リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?

2017年6月8日 BBC編集部 0

リップル(Ripple)はネットワーク内であらゆる価値と交換できるようにすることを目的とした決済プラットフォームです。リップルではビットコインと同様に、台帳によって各利用者の取引記録を管理しています。しかしその台帳は「ブロックチェーン」ではなく、より広義の意味を持つ「分散型台帳」(distributed ledger)と呼ばれています。リップルではこの分散型台帳は「XRP Ledger」と呼ばれています。 このXRP Ledgerは、主に法人の国際送金に対応しており、銀行等の途上国への事業拡大にも適した台帳であるとされています。2012年の運用開始以降、XRP Ledgerは、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)の次世代手段として運用されてきました。 このXRP Ledgerがさらにグローバルに採用されるようになるためには、承認システムを分散化し、システムをさらに強化することが必要だとされています。そこで本記事では、XRP Ledgerの仕組みと今後の分散化に向けた取り組みについて解説していきます。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」   これまでのXRP Ledgerの仕組み XRP Ledgerでは、ビットコインブロックチェーンとは異なり、コンピューター計算による取引の承認(マイニング)を行うのではなく、承認者(validator)による投票で承認が行われていました。このプロセスは、ビットコインのプルーフ・オブ・ワークに対して、プルーフ・オブ・コンセンサス(Proof of Consensus、PoC)と呼ばれます。ここでは、80%以上の承認者が有効と判定した取引のみを台帳に記録しています。この仕組みにより、数秒以内という非常に速い時間で、余分な電力の消費もなしに、取引を承認することが可能となっています。 承認者のリストはUNL(Unique Node List、ユニーク・ノード・リスト)と呼ばれ、UNLの各承認者はお互いを承認者として許可することでネットワークを形成しています。リップルの場合、基本的にはリップル社(Ripple Labs, Inc.)が指定するUNLが選ばれており、信頼性が担保されていました。管理者がいなくなってもネットワーク自体は継続されるので完全な中央集権的システムとは言えないものの、実質的にはリップル社が管理主体となるシステムをとっており、一方では非中央集権性が失われてしまうという懸念があがっていました。 […]

Tezosとは?―互換性あるシステム修正を可能とするブロックチェーン

2017年6月7日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からTezos(テゾス)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   ハードフォークによらないシステム修正を実現 ブロックチェーンにおいては、そのプロトコルにバグが見つかったり、システム修正が必要な場合は、フォーク(分岐)による修正が行われます。このフォークには、旧・新バージョンの間に互換性のある「ソフトフォーク」と、互換性のない「ハードフォーク」の2種類があります。 修正内容がノードによる多数決によって承認されると新バージョンが採用されますが、旧システムとの互換性がないハードフォークの場合、旧システムと新システムの採用者間で永続的な分岐が生じてしまうという懸念がありました。 この問題点を解決し、ハードフォークによらないシステム修正を実現するブロックチェーンがTezosです。Tezosにおいては、ネットワークプロトコル、トランザクションプロトコル、コンセンサスプロトコルをそれぞれ独立させることによって旧・新システムの互換を常に可能にしています。   Tezosのプロトコル修正メカニズム プロトコルの仕様修正をノードが承認するルールはプログラム上に明確に規定されており、修正はノードの合意にもとづく民主的な方法によって行われます。具体的には、「Tutarchy」と呼ばれる投票システムを採用することにより、ブロックチェーンの分散性という特徴を維持しながらも、集合知的な意思決定を行うことが可能となっています。さらに、「OCaml」というプログラミング言語の導入によって、この承認プロセスを速く正確に行うことができます。 また、従来のブロックチェーンでは、既存のシステムを改善するインセンティブはほとんどありませんでした。一方でTezosでは、システムのバグを発見したり、それを修正し採用された場合には、報酬を得ることが出来ます。これによって、システムを改善しようとする動機が生じやすくなるでしょう。   プルーフ・オブ・ステークによる承認システムを採用 Tezosでは上記の承認プロセスにおいて、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しています。ビットコインブロックチェーンではプルーフ・オブ・ワーク(PoW)による承認システムが採用されているために51%攻撃やマイニングを行うための大量の電力消費などの課題が存在していましたが、Tezosではこれらの問題が解消されています。 Tezosブロックチェーンにおいては、個人や団体がシステムを悪い方向に変更しようとする可能性もありますが、通常はそのような変更はPoSによって拒否されることになります。しかし、Tezosプロジェクトチームは、それらの変更がネットワーク内で拒否されない事態も生じうると考えています。そこで、より良い決定を行う承認者のトークンを保護し、承認プロセスの公平性・有効性を高めていくことを検討しています。 Tezosのプロジェクトチームは、ICOを6月から行い資金を調達することを発表しています。今後もプロジェクトチームからの情報に注目していきたいところです。 Webサイト:https://www.tezos.com/ ポジションペーパー:https://www.tezos.com/static/papers/position_paper.pdf

Agrello(アグレロ)とは?ー簡易化された法的契約をスマートコントラクトとして自動生成可能に

2017年6月4日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からAgrello(アグレロ)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Agrello(アグレロ)とは?ー法的契約に基づくスマートコントラクトのライブラリ ブロックチェーンそしてスマートコントラクトは、契約においてかかっていた書類の削減や専門家の仕事を大幅に効率化する可能性を秘めています。しかし既存のスマートコントラクトは、イーサリアムのSolidityといったエンジニアのための特殊な言語を利用する必要があったり、ブロックチェーン上で契約当事者を結びつけることができないなど、一般的な法的拘束力のある契約を結ぶのには適していませんでした。 そこでAgrelloは、それらの問題を解決し、暗号化技術やまして法律に関する知識がなくても、法的契約をスマートコントラクトを用いて結ぶことを可能にします。 スマートコントラクトとDAppsについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」   Agrelloの特徴ー法的契約のためのスマートコントラクトを自動生成 Agrelloは、先ほど述べたような問題点を解決し、誰でもスマートコントラクトを用いた法的契約を行えるようにしました。具体的には、Agrelloの従来のWebサービスライクな画面から用意されたテンプレートを利用し、必要な項目を埋めていくことで、スマートコントラクトコードへと自動的に変換されます。その際には、Agrelloの用意したAIコンソーラーが、スマートコントラクトの作成・管理をサポートします。変換されたスマートコントラクトコードは、ブロックチェーンであるQtumに記述され、一般的なスマートコントラクトと同様に利用することが可能で、契約の締結には暗号通貨を支払います。さらに、スマートコントラクトの生成と同時に法的なドキュメントも作成します。   SaaSモデルでの提供。第三者が自由にテンプレート作成も可能に。 Agrelloは、スマートコントラクトの自動生成およびわかりやすいインターフェースでスマートコントラクトによる契約の締結をSaaSモデルとして提供します。そのため、外部アプリケーションがAgrelloの機能を組み込んで提供することも可能です。また、Agrelloの用意したテンプレートのほかに、第三者がテンプレートを作成することも可能です。作成されたテンプレートは、利用者が自由に利用することができます。契約の締結の際に支払われた暗号通貨が、テンプレート作成者に一部分配される仕組みとなっており、よいテンプレートを作成するインセンティブが働きます。法的な契約は国によって様々であるため、各国の専門家が自由にAgrelloを利用しテンプレートを作成できるようにすることで、利用者が増えていくことが予測されます。   Agrelloの普及と今後の可能性ーシェアリングエコノミーをはじめ個人間契約を効率化 スマートコントラクトを誰でも自由に利用できるようになれば、これまで専門家などが必要だった取引においても個人間で締結が容易になるでしょう。そうなることで、シェアリングエコノミーにおける個別の契約や賃貸契約、フリーランスとの業務委託契約などが効率良く、またブロックチェーン上に記録が残ることで証拠能力高く行うことができます。 今後、個人と個人が直接モノの売買やスキルの提供をしていくことが増加すると考えると、Agrelloのようなスマートコントラクトを用いた法的契約の自動化は、期待される分野と言えそうです。 Webサイト:https://www.agrello.org/

LISKとは?-サイドチェーンを用いたスマートコントラクトとDAppsのプラットフォームへ

2017年6月2日 BBC編集部 0

現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からLisk(リスク)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Liskとは?-DApps構築プラットフォーム Liskとは、スマートコントラクトやDApps(分散型アプリケーション)構築のプラットフォームを目指したプロジェクトです。またそのネイティブ通貨(基軸通貨)を「LISK」と称します。マイクロソフトの法人向けクラウドサービスである「Microsoft Azure」との提携が進むなど、大きな注目を集めています。 スマートコントラクトとDAppsについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」   Liskの特徴-サイドチェーン上でDApps構築 ブロックチェーン上にプログラムを記録し実行する「スマートコントラクト」は、「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行されること」を実現しています。同じくスマートコントラクトを備えたDApps構築プラットフォームであるイーサリアムと対比されるLiskですが、イーサリアムとの最大の違いは「サイドチェーン」の実装です。 Liskでは、ひとつのブロックチェーン上に全てのDAppsを構築するのではなく、DAppsごとにサイドチェーン化しています。サイドチェーンとは、あるブロックチェーンの機能拡張を行う際にメインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーン(=サイドチェーン)を用いるものです。 イーサリアムでは、イーサリアムのメインのブロックチェーン上に全てのスマートコントラクトを記述してDAppsを構築します。これに対しLiskを用いてDAppsを構築するとき、開発者はDAppsごとに新たなブロックチェーンを構築したうえでスマートコントラクトを記録し、「サイドチェーン」としてメインのブロックチェーンと接続します。そのため、DAppsの開発者は、Liskのメインのブロックチェーン上に記述を行うことはできません。 また、サイドチェーンはメインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーンであるため、DApps開発者がサイドチェーンとなるブロックチェーンを構築する際、取引記録の記録者とその承認者を新たに設定することが可能です。DApps開発者が承認者を選ぶことができるため、Liskにおけるサイドチェーンはプライベートチェーンに近いと言うこともできるでしょう。将来的にはコンセンサスアルゴリズムの設定も自由に可能にする予定で、ビットコインのようなプルーフ・オブ・ワークや、プルーフ・オブ・ステークを導入したパブリックチェーンを作ることも可能になるとのことです。 プルーフ・オブ・ワークについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーンを支える技術『プルーフ・オブ・ワーク(PoW)』とは?」   Liskのサイドチェーン化には一長一短が… メリット-スケーラビリティと柔軟性 DAppsごとにサイドチェーンを構築するメリットは主に、スケーラビリティと柔軟性の二点です。サイドチェーンごとにスマートコントラクトを実行しているため、一つのブロックチェーン上で複数のDAppsを実行するよりも負荷を小さくすることができ、スケーラビリティを持たせることが可能です。また、それぞれのスマートコントラクトは各サイドチェーン上に記録されているため、DApps開発者によるコードの変更が容易に実行できます。イーサリアムではブロックチェーン上に記録されたコードを自由に変更することができないため、より柔軟性が高いプラットフォームといえるでしょう。 デメリット-承認者を設定できる Liskではマイニング(取引の記録作業)のことを「フォージング」と呼ぶほか、記録承認者を「delegate」と呼びます。先ほども述べたようにサイドチェーンは、メインのブロックチェーンとは独立したブロックチェーンであるため、開発者が取引記録者と記録承認者を設定することができます。フォージングを行う人数を減らすことで、プライベートチェーンのようにサイドチェーン自体を中央集権的にコントロールすることができてしまいます。 また開発者がサイドチェーンを構築する際に承認者を設定できる反面、裏を返せばメインのチェーンとは別に承認者を新たに設定する必要性があるという手間もあります。サイドチェーンの承認者の数が少ない場合にはブロックチェーンのフォークが容易に起きてしまうため、攻撃を受けやすくなってしまい十分なセキュリティが担保できない可能性もあります。   Liskの普及と今後の可能性-サイドチェーン化の一長一短 以上のようにLiskがイーサリアムと大きく違う点はサイドチェーンの採用ですが、そのどちらがより実用的なのかといった部分については賛否の分かれるところです。イーサリアムにおいてはスマートコントラクトを実行する際に必要となるETH建ての手数料「Gas」がETHの価格上昇に伴って上昇していることが開発者に打撃となるのではという懸念もあります。Liskにおいてはサイドチェーンを用いることでその問題が生じないといったメリットもあると言えるでしょう。 […]

GameCreditsとは?-新たなゲーム内決済手段

2017年6月2日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からGame Credits(ゲームクレジット)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   GameCreditsとは?-ゲーム業界において新たな支払い手段を築き上げる GameCreditsは、アメリカのカリフォルニア州サンタ・モニカにある、GameCredits Inc.によって開発・運営されている暗号通貨の一つです。GameCredits.Incは、従来のゲーム業界にブロックチェーン技術をもって参入し、プレイヤー同士や、プレイヤー・デベロッパー間のP2Pのやりとりを実現しようとしています。モバイルゲームが活況を迎えている昨今ですが、このGameCreditsは、Coinagendaという仮想通貨投資家向けの2016年度カンファレンスで、「Best Trading Coin賞」を受賞しています。 GameCreditsの特徴① -分散型台帳によってP2Pな価値交換が実現 GameCreditsは、ゲームに携わるすべてのプレイヤー・デベロッパーにとって、本当に使い勝手の良い通貨を目指して設計がなされています。例えばGameCredits(単位: GAME)をゲーム内の支払いUIに直接組み込むことが可能で、これにより中央集権的なプラットフォームを介さずに、プレイヤー同士、あるいはプレイヤーとデベロッパーが直接的に金銭のやりとりを行うことができます。これにより、ファンプレイヤーはより直接的に会社を応援しやすくなります。またデベロッパーは、従来タイムラグの大きかった送金処理が大幅に短縮化され、よりスムーズにゲーム運営を行えるようになります。 GameCreditsの特徴②-より強化された安全性と、今までにないゲーム内通貨の互換性 ブロックチェーン技術により、過去の取引記録の改ざんが困難であるため、悪意あるプレイヤーが手元のゲーム内通貨を増やすといったチートおよびアビューズ行為を防ぎやすくなるほか、ゲーム内のP2Pでの金銭的やりとりのセキュリティがより強化されます。また、他の仮想通貨と同様に価値保存の性質を保有しており、GameCreditsのシステムを組み込んであるゲーム間で互換性があります。つまり、従来はプレイヤーがあるゲームに飽きてしまった場合、一度そこに注ぎ込んだお金は返ってきませんが、GameCreditsのシステムを組み込んだゲームの場合、注ぎ込んだGAMEを引き出して、他のゲームに再投資することが可能になります。もちろんそれだけではなく、ゲーム内で稼いだGAMEを現金化する、ということも可能です。   GameCreditsのメリット-よりシームレスな支払い体験を提供 オンラインゲーム・モバイルゲームの購入、また購入したゲーム内において追加コンテンツを購入する場合、今日ではiTunesカードやGoogle Playカードのようなプリペイドカードや、クレジットカードを使った支払い方法が主流ですが、GameCreditsを使えばデベロッパーとプレイヤーが直接的にやりとりをすることができます。従来のGoogleやApple、クレジットカード会社などのプラットフォーマーに手数料を取られることなく(例:Appleの場合、30%が手数料として売り上げから差し引かれます)、マイナーゲームのデベロッパーであっても、より収益につなげやすくなります。 また匿名での送金できたり、一般的なゲームに多くみられる入金制限がないなど、徹底したゲーマーフレンドリーな設計となっております。   GameCreditsの普及と今後の可能性 近年のスマートフォンの普及により、モバイルゲーム市場は活発に伸びています。ゲーミング市場は世界全体でおよそ9兆円規模にまで成長を遂げており、うち4兆円はモバイルゲームによりもたらされています。今後もゲーム市場の成長トレンドは続くと思われます。また、最大供給量が約8400万GAMEと既に発行上限が決まっています。今後様々なゲームにおいてGameCreditsが用いられるようになれば、おのずとその市場価値が高まっていくでしょう。 2017年上半期中に、「MobileGo」という、GAMEを用いてゲームを購入するオンラインプラットフォームをローンチするようです。SteamやAppStoreなど、既存の大手販売プラットフォームが割拠する中、同社のプラットフォームがどう伸びるか、注目が集まりそうです。  

Rootstockとは?-サイドチェーンによりビットコインの機能を拡張

2017年5月31日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からRootstock(ルートストック)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Rootstockとは?-ビットコインブロックチェーンを用いながら様々な機能拡張を実現 Rootstockとはビットコインブロックチェーンの「サイドチェーン」の一つです。サイドチェーンとは、ビットコインブロックチェーンとは独立したブロックチェーンを用いることでビットコインブロックチェーンそのものの機能拡張を行うものです。イメージで言えばビットコインが大きな一つの木で、Rootstockはその木から生えた葉っぱに例えることができます。まさにRootstockのロゴがそれを表しています。 ビットコインは現在、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」という二つの大きな問題を抱えています。ビットコインはブロックに1MBまでしか記録することができないため、近年の取引量急増によって取引の遅延や手数料の高騰が生じています。またビットコインはシステムの関係上、送金完了までに約10分かかるため、これまで大きな課題として毎度挙げられ続けていました。Rootstockを用いることで、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」というビットコインの課題を解決することができるのです。 ビットコインのスケーラビリティ問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited」 Rootstockのもう一つの大きな特徴は、ビットコインブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行することができる点です。スマートコントラクトとは「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行される」ことで、ブロックチェーン上で任意のプログラムを実行できる機能を指します。 スマートコントラクトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」   Rootstockのサイドチェーンはどのように機能するのか? Rootstockの特徴①「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」 Rootstockは「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」という機能を備えています。双方向ペグとはビットコインブロックチェーンからサイドチェーンへの資産の移転を実行することです。正確には二つのブロックチェーンの間に一時的なトークン(RSKトークン)を生成し、承認を得ることでそのトークンが再びビットコインブロックチェーンに戻されます。 このとき交換レートを固定されており、ある量のビットコインの価値とある量のトークンの価値が等価となるように交換が実行されます。たとえば、1BTC=1RSKといった具合です。このようなプロセスを経て、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーンとの間の資産価値の整合性を保っているのです。 Rootstockの特徴②「マージマイニング」 もうひとつの特徴として、二つのブロックチェーン上の価値を等価とするためにマージマイニングを行います。マージマイニングとは、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーン(Rootstock)の双方に対して同時にマイニング作業を行うことです。 またRootstockでは「GHOST」や「DECOR+」または「Fast Block protocol」といったトランザクション処理システムを用いることで、より大きなスケーラビリティと処理スピードの向上を実現しています。具体的には、一秒間に約100回ものトランザクション処理が可能になり(イーサリアムの五倍)、送金処理などが秒単位で実行できるようになります。   […]

Æternityとは?-オフチェーンによるスマートコントラクトの実行を実現

2017年5月19日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からÆternity(エタニティ)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 Æternityとは?-スマートコントラクトのオフチェーン処理 イーサリアムに代表されるようにスマートコントラクトへの注目度は高まっており、多くの分散型アプリケーション(Dapps)が登場しています。Æternityは、スマートコントラクトをブロックチェーンに記録せずに実行する「オフチェーン処理」を組み合わせることで、スマートコントラクトをより拡張性の高い状態で実現しようとするものです。また、スマートコントラクトに用いる高度なオラクル処理の提供も行っています。   Æternityの開発目的-スケーラビリティ問題への対策 従来の多くのプロジェクトにおいてはブロックチェーン上に全てのトランザクションを記録する「オンチェーン処理」が主流でした。しかし、ビットコインなどでは、トランザクション数が増大することで取引の遅延が生じる「スケーラビリティ問題」が課題となっています。これに対し、ブロックチェーンに記録されない形でトランザクションを実行し(チェーンの外=オフチェーン)、その結果のみをまとめて記録する「オフチェーン処理」という解決策が提案されています。 ビットコインのスケーラビリティ問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited ビットコインでの問題と同様に、全てのスマートコントラクトをオンチェーンで行うのは、非効率であるとともに拡張性に乏しく、国際規模での利用に耐えられない可能性があります。Æternityはこのスマートコントラクトにおけるスケーラビリティ問題の解決を目指すプロジェクトとして設計・開発されています。   Æternityの特徴 ①スマートコントラクトのオフチェイン処理を行う「State Channel」 Æternityでは、「State Channel」という専用のチャネルを開設することで、オフチェーンでスマートコントラクトを実行することができます。Æternityプラットフォーム上でスマートコントラクト等の処理を実行する際には、ユーザーは暗号通貨「Æトークン」を支払う必要があります。そしてオフチェーンで実行された部分は省き、最初の状態とスマートコントラクトが実行された後の状態だけがブロックチェーン上に記録されます。仮にこのデータに齟齬が生じたり異議があった場合には、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行することで公平な形で記録を行うことができます。 ②新たなコンセンサスアルゴリズム「Cuckoo Cycle」 Æternityのコンセンサスアルゴリズムは、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake、PoS)のハイブリッド型です。従来のプルーフ・オブ・ワークではCPUを用いた膨大な計算をこなすため電力消費が大きくなってしまっていましたが、ÆternityではデバイスのCPUではなく、データの読み書きのスピードを担うメインメモリのDRAMを使用する「Cukoo Cycle」と呼ばれるアルゴリズムを採用しています。 […]

新たな資金調達手段「ICO」とは?

2017年4月28日 BBC編集部 0

ブロックチェーン周りで聞かれる新しい用語の一つに「ICO」という言葉があります。「ブロックチェーンを用いた〇〇がICO間近!」という言葉を見たことがある人も少なくないでしょう。今回の記事ではこのICOとはいったい何なのか、解説していきます。 従来の資金調達の形-株式公開、クラウドファンディング 資金調達手段には融資などの手段もありますが、今回の記事では「出資」にフォーカスして見ていきます。出資は、融資と違い返済義務がないため出資先が潰れてしまえば出資者は大損してしまいます。出資者はこのようなリスクを負うため、出資者に対しては必ず何らかのリターンを提供する必要があります。 日本において民間企業が出資を募るときの最も代表的な手段は、株式の発行でしょう。企業は株式を発行し販売することで資金を調達し、株主は株式を購入することで配当権や経営参加権などを持ちます。企業が成長し株式市場に上場すると、一般公開された市場において株式を売買できるため、より機動的な資金調達が可能になります。これを新規株式公開、またはIPO(Initial Public Offering)と呼びます。 また近年ではクラウドファンディングといった手法も盛んになってきています。これは何らかのプロジェクトが実現する前にあらかじめ「サービス受益権」を直接一般向けに販売しすることで、投資者のハードルを下げることを実現するものです。 近年、IPOによる株式公開やクラウドファンディングとは異なる、暗号通貨を用いた資金調達が登場しています。   暗号通貨建ての資金調達「ICO」とは? 「ICO(Initial Coin Offering)」とは、ある組織や企業が資金調達する際に暗号通貨やブロックチェーン上でトークンを発行し、それらを一般の投資家に向けて販売することで資金調達を行うことを指します。暗号通貨やトークンの発行を伴うため、ブロックチェーン関連のプロジェクトにおいてよく用いられています。「クラウドセール」や「プレセール」と呼ばれることもあります。たとえば、分散型予測市場プロジェクトの「Gnosis(ノーシス)」のICOでは、数分で1200万ドルにも上る資金調達に成功しました。 では、ICOにおけるリターンはどのようなものがあるのでしょうか。ICOにおけるリターンには複数のパターンがあります。以下のようにスマートコントラクトを活用し、様々な形態でのリターンを提供できるのも暗号通貨およびトークンならではのメリットだと言えるでしょう。   ICOにおけるリターンの3分類 (1)議決権 スマートコントラクトを通じ何らかの形で多数決による何かしらの意思決定に投票に参加できるというものです。株主のように運営主体の経営に関する議決に参加できる場合や、サービス内での投票に参加できる場合もあります。たとえば、自律分散的な投資ファンド運用を目指した「The DAO」のプレセールにおいて販売されたDAOトークン保有者は、The DAOにおいて提案された投資先への投資の可否についての投票に参加することができます。 (2)配当権 こちらのタイプは、サービス利用に伴う手数料収入などをスマートコントラクトによって配分するものです。このように直接金銭的なリターンを提供するものも多くあります。たとえば公正な著作権料分配を目指す「SingularDTV」がプレセールで販売したSNGLSトークンの保有者は、SingularDTV内の動画の再生回数に応じた収益を受け取ることができます。(1)の議決権と併せて付与される場合もあります。 (3)サービス内で使えるコイン サービスにおいて手数料や利用料などの支払いに利用することができるトークンをそのままプレセールで販売するパターンです。たとえば、コンピュータリソースの共有を目指す「Golem」がプレセールで販売したGNTトークンは、サービス内でそのままコンピュータリソースの購入に利用することができます。   […]

カラードコインとは?

2017年4月17日 BBC編集部 0

   分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からカラードコイン(Colored Coin)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 カラードコインとは?-様々な資産をブロックチェーン上で取引可能に  ビットコインが2008年に登場してから、ブロックチェーンを電子通貨であるビットコイン以外に応用する「ビットコイン2.0」や「ブロックチェーン2.0」と呼ばれる領域が活発化してきました。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上の取引データに、付加情報を記録することで、機能の拡張を目指し開発されました。具体的にはカラードコインを用いることでデジタルから現物まであらゆるアセット(資産)を取引することができます。詳しく見ていきましょう。   カラードコインの特徴:「レイヤー」を用い様々な資産取引が可能に  本来ビットコインそのものは暗号通貨の移転としての機能がメインであり、それ以外の用途について拡張性に欠ける部分がありました。しかし、ビットコインブロックチェーン上にビットコインの取引記録に加え新たに付加情報を記録することで機能を拡張する「レイヤー(層)」という概念が登場しました。カラードコインでは、この「レイヤー」を活用し、ビットコインブロックチェーンを用いながらにしてビットコイン以外の取引データ記録を実現したのです。  他の資産と結びつけられたブロックチェーン上のデータは「スマートプロパティ」と呼ばれており、株式などの金融資産や、モノの所有権などを記録することができます。ほかにも独自通貨(トークン)が発行できる機能を実装しているプロジェクトも存在します。実際にアメリカ証券取引所のNASDAQの非上場株式取引や、アメリカ小売大手のOverstockが公開した自社株取引プラットフォーム「TØ」などで、すでに採用が進められており、ビットコインだけでない様々な価値記録を実現したカラードコインの活用可能性は実に幅広いものとなりました。   カラードコイン発行の仕組み-価値を保証するのは誰か?  カラードコインの発行の仕組みは、オープンアセット・プロトコル(Open Assets Protocol)というシステムが代表的です。これによってユーザーは独自通貨(トークン)を発行することができます。たとえば太郎君が「太郎トークン」という名前のトークンを100枚発行することができるのです。   カラードコインの普及と今後の可能性-ビットコインブロックチェーン  カラードコインは、ビットコインブロックチェーンを拡張する形で取引されているため、その拡張性にはビットコイン自体の制約を受けるため限界があります。、その一方で、ビットコインブロックチェーンを用いているメリットもあります。  ビットコインブロックチェーンではマイナーの数が非常に多く、そのため外部からの攻撃に対する耐久性が強く改ざんが困難です。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上に記録されていることで、セキュリティ面での恩恵を受けています。またカラードコインはビットコインの秘密鍵・公開鍵を用いて取引できるため、利便性の面でも大きなメリットがあります。ビットコインブロックチェーンというひとつのプラットフォーム上で、通貨のみならず様々な資産の取引が可能となります。  ビットコインが発展するに従い、カラードコインもより注目を浴びていくかもしれません。今後の発展にも注目していきたいところです。

取引所にビットコインなどの暗号通貨を預けることのリスクとは?

2017年4月3日 BBC編集部 0

ビットコインなどの暗号通貨(仮想通貨)を買いたい時に、誰もが最初に使うのが国内ですとbitFlyerやcoincheckなどの「取引所」だと思います。取引所では円などの法定通貨と暗号通貨の交換を行っているほか、取引所に暗号通貨を預けることも出来ます。しかし、取引所に暗号通貨資産を預けることには「カウンターパーティリスク」と呼ばれるリスクが伴うことをご存知ですか?もしご存知ない場合は、暗号通貨の管理に必須である「秘密鍵」と「公開鍵」の2つについて知る必要があります。   暗号通貨を管理する秘密鍵と公開鍵とは 暗号通貨は自分だけが知っている「秘密鍵(シークレット・キー)」と、全世界に公開している「公開鍵(パブリック・キー)」というペアからなる暗号鍵を用いて管理・送金を行います。公開鍵は秘密鍵から生成されますが、公開鍵から秘密鍵を知ることはできません。これを「公開鍵暗号方式」といいます。 (参考記事:ブロックチェーンを支える技術「公開鍵暗号方式」とは) 誰かに暗号通貨を送金する場合、送金先の利用者の公開鍵から生成されるアドレスを用いて送金先を指定し、さらに送金者が自身の秘密鍵を用いて「電子署名」をすることで初めて送金処理を実行することができます。このとき秘密鍵を用いた電子書名は、銀行口座で送金を行う際の本人確認(パスワードや印鑑)にたとえることができます。しかしながら、秘密鍵と特定の個人を結びつける要素はないため、秘密鍵を知っていれば誰でも送金が可能になってしまいます。そのため秘密鍵は誰にも知られることがないように、厳重に管理する必要があります。   取引所は秘密鍵と公開鍵を集中的に管理 前述の通り、取引所では暗号通貨を預けることもできます。しかし、実は個々の取引所の利用者それぞれが個別の秘密鍵と公開鍵のペアを保有しているのではありません。実は公開鍵からは限りない数のアドレスを生成することができます。取引所はこれを用いて、保有する秘密鍵と公開鍵のペアから生成したアドレスを取引所の利用者に割り当てているのです。 特に即時の取引が重要となるトレードにおいては、送金のたびにブロックチェーンに記録しながらトレードを行うのは時間がかかりすぎるため、取引所は利用者の暗号通貨と法定通貨のやりとりをブロックチェーン上に記録せず、取引所運営会社内のデータベースを書き換えることで利用者の暗号通貨を管理しています。 このように利用者の暗号通貨は、取引所が集中的に管理しています。これは個人が銀行口座にお金を預け、ある口座から別の口座への振込みを行う際に、実際に現金の移動が行われているのではなく銀行内のデータの書き換えによって行われるのと同様の構図です。   取引所の抱えるカウンターパーティーリスクとは? 取引所が利用者の暗号通貨を集中的に管理することには、あるリスクを伴います。それは、暗号通貨を管理する取引所の破綻やサイバー攻撃によるハッキングリスクです。取引所では当然大きな金額を扱っている以上、サイバー攻撃の標的になりやすいのです。 このように取引相手の信頼性によって発生するリスクのことを「カウンターパーティリスク」と呼びます。ここでは暗号通貨のやり取りの相手(=カウンターパーティ)、つまり取引所が倒産したり、外部からサイバー攻撃を受けることで暗号通貨が損失するリスクのことです。 もし仮に、取引所の管理する秘密鍵が何者かによって知られてしまい、取引所から利用者から預かった暗号通貨の一部が盗まれてしまう事件はこれまでも度々起きています。代表的なものが、Mt. Gox事件です。この事件では内部の人間が自社サーバーに不正にアクセスし、管理されている秘密鍵の情報を得て、Mt. Goxに預けられていた人々の暗号通貨を勝手に送金したことで多額の損失が生じました。 ブロックチェーンの大きなメリットとして、分散化によって外部からの攻撃や改ざんに対して強い点です。しかしながら、取引所が秘密鍵を集中的に管理した場合は、ブロックチェーン自体のセキュリティの問題ではなく、取引所のセキュリティの脆弱性による問題が起きてしまうことがあり得ます。取引所に保有する暗号通貨を預ける際には、必ずこのリスクを意識した上で利用する必要があるでしょう。