IOTAがデータ販売市場の確立へ:CISCO、Volkswagen、Samsungグループとパートナーシップ

2017年11月29日 BBC編集部 0

  2017年11月28日、IoTに特化した暗号通貨(仮想通貨)を提供するIOTA(アイオータ)プロジェクトが、世界有数のグローバル企業であるCisco Systems社、Volkswagen AG社、Samsung Group社を筆頭とする、複数の企業とパートナーシップを締結したことを発表しました。発表に際し、IOTAの共同創業者のひとりであるDavid Sønstebø氏は、今後これらの企業と協力し、安全なデータ市場を構築していく狙いについて述べました。 IOTA上で分散型データ販売市場を確立へ このプロジェクトでは、企業間でデータが売買できる市場を設立することを目指しているとのことです。IOTAによると、現在世界では一日あたり2.5京バイトものデータが生成されており、その量は毎月指数的な増加曲線を描いているとのことです。しかし、これらのデータはセキュリティが整っていないがために、99%が利用されていないという現状があるそうです。 Sønstebø氏は、 「いかなるデータにも金銭的価値がある。例えば、あなたが個人で気象観測器を保有しており、風速、気温、湿度、その他気象データを収集したとすれば、それらのデータは気象調査を行っている団体に販売することができる。私たちが目標としているのは、多様でオープンなデータ市場の確立である。それによって、企業や個人間でデータの流れが発生するようなインセンティブが生まれると考えている。」 と述べました。 BBC編集部では、過去にIOTAの創業メンバーのひとりであるDominik Schiener氏に独占インタビューを行っています。IOTAプロジェクトの目指す先について、詳しく述べています。ブロックチェーンとIOTAプロトコルの違いなどについては、こちらの記事にてご確認ください。 インタビュー記事はこちら 【IOTA創業メンバーDominik Schiener氏 BBC独占インタビュー】前編 国家・大企業とプロジェクトを進めるIOTA データは、IOTAの分散型台帳に記録されたと同時に、ブロックチェーンネットワークに接続している無数のノードに分配され、第3者による改ざんが不可能な状態になります。こうして安全性が確立した状態で、自由にデータを売買できる状態を実現することを目指しているようです。今回、IOTAとパートナーシップを結んだ企業は、今後それぞれの業界内においてデータを供給する役割を果たしていくようです。 ブロックチェーンの抱える課題でもある、スケーラビリティや取引手数料の問題を乗り越えると期待されているIOTAですが、IoTの機器間でのデータのやりとりなどで、今後活躍する機会が増えていくと期待されます。引き続き、IOTAの動向に注目です。

欧州委員会が賞金500万ユーロのブロックチェーン開発コンテストを開催

2017年11月10日 BBC編集部 0

  分散型台帳技術を用いて社会課題を解決せよ 2017年11月、EUは”Blockchains for Social Good”(社会貢献のためのブロックチェーン)と題したブロックチェーンの開発コンテストを開催することを発表しました。このコンテストでは、社会課題の解決に向けた、透明性と分散性の高いソリューションのエントリーを受け付けています。   コンテスト詳細ページはこちら https://ec.europa.eu/research/eic/index.cfm?pg=prizes_blockchains コンテストのWebページには、選考基準として①ソリューションに社会的インパクトがあること、②透明性と分散性を兼ね備えていること、③実用的であること、④スケーラビリティがあることなどが挙げられています。欧州委員会は、特に実用的なDLT(Distributed Ledger Technology、分散型台帳技術)を用いたアプリケーションの開発を望んでいるそうです。 委員会メンバーのひとりは「ブロックチェーンの持つポテンシャル(中央集権構造・中間構造を回避する力)を、地球規模の持続可能にする挑戦に対して十分に用いられていない」と述べています。 持続可能な発展を目指して ブロックチェーンを用いて透明性の向上をはかることは、欧州委員会の長年に渡る課題でした。2017年8月、欧州委員会副総裁のValdis Dombrovskis氏は、委員会はデータ会社の情報を国家データベースと共有できるようにする目的で、Financial Transparency Gateway(経済活動の透明性向上のためのゲートウェイ)を構築することを宣言していました。 法人格を持っていれば、個人・法人問わず、EU内外のどこからであっても、コンテストに応募することができるそうです。エントリーの締め切りは2019年中旬頃を予定しており、2020年初頭に優勝者の発表が行われるそうです。 コンテストには、今までブロックチェーン技術の支援に当てられた金額の累計総額が支給されるとのことで、EUがHorizon2020フレームワークの実現に向けてスタートアップ6社に対して既に投資された500万ユーロ相当の金額が、リストアップされているようです。ヨーロッパではブロックチェーンビジネスへの支援が積極的に進められており、今後もその動向に注目です。 Horizon2020に関する記事はこちら EUによるブロックチェーン企業への投資額が累計500万ユーロを突破

ビットコインの分裂騒動とその問題の本質に迫る

2017年7月31日 BBC編集部 0

  ビットコインのスケーラビリティ問題を巡るビットコイン分裂の危機はひとまず回避され収束に向かっていると言われています。しかし、ビットコインをはじめとする暗号通貨(仮想通貨)には、今後も同様の問題が起きる可能性があります。分裂の危機が生じた原因から今に至るまでの流れを踏まえ、現在のビットコインの状況および、今回の分裂騒動におけるを考え、暗号通貨の本質的な課題を見て行きましょう。   ビットコインのスケーラビリティ問題とは? ビットコイン分裂問題の発端は、ビットコインの「スケーラビリティ問題」と呼ばれるものです。ビットコインでは一つのブロックに約10分間に起きた世界中の取引をまとめて記録していますが、ブロックには1MBという制限があるため、それを超える取引を記録することができません。そのためブロックに入り切らなかったトランザクションの遅延や優先的にブロックへ取引を入れるために手数料を高く支払う必要が生じてしまうため、ビットコインが多くの人へ浸透し取引量が拡大するにつれて問題化してきました。   SegWitの提案からBitcoin Unlimitedとの対立-分裂危機 ビットコインにおいてスケーラビリティ問題によるデメリットが顕著になる前から、ビットコイン開発の中心となっている少数のコア開発者達を中心としてBIP(Bitcoin Improvement Proposals)と呼ばれる提案がなされてきました。当初コア開発者によって提案されたのがBIP141の「SegWit」と呼ばれるソフトフォークをもとにしたオフチェーンスケーリング提案でした。 一方でSegWitの提案に至るまでの非公開会合など不透明な意思決定に対する反発が生まれたほか、SegWitによってオフチェーン取引が実現されるとマイニング報酬の減少に繋がるとして、マイナーを中心としてSegWitを支持しない層が一定数を占めていました。このようなマイナーを中心とするオンチェーンスケーリング派がハードフォークによるブロックサイズ上限の撤廃を主張する「Bitcoin Unlimited」を提唱し、対立を深めていました。 詳しくはこちらの記事をご覧ください。 →「ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited」 このようにコア開発者とマイナーという対立構造が生じたことで、ビットコインコミュニティはいわば二つに分裂した状況でした。しかしBitcoin Unlimitedの採用する突発的なコンセンサスの危険性やそもそもの開発能力に疑念が呈されたこと、そして2017年3月18日には世界の大手取引所19社が合同で「Bitcoin Unlimitedのハードフォークが実行された場合、ビットコイン(BTC)とは異なる通貨(BTU)として扱う」との声明を発表したことなどから、Bitcoin Unlimitedの支持勢力は次第に発言力を失っていきました。   遅々として進まぬSegWit有効化-UASF&UAHF SegWitが提案されたBIP141においては、「マイナーの95%の承認によってSegWitが有効化される」とされていました。しかしながら前項で述べたように利害の不一致やBitcoin Unlimitedの台頭などでマイナー間で支持が得られず、2016年11月に投票が始まってから長らく有効化(アクティベート)に至りませんでした。 […]

シルバート協定と「SegWit2MB」とは?ビットコインスケーラビリティ問題に新たな進展

2017年6月1日 BBC編集部 0

  2017年5月23日、バリー・シルバート氏がCEOを務めるDCG(Degital Currency Group)は、「SegWit2MB」の提案に基づいたビットコインのハードフォークを6カ月後に実行する宣言を発表しました。これに対し2017年5月25日時点で、世界22か国より大手マイニングプールや取引所を含む58社が合意を示しています。「SegWit2MB」とは何か、そしてその内容について詳しく見ていきましょう。   SegWitや、ビットコインのスケーラビリティ問題については、こちらの記事で詳しく解説しています。 「ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited」   SegWit2MBとは? ビットコインは本来、従来の金融機関と比較して迅速かつ安価に送金を行えることが魅力でした。しかし昨今、ビットコイン人気が世界的に高まった結果、取引量が急増し、迅速な取引を行うには相対的に高い手数料を支払うしかないという状況に陥っています。これを解決する手法として注目を浴びている技術のひとつが、SegWitです。 SegWitとは、”Segragated Witness”の略称で、ブロックチェーン技術のスケーラビリティ問題を打開するといわれています。現状のビットコインブロックチェーンにおいては、各ブロックに格納できる情報量の上限(ブロックサイズ、すなわち取引記録の上限)が1MBに定められています。これに対してSegWitは、取引ひとつ当たりの情報量を圧縮することで、各ブロックに記録できる取引の量を増やすことでスケーラビリティ問題の解決をはかろうとしています。 その中でも特にSegWit2MBは、SegWitの実施とブロックサイズを1MBから2MBへ引き上げるハードフォークを想定しており、今回のシルバート協定の発表では、全ユーザーの80%の合意が得られれば実行されると述べられています。   今後のビットコインの展望について DCGグループによると、今回のシルバート協定に合意している22か国58社(記事作成時点)は、ビットコイン全体の取引量のうち約83%を掌握しているとのことから、SegWit2MBのハードフォークが6カ月後に実行される可能性は高いといえるでしょう。一方で、ビットコインブロックチェーンの運用に携わってきた一部開発者陣が、SegWit2MBに反対を表明していることもあり、今後ビットコインのさらなる分裂の可能性も危惧されます。   (画像はbitnewsbot.“56 Bitcoin Companies Approve Segwit-2Mb Combined […]

ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited

2017年3月24日 BBC編集部 0

近頃、メディアにおいて「ビットコイン分裂の危機」と大きく報じられていますが、その実態はどのようなものなのでしょうか。その根底には、「Bitcoin Core(ビットコイン・コア)」と「Bitcoin Unlimited(ビットコイン・アンリミテッド)」と呼ばれる二つの派閥の対立があります。当記事で、詳しく見ていきたいと思います。   対立の発端-ビットコインスケーラビリティ問題 そもそもビットコインをめぐる対立はなぜ生まれてしまったのでしょうか。実はそこにはビットコインの課題の一つとして以前から言われている「スケーラビリティ問題」が深く関わっています。 ビットコインでは、ブロックサイズの上限が1MBと定められているため、1MBを超える取引が発生するとトランザクションの遅延や手数料の高騰が起きてしまいます。ブロックに記録しきれない取引の「積み残し」が発生するのです。これがスケーラビリティ問題であり、特にビットコインの取引量が増大している近頃は解決すべき問題として議論されていました。 これに対応するためには「フォーク」と呼ばれるアップデートを行って、より多くの取引をブロックに収めるためにビットコインの仕様変更を実施する必要がありました。   「フォーク」とは何か?➖ソフトフォークとハードフォーク ブロックチェーンではシステムのアップデートを「フォーク(分岐)」という形で行います。ブロックチェーンがある点から分岐する様子を思い浮かべて考えていただけると想像しやすいかと思います。フォークには、ソフトフォークとハードフォークという二種類が存在します。ソフトフォークでは、旧バージョンとの互換性があるので以前と同じように利用できますが、ハードフォークでは互換性がなくなってしまうので、旧バージョンと新バージョンに分裂した状態でそれぞれのブロックチェーンが続くという結果も起こり得ます。昨年には、イーサリアム(Ethereum)がハードフォークを行った結果、イーサリアムとイーサリアム・クラシックに分裂してしまいました。ブロックチェーンのフォークを行うためには、ネットワークに参加しているノードの多数決による民主的な決定が必要となります。しかし、意見が分裂してしまうと、前述のイーサリアムのように2つに別れてしまうという事態となります。   Bitcoin Core派の「Segwit」とは? 「Bitcoin Core」はビットコインのソースコードであり、それらの開発を担うごく少数のエンジニアを「コア開発者」と呼びます。彼らはスケーラビリティ問題への対応のため、2016年10月に「Segwit(セグウィット)」と呼ばれるソフトフォークを発表しました。Segwitはトランザクションデータの圧縮や「ライトニングネットワーク」と呼ばれるオフチェーン取引の実装によって、実質的にブロックに入るトランザクション容量の拡張を企図しています。 Segwitを有効にするためにはアドレスをSegwit対応の3から始まるものを利用しなければならず、効果が出るまでに時間がかかってしまうというデメリットが存在します。またマイナーからすれば、Segwit採用によりオフチェーン取引が増加するとマイニング報酬が減少するため、マイナーやマイニングプールの一部からはSegwitに対する反発の声も上がっています。   Bitcoin Unlimited派とは? ビットコインのスケーラビリティ問題はSegwitが開発されるまで実に約3年もの間、コア開発者内部で議論の的となってきました。この間にBitcoin XTやBitcoin Classicなどの解決策が模索されては対立を生み、「/r/bitcoin」というReddit内コミュニティにおいて過激な言論統制が行われたり、Bitcoin RoundtableやSatoshi Roundtabeなどの非公開会合における合意が何度か行われるなど、ビットコインコミュニティは次第に分散化とは相反する方向性へと進んでしまい、マイク・ハーン氏がコア開発者から離脱し「ビットコインは失敗だった」(英語記事)と題するブログを掲載するなどの事態に至りました。 […]

ビットコインの次なるステージ「SegWit」に向け議論進む

2017年2月2日 BBC編集部 0

近年ビットコインの普及に伴いトランザクションの数も増大しており、ブロック容量が逼迫してネットワークが混雑する「スケーラビリティ問題」への懸念が広がっています。 それに対する解決策として、トランザクションそのものを圧縮し現在の容量以上のトランザクションをブロックに組み込む「SegWit」を導入する提案がなされています。 SegWitが導入されれば1秒あたりでより多くのトランザクションを処理可能になり、ビットコインの利便性がより高まるとともに店頭決済への導入もしやすくなるでしょう。 記事元:http://www.coindesk.com/construct-2017-life-segwit-bitcoins-tech-gridlock-takes-spotlight/