ブロックチェーンは金融格差を解消できるか?-Everexがマイクロファイナンス・モバイル送金に進出へ

MyEtherWallet、CoinTracking、Coinigyなど数々の有名サービスに対しイーサリアムアプリケーションの開発インフラとなるAPIを提供しているEverex社が、2017年5月28日、ブロックチェーン技術を用いたモバイルプラットフォーム上で、マイクロファイナンスや法定通貨の送金が行えるサービスをリリースすることを発表しました。

 

世界経済にアクセスできない20億の人々にチャンスを与える

Everex社は、途上国に暮らす20億人が世界経済からの孤立している原因は、既存の資本運用に関する制度が非効率的であることと、金融インフラが未発達であることだと指摘しています。また、これらの構造が彼らが貧困状態からの脱出および途上国の経済成長をより困難にしている、とも述べています。

この問題に対し、Everex社はモバイル端末を利用したマイクロファイナンス(小口の低金利融資)を施すことで、途上国に暮らす貧困層の人々が安定的な生活を実現するための基盤を提供することで、拡大する金融格差を解消しようとしています。

ユーザーはこのプラットフォームを通して、どんな法定通貨でも自由に選び、借りることができるようになります。その際、モバイル端末上のEverex Wallet(Everex社の提供するウォレットサービス)と連携し、ユーザーの行動・ソーシャルデータ・消費パターンを元に、自動的にそのユーザーの信用スコアや適切な利率・貸付期間およびリスクを算出できるとのことです。

また、ブロックチェーン技術を利用することで法定通貨をCrypto Cash(Everex社の提供する仮想通貨)に交換できるのも大きな特徴となっています。これにより、ユーザーは借り入れ時の法定通貨に縛られることなく、Crypto CashをATMで引き出す際に、そのATMがある国の法定通貨に変換できるので、実質的に安価に国際送金が行えるほか、Crypto Cashが対応しているモバイルサービスの支払いにも利用できるため、利便性が高くなっています。このように小口金融のプラットフォーム上に、安価に国際送金ができるシステムが整備されている点で、従来のマイクロファイナンスと異なります。

 

今後の展望

Everex社は2016年の段階で、途上国からの国際送金テストを実行済みだそうです。ミャンマーへ出稼ぎにきている100人のタイ人移民労働者たちの協力の元、ミャンマーからタイへ国際送金テストを行った結果、総計850,000タイバーツ(2017年6月2日現在のレートで、約270万円相当)が無事送金され、従来の国際送金コストよりも7%節約することができたとのことです。

このプラットフォームを開発する足掛けとして、2017年夏にICO(暗号通貨やトークンでの資金調達)が行われるそうです。Everex社は、このプラットフォームによって得た利益を自社成長のための再投資につなげるのではなく、ICOで配られたトークンの買い戻しに充てると宣言しており、サービスの成功をトークン保有者と分け合おうとする姿勢が強く感じられます。

ブロックチェーンが世界的な金融格差に切り込んでいく可能性に、これからも注目です。

 

 

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BBC編集部
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