adToken(アドトークン)は広告業界の課題を解決できるか?

2017年8月21日 BBC編集部 0

これまでの広告業界における課題 スマートフォンのようなモバイル端末が広く普及して以来、人々の可処分時間は従来の新聞やテレビといった大規模マスメディアから、大小問わず様々なウェブコンテンツで消費されるようになりました。インターネット以前の時代は、マスメディアの広告枠自体に「希少性」があったため、広告枠には価値があるものとして取引されていました。しかしインターネット登場後はウェブコンテンツの数だけ広告枠が増えるため、広告枠の「希少性」は徐々に低下してきました。そのため、広告主は広告枠の「希少性」に対してお金を払うのではなく、ウェブ上で実際に計測された広告枠の「パフォーマンス」に対してお金を払うように変化してきています。 現在、広告枠のパフォーマンスは、「CPM(Cost Per Mille)」、つまり1000クリックごとの料金といった指標のように、その広告枠がどれだけクリックされたかというクリック数に基づいて評価し、値段をつける手法が主流となっています。しかし、悪意あるメディアが自動的にウェブページを閲覧して特定の広告枠をクリックするbotを展開することによって、意図的に自社メディアが展開する広告枠の価格を吊りあげたり、あるいは競合他社により高い広告費を払わせるためにクリック数を水増しする、アドフラウドと呼ばれる詐欺行為が横行していたことが発覚し、これが広告業界において大きな問題となっていました。これにより広告主が広告枠のパフォーマンスに見合わない金額を支払っていることが判明しただけでなく、ある会社の製品の広告がテロリストグループがアップした動画の広告として配信された結果、そのブランド価値が大きく傷ついてしまうという事件もありました。このように、広告業界ではどの媒体ならば信頼して出稿できるのか?ということが懸念されるようになっています。   アドチェーンレジストリを通じて管理 この問題に対処するため、米アドテク企業のMetaxと、同じくアメリカの分散型アプリケーション構築企業のConsenSysの二社は共同で、データマーケティング協会(DMA)という業界団体と協働し、adChain(アドチェーン)レジストリというドメインの分散型ホワイトリストを始動させると発表しました。adToken(アドトークン)の保有者はコミュニティ内において、特定のドメインの不正や品質を監査する役割を持ちます。 監査の結果ドメインが有効であると承認されればそのドメインはホワイトリストに掲載されます。広告主はこのホワイトリスト上に出稿することで広告効果を得られるため、ブランド価値毀損のリスクやアドフラウドの被害にあうリスクを大幅に下げることができます。時間が経つにつれホワイトリストに掲載されているドメインの広告としてのパフォーマンスに変化が起きることを想定し、一定期間ごとにドメインの更新が行われることも特徴のひとつです。そのたびに、トークン保有者はドメインをコミュニティ内で提案し、再度承認を得ることでホワイトリストへ再掲することが可能になります。 今後の展望 将来テキストマイニング技術などが発達すれば、自動で悪質なメディアを判別することができるようになるかもしれません。しかし、現在はまだ人の目で媒体を精査し、信頼性を担保する他ありません。ここに対して、広告業界と業界団体で結託してガバナンスシステムを築き上げた点で、このアドチェーンレジストリの仕組みは優れているといえるでしょう

IOTA(アイオータ)とは?ーIoTに最適化された暗号通貨

2017年6月16日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からIOTA(アイオータ)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   IOTAとは?ーIoTに最適化された暗号通貨および決済プロトコル IOTA(アイオータ)とは、IOTAプロトコル上でやり取りされるIoTに最適化された暗号通貨(仮想通貨)です。IOTAは、パソコンやスマートフォンだけでなく、あらゆるIoTデバイスが利用可能です。 送金手数料なしに送金が可能 IOTAの特徴として、デバイス間で送金を行う際に、他のビットコインなどの暗号通貨と異なり手数料が発生しません。常に手数料なしに送金を行うことが可能です。これは、Tangleと呼ばれる非循環有向グラフ構造に基づいた、ブロックチェーンと似た働きをするアーキテクチャによって処理が行われるためです。 送金手数料が必要なくなるため、その他の暗号通貨に比べてよりマイクロペイメントに向いていると言えるでしょう。さらに、IoTデバイスと接続することで、より柔軟にリアルタイムかつ細かな料金支払が可能となります。例えば、レンタカーの場合を考えてみましょう。内部センサーで測定した走行距離分だけ数メートル刻みで支払いを行うことも可能となります。 IoTデバイスで取得したデータを安全に送信可能 IOTAのもう一つの重要な特徴として、IoTデバイスの取得したデータ(気温、振動、回転数など)を、デバイス間でセキュアにやり取りができることです。 よくIoTの発展はブロックチェーン技術によって補完されると言われることがあります。これはデバイス間でのデータの整合性を保つことや、デバイスに対して不正なデータの送信を防ぐことが技術的に困難だったためです。しかし、IOTAのTangleを通して送信することで、データへの改ざんや外部からの攻撃を不可能となります。これにより、IoTデバイス間でデータの信頼性を担保したネットワークを構築することができます。   IOTAの普及と今後の可能性 電子マネーである暗号通貨は、IoTデバイス間の決済を可能にし、IoTサービスの可能性を拡げます。ここ最近はAmazon GOの登場など、デバイスやセンサーとインターネットとの接続によって、どんどんとスマートな決済体験が登場しています。IOTAにより、デバイス間での決済がよりスムースになり、購入体験がより向上するかもしれません。IOTAは、現在ベータ版が提供されており、誰でも利用が可能です。今後もIOTAの開発状況に注目したいところです。   web site: https://iota.org/

リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?

2017年6月8日 BBC編集部 0

リップル(Ripple)はネットワーク内であらゆる価値と交換できるようにすることを目的とした決済プラットフォームです。リップルではビットコインと同様に、台帳によって各利用者の取引記録を管理しています。しかしその台帳は「ブロックチェーン」ではなく、より広義の意味を持つ「分散型台帳」(distributed ledger)と呼ばれています。リップルではこの分散型台帳は「XRP Ledger」と呼ばれています。 このXRP Ledgerは、主に法人の国際送金に対応しており、銀行等の途上国への事業拡大にも適した台帳であるとされています。2012年の運用開始以降、XRP Ledgerは、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)の次世代手段として運用されてきました。 このXRP Ledgerがさらにグローバルに採用されるようになるためには、承認システムを分散化し、システムをさらに強化することが必要だとされています。そこで本記事では、XRP Ledgerの仕組みと今後の分散化に向けた取り組みについて解説していきます。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」   これまでのXRP Ledgerの仕組み XRP Ledgerでは、ビットコインブロックチェーンとは異なり、コンピューター計算による取引の承認(マイニング)を行うのではなく、承認者(validator)による投票で承認が行われていました。このプロセスは、ビットコインのプルーフ・オブ・ワークに対して、プルーフ・オブ・コンセンサス(Proof of Consensus、PoC)と呼ばれます。ここでは、80%以上の承認者が有効と判定した取引のみを台帳に記録しています。この仕組みにより、数秒以内という非常に速い時間で、余分な電力の消費もなしに、取引を承認することが可能となっています。 承認者のリストはUNL(Unique Node List、ユニーク・ノード・リスト)と呼ばれ、UNLの各承認者はお互いを承認者として許可することでネットワークを形成しています。リップルの場合、基本的にはリップル社(Ripple Labs, Inc.)が指定するUNLが選ばれており、信頼性が担保されていました。管理者がいなくなってもネットワーク自体は継続されるので完全な中央集権的システムとは言えないものの、実質的にはリップル社が管理主体となるシステムをとっており、一方では非中央集権性が失われてしまうという懸念があがっていました。 […]

LISKとは?-サイドチェーンを用いたスマートコントラクトとDAppsのプラットフォームへ

2017年6月2日 BBC編集部 0

現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からLisk(リスク)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Liskとは?-DApps構築プラットフォーム Liskとは、スマートコントラクトやDApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォームを目指したプロジェクトです。またそのネイティブ通貨(基軸通貨)を「LISK」と称します。マイクロソフトの法人向けクラウドサービスである「Microsoft Azure」との提携が進むなど、大きな注目を集めています。 スマートコントラクトとDAppsについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」   Liskの特徴-サイドチェーン上でDApps構築 ブロックチェーン上にプログラムを記録し実行する「スマートコントラクト」は、「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行されること」を実現しています。同じくスマートコントラクトを備えたDApps構築プラットフォームであるイーサリアムと対比されるLiskですが、イーサリアムとの最大の違いは「サイドチェーン」の実装です。 Liskでは、ひとつのブロックチェーン上に全てのDAppsを構築するのではなく、DAppsごとにサイドチェーン化しています。サイドチェーンとは、あるブロックチェーンの機能拡張を行う際にメインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーン(=サイドチェーン)を用いるものです。 イーサリアムでは、イーサリアムのメインのブロックチェーン上に全てのスマートコントラクトを記述してDAppsを構築します。これに対しLiskを用いてDAppsを構築するとき、開発者はDAppsごとに新たなブロックチェーンを構築したうえでスマートコントラクトを記録し、「サイドチェーン」としてメインのブロックチェーンと接続します。そのため、DAppsの開発者は、Liskのメインのブロックチェーン上に記述を行うことはできません。 また、サイドチェーンはメインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーンであるため、DApps開発者がサイドチェーンとなるブロックチェーンを構築する際、取引記録の記録者とその承認者を新たに設定することが可能です。DApps開発者が承認者を選ぶことができるため、Liskにおけるサイドチェーンはプライベートチェーンに近いと言うこともできるでしょう。将来的にはコンセンサスアルゴリズムの設定も自由に可能にする予定で、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワークや、プルーフ・オブ・ステークを導入したパブリックチェーンを作ることも可能になるとのことです。 プルーフ・オブ・ワークについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーンを支える技術『プルーフ・オブ・ワーク(PoW)』とは?」   Liskのサイドチェーン化には一長一短が… メリット-スケーラビリティと柔軟性 DAppsごとにサイドチェーンを構築するメリットは主に、スケーラビリティと柔軟性の二点です。サイドチェーンごとにスマートコントラクトを実行しているため、一つのブロックチェーン上で複数のDAppsを実行するよりも負荷を小さくすることができ、スケーラビリティを持たせることが可能です。また、それぞれのスマートコントラクトは各サイドチェーン上に記録されているため、DApps開発者によるコードの変更が容易に実行できます。イーサリアムではブロックチェーン上に記録されたコードを自由に変更することができないため、より柔軟性が高いプラットフォームといえるでしょう。 デメリット-承認者を設定できる Liskではマイニング(取引の記録作業)のことを「フォージング」と呼ぶほか、記録承認者を「delegate」と呼びます。先ほども述べたようにサイドチェーンは、メインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーンであるため、開発者が取引記録者と記録承認者を設定することができます。フォージングを行う人数を減らすことで、プライベートチェーンのようにサイドチェーン自体を中央集権的にコントロールすることができてしまいます。 また開発者がサイドチェーンを構築する際に承認者を設定できる反面、裏を返せばメインのチェーンとは別に承認者を新たに設定する必要性があるという手間もあります。サイドチェーンの承認者の数が少ない場合にはブロックチェーンのフォークが容易に起きてしまうため、攻撃を受けやすくなってしまい十分なセキュリティが担保できない可能性もあります。   Liskの普及と今後の可能性-サイドチェーン化の一長一短 以上のようにLiskがイーサリアムと大きく違う点はサイドチェーンの採用ですが、そのどちらがより実用的なのかといった部分については賛否の分かれるところです。イーサリアムにおいてはスマートコントラクトを実行する際に必要となるETH建ての手数料「Gas」がETHの価格上昇に伴って上昇していることが開発者に打撃となるのではという懸念もあります。Liskにおいてはサイドチェーンを用いることでその問題が生じないといったメリットもあると言えるでしょう。 […]

GameCreditsとは?-新たなゲーム内決済手段

2017年6月2日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からGame Credits(ゲームクレジット)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   GameCreditsとは?-ゲーム業界において新たな支払い手段を築き上げる GameCreditsは、アメリカのカリフォルニア州サンタ・モニカにある、GameCredits Inc.によって開発・運営されている暗号通貨の一つです。GameCredits.Incは、従来のゲーム業界にブロックチェーン技術をもって参入し、プレイヤー同士や、プレイヤー・デベロッパー間のP2Pのやりとりを実現しようとしています。モバイルゲームが活況を迎えている昨今ですが、このGameCreditsは、Coinagendaという仮想通貨投資家向けの2016年度カンファレンスで、「Best Trading Coin賞」を受賞しています。 GameCreditsの特徴① -分散型台帳によってP2Pな価値交換が実現 GameCreditsは、ゲームに携わるすべてのプレイヤー・デベロッパーにとって、本当に使い勝手の良い通貨を目指して設計がなされています。例えばGameCredits(単位: GAME)をゲーム内の支払いUIに直接組み込むことが可能で、これにより中央集権的なプラットフォームを介さずに、プレイヤー同士、あるいはプレイヤーとデベロッパーが直接的に金銭のやりとりを行うことができます。これにより、ファンプレイヤーはより直接的に会社を応援しやすくなります。またデベロッパーは、従来タイムラグの大きかった送金処理が大幅に短縮化され、よりスムーズにゲーム運営を行えるようになります。 GameCreditsの特徴②-より強化された安全性と、今までにないゲーム内通貨の互換性 ブロックチェーン技術により、過去の取引記録の改ざんが困難であるため、悪意あるプレイヤーが手元のゲーム内通貨を増やすといったチートおよびアビューズ行為を防ぎやすくなるほか、ゲーム内のP2Pでの金銭的やりとりのセキュリティがより強化されます。また、他の仮想通貨と同様に価値保存の性質を保有しており、GameCreditsのシステムを組み込んであるゲーム間で互換性があります。つまり、従来はプレイヤーがあるゲームに飽きてしまった場合、一度そこに注ぎ込んだお金は返ってきませんが、GameCreditsのシステムを組み込んだゲームの場合、注ぎ込んだGAMEを引き出して、他のゲームに再投資することが可能になります。もちろんそれだけではなく、ゲーム内で稼いだGAMEを現金化する、ということも可能です。   GameCreditsのメリット-よりシームレスな支払い体験を提供 オンラインゲーム・モバイルゲームの購入、また購入したゲーム内において追加コンテンツを購入する場合、今日ではiTunesカードやGoogle Playカードのようなプリペイドカードや、クレジットカードを使った支払い方法が主流ですが、GameCreditsを使えばデベロッパーとプレイヤーが直接的にやりとりをすることができます。従来のGoogleやApple、クレジットカード会社などのプラットフォーマーに手数料を取られることなく(例:Appleの場合、30%が手数料として売り上げから差し引かれます)、マイナーゲームのデベロッパーであっても、より収益につなげやすくなります。 また匿名での送金できたり、一般的なゲームに多くみられる入金制限がないなど、徹底したゲーマーフレンドリーな設計となっております。   GameCreditsの普及と今後の可能性 近年のスマートフォンの普及により、モバイルゲーム市場は活発に伸びています。ゲーミング市場は世界全体でおよそ9兆円規模にまで成長を遂げており、うち4兆円はモバイルゲームによりもたらされています。今後もゲーム市場の成長トレンドは続くと思われます。また、最大供給量が約8400万GAMEと既に発行上限が決まっています。今後様々なゲームにおいてGameCreditsが用いられるようになれば、おのずとその市場価値が高まっていくでしょう。 2017年上半期中に、「MobileGo」という、GAMEを用いてゲームを購入するオンラインプラットフォームをローンチするようです。SteamやAppStoreなど、既存の大手販売プラットフォームが割拠する中、同社のプラットフォームがどう伸びるか、注目が集まりそうです。  

Rootstockとは?-サイドチェーンによりビットコインの機能を拡張

2017年5月31日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からRootstock(ルートストック)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Rootstockとは?-ビットコインブロックチェーンを用いながら様々な機能拡張を実現 Rootstockとはビットコインブロックチェーンの「サイドチェーン」の一つです。サイドチェーンとは、ビットコインブロックチェーンとは独立したブロックチェーンを用いることでビットコインブロックチェーンそのものの機能拡張を行うものです。イメージで言えばビットコインが大きな一つの木で、Rootstockはその木から生えた葉っぱに例えることができます。まさにRootstockのロゴがそれを表しています。 ビットコインは現在、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」という二つの大きな問題を抱えています。ビットコインはブロックに1MBまでしか記録することができないため、近年の取引量急増によって取引の遅延や手数料の高騰が生じています。またビットコインはシステムの関係上、送金完了までに約10分かかるため、これまで大きな課題として毎度挙げられ続けていました。Rootstockを用いることで、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」というビットコインの課題を解決することができるのです。 ビットコインのスケーラビリティ問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited」 Rootstockのもう一つの大きな特徴は、ビットコインブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行することができる点です。スマートコントラクトとは「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行される」ことで、ブロックチェーン上で任意のプログラムを実行できる機能を指します。 スマートコントラクトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」   Rootstockのサイドチェーンはどのように機能するのか? Rootstockの特徴①「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」 Rootstockは「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」という機能を備えています。双方向ペグとはビットコインブロックチェーンからサイドチェーンへの資産の移転を実行することです。正確には二つのブロックチェーンの間に一時的なトークン(RSKトークン)を生成し、承認を得ることでそのトークンが再びビットコインブロックチェーンに戻されます。 このとき交換レートを固定されており、ある量のビットコインの価値とある量のトークンの価値が等価となるように交換が実行されます。たとえば、1BTC=1RSKといった具合です。このようなプロセスを経て、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーンとの間の資産価値の整合性を保っているのです。 Rootstockの特徴②「マージマイニング」 もうひとつの特徴として、二つのブロックチェーン上の価値を等価とするためにマージマイニングを行います。マージマイニングとは、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーン(Rootstock)の双方に対して同時にマイニング作業を行うことです。 またRootstockでは「GHOST」や「DECOR+」または「Fast Block protocol」といったトランザクション処理システムを用いることで、より大きなスケーラビリティと処理スピードの向上を実現しています。具体的には、一秒間に約100回ものトランザクション処理が可能になり(イーサリアムの五倍)、送金処理などが秒単位で実行できるようになります。   […]

ジーキャッシュとは?-第二のビットコインとも言われる匿名性暗号通貨

2017年1月20日 BBC編集部 0

   現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からジーキャッシュ(Zcash)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 ジーキャッシュとは?  ビットコインがインターネットにおける「http」だとしたら、ジーキャッシュは「https」に当たります。この機密性とは、送金などにおける匿名性のことです。第二のビットコインとも言われたことや、多くの著名なエンジニアや投資家が支援を表明していたことで、2016年10月28日の取引開始とともに1ZECが3299BTCをマークするなど、大きく注目を集めました。 匿名性暗号通貨の特徴やメリット・デメリットについてはこちらの「匿名性暗号通貨とは?」にて分かりやすく解説していますので、合わせてお読み頂くとより理解を深めることができます。   ジーキャッシュの特徴-匿名性暗号通貨 ビットコインの場合は、ユーザーが送金や受け取りの際に利用するアドレス情報(パブリック・キー、公開鍵)とユーザーの個人情報が紐付いてしまうと、ユーザーの持っている暗号通貨の残高やいくら送金を行っているかが筒抜けになってしまいます。なぜならば、ビットコインブロックチェーン上のデータはブロックエクスプローラーを用いて、誰でも閲覧できてしまうためです。  しかし、Zcashでは送金者のアドレスや送金額は、他のユーザーからは見れません。もちろん、ブロックチェーンの特徴である分散型のシステムを保ったままです。Zcashでは、「閲覧キー」を持っているユーザーしか、該当するトランザクションの内容を見ることができません。そのため、Zcashでは閲覧できるユーザーを自由にコントロールすることができるのです。     ジーキャッシュの普及と今後の可能性 ジーキャッシュはローンチとともに大きな高騰を見せましたが、2017年3月現在では1ZECあたり0.03BTC程度に落ち着いており、一種の投機であったと考えるべきでしょう。その原因としてはジーキャッシュそのものに対する期待に加え、プレセールが行われなかったことで市場が過剰な期待感を持ったということが挙げられるでしょう。 ジーキャッシュの大きな特徴はやはりその匿名性です。ジーキャッシュが送金者と金額を匿名化する仕組み自体は様々に応用が可能ですので、今後の発展に期待したいところです。

イーサリアムクラシックとは?-分散型の理念を追求した暗号通貨の意義

2017年1月13日 BBC編集部 0

   現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からイーサリアムクラシック(Ethereum Classic)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 イーサリアムクラシックとは?  イーサリアムクラシックとはイーサリアムから分裂して登場した暗号通貨です。イーサリアムクラシックは現在も活発に取引されているだけでなく、2017年2月にはイーサリアムクラシックを用いたハッカソンが開催されるなど、独自の発展を遂げている過程であるとも考えられます。   イーサリアムクラシックの特徴  イーサリアムクラシックが生まれた契機は、イーサリアムを利用したプロジェクトであるThe DAOのスマートコントラクトコードの脆弱性を突いて当時の金額で約65億円相当のイーサリアムが不正に送金された「The DAO事件」と呼ばれる事件です。これに対しイーサリアム開発チームは「ハードフォークによって不正送金が行われる前の状態に戻す」という手段を取ることで解決を図りました。そして最終的にはコミュニティの約90%がこれに賛成し、ハードフォークが実行されイーサリアムの不正送金は無効化されました。  しかしこの対応が中央管理的な介入であるとして、あくまで非中央集権的な暗号通貨を目指すコミュニティの一部が反発し、ハードフォークを拒否しました。その結果生まれたのが「イーサリアムクラシック」です。 イーサリアムクラシックのメリット-良好な取引環境  ハードフォークが実行された2016年7月20日以降、イーサリアムクラシックはイーサリアムとは別のブロックチェーンに記録されています。しかし両者はもともと一つの暗号通貨であるので、スマートコントラクトなどの基本的な機能は同一であり、両者に大きな差異はありません。  またイーサリアムを所持していた人は、ハードフォークに伴って同額のイーサリアムクラシックを手に入れました。新たな暗号通貨でありながら、生まれながらにして多くの人が保有することになったのです。ハードフォーク後にはPoloniexを始めとした大手取引所がイーサリアムクラシックに対応し、取引環境も比較的早く整いました。 イーサリアムクラシックのデメリット  イーサリアムクラシックはイーサリアムとの差異が小さい以上、イーサリアムの価格変動の影響を受けたり、逆にイーサリアムの価格に影響を与える傾向にあります。  実際にイーサリアムのマイナーと流通量がハードフォーク前に比べると減少したことでイーサリアムの価格が一時下落したため、ハードフォーク直後はイーサリアムコミュニティとイーサリアムクラシックコミュニティの間で激しい対立が起き、これが双方の価格に影響するといった事態も生じていました。   イーサリアムクラシックの普及と今後の可能性  イーサリアムクラシックはその誕生の経緯から、本来の分散型システムとしての理念を重視する層からの支持を集めています。クラシック派はコードを絶対視する「コードこそが法(Code is law.)」という理念の下に非中央集権性を追求しており、「コミュニティの多数決による合意形成」と「コードに則った合意形成」のどちらを重要視するかという非常に難しい問題提起に繋がっています。  一方でブロックチェーンのフォークのリスクという観点からも非常に興味深い事例であると言えます。同じような事例として、現在ビットコインはSegwitと呼ばれるフォークを予定していますが、一部から反発を受けてフォークを拒否する「ビットコイン・アンリミテッド(Bitcoin Unlimited)」と呼ばれる派閥が生まれてしまっている状況です。これらのように議論の分かれるフォークでは、分裂の危険性が十分に存在することを示していると言えるでしょう。  

リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨

2017年1月13日 BBC編集部 0

 現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からリップル(Ripple)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 リップルとは?-グローバルな価値移動を目指す  RippleはシリコンバレーのRipple Labs, Inc.(リップル社)によって開発・運営されています。リップルはそれ自体の価値ではなく、リップルネットワークを通じてあらゆる資産価値をやり取りできる、「グローバルな価値移動のための分散型台帳ネットワーク」を目指しています。Googleが出資しているほか、みずほフィナンシャルグループやSBIホールディングスがリップルを用いて実証実験を行うなど、大きな注目を集めています。 リップルネットワークの基盤である「XRP Ledger」についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読みください。 →「リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?」   リップルの特徴①-分散型台帳で管理する「IOU」とは?  リップルネットワークは送金を行うユーザーと、ユーザー資産を保有・管理する「ゲートウェイ」によって構成されています。ゲートウェイはユーザーから資産を預かり、IOU(I owe you=借りている)と呼ばれるデジタル借用証書を発行します。IOUは預けた資産を受け取ることができる借用証書であり、資産の所有権を示していると捉えることができます。  そしてユーザーは、このIOUをリップルネットワーク上で取引することで資産の所有権を移転します。たとえばAさんがゲートウェイで100万円と引き換えに受け取ったIOUをBさんが購入した場合、BさんはそのIOUと引き換えにどのゲートウェイでも100万円を受け取ることができるのです。このようにリップルネットワークにおけるゲートウェイは銀行に近い役割を担っています。   リップルの特徴②-プルーフオブコンセンサス(Proof of Concensus)とは?  ビットコインなどで採用されているコンセンサス方式(承認方式)はプルーフオブワーク(Proof of Work、PoW)と呼ばれ、ノードと呼ばれる世界中のコンピュータが膨大な計算を行うマイニング作業を通じて記録者を選び、その承認を行っています。  一方でリップルネットワークにおけるIOU取引の記録作業は、限られた数の承認されたノードによって行われています。これをプルーフオブコンセンサス(Proof of Concensus、PoC)と呼びます。少人数かつ信頼性の高いノードに限って記録・承認を担うことで、プルーフオブワークに必要なマイニング作業での電力消費を抑え、取引承認にかかる時間を数秒以内にまで短縮できます。しかし一方で承認作業を行う者がクローズな状態になってしまうため、非中央集権性が失われてしまう恐れもあります。 […]

モネロとは?-プライバシー重視の匿名性暗号通貨

2017年1月13日 BBC編集部 0

 現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からモネロ(Monero)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   モネロとは?-「安全でプライベートかつ、追跡不可能な暗号通貨」  モネロは元ビットコインコア・エンジニアのWladimir J. van der Laan氏によって2014年に公開された匿名性暗号通貨です。「安全でプライベートかつ、追跡不可能な暗号通貨」を目指し、リング署名(Ring Signature)という方式を導入しています。   モネロの特徴-「リング署名」による匿名化  多くの暗号通貨では送金処理の際、自分の秘密鍵・公開鍵を用いて署名を行っています。これに対しモネロでは複数人の公開鍵を用いる「リング署名」によって送金処理を行うことで、署名した複数人のうちの誰が送金を行ったのかがブロックチェーン上からでも判断できないようになっています。これにより、送金者を匿名化しプライバシーを保護しています。  匿名性暗号通貨の特徴やメリット・デメリットについてはこちらの「匿名性暗号通貨とは?」にて分かりやすく解説していますので、合わせてお読み頂くとより理解を深めることができます。   モネロの普及と今後の可能性-匿名性とリスク  モネロの大きな特徴はやはりその匿名性であり、それゆえに資金洗浄(マネーロンダリング)リスクが常につきまといます。実際に2016年9月には、違法ドラッグや個人情報が取引される世界最大級のオンライン・ダークマーケットのAlphaBayにおいて、モネロが決済通貨として採用されました。またそれに伴って取引量・価格ともに急上昇し、2017年2月現在では取引総額が第5位にまで上昇しています。  このような動きに対してモネロは一貫して「安全でプライベートかつ、追跡不可能な暗号通貨」という目標を掲げており、取引におけるプライバシーの確保を最重要に位置づけています。送金における匿名性と、違法取引への対処との線引きは非常に難しく、現在も活発な議論が交わされています。