カラードコインとは?

2017年4月17日 BBC編集部 0

   分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からカラードコイン(Colored Coin)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 カラードコインとは?-様々な資産をブロックチェーン上で取引可能に  ビットコインが2008年に登場してから、ブロックチェーンを電子通貨であるビットコイン以外に応用する「ビットコイン2.0」や「ブロックチェーン2.0」と呼ばれる領域が活発化してきました。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上の取引データに、付加情報を記録することで、機能の拡張を目指し開発されました。具体的にはカラードコインを用いることでデジタルから現物まであらゆるアセット(資産)を取引することができます。詳しく見ていきましょう。   カラードコインの特徴:「レイヤー」を用い様々な資産取引が可能に  本来ビットコインそのものは暗号通貨の移転としての機能がメインであり、それ以外の用途について拡張性に欠ける部分がありました。しかし、ビットコインブロックチェーン上にビットコインの取引記録に加え新たに付加情報を記録することで機能を拡張する「レイヤー(層)」という概念が登場しました。カラードコインでは、この「レイヤー」を活用し、ビットコインブロックチェーンを用いながらにしてビットコイン以外の取引データ記録を実現したのです。  他の資産と結びつけられたブロックチェーン上のデータは「スマートプロパティ」と呼ばれており、株式などの金融資産や、モノの所有権などを記録することができます。ほかにも独自通貨(トークン)が発行できる機能を実装しているプロジェクトも存在します。実際にアメリカ証券取引所のNASDAQの非上場株式取引や、アメリカ小売大手のOverstockが公開した自社株取引プラットフォーム「TØ」などで、すでに採用が進められており、ビットコインだけでない様々な価値記録を実現したカラードコインの活用可能性は実に幅広いものとなりました。   カラードコイン発行の仕組み-価値を保証するのは誰か?  カラードコインの発行の仕組みは、オープンアセット・プロトコル(Open Assets Protocol)というシステムが代表的です。これによってユーザーは独自通貨(トークン)を発行することができます。たとえば太郎君が「太郎トークン」という名前のトークンを100枚発行することができるのです。   カラードコインの普及と今後の可能性-ビットコインブロックチェーン  カラードコインは、ビットコインブロックチェーンを拡張する形で取引されているため、その拡張性にはビットコイン自体の制約を受けるため限界があります。、その一方で、ビットコインブロックチェーンを用いているメリットもあります。  ビットコインブロックチェーンではマイナーの数が非常に多く、そのため外部からの攻撃に対する耐久性が強く改ざんが困難です。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上に記録されていることで、セキュリティ面での恩恵を受けています。またカラードコインはビットコインの秘密鍵・公開鍵を用いて取引できるため、利便性の面でも大きなメリットがあります。ビットコインブロックチェーンというひとつのプラットフォーム上で、通貨のみならず様々な資産の取引が可能となります。  ビットコインが発展するに従い、カラードコインもより注目を浴びていくかもしれません。今後の発展にも注目していきたいところです。

テザーとリップルの共通性-カウンターパーティリスクとは?

2017年3月14日 BBC編集部 0

 「テザー」とは法定通貨に1対1でペッグされた暗号通貨です。テザーの取引を通じていわば、法定通貨をブロックチェーン上で取引することができます。一方「リップル(Ripple)」はグローバルな価値移動のための分散型台帳ネットワークです。今回の記事ではテザーとリップルに共通する構造について解説しつつ、その違いとリスクについて解説していきます。  テザーについてはこちらの記事で、リップルについてはこちらの記事でそれぞれ詳しく解説しています。   テザーとは?-法定通貨により裏付けられた暗号通貨  「テザー」とは法定通貨に1対1でペッグされた暗号通貨です。発行されるテザーはUSドル、ユーロ、日本円といった法定通貨それぞれに対応しており、たとえば1USDTは常に1USドルで取引されます。このように法定通貨の価値を持ちながら、暗号通貨として安全に価値を保存でき、また少額の取引手数料で送金が可能です。ブロックチェーンの利点と機能性を活用しつつ、一方で法定通貨の価値の裏付けによってビットコイン以上に安定した通貨価値を実現しています。  またテザーが保有する法定通貨と同額のテザーを発行するプロセスは「Proof of Reserves(プルーフ・オブ・リザーブ)」というシステムによって担保されています。ユーザーが法定通貨をTether Limitedに預けるタイミングで、Tether Limitedは同額のテザーを発行しています。このように、Tether Limitedに入金された法定通貨は発行されたテザーと常に同額で維持されます。  テザーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 リップルとは?−IOU(デジタル借用証書)を用いた送金ネットワーク  テザーに似たプロトコルとしては「リップル(Ripple)」があります。リップルはシリコンバレーのRipple Labs, Inc.によって開発・運営されている、グローバルな価値移動のための分散型台帳ネットワークです。  リップルネットワークではユーザーの他に「ゲートウェイ」という主体が存在します。ゲートウェイはリップルネットワークにおいて銀行に近い役割を担っており、ユーザーから法定通貨や暗号通貨などの資産を預かるとそれに対応するIOU(I owe you)と呼ばれるデジタル借用証書を発行します。ユーザーはIOUネットワーク上で取引することで資産の所有権を移転することができ、ゲートウェイでそのIOUに対応した資金を受け取ることができます。  リップルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。   テザーとリップルの共通構造-中央集権型が残存  ここでテザーをリップルネットワークで置き換えて考えると、流通するUSD TetherやEUR TetherはUSDやEURへの交換保証する借用証書(IOU)と言えます。そして法定通貨を預かって一種のIOUであるテザーを発行するゲートウェイの役割を持つのはTether […]

Sensus(センサス)とは?-回答するほど儲かる、分散型の”知恵袋”

2017年1月24日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からセンサス(Sensus)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 センサスとは? センサスはヤフー知恵袋などのQ&Aサイトのように、知識を提供する分散型アプリケーションです。暗号通貨の一種である「Senseトークン(SNS)」を質問への回答のインセンティブとして用いることで、従来からあるQ&Aサービスの課題の解決を図っています。   センサスの特徴-迅速かつ精度の高い回答の実現 従来のQ&Aサービスは投稿された質問を受動的に表示するだけでした。回答者は表示された質問に回答しますが、質問者は回答者が回答するのを待つ必要がありました。また、誰でも投稿や回答ができるのがQ&Aサービスのメリットでもあるのですが、それゆえに質が低かったり、質問者の満足するような回答を得ることができない場合もあります。  センサスは、投稿された質問を別のユーザーに直接送ることが可能です。その際に、年齢や居住地などの条件指定によって、質問のターゲットを絞ることもできます。また質問を受け取ったユーザーは、質問に回答することで「Senseトークン」を得ることができます。しかし、その報酬であるトークンを受け取れるのは、早い者勝ちなので質問を受け取ったユーザーには即座に回答するインセンティブが生じます。  また、ユーザーは質問に回答することにより「Senseトークン」を得ることができます。そしてヤフー知恵袋のベストアンサーに近い形で、質問者は最も優れた回答者を選び、選ばれた回答者は報酬として「Senseトークン」が送られます。回答者はより多くの報酬を得るため、より質問者の意図に沿った形の回答をすることで回答の精度を高めるインセンティブが生まれます。   センサスの普及と今後の可能性-The Sense Networkの構築  センサスは「Senseトークン」を利用できるサードパーティアプリケーションの導入も見込んでおり、将来的には「Senseトークン」を利用できるアプリケーションからなる”The Sense Network”の構築を目指しています。センサスで回答をすることでSenseトークンを得て、それを利用して日用品やサービスを享受して生活するユーザーも現れる可能性もあります。単なるQ&Aサイトにとどまらず、働き方革命の未来がここにもあるのかもしれません。  現在はβ版テスト中であり、アプリケーション内でのSenseトークン獲得、USドルとの交換開始による取引機能のテストなど機能追加を随時実施していくとのことです。

Akasha(アカシャ)とは?-改ざん・検閲を受けない自由な言論空間

2017年1月22日 BBC編集部 0

   分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からアカシャ(Akasha)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 アカシャとは?-表現の自由を追求したプロジェクト  アカシャは、イーサリアムネットワーク上に構築された分散型ソーシャルメディアで、「表現の自由」を追求し生まれたプロジェクトです。”Akaha”とはサンスクリット語で「天空」を表します。現在は2016年3月に公開されたアルファ版の改良を行っており、2017年内のベータ版ローンチに向けた開発が進められています。 アカシャの特徴-改ざんや検閲を受けない言論空間  アカシャは、基本的には既存のブログと同じくコンテンツの投稿や共有ができるソーシャルネットワークサービスです。アカシャでは既存のそれらのサービスと異なり、データは全て集中サーバー上ではなく、ブロックチェーン上で分散的に記録されます。コンテンツを集中管理する中央管理者を排したことで、サイバー攻撃やハッキングによる改ざんのリスクが軽減されます。また検閲などの形で第三者によってコンテンツをコントロールされることもありません。これにより改ざん・検閲を受けることのない、表現の自由や情報への自由なアクセスが確保された言論・表現の場を実現します。 アカシャのメリット-少額からコンテンツ販売が可能  イーサリアムネットワーク上に構築されているという特徴を生かし、ユーザーは自分の投稿したコンテンツ毎にETH(イーサリアム)単位で販売することができます。またユーザーもいいね!などのリアクションの代わりにETHを投げ銭のように送金することができます。さらに、イーサリアムは送金手数料が安いため少額決済(マイクロペイメント)に用いやすく、少額からでもコンテンツの販売や購入が可能であるというメリットがあります。   アカシャの普及と今後の可能性-ブロックチェーン上のIDとなるか  改ざんや検閲を受けることのない表現・言論プラットフォームとしてアカシャが普及していけば、イーサリアムネットワーク上でアカウントと本人の言論が結び付き、将来的にはブロックチェーン上におけるID(身分証明、アイデンティティ)の役割を果たす可能性を秘めていると言えるでしょう。今後もアカシャのローンチに向けた動きに注目です。

Digix(ディジックス)とは?−金の所有権をブロックチェーン上で管理

2017年1月17日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からディジックス(Digix)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 ディジックスとは?−ブロックチェーン上での金の所有権取引  ディジックスは「金」をトークン化するイーサリアム上のプラットフォームです。ブロックチェーンを活用することでその特徴である取引の透明性や改ざんの困難性を現物資産である金にも適用できます。金を裏づけとして用いることで、ビットコインなどの暗号通貨に比べて安定したデジタル資産を実現しています。   従来の金取引モデル−部分準備制度によるリスクとは?  銀行では銀行預金として預かった資金の一部をそのまま融資として貸し出すことで金利収入を得る、「部分準備制」というシステムを採用しているところがほとんどです。そのため銀行は全ての預金額を資金として保持しているわけではなく、預金者全員の預金引き出しに対応することはできません。リーマンショック時のように、金融危機などによって預金の払い戻し要求が殺到すると、銀行は経営破たんの危機に陥るのです。これは金取引においても同様であり、このように現物金を銀行に預けることには部分準備制度に起因するリスクが存在しました。  一方で、現物金を自ら保管することには、盗難に備えてのセキュリティ面の問題や、所有権を証明することが難しいなどいくつかの問題があります。   ディジックスの特徴−現物金をデジタル化  そこでディジックスは現物金をDGXトークン(ディジックス・ゴールド・トークン、Digix Gold Tokens)として発行しています。DGXトークンは同量の金によって裏付けられたイーサリアムトークンであり、1DGXはLBMA標準金1グラムの価値を持っており、すべてのDGXトークンは同量の現物金と交換することができます。  これによって金の所有権移転に関する取引手数料を削減したほか、DGXトークンに対する現物金の完全な裏づけ、ネットワークを通じた自由な金取引を実現しています。価値の安定している金に裏付けることで暗号通貨の価値のボラティリティをなくし、長期的に安定した価値貯蔵が可能になったと言えるでしょう。 ディジックスのメリット−プルーフ・オブ・アセット  ディジックスは資産の存在と所有権を証明するためのシステムとして、プルーフ・オブ・アセット(Proof of Asset、PoA)を採用しています。プルーフ・オブ・アセットでは、ロンドン貴金属市場協会(LBMA)から付与される分析証明書(Assay Certificates)や、大手監査機関のインスペクトレート・ビューロー・ヴェリタス(Inspectorate Bureau Veritas)による年4回の監査記録をブロックチェーン上に記録しています。これらを組み合わせたスマートコントラクトを通じて、信頼性の高い方法で現物金をDGXトークン化しているのです。 ディジックスのデメリット-現物金のセキュリティ管理  現物資産を暗号通貨トークン化するプロジェクトにおいては、現物資産を管理するセキュリティが大きな問題となります。ディジックスにおいても同様であり、現物金の保管におけるセキュリティ管理が非常に重要です。その点、信頼性の高い外部機関による監査を受け入れることである程度のセキュリティを担保することはできますが、依然として盗難や地域情勢悪化などのリスクは免れないと言えるでしょう。   ディジックスの普及と今後の可能性  ディジックスは価値の安定した金を用いたトークンエコノミーの実現を目指しています。これは金と各法定通貨の交換レートが固定されていた金本位制への回帰であると捉えることもできるでしょう。金の価値が将来的にも安定すると仮定すれば、DGXトークンを通じ安定した通貨価値、ひいては物価の安定をも実現できる可能性があります。一方で、現物金の管理に関するセキュリティには課題が残ります。監査機関の受け入れは一つのソリューションと言えるかもしれません。 […]

Golem(ゴーレム)とは?-世界中のコンピュータからなるシェアリングエコノミーの可能性

2017年1月16日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からゴーレム(Golem)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   ゴーレムとは?-コンピューティングパワーを取引  ゴーレムは、余分なコンピューティングパワー(計算能力)をP2Pで取引する分散型コンピューティングプラットフォームです。イーサリアム上に構築されており、GNTというトークンを発行しています。2016年11月のクラウドファンディング(ICO)において販売された100億GNTは実に29分で完売し、当時のレートで約860万ドルもの資金調達に成功しました。現在は2017年第2クオーターのローンチを目指し開発を進めています。   ゴーレムの特徴-分散型スーパーコンピュータの実現  ゴーレムにおいては「プロバイダー」と「リクエスター」の二種類のユーザーが存在します。「プロバイダー」は使っていないコンピュータリソースを提供し、代わりにGNTを通じて報酬を受け取ります。  一方でコンピューティングパワーを購入するユーザーを「リクエスター」と呼びます。リクエスターはプロバイダーから提供されたコンピュータリソースを購入することで、本来そのコンピュータが持っている能力以上の計算を実行するための、仮想的な「分散型スーパーコンピューター」を実現できます。これによりリクエスターは自らの所有するコンピュータを用いながらにして、タスクをより効率的な形で実行できるのです。 ゴーレムのメリット-余分なコンピュータリソースの有効活用へ  コンピュータの計算能力(コンピューティングパワー)はCPUに左右されますが、そのパワーを最大まで利用している時間は長くありません。ゴーレムでは世界中の使われていないコンピューティングパワーを共有することで有効利用することができます。特にイーサリアムは送金手数料が安いため少額決済(マイクロペイメント)に用いやすいことから、小規模からでも柔軟にコンピュータリソースを提供することができます。  このようにゴーレムはシェアリングエコノミーの考え方を、世界中のコンピューティングパワーに応用し、「コンピュータにとってのAirbnb」を実現しているとも言えるでしょう。 ゴーレムのデメリット-実現可能性の面で課題も?  ゴーレムは非常に先進的かつ複雑なプロジェクトであり、ロードマップ4年間と非常に長い期間を設定しているなど、実現可能性においてまだ解決すべき課題が残っている部分はがあるのかもしれません。   ゴーレムの普及と今後の可能性  ゴーレムは、世界中のコンピューターの計算能力を共有しやりとりするプラットフォームとしての普及を目指しています。これが実現すれば、各個人がよりスペックの高いコンピューターを所有する必要性は薄れていくことも考えられます。  しかしながら、このように壮大なプロジェクトであるがゆえに、実現に向けて解決すべき問題は多いのかもしれません。今後の開発状況なども注意深く追っていく必要があるでしょう。  

Tether(テザー)とは?−法定通貨をデジタル化

2017年1月14日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からテザー(Tether)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 テザーとは?−デジタル化された法定通貨  「テザー」とは法定通貨と連動した価値の暗号通貨を発行するプロジェクトです。他の通貨に価値を連動させている通貨を「ペグ通貨(ペッグ通貨)」と呼びます。テザーはブロックチェーンの利点と機能性を活用しつつ、法定通貨にペグされ安定した価値の移動を実現します。そして発行されるテザーは全て、同額の法定通貨によって完全に裏付けられています。例えば、1USドルは常に1USDTで取引されるというように、その相場は常に固定されています。つまり、USドル、ユーロ、日本円などの現金を、法定通貨としての価値はそのままにデジタル化したものがテザーです。   テザーの特徴−暗号通貨と法定通貨のメリットを両立  法定通貨を既存のネットワーク上でやり取りする際には金融機関のシステムを経由する必要があり、利用者にとってはATMの利用時間や手数料などの制約がありました。一方ビットコインなどの暗号通貨はいつでも少額の手数料で取引が可能であるものの、実物資産による裏付けを持たず価値が不安定な状態です。  テザーは、ビットコインブロックチェーン上に記録されるOmniトークンとして発行されます。そのため銀行よりも安全に価値を保存でき、またビットコイン同様に少額の取引手数料で送金が出来ます。一方で法定通貨という価値の裏付けを持つ暗号通貨トークンとして、ビットコインなど多くの暗号通貨に比べ価値の流動性の低い安定した暗号通貨を実現しています。このようにブロックチェーンの利点と機能性を活用しつつ、ブロックチェーン上でより安定した価値の移動を実現できる、新たな選択肢を提供します。 テザーのメリット−プルーフ・オブ・リザーブにより法定通貨との交換を担保  テザーが保有する法定通貨と同額のテザーを発行するプロセスはProof of Reserves(プルーフ・オブ・リザーブ、PoR)というシステムによって担保されています。法定通貨の管理と新規のテザーの発行は運営母体であるTether Limitedが行います。  ユーザーがTether Limitedの保有する銀行口座に法定通貨を入金すると、同額のテザーが発行されてユーザーのテザー口座に入金されます。逆にユーザーがTether Limitedにテザーを入金するとテザーは消滅し、Tether Limitedから同額の法定通貨がユーザーの銀行口座へと振り込まれます。このようにして、Tether Limitedに入金された法定通貨は発行されたテザーと常に同額となるように維持されます。またTether Limitedに入金された法定通貨の総額は常に公式サイトに掲載されています。 テザーのデメリット−カウンターパーティリスク  ユーザーが預けた法定通貨を管理しテザーを発行するのはTether Limitedですが、もし仮にTether Limitedが持つ銀行口座からハッキングなどにより法定通貨が盗まれるとどうなるでしょうか。発行されたテザーと保有する法定通貨の総量のバランスが崩れてしまうため、Tether Limitedは両者の交換を保証できなくなります。このように、資産を預けた相手が契約不履行に陥る「カウンターパーティリスク」が存在します。円とビットコインの交換にbitFlyerのような中央集権型取引所が必要であるのと同様、現物資産と暗号通貨の交換には中央管理者の介在が必要となってしまうのです。   テザーの普及と今後の可能性 […]

Factom(ファクトム)とは?-分散型データ記録プラットフォームの概要と将来性

2017年1月14日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からファクトム(Factom)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 ファクトムとは?  ファクトムはあらゆる電子データをブロックチェーン上に記録することが出来る、分散型のデータ管理プラットフォームです。ウォール街の金融データプロバイダー企業であるIntrinioと提携しているほか、土地権利の登記システムの構築についてホンジュラス政府との提携も行っています。   ファクトムの特徴:記録証明・記録管理  従来は契約書などの記録が実際に存在していることを証明するためには、信頼性の高い第三者機関(第三者機関)が記録を管理する必要がありました。例えば、不動産売買に関する契約書を個人間で交わすのみでは改ざん・不正の可能性が排除しきれないため、信頼性のおける第三者として「不動産業者」を介します。第三者機関がユーザーの情報を管理し、また取引記録や契約記録が存在することを証明する必要があるのです。しかし、第三者機関による情報管理には多大なセキュリティコストが必要なうえ、一箇所での集中管理には常に外部からのハッキングといった攻撃リスクが存在します。  これに対しファクトムは、2つの意味で第三者機関を不要とします。情報をブロックチェーン上に記録することで、記録されたデータは技術的に改ざんが困難となります。改ざんできないブロックチェーン上の記録はそれ自体が存在の証明となるため、記録の存在をその都度証明するための第三者機関を必要としません。ブロックチェーン上にあるデータをいつでも参照すれば済むのです。また記録管理についても、ブロックチェーン上の記録は改ざん不可能であるためセキュリティコストを大幅に削減でき、従来よりも低コストで管理できます。 ファクトムのメリット-ビットコインレイヤーとは?  ファクトムは、ビットコインブロックチェーンを用いて機能拡張を行う「レイヤー(層)」に構築されています。本来ビットコイン自体は、暗号通貨としての機能がメインであり、拡張性に欠ける部分がありました。しかし、ブロックチェーン外で行われた処理(オフチェイン)をブロックチェーンに記録することで、実質的にブロックチェーンの機能を拡張する「レイヤー」という概念が登場しました。  ビットコインブロックチェーンはマイナーの数も非常に多く、攻撃に対する耐久性が強いというメリットがあります。ファクトムはビットコインブロックチェーン上に構築されていることで、セキュリティ面での恩恵を受けているのです。  また2016年9月にはイーサリアム上でも利用が可能になり、さらに分散化されてセキュリティが高まった上、利便性も向上しました。 ファクトムのデメリット-ビットコインブロックチェーンの影響  デメリットとしては、仕様などがビットコインブロックチェーンに左右されてしまうことが挙げられます。ブロックの生成が10分間隔であることに加え、今後ハードフォークなどがなされた場合には、それに合わせた対応が必要となります。   ファクトムの普及と今後の可能性  ファクトムは、記録管理に関する手続きを大幅に効率化する可能性を秘めています。事実、企業監査、医療カルテ、サプライチェーン、選挙システム、資産登記、法的申請など、様々な形での応用が考えられています。いずれにしても改ざん不可能な情報記録・管理がもたらすメリットは非常に大きく、ファクトムが今後、情報記録・管理のスタンダードになっていく可能性もあると言えるでしょう。  

SingularDTV(シンギュラーDTV)とは?-スマートコントラクトを活用した権利管理を実現

2017年1月6日 BBC編集部 0

 分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からSingularDTV(シンギュラーDTV、S-DTV)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 SingularDTVとは?-分散型”Netflix”とも  SingularDTVは、イーサリアムベースの制作・配信プラットフォームです。NetflixやHuluのような動画配信サービスを分散的に実現したのみならず、スマートコントラクトを用いることで権利関係をより透明な形で管理します。2016年10月に行われたICOは約17分で終了し、実に約750万ドルもの資金調達に成功するなど、注目されているプロジェクトです。   SingularDTVの特徴 SingularDTVの特徴①-権利管理プラットフォーム  従来のエンターテイメント業界では「制作者サイド(権利者)」と「視聴者」の間に複数の仲介者が存在し、権利関係のプロセスが非常に不透明でした。特に映画やテレビ作品に関する権利関係は非常に複雑であり、制作者や出資者などを含め実に数百人から数千人もの人々が関わっています。  SingularDTVではスマートコントラクトを活用し、権利管理プラットフォームを構築します。従来は第三者を通じて収益配分や権利管理を行っていましたが、スマートコントラクトを用いることで、公平な収益配分に対する透明性を担保しつつ、第三者を介すことなく自動的に権利管理がなされます。 SingularDTVの特徴②-都度課金制動画配信(TVOD)ポータル  また、SingularDTVにはオンデマンド動画配信ポータルサイト(TVOD)があります。月額課金型のNetflixやHuluとは異なり、ユーザーが動画を閲覧するごとに少額の閲覧料金を支払う都度課金型です。送金手数料が安くマイクロペイメント(少額決済)に用いやすいというイーサリアムのメリットがここにも活かされています。  動画配信による収入は、スマートコントラクトによりイーサリアムトークン「SNGLS」の持ち分に応じて配当として分配されます。ユーザーによって動画が再生されればされるほど、トークン保有者に収益が入ってくるのです。 SingularDTVの普及と今後の可能性  SingularDTVではスマートコントラクトを用いることで、制作者が直接的に視聴者にコンテンツを販売する場を実現した、とも言えるでしょう。スマートコントラクトの一つの活用例として権利管理は大きな将来性を持っていますが、SingularDTVの成否はそれだけでなくコンテンツの質にも左右されます。SingularDTVは良質なコンテンツを集め、「制作者サイド(権利者)」と「視聴者」を繋げるプラットフォームとなり得るか、今後も注目したいプロジェクトです。