仮想通貨取引所の未来像:未知なる変革道

CoinMarketCapのデータによると、9月12日 現在、世界中で約1.3万所以上の仮想通貨取引所が存在しています。仮想通貨取引所はブロックチェーンという中央集権を分散できる技術を活用しているというのが一般的な見方ですが、実際は多くの利用者が「中央集権型取引所」を通して仮想通貨の取引を行っています。例えば、日本ではCoincheck社やBitFlyer社、海外ではPoloniex社やHuobipro社のように、中央管理者に仮想通貨を預けて取引を行う取引所は中央集権型取引所として認識されています。

中央集権型取引所が主流となった理由として、今までの証券取引所はすべて中央集権型であり、仮想通貨の取引所もこの伝統的な運営方法を利用したことが挙げられます。中央集権型の仮想通貨取引所の利点は明らかです。技術的なハードルが低く効率的に規模を拡大できるため、取引量を増大させ、より柔軟的に取引を行えるという点です。大量な取引を処理することができ、かつ、各場面で柔軟的に対応することができるため変革の波が激しい仮想通貨業界に適した経営方法だと考えられます。

しかし、これまでいくつかの中央集権型取引所では、取引所が倒産もしくは中央管理者がハッキングされ自身の資産を大量に喪失するといった事件が発生し、取引所の安全性確保に対して多くの批判が集まりました。仮想通貨購入後に仮想通貨をウォレットに移すことにより多少安全性を向上させることができますが、操作に手間がかかるというデメリットがあります。これらの課題を受け、中央集権型取引所に存在する資産流出の危険や操作の手間を解消する「分散型取引所」が今注目されています。

分散型取引所とは、中央管理者というものが存在せず、利用者自ら秘密鍵を管理しながら取引を行うことができるプラットフォームです。中央管理者が管理する大量の資産より、個人が保有する暗号通貨の資産の方がハッキングされる危険性が極めて低く、安全性に優れていることから、上記の中央集権型取引所に存在するデメリットを解消できると考えられています。仮想通貨交換業者への規制が日々厳重となっている日本では今後、利用者の資産が流失される事件が発生すると、規制により取引所が閉鎖される可能性があります。一方、安全性に優れている分散型取引所が閉鎖されるような事態は考えにくいため、利用者にとって安心のオプションであり、分散型取引所のメリットの一つだと言えます。現時点で分散型取引所として認識される取引所はEtherdelta社やKyberNetwork社などが挙げられます。

当然、分散型取引所がまだ主流の取引所になっていないのには理由があります。取引の過程において重視される利便性に欠けていることが、理由の一つです。また、分散型取引所で取引を行う際には割高な手数料が要求され、法定通貨が使用できないため、流通性の停滞などの問題も存在しています。

では、将来の取引所はどうなるでしょうか。仮想通貨取引所ABCC社のグローバルビジネス開発マネージャーのChris氏によると、「将来の取引所は完全に分散型取引所になるとは考えられない」と述べています。同氏はその理由として、分散型取引所で行う取引は中央管理システムより多くの時間を要し、同時に行われている膨大なリアルタイムの取引に対応することが困難であるため、柔軟性に欠けていると主張しています。また、利用者と取引所の間に形成される「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)」の重要性も強調しています。中央集権型取引所の対応速度と手数料の安さが分散型取引所より遥かに上回っているため、技術を発展させ取引の処理速度を上げない限り、カスタマー・エクスペリエンスは向上せず普及させるのは難しいと考えられます。今後さらに競争が激しくなる仮想通貨業界において、仮想通貨取引所は、カスタマー・エクスペリエンス向上、運営チーム全体の実行力、かつ、取引所自身の事業信用度の向上など多岐にわたる努力が求められ、仮想通貨取引所の変革成功への道のりはまだ長いと言えるでしょう。

本記事はBBCがまとめた記事です。
Image Source: https://golden-tamatama.com/blog-entry-decentralized-exchange.html

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BBC編集部
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