「ポストICO」時代、中国政府によるブロックチェーン技術への取組を完全解説

2018年5月11日 BBC編集部 0

2017年の9月、中国政府のICO完全禁止令はブロックチェーン業界にとっては大きな打撃でした。その後、中国政府はブロックチェーン技術にどういう措置をしたのか、気になる方が多いと思われます。この度、ブロックチェーンビジネス研究会のリサーチチームが、「ポストICO」時代、中国政府によるブロックチェーン技術への取込を解説いたします。

スイス金融規制当局がブロックチェーンに対して前向きな姿勢を表明

2017年10月2日 BBC編集部 0

スイスの金融規制当局であるFINMA(Financial Market Supervisory Authority)の2017年9月29日付プレスリリースにて、FINMAは現在スイス国内で行われているICOに対する捜査を強化していることを発表しました。 いくつかのICOプロジェクトがスイス現行法に抵触か スイスの金融当局は、国内で現在行われているICOの一部は、既にスイス国内で適用されている金融関連の現行法に抵触している可能性が高い、との見解を示しています。抵触している可能性のある法として、アンチマネーロンダリング法およびテロ対策法、証券取引規定、集団投資スキーム(ファンド)規制に関する法律、銀行法が挙げられています。今回の発表では、法に触れている可能性のあるプロジェクトの具体的な名前や数については述べられていません。しかし今後捜査が進むにつれ、法律違反に該当する企業に対して何らかの措置を取る可能性について強調しています。 文書によると、「FINMAは現在、いくつかの案件について詳細な捜査を進めています。FINMAは、金融市場法の抜け道をつくような行為や現行法に抵触するICO案件を発見した場合、法的措置を執行します。」とのことです。 ブロックチェーン技術に可能性を見出しているスイス当局 このように、違法なICO案件に対して厳しく取り締まりを進めていく姿勢をみせたFINMAでしたが、同文書内には、「FINMAはブロックチェーンの持つイノベーティブなポテンシャルを認識しており、今後もスイスの金融業界におけるブロックチェーン・ソリューションの開発と展開の支援を進めていきます。」との記述もみられました。このことから、スイス当局はあくまで違法な企業活動やICOプロジェクトに注視しているのであり、ブロックチェーンテクノロジーそれ自体については高く評価していることが伺えます。 現在、世界各国でICOの規制に関する状況は異なっています。中国政府や韓国政府は、ICOを禁止する方針を打ち出すなど厳しい姿勢を示している一方で、今回のスイス金融当局であるFINMAの発表によって、スイス政府のイノベーションに対する柔軟な姿勢が浮き彫りになったかたちになります。今後スイスから立ち上がるICOプロジェクトにも注目です。  

カナダ規制当局がビットコイン投資ファンドを承認

2017年9月15日 BBC編集部 0

2017年9月6日、カナダ規制当局(The British Colombia Securities Commision、以下BCSC)は、カナダのバンクーバーに拠点をおく投資会社であるFirst Block Capital Inc.社に対して、オンタリオ州とブリティッシュコロンビア州においてbitcoin(ビットコイン)の投資ファンドとして活動することを承認しました。 中国をはじめとする一部の国で暗号通貨(仮想通貨)への規制が進む中、カナダのブロックチェーン関連企業への積極的な後押しが浮き彫りとなった形です。 新たな投資先として暗号通貨を歓迎するカナダ人 BCSCにて、法務部門と市場規制部門のマネージャーと、テクノロジーチームのリーダーを務めているZach Masum氏によると、現在カナダ国内において、暗号通貨は新しい投資の形として非常に大きな注目を集めているとのことです。カナダ国内におけるビットコイン対応のATMが増加していることからも、カナダ人の間で暗号通貨への関心が高まっていることが伺えます。 今回の承認を経て、事実上、BCSC主導のルールに従って運営されるビットコイン投資ファンドが誕生したことから、ビットコインへの投資の安全性が一部向上し、投資家はさらに保護されていくでしょう。BCSCは暗号通貨投資ファンドの運営や取引の監視体制構築に向けて、2017年の1月から準備を進めていたそうです。これにより、当局は企業の活動を理解し、適切なセキュリティや規制を展開できるようになりました。 整備が進められていくビットコインの投資環境 暗号通貨は、銀行の預貯金など、既存の資産の管理と比べて高いリスクを孕んでいることが指摘されています。しかし、世界中で金融のデジタル化が進む中、ビットコインをはじめとする様々な暗号通貨が普及し、資産の安全な管理に向けた技術が徐々に確立してきました。 First Block Capital社は、今回の承認に先立って、2017年7月中にCanadian Bitcoin Trustというトラスト(企業結合)を発表しており、ビットコインのより公正、公平かつ安全な投資環境の構築に向けて積極的に活動していたようです。カナダ政府のブロックチェーン企業に対する柔軟な姿勢にこれからも注目です。

中国政府は不正なICO事業者に対して死刑を宣告できるのか?

2017年9月4日 BBC編集部 0

ブロックチェーン(Blockchain)における最新のトレンドとして、ICO(Initial Coin Offering)と呼ばれる資金調達の手法が注目されています。既存のIPO(新規公開株)とより明確に区別するために、一部ではToken Creation Eventsとも呼ばれています。 スタートアップ企業は、ビジネスアイディアとともにWebサイトに暗号通貨のアドレスを掲示し、それに賛同する投資家から資金を募ります。Coindeskによると、2017年上半期だけでICOはすでに累計18億ドルを集めていると報告されています。しかい、実態がないビジネスも新規ICOプロジェクトの中で散見されており、これらのプロジェクトの存在は業界のリーダーや証券弁護士に大きな打撃を与えています。米国の証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)も、投資家に対して不正な資金調達が疑われるICOプロジェクトに支援を行わないよう警告を発しています。 中国ネットユーザーの間で広がる疑念 このように各国政府による規制などの最新動向が注目されるICOですが、中国国内において不正が疑われるICOプロジェクトが現行法に抵触する可能性について、インターネット上で議論が行われていたようです。深圳に本拠を置くBitkanというニュースブログが、2017年6月29日、「中国政府がICOを通じて不法に資金を調達している人に対して、死刑を宣告できるのではないか?」という疑問を提起するポストを投稿しました。その結果、中国のあ暗号通貨(仮想通貨)ユーザーの間で広くシェアされ、死刑は可能性としてありえるのではないか、という考えが広がっていたようです。 しかし、ユーザーの懸念とは対照的に、ICOによる不正資金調達が死刑判決に至る可能性について、明確な根拠となる材料は存在していないそうです。 中国では、昨年だけで3600億ドル以上が資金調達によって集められていました。このように盛んに資金調達が行われている一方で、中国政府は不法資金調達について、厳しい姿勢で対処しています。2013年には、不法資金調達として2件の事件が報告されています。しかし、このどちらも死刑宣告には至っていません。中国において、違法な資金調達で死刑が言い渡された唯一の事件は、2011年に3人のグループが15,000人から55億人民元(当時8億6,700万ドル相当)を調達した事件のみです。 不正な資金調達を取り締まる現行法 中国刑法は1979年に初めて導入され、1997年以来現在の形で存在しています。そのうちの第160条(証券詐欺)と第179条(違法資金調達)には最大5年の懲役判決があり、第192条(金融詐欺)に関しては「特に巨額」の場合には終身刑が施行されるとされています。 第199条は、第192条を改正したもので、「関与する金額が特に大きく、特に重大な損失が国家又は国民の利益になる場合」には、死刑の可能性があるとされていました。しかし、第199条は、2015年の刑法改革の一環として廃止されています。 現在、中国で進められている裁判のうち、死刑が宣告される可能性がある事件が46件あるそうです。それらの多くは非暴力犯罪のためのものであり、経済犯罪によるものはほとんどありません。大部分は偽造医学の製作や販売、危険な食品、公職への横領に関連した事件に当てはまるそうです。 これらのことから、中国でICOによる資金調達を行う事業主は、悪意を持った不正を行わずに、資金調達を行う上で最低限必要なセキュリティを確保していれば、法に抵触する恐れは少ないといえるでしょう。引き続き各国の暗号通貨の規制状況に注目です。

中国のブロックチェーン協会がICOを規制する議定書を発表

2017年8月19日 BBC編集部 0

2017年7月末、中国のブロックチェーン取引を行う6つの企業が、中国におけるICOによる財政的リスク管理を目的とした、合同議定書を発表しました。 中国貨幣ネットワークの調査によると、「Guizhou Blockchain Industry Technology Innovation Alliance」「Zhongguancun Blockchain Industry Alliance」「Blockchain Finance Association」「Guiyang Blockchain Innovation Research Institute」の4社と、その他2社の企業により、合同議定書「Guiyang Blockchain ICO Consensus」が提案されました。 現在の中国には、ICOへ参入するためのプラットフォームが43個、開かれているそうです。 ICO口座の総合計の60%以上は、広東、上海そして北京のエリア内に分布しているそうです。   SEC(米国証券取引委員会)によるICOへの取り締まり 中国ICO議定書の発表は、SEC(米国証券取引委員会)が7月末に発表したレポートにて指摘されていたものと同様に、DAOトークン(ドイツの投資ファンドThe DAOに投資する際に使われる、独自コイン)は規制されるべきだと主張した点で、注目を集めています。 […]

改正資金決済法のポイントと仮想通貨交換業者の注意点

2017年4月19日 池田宣大 0

本年4月1日、仮想通貨に関する改正を盛り込んだ資金決済に関する法律(「資金決済法」)の改正法が施行されました。 これにより、日本では、初めて仮想通貨が法律上に位置づけられることとなり、また、いわゆる取引所の運営者が仮想通貨交換業者として資金決済法の適用を受けることになります。 また、この改正資金決済法の施行を受けて、ビックカメラが、ビットコインによる決済サービスを4月7日より一部店舗で試験導入すると発表しました。ビックカメラの発表では、「今般の改正資金決済法の施行に伴い、ビットコインは安全性が向上し、今後国内での普及が進むことが考えられます。また、ビットコインが先行して普及している海外からの観光客の利用も見込んでおります。」とのコメントも出されており、今回の資金決済法の改正を契機として、ビットコインをはじめとする仮想通貨を利用したサービスの拡大が期待されます。   改正資金決済法の意味 このように、早速ビジネスの現場に影響を及ぼしつつある資金決済法の改正について、その意味を改めて整理してみます。 まず、今回の改正により、仮想通貨交換業者に対して登録制が導入されました。 その結果、仮想通貨を取り扱おうとする事業者の観点からは、仮想通貨の売買や他の仮想通貨との交換等を業として行うためには登録が必要であり、登録をしない限り、仮想通貨の売買等のサービスを提供できないことになりました。 仮想通貨を利用する一般の利用者の観点からは、仮想通貨の購入や売却をするためには、個人間で仮想通貨を交換するようなケースを除くと、基本的には、登録業者を通じてのみ行えることになりました。 また、資金決済法では、仮想通貨交換業者が取り扱うことになる仮想通貨の概念を定義しています(同法第2条第5項)。加えて、仮想通貨交換業者の登録に際して、取り扱う仮想通貨の名称を申請することとされています(同法第63条の3第1項第7号)。そのため、資金決済法上の仮想通貨の定義に該当するものであっても、仮想通貨交換業者が取り扱っていなければ、事実上、その仮想通貨は流通しないことになると考えられます。 このように、資金決済法の改正により、今後は、仮想通貨の売買等を取り扱う事業者や実際に取り扱われる仮想通貨が法律上限定されることになります。 同時に、今回の改正では、マネロン・テロ資金供与対策及び利用者の信頼確保のための法制度が整備され、仮想通貨交換業者には様々な規制が課されることになりました。そのため、仮想通貨交換業者やそのサービスの質が一定程度担保されることが見込まれ、結果として、仮想通貨を利用したビジネスの進展につながる可能性も高まったと考えられます。   法律上の仮想通貨の範囲 次に、資金決済法で定義された仮想通貨の範囲を説明します。資金決済法上、仮想通貨は以下のように定義され、(1)と(2)の2つの種類に分けられています。 (1) 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの (2) 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの (1)がいわゆるビットコインであり、(2)は(1)の要件を満たさないものの、ビットコインと交換可能な他の仮想通貨を意味しています。 上記(1)の内容は一見すると複雑な定義となっていますが、ポイントは以下の3点です。 不特定の者に対して代価の弁済として使用可能であり、かつ、不特定の者を相手方として仮想通貨自体の売買(=法定通貨と交換)が可能であること 電子的に記録・移転が可能であること 法定通貨及び通貨建資産でないこと このうち、①の「不特定の者」との関係という点が重要なポイントです。 具体的には、例えば、プリペイドカード等の前払式支払手段、企業が発行するポイントカード、ゲーム内で利用可能な通貨は、それらを使用できる店舗やゲーム等の範囲が、当該プリペイドカード等の発行者との契約により特定の範囲に限定されることになります。そのため、基本的には「不特定の者に対して代価の弁済として使用可能」という要件を満たさないと考えられ、仮想通貨には該当しないことになります。 また、仮想通貨の発行者が仮想通貨と法定通貨との交換を制限している場合や、仮想通貨と法定通貨との交換市場が存在しない場合は、「不特定の者を相手方として仮想通貨自体の売買(=法定通貨と交換)が可能である」という要件を満たさない可能性があり、その場合は、やはり仮想通貨には該当しないことになります。 […]

現役弁護士による仮想通貨(暗号通貨)に関する資金決済法改正についての概要

2017年1月27日 林 賢治 0

ブロックチェーン関連ビジネスにおける法改正の位置づけ 仮想通貨に関する日本における初めての法律案として、資金決済に関する法律(「資金決済法」)及び犯罪による収益の移転防止に関する法律(「犯罪収益移転防止法」)の改正案が昨年成立しました。関連する政令が公表されており、パブリックコメントの結果公表を経て、今年春頃に施行される見込みとなっています。 今回の法改正は、ビットコインに代表される「仮想通貨」に関して、「仮想通貨交換業」に対する規制を新設するものです。ブロックチェーンは、スマートコントラクトなど多様な活用が期待され、暗号通貨以外のさまざまな”Digital Token”の基盤になっていく可能性がありますが、この法改正の対象は「仮想通貨」の定義にあてはまる暗号通貨に限られます。 また、暗号通貨をめぐっては、所有権の対象となるのか、関係業者が倒産したときに利用者がどのように保護されるかといった問題もありますし、デリバティブ取引の対象とされた場合における規制のあり方など、ほかにも複数の法律問題があります。しかし、この法改正は仮想通貨交換業に対する取り締まりという側面のみを規律するものです。 このように、本件法改正がカバーする範囲は、今後普及が見込まれるブロックチェーン関連ビジネスの全体像の中では一部分になります。しかし、日本の法令上「仮想通貨」が定義され、現時点における最大の活用形態であるビットコイン等に対する法的枠組みの整備が着手されたことは、ブロックチェーンの普及促進にとって大きな意義があると思われます。   法改正のポイント 法改正のポイントは以下になります。 仮想通貨の定義 仮想通貨交換業の登録制 仮想通貨交換業者の業務規制 仮想通貨交換業者への監督(以上、資金決済法) 仮想通貨交換業者の本人確認義務(犯罪収益移転防止法) ビットコイン等に関する法的論点は多数ある中で、少なくとも利用者保護及びマネーロンダリング規制は必須との見解が大勢を占めていたところであり、これを法制化するものとなります。   仮想通貨の定義 改正資金決済法において「仮想通貨」は以下のように定義されています(第2条第5項)。 (1) 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの (2) 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの (1)によれば、不特定の者との商品等の代金決済に使用でき、不特定の者との間で売買できる、通貨・通貨建資産以外の財産的価値で、電子的に記録され、電子的に移転できるものが仮想通貨に該当します(「1号仮想通貨」)。また(2)によって、不特定の者との間で(1)に該当する仮想通貨と相互交換できる財産的価値で、電子的に記録され、電子的に移転できるものも、仮想通貨に該当します(「2号仮想通貨」)。 1号仮想通貨の典型はビットコインであり、それ自体では(1)の要件を満たさないものの、ビットコインと交換可能な他の暗号通貨が2号仮想通貨の典型例となります。 ブロックチェーンを用いた暗号通貨は、非中央集権的なシステムによっていることが一般的な特徴とされますが、非中央集権的かどうかという点は要件になっていませんので、中央集権型のものも「仮想通貨」に含まれることになります。   仮想通貨交換業の登録制 […]