【IOTA創業メンバーDominik Schiener氏 BBC独占インタビュー】前編

このたびブロックチェーンビジネス研究会では、IOTAプロジェクトの創業メンバーのひとりであるDominik Schiener氏にインタビューを行いました。IOTAプロジェクトはその発表以来、高い注目を集めており、2017年10月13日現在、暗号通貨(仮想通貨)取引市場での流通量が10番目に高いプロジェクトとなっています。本インタビューでは、IOTAプロジェクトの概要と現在進行中のプロジェクト、今後の展望についてお聞きしました。ぜひご覧ください。

 

はじめにDominikさんのご自身のことと、現在携っている事業について教えてください。

 私の名前はDominik Schienerです。IOTAの設立したメンバーのうちの一人で、現在21歳です。出身はイタリアなのですが、IOTAプロジェクトをDavid Sønstebøと推進するため、現在はベルリンに住んでいます。

私はブロックチェーン技術に2011年頃から注目していました。初めはアルトコインのマイニングをしていて、その後に自分の会社を立ち上げました。私はスイスのザグにあるCrypto Valleyの創設を支援した一人で、ベルリンでIOTAのプロジェクトに携わる前は、ロンドンでも会社を経営していました。私は、分散型台帳技術は高いポテンシャルを持っていると思っていて、特にIoTやAIなど他の技術との掛け合わせに注目しています。私の主要な目的はこの技術を世界に導き、IoTでの最初の時代を切り開いていきたいと思っています。

ありがとうございます。IOTAの紹介と、その歴史について教えていただけますか?

 IOTAの創設メンバー(Dominik Schnier氏、David Sønstebø氏、 Sergey Ivancheglo氏( 別名:Come-from-Beyond)、 Serguei Popov氏)は、2010年〜2011年頃からブロックチェーン技術に注目していて、四人全てが多様で相補的なバックグラウンドを持っています。私とDavidは起業家ですが、技術に関する知識も高いです。Sergey Ivanchegloは分散型台帳技術の専門家でSerguei Popovはランダム・ウォーク理論(株式市場の値動きの予測不可能性を論じた理論)と、確率の分野を専門とする数学者です。

我々がブロックチェーン×IoTの探求を始めたきっかけは2つあります。ひとつは、私たちがIoTのもつポテンシャルに早期から気が付いていたこと。もうひとつは、フォグ・コンピューティング(集中型のクラウド・コンピューティングと対立する概念、霧[fog]のような分散型コンピューティングのこと)のミクロプロセスを開発していくための、Jinnという物理的ハードウェアを保有していたことです。

私たちは、ブロックチェーンで実現できることの限界を知っていました。なのでIoTの世界観に特化した、Tangle(タングル)という有向非巡回グラフを用いた全く新しいモデルを開発しました。その後、私たちは2016年2月にICOで1337BTCを調達することに成功しました。

 

IoT時代に特化しているIOTAプロジェクト

IOTAプロジェクトが描いているビジョンについて教えて下さい。

 私たちIOTAの描く大きなビジョンは、「機械と機械が直接取引を行う未来を実現すること」です。そのためには、IoTネットワークに接続している機械のそれぞれがウォレットを持つ必要があります。私たちは、「the Machine Economy」と呼ばれる全く新しいエコシステムを生み出し、機械同士がリソース(計算力、帯減幅、ストレージ)の売買を行えるようにしたいと思います。

Machine Economy(マシン・エコノミー)の魅力は、一台の機械(マシン)が、自身の抱えるハードウェア的・ソフトウェア的な制約を超えることができる、という点にあります。すなわち、マシンが自身の能力に限界を感じたとき、他のマシンからリソースやサービスを購入することで、課題を解決できるようになります。このような機械同士のインタラクションが実現した暁には、IoTはカンブリア紀(※生命の多様性が爆発的に増加した時代のこと)を迎えることでしょう。IOTAの技術が、IoTとMachine Economyを支えていくことを目指しています。

 

IOTAのTangleと、既存のブロックチェーンとの違いはなんですか?

 IOTAは、今日ある他全ての「ブロックチェーン」と呼ばれるものとは全く異なっています。まずはじめに、DAG(Directed Acyclic Graph、有効非巡回グラフ)を利用している、ということです。

①DAG

IOTAでは、従来のブロックチェーンを超えるために、有向非巡回グラフを基本とするTangleを使用します。Tangleはブロックチェーンと違い、脅威のスケーラビリティを備えており、かつトランザクションコストもかかりません。さらに、オフラインであっても取引を作成することができます。オフラインで取引ができるということは、非同期通信が予想されるIoTの世界において、重要な特徴となってきます。

②マイナー排除

更にIOTAではマイナーを必要しません。従来のブロックチェーンにおける承認作業とは異なり、全てのネットワーク参加者(ノード)が取引を生成する際に自身で二つの取引を承認します。これによって、マイナーなしでもチェーンを維持することができます。

③ゼロトークントランザクションが可能

IOTAの興味深い点として、bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)といった他のブロックチェーンとは異なり、トークンを一切持っていなくてもIOTAを利用できる、という点です。つまり、IOTAではノードがデータを保有していなくとも取引することが可能なのです。この特徴により、ユーザーはコストをかけずにIOTA上に安全に情報を保管することができます。

 

IOTAで始動中のIoTプロジェクトの詳細は、後編で!

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BBC編集部
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ブロックチェーンビジネス研究会(略称:BBC)編集部です。海外の業界ニュースや、ブロックチェーンや暗号通貨について基礎的な内容を発信していきます。