シンガポール中央銀行がデジタル通貨発行へ

シンガポールの中央銀行であるシンガポール金融管理局(シンガポール通貨管理局)は2017年5月30日、シンガポールドルに結びつけられたデジタルトークン(暗号通貨、仮想通貨)の発行に向けた報告書を発表しました。その概要について、詳しく見ていきましょう。

 

シンガポールドルがデジタル化へ前進

5月30日に発表された報告書では、シンガポールドル(SGD)をブロックチェーン上でトークン化する試みである「Ubin Project」について報告されています。Ubin Projectは、分散型台帳技術の企業利用を研究するコンソーシアム「R3」、大手会計企業のデロイトとともにシンガポール金融管理局が検討したものです。これが実現すれば、シンガポールドルをモバイル端末等を通じて個人間(P2P)で直接送金することができるようになります。

同機関によると、昨年の11月中旬から12月下旬に実施された実証実験の第1段階には、カナダ銀行がR3と提携しデジタル通貨発行について調査した「Project Jasper」についても言及されています。Ubin Projectではイーサリアムベースのプライベートチェーンを基盤として構築されていました。一方で、JPモルガンが開発したプライベートチェーンである「Quorum」のセキュリティ管理についてもテストが行われた模様です。

関連記事:JPモルガンがZcash(ジーキャッシュ)のセキュリティ技術を採用

シンガポール通貨管理局によれば今回のUbin Projectの成功だけでなく、銀行間取引のためのプライベートなイーサリアムネットワークのプロトタイプをも構築しました。今後、シンガポール通貨管理局はUbin Projectをさらに拡大し、デジタル通貨発行プラットフォームとしてさらなる機能強化を図っていきたい考えです。

 

「中央銀行の発行する暗号通貨」の今後

法定通貨であるシンガポールドルが暗号通貨という形で発行されれば、国民生活において現金を持ち歩く必要がなくなり、送金や支払いにおける利便性が大きく高まると言えます。またそれだけでなく金融取引をより透明性の高いプロセスで、かつ低コストで実現する可能性を示しています。

また従来の暗号通貨に見られるような価値の不安定性を排除することができる利点もあり、「中央銀行の発行する暗号通貨」という概念について論じられることが多くなってきています。今後の各国中央銀行の動きにも注目です。

 

この記事をシェアする:
BBC編集部
About BBC編集部 187 Articles
ブロックチェーンビジネス研究会(略称:BBC)編集部です。海外の業界ニュースや、ブロックチェーンや暗号通貨について基礎的な内容を発信していきます。