ロシア観光庁長官がブロックチェーンの旅行産業へのインパクトについて言及

 

ロシアの観光庁長官のOleg Safanov氏は、ブロックチェーンがロシアの観光業界を塗り替える可能性について言及しました。ブロックチェーンのような新しいテクノロジーによって、産業全体が塗り替えられる直前であることについても述べています。

長期的インパクトに注目が集まる

2017年11月初頭に、ロシア連邦内タタール共和国の首都カザンにて行われた、カザン・ツーリズムフォーラム2017冒頭のスピーチにて、Safanov氏はブロックチェーンが観光客に提供されるサービスの品質を向上させる可能性について述べました。ブロックチェーンによって、中間業者や第三者機関を経由せずに、観光客が直接サービス提供者とやりとりできる可能性について述べました。

「観光庁内部では、ブロックチェーンがツーリズム市場に大きな変化を起こすことは間違いない、と考えている。ただし、この変化は2年以内ではなく、5年から10年といった(比較的長期な)タイムスパンで起こるだろう。ブロックチェーンによって、サービスの質が向上すると同時にコストも低下し、かつサービス提供者に求められる責任も向上するだろう。」

とコメントしています。

文化的背景からくるサービス品質への懸念?

ロシアには年間2500万人ほどの観光客が訪れている一方で、スペインやトルコ、エジプトといった観光大国の国々がライバルとして立ちはだかっています。ロシアでは見知らぬ人に対してはあまり笑顔をみせず、不愛想な対応をすることが文化的習慣として根付いており、海外の観光客からはサービス品質が低いと誤認されている可能性があります。ブロックチェーンを通じてよりサービス提供者はより直接的に観光客相手にビジネスを展開することになると同時に、国際的な競争環境に身を置くことになります。ブロックチェーンによって、今後ロシアはより観光客にフレンドリーなスタイルに変化していくかもしれません。

観光産業における中間事業者を迂回する手法については、先日のルフトハンザ航空の投資先企業である、スイスのスタートアップ Winding Tree社のことが思い浮かぶ方がいらっしゃるかもしれません。オンライントラベル産業が急成長を遂げたこの10年ですが、ブロックチェーンによってまだまだ環境が変化する可能性があります。

Winding Tree社についてはこちらから

ルフトハンザ航空がスイスのブロックチェーン企業と提携、ICOへ

 

ロシア政府トップは現在、暗号通貨(仮想通貨)への慎重な態度を示しています。2017年10月28日には、プーチン大統領とメドヴェージェフ首相は議会に対して、国内のマイニング事業者を登録制に変更するように議論を進めている他、「ルーブルが国内唯一の通貨である」とする法律の解釈の変更についても議論を進めているようです。ロシア政府は、ICOを法の下に置きたいという狙いがある一方で、国家暗号通貨である「クリプトルーブル」の発行を目指していると報道しているメディアもあり、議会の結論が出る2018年7月頃までに様々な議論が起こりそうです。

規制か、援護か

このように暗号通貨に対しては厳しい姿勢をみせているロシアですが、国有銀行であるSberbankの金融インフラシステムにEthereum(イーサリアム)を組み込む実験を計画するなど、ブロックチェーン技術そのものには前向きな姿勢で取り組んでいることが伺えます。2017年10月、ロシア政府は2018年初頭に、土地登記のシステムにブロックチェーンを組み込むパイロットテストを行うことを発表しています。当時の経済産業省の提示した草案資料によると、ブロックチェーンを用いて国有の土地情報登録システム内の情報へのアクセシビリティを向上させることと、土地の所有権を明白にする目的で利用を計画しているようです。

引き続き、規制情報も含め、ロシアのブロックチェーン産業の動向に注目です。

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BBC編集部
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