脱アンダーグラウンドに向けて、大麻産業のこれからとブロックチェーン

近年、アメリカの一部の州で大麻販売が合法化された結果、大麻関連ビジネスが急成長をみせています。しかしその一方で、従来の大麻業界が犯罪との密接な関わりが疑われるアンダーグラウンドな業界であったことも災いし、合法化された現在においても明確な業界基準のようなものが存在していない、という現状があります。

そのため、大麻の栽培者、生産者、ラボの科学者、農業技術者、および診療所の間で適切な連携が行われておらず、業界基準の欠如がビジネスにおける成長のボトルネックになっていることが指摘されています。また、大麻製品に関する法整備の状況がアメリカ各州で異なるため、大麻の国境や州境を越えた支払いなど、大麻製品の輸送関連の問題に対して、解決策が求められていました。

業界構造が不透明な大麻産業

現在、医療用大麻のID作成方法、処方箋登録の方法、CBD / THCレベル(大麻に含まれる成分の表示方法)に関する業界基準となるものが存在していません。また、大麻の売買における支払い方法は連邦規則によって現金のみに限定されているため、大部分のマネーフローは可視化されていません。業界構造が可視化されていないことから、大麻関連スタートアップ企業の参入余地も明確ではありません。さらには、大麻のユーザーは、店舗で販売されている大麻の品質を検証する方法がないため、安全性についても不安がつきまといます。このように大麻産業は数多くの問題を抱えており、状況は混沌を極めています。

Paragonプロジェクトとは?

Paragonプロジェクトとは、大麻の育成に用いられた種子、水質、肥料などのデータ、販売店舗の患者IDや医師による診断書など、大麻販売に関するデータをEthereum(イーサリアム)ベースのブロックチェーン上に保管し、市場に透明性をもたらすことを目的としたプロジェクトです。

Paragon社は、大麻業界における最大の問題は、業界全体の透明性の欠如にあると考えており、これらの問題に対処するためにブロックチェーンを活用して業界内で統一された基準を作っていくことを目指しているそうです。(Paragonという英単語は、日本語で「模範」や「手本」、という意味があります。)このブロックチェーンでは、大麻の育成から製品化、販売までのすべてのデータを管理するため、ユーザーは製品のライフサイクル全体を追跡し、信頼性のある大麻の品質管理情報を入手することができます。また、業界関係者間でのやり取りにParagonコインを用いることで、業界全体の透明性向上に努めていく目標を掲げています。

Paragonは、大麻産業の新しい世代の知的成長を促進するために、大麻関連スタートアップの支援を行うことを表明しています。Paragonの発表した計画によると、スタートアップの従業員は入居料をParagonコインで支払い、ラボの実験結果や研究成果に対して、コインが支払われるそうです。

ブロックチェーンは大麻のネガティブイメージを払拭できるか?

大麻産業は、合法化されて以来、破竹の勢いで成長を遂げています。これから大麻の用途の研究がさらに進み、大麻が様々な分野において応用されていく可能性があります。そしてこれは奇しくも、ブロックチェーンテクノロジーの発展の流れと非常によく似ています。Paragonプロジェクトが大麻産業に与えるインパクトに、今後も注目です。

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BBC編集部
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