東南アジア向け決済プラットフォーム「Omise」がイーサリアムベースのウォレットアプリ「Omise GO」の提供をアナウンス

 タイ・バンコクに拠点を置き、東南アジア向けの決済プラットフォームを開発する Omise が、パリで行われた「European Ethereum Development Conference (EDCON)」にて、イーサリアムベースのウォレットアプリケーション「Omise GO」の提供を行うことをアナウンスした。公開は、2017年Q4を予定している。

日本人起業家による東南アジアのクレジット決済システム「Omise」

 Omiseは、APIのみで簡単に実装が可能なクレジットカード決済システムを2013年6月にタイで提供を開始した。簡易なオンライン決済導入サービスが少なかったタイにおいて、順調に導入店舗およびサイトを増やしてきた実績がある。現在は、タイだけではなく、日本およびシンガポール、インドネシアでもマーケティング活動を行っている。

 また、Wireと呼ばれるC2C向けの決済アプリも提供している。(国内だと、AnyPayやCoineyペイジが類似サービスだろう。)

 

イーサリアムを活用したアジアをつなぐ分散型M-Pesaへ

 その同社が「アジアをつなぐ分散型のM-Pesaとなる」ことをスローガンに、イーサリアムベースのウォレットアプリケーションの提供を行うことをアナウンスした。M-Pesaとは、ケニアのモバイル送金サービスで、SMSを利用してモバイルマネーの送金依頼を行うことが可能だ。ケニアのモバイル端末利用者の約80%が利用するなど、広く浸透しているサービスだ。その後、M-Pesaのビットコイン版であるBitPesaも存在する。

 手軽にモバイル端末同士でお金を送り合えるウォレットアプリケーションを提供することで、銀行口座を持たない何百万人の人々に恩恵をもたらしたいと考えているようだ。ブロックチェーンを利用する理由としては、ネットワーク自体がトラストレスな点のほか、その汎用性にある。同社のウォレットはオープンソースでの提供を行い、今後、様々な企業や政府が自由に利用を行うことを想定している。多くの事業者が、Omise Goを利用することで、自然と商圏が広がっていくというわけだ。

 また、イーサリアムを利用する理由について、OmiseのアドバイザーでありイーサリアムのアドバイザーでもあるThomas Greco氏は、送金手数料を抑えることができる点と、モバイルマネーとの相互運用性が高い点をあげている。詳しい技術仕様などについては、今後の発表を待ちたい。

 さらに同社は、Omise Goプラットフォームで生じた手数料収入の分配を受ける権利を、Omise GO (OMG)トークンとして販売(ICO)するようだ。

 同社の強みとしてCEO Jun Hasegawa氏も述べている通り、すでに数多くの店舗に導入実績を持っている。そこにブロックチェーンおよび暗号通貨という、これまでの法定通貨やモバイルマネーの常識にとらわれない技術を組み合わせることで、独自ウォレットアプリを軸としたOmise経済圏を築くことができるかもしれない。今後の動向についても目が離せないプロジェクトとなりそうだ。

 

Omise GO 紹介動画

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BBC編集部
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