ネスレ、ユニリーバらがサプライチェーンにブロックチェーン活用

2017年8月22日(NY時間)IBMは食品大手10社とのブロックチェーン活用に向けた連携を発表しました。(関連記事)提携企業にはネスレやユニリーバといった世界的企業を含み、インパクトの大きい連携になりそうです。昨今ブロックチェーンは金融分野以外への導入が進められています。その中でもIBMは先進的に多分野でのブロックチェーン活用に取り組んできました。本記事ではこれまでのIBMのブロックチェーン活用に向けた企業とのコラボレーションと、今回の食品業界における大規模連携について紹介します。

IBMによるブロックチェーンのサプライチェーンへの活用事例

IBMはこれまで、多くの企業と提携しサプライチェーン活用を進めてきました。売上高世界一の海運企業であるMaerskとは海運業にサプライチェーンを活用しました。ダイヤモンドなどの分散型台帳を用いた価値保証を行うEverledgerとは、ブロックチェーン技術を提供してきました。今回の大規模提携にも参加しているウォルマートとは2016年10月より提携しており、中国産の豚肉やメキシコ産のマンゴーといった商品の流通経路追跡の実証テストに取り組んできました。ウォルマートの食品安全部門副責任者のYiannas氏はインタビューに対し、これまでのIBMとの連携を好意的に捉えている旨を述べています。

食品大手10社の大規模連携

今回IBMと提携することになったのは、ネスレ、ユニリーバ、ドール、ゴールデンステートフーズ、クローガー、マコーミック、マクレーン、タイソンフーズ、ウォルマート、ドリスコールの10社です。この提携によってIBMと食品販売企業、小売企業を含む大きなグループが誕生し、サプライチェーン技術の生産分野への活用に一歩近づくと言われています。

提携の目的2つあります。ひとつは正確な電子記録を保持することです。もうひとつは鶏肉やチョコレート、バナナのような食品のトレーサビリティを向上させることです。まずブロックチェーン導入によって、データ管理プロセスを改善することができます。現在のデータ管理には農場経営者・ブローカー・卸売業者・加工業者・小売業者・規制当局・消費者が関わっていて非常に複雑です。しかしブロックチェーン技術によって、より正確なデータ管理がよりシンプルにできるようになります。またブロックチェーンで追跡できる情報は、温度、品質、船積日、発送日、設備の安全証明などです。これによりトレーサビリティの正確性とスピードの改善が可能です。現在1つの食品の出所を追跡するのに数週間かかるようですが、将来的に秒単位に改善されることも十分考えられます。
一方ブロックチェーン技術を提供するIBMのこの提携の目的は、ブロックチェーン活用の拡大や食の安全性向上以外にもあると考えられます。それはIBM既存のクラウドビジネスと融合した関連サービスの将来的な利用を取引企業に促すことです。またIBMのブロックチェーン部門の副責任者のBrigid McDermott氏は、将来的にProof of Concept(PoC, プルーフ・オブ・コンセプト)の領域のビジネスにも取り組むと述べています。ブロックチェーンのサプライチェーンへの導入はますます盛り上がっていきそうです。

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BBC編集部
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