Libraとは?その特徴と置かれている国際環境の全体像を3分で把握しよう。

編集-BBC&ChainDD

Facebookは「Libra」のホワイトペーパーを公開

2019年6月18日、Facebookは「Libra」と呼ばれる仮想通貨の白書を正式に発表し、大きな注目を集めている。

「Libra」白書によると、Libraのミッションは数十億人のエンパワーメントにつながる、シンプルでグローバルな通貨と金融インフラを提供するという。ここでは、この「Libra」とは何か、どのような特徴があるのかについて簡単に紹介していく。

Libra White paper

①ボラティリティの低い仮想通貨

Libraは、スマート・コントラクトを実装するブロックチェーンプラットフォームである「Libra Blockchain」のサポートを受けることで、「安全性、信頼性及び拡張性(スケーラビリティ)」という特徴が付与され、手数料削減など低コストでのサービス提供ができる。ボラティリティの低い仮想通貨であるため、ステーブルコインという特徴が持たれている。

②非営利団体によって管理

Libraを管理しているのは、ジュネーブにある非営利団体「Libra Association」だという。現在参加しているメンバーにはUber、PayPal、Visaやシリコンバレー投資大手会社である「Andreessen Horowitz(a16z)」など計28社が挙げられ、運用開始時期までには約100社の参加が見込まれているという。また「Libra Association」は、ブロックチェーンネットワークの1%以上を管理する企業・機関の参加は認めないとしている。

③アクセス制限のないネットワークへ

現在Libraは設立者のみがアクセスできる許可型ブロックチェーンで運営を開始する予定であるが、将来的には非許可型を目指すとしている。これにより一方的にネットワークのルールを変更することはできなくなり、誰でもノードを運営が可能となる。

④匿名性のある取引

Libraの白書によると、「Libraブロックチェーンには匿名性があり、ユーザーは自身とリンクしない複数のアドレスを保有することができる」としている。個人情報は保存されないが、場合によっては「Know Your Customer(KYC)」の実施を行う可能性が高いという。

⑤Libraの「資産準備」

Libraの資産準備としては、各中央銀行(米ドル、スターリングポンド、ユーロ、日本円など)の通貨と政府証券といった低ボラティリティの資産を中心としている。

⑥STO

Libraは「Libra Investment Token」というセキュリティトークンを発表し、これは報酬金制度と運営コストの支払方法として利用される予定だという。Libra Investment Tokenを保有する投資家は潜在的利益を得られるとしている。

⑦ノードを運営するコスト

検証ノードの資格を取るために、「Libra Association」が発行するLibraに対して、最低1000万ドルの投資が必要とされており、このほかに年間運営費として約28万ドル必要であると想定されている。例外として非政府組織、多国間組織、SIP及び大学などは最低投資対象外とされているが、このノードの運営に対しては支援をする必要があるとされている。

⑧FinCENに登録

FacebookはCalibraを設立し、FinCENにマネーサービスビジネス(MSB)として登録、2019年2月にアメリカでサービスを拡大する許可を得た。Calibraが提供を開始する最初のプロダクトは、ブロックチェーン技術を活用した新しいグローバル通貨であるLibra向けの仮想通貨ウォレットで、2020年のサービス開始を予定しているという。尚、CalibraのMSB登録番号は31000141265767である。

⑨規制について

Libra Blockchainを開発・提供する業者は、該当地域の法律・規制を遵守しなければならないが、現在Libra Blockchain自体への規制はない状態であり、今後の法規制の動向に注目しなければならない。

⑩2020年の運営開始

Libraとその基礎となるブロックチェーンネットワークは、2020年のサービス開始を予定している。テストネットワークに至っては近日公開予定である。その際、開発者は、情報確認やネット構築に関与するほか、バグ報奨金制度プログラムにも参加可能となる。

反対意見-ヨーロッパを中心に

ここまでLibraの様々な特徴を挙げてきたが、ヨーロッパにおいてはLibraに対し激しく反対する声も高まっている。

①フランス

報道によると、フランス財務相であるBruno Le Maire氏は政治的な意味を含む反対意見を述べ、フランスの中央銀行はFacebookへの審査を見直すべきだと提案したという。また、地元メディアのインタビューでは、「Libra」はいわゆる「法定通貨」にはなり得ない、とその将来性を否定し、プライバシー、テロにおける資金調達、マネーロンダリングなどの問題を取り上げ、Libraへの懸念を示したという。さらに、同氏は7か国財務大臣・中央銀行総裁会議(G7)が行われる前に、各国の中央銀行責任者がLibraに関する研究を共同実施するよう呼びかけている。

②イギリス

イギリス中央銀行総裁であるMark Carney氏も「Libraが提出する全てのプロジェクトに対して厳しく審査すべきだ」と述べ、保守的な立場を示している。

③ドイツ

ドイツの欧州議会議員であるMarkus Ferber氏は、「Facebookの国際的な影響力を考慮した上で、規制当局はFacebookが『シャドーバンキング(影の銀行という意味で、銀行ではなく証券会社やヘッジファンド、その他の金融会社が行う金融仲介業務を指す)』として運営するリスクへの注意が必要」と警告した。

Libraのパートナー

この様に、FacebookがリードしVisaやUberなどの企業が共同参加したLibraは、業界において重要な役割を果たすと期待されているものの、ヨーロッパをはじめとする主要地域の規制当局が強い警戒心を示しており、既にLibraに反対する保守的な考えが強くなっているように見える。より便利性の高いサービスや仮想通貨決済を目指しているFacebookは、今後多くの課題に直面し、その解決策を迫られるだろう。