロックチェーンの拡張性に制限がなくなれば、さらなるアプリケーションの進化につながるかもしれません。暗号通貨の取引は安定して行われるためその信頼性は増すでしょうし、世界中の何億の人が参加する巨大なブロックチェーンのアプリケーションが可能になるかもしれません。   2.  キラーアプリケーションはリーンスタートアップ方式から生まれる可能性が高い 写真共有アプリのInstagramの原型はBurbnという位置情報と写真共有を組み合わせたアプリだったと言われています。このアプリは人気を博すことはありませんでしたが、開発者がアプリの写真共有機能がよく使われていたことに注目し、写真共有アプリへ特化するように軌道修正したのが現在のInstagramだということです。 この方法論は「リーンスタートアップ」と呼ばれ、シリコンバレーの起業家Eric Ries氏が2011年に同名の本を出版しています。初期仮説は必ずしも正しくないという前提で、最小機能を持ったプロトタイプを素早く製作・展開・試験し、仮説検証・軌道修正(「ピボット」)を繰り返していくというものです。これは初期仮説に基いてユーザーからのフィードバックなしにいきなり完成度の高い製品を作ろうとする、従来の方法と対比されます。 上述のInstagram以外にもFacebookやPaypalなど現在普及している多くのソフトウェアやサービスはもともと別の用途や機能でしたが、リーンスタートアップ方式で軌道修正し、普及したと言われています。 ブロックチェーン技術をどの分野に適用するのが最も有用で、その使い方とはどういうものであるかを現時点で正確に知るのは難しいことです。そうであればなおさら、ブロックチェーンの有用な使い方を見つけるには、リーンスタートアップ方式で実施可能性や有用性の仮説を一つ一つ検証していくしかないことに変わりはないのではないでしょうか。 まず、「速度などの自動車運転情報や違反の履歴をブロックチェーン化し、リスクに応じた自動車保険の算定や事故予防対策に使えるのではないか」のようなある価値仮説に基いてプロトタイプのサービスを作ります。次に多くのユーザーからのフィードバックを基に仮説を検証し、軌道修正が必要な場合は軌道修正を実施し、このプロセスを繰り返して最終的なサービスを設計します。 最終的なサービスに行き着くまでに何度もプロトタイプによる仮説検証と軌道修正を行っているため、初期仮説一回でサービスを作るよりはるかに成功の可能性は高まるはずだと思います。   […]

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ビットコインネットワークに参加するには?【Bitcoin開発入門編】

2017年1月15日 石黒 友啓 0

導入: Blockchain技術が広がる見解と開発者の入門 情報の取り方をまとめる 環境設定を行う ウォレットを起動する 今後の方針 1. Blockchain技術の広がりと開発入門 世界中でBlockchain技術に注目が集まっています。Blockchainが技術的に、これまでにないコンセプトを提案し、実現されているからでしょう。ITの歴史を調べてみると、IT業界はハードウエアとソフトウエアの両面で、とても急速に発展していることがわかります。 駆け足で見ていくと、1950年代に企業に大型コンピュータが導入されたことを皮切りに、1970年代にはPCが普及し、1990年代の後半には世界中のコンピュータがインターネットで結ばれました。今年は2017年です。これだけ便利に思われるIT技術も、広く使われるようになってからまだ60年ほどの歴史しかないことに驚きます。 今でこそ、何か調べたいことがあれば、インターネットで検索すれば目的の情報がすぐに見つかるようになりました。しかし、インターネットが普及する以前は、このようなことが当たり前になることなど想像できる人はとても少なかったはずです。 2009年1月、インターネットのプロトコル上に、これまでにない新たなレイヤーが公開されました。ブロックチェーンの誕生です。この新たな技術を、紐解きながらブログに書き溜めていきます。 2. 情報の取り方をまとめる 今回の目的は、Blockchainの開発に入門するところまでとします。取得したソースコードをコンパイルして、生成した実行ファイルを起動するまでを行います。これは、様々な暗号通貨、さらに機能を拡張したBlockchain2.0などに技術的な目線を広げていく第1歩として、まずは世界中の取引量が最大のBitcoinで見ていきます (*1)。 BitcoinのソースコードばGithubで公開され、誰でもすぐにダウンロードして中身を変更することができます。 まずは情報の取り方です。最新の情報は開発元のWebサイトやブログ、PRで公開されるので、ここでは基本的なWebサイトをおさえておきます。この1年の間にBlockchain技術に関する多くの書籍が出版されました。書籍で学ぶのが好みであれば書籍を探すのも良いでしょう。1年前までと比べて状況がだいぶ変わったことを実感します。 コアコミュニティのWebサイト: – https://bitcoin.org/ja/ 開発ドキュメント: 開発を行うために必要な情報が整理されています。 – https://bitcoin.org/en/developer-documentation […]