Sonyが教育現場におけるブロックチェーンベースの情報管理システムの開発へ

2017年8月、Sony(ソニー)はLinux FoundationのHyperledger Fabric 1.0を用いたIBMのブロックチェーン開発基盤の提供を受けて、教育現場における情報管理プラットフォームを開発することを発表しました。今回の発表に際して、Sony Global Education代表の磯津氏は、「ブロックチェーンは幅広い産業にインパクトを与えるポテンシャルを持っており、もちろん教育現場もその例外ではない。教育関連情報をブロックチェーン上で安全に管理し、特定の認可者にのみ、その情報にアクセスできるようにするといった形で活用できるだろう。」との見解を示しました。

教育現場だけにとどまらない、Sonyのプラットフォームのもつ可能性

Sonyの発表によると、この教育管理プラットフォームはSonyの子会社であるSony Global Educationにて開発されるそうです。Sonyの計画では、2018年中に完成する見通しを立てており、リリース後は初等教育と高等教育の両方の現場に向けて提供していくそうです。従来の学校業務では大きく分けて2種類のICTサービスが導入されていました。ひとつは生徒の所属、出席状況、教師の授業計画といったような教職員側が学校業務を行う上で用いる「校務系システム」で、もうひとつは個別の児童や生徒の学習状況などを管理する「学習系システム」です。今回Sonyが発表したプラットフォームでは、学校現場が今まで用いていた「校務系システム」と「学習系システム」のサービス提供元が異なっていた場合でも、それぞれがこれまで蓄積してきたデータの統合・連携ができることに加えて、ブロックチェーンのもつ特性を生かして安全で効率的な情報管理を行えるそうです。

さらに、蓄積されたデータに人工知能を活用して分析を加えることで、授業計画や学習コンテンツの改善を行う、といった使い方を想定しているようです。またSonyのニュースリリースによると、今回開発予定のプラットフォームは汎用性が高いため、教育現場の情報管理だけでなく、物流管理やIoT時代における機器情報の管理にも活用できる可能性が高いとのことです。

 

IT化が急速に進む教育現場

近年、教育現場ではICT(情報通信技術)の導入が進んでおり、紙媒体で成績などの情報管理をしていた時代から新たなステップへ移行しつつあります。また、スマートフォンやパソコンさえあれば誰でも好きなタイミングで学校に行かずにオンラインで教育を受けられるMOOCs(Massive Open Online Courses)のようなシステムも、技術革新によって実現しました。今日では、日本にいながらハーバード大学など海外大学のコースを受講するといったことも可能になりました。一方で、「学校」という物理的環境に縛られない教育の在り方が実現すると、進学や就職といった場面において「誰がいつどこで、どのような学習をしてきたのか?」という客観的な学習経験や、学習到達度の指標が必要となってくる場合があります。このような状況において、個人の学習履歴を追跡するシステムづくりに、ブロックチェーンが有効に活用できると考えられます。日本発のグローバル企業の提供するブロックチェーンのサービスに、今後も注目です。

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BBC編集部
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