リップル社が自身の保有するXRPの約9割の凍結を発表

 

2017年5月16日、リップル社(Ripple Labs, Inc.)は現在保有するXRPの約90%にあたる550億XRPを一定期間の間にロックアップすることを発表しました。本記事ではその概要について紹介したいと思います。

リップルネットワークの基軸通貨であるXRPの総発行量は1000億XRPとなっています。しかし、現在その約3分の2は運営主体であるリップル社が保持しています。そのため、リップル社が一度に大量のXRPを売却する可能性が懸念されていました。

リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。

「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」

 

XRPロックアップ(凍結)の概要

リップル社が今回発表したのは、リップル社が保有する630億XRPのうち、約88%にあたる550億XRPを2017年までに凍結(ロックアップ)するということです。これには Suspended Payments(SusPay)と呼ばれる機能が用いられ、XRPはスマートコントラクトを通じてブロックチェーン上に仮想的に生成されたエスクロー(取引仲介者)へと隔離されます。

2017年末または2018年以降、毎月1日に、各コントラクトにより10億XRP分がロックアップの期限切れとなると、リップル社がその分を自由に売却・分配できるようになります。つまり、55カ月後までの間に10億以上の大量のXRPが一度に売却される可能性がなくなったということです。もし、1カ月に10億XRPを分配しきれなかった場合は、その分がエスクロー機能によって再びロックアップされ、55カ月後以降に分配されることになるそうです。

リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏が明らかにしたところによれば、過去18カ月の間、1カ月に3億XRPを市場に分配していたそうです。XRPを市場に売却(分配)することでオープンソースコードを監督するエンジニアに支払う資本を調達していたとのことです。

実行までの具体的なスケジュールは明らかにされていませんが、ガーリングハウス氏はこのロックアップのプロセスが今年末までに完了するとみています。

 

XRPロックアップの影響は?

XRPが市場に突然溢れると、XRP価格が暴落する恐れがあります。リップル社がXRPの大半を売却せずに保持しており、それらを一度に売却して市場をコントロールされる可能性があったため、市場からのXRPに対する評価は高いとは言えませんでした。しかし、今回のロックアップによって供給量に制限を加えたことで、そのリスクを軽減する狙いがあると言えます。

またガーリングハウス氏は、XRPが安定した暗号通貨であるという認識を広めることで、それを利用する企業や個人が増える可能性があると考えているようです。暗号通貨が市場に安定的に参入することによって、多くの銀行がその価格に悪影響を及ぼすことなく取引を行うことができます。

 

ますます影響力を強めるリップル

リップル社はP2P(個人間)の仕組みに基づいて、分散型の金融取引を実現するための決済プロトコルを提供し、現在は国ごとに異なっている決済プロトコルをグローバルで統合し、あらゆる「価値」を世界中どこへでも動かせるようにすることを目標としています。

このため、国際送金をより簡単にしたいと望む銀行等がリップルとの提携をはじめているほか、世界中の企業とのネットワークを構築しはじめています。2016年にはみずほFGがリップルを活用した国際送金の実証実験プロジェクトを行い、そのネットワークに参加しています。また、2017年に入ってからは、三菱東京UFJ銀行がリップルを活用し、次世代型の国際送金サービスを2018年から始めることを発表しました。バンクオブアメリカ・メリルリンチなど米欧豪の大手6行とも連携し、手数料の引き下げと即時決済を実現していく方針です。

XRPの価格は上記の発表を境に上昇し、時価総額もイーサリアムを抜いてビットコインに次ぐ規模にまで成長しました。

 

今後もリップルおよびリップル社の動きに注目していく必要がありそうです。

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BBC編集部
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