音楽・イベント産業で活躍するブロックチェーンスタートアップ5社

2017年11月15日 BBC編集部 0

  今回の記事では、音楽・イベント産業において活躍している、海外のブロックチェーンスタートアップを5社、紹介していきたいと思います。音楽・イベント産業は、大企業が絶大なパワーを有しており、彼らの後ろ盾なしには個人のアーティストが大きな成功をつかむことは難しくなっています。 このようにパワーバランスが偏った業界において、ブロックチェーン技術を武器に戦う新規参入者が、どのように展開していくかに注目が集まっています。またパワーバランスの問題だけでなく、チケットの転売問題など、長年イベント産業を悩ませてきた様々な問題をブロックチェーンが解決する可能性についても述べていきます。 イベント産業をディスラプトする 1.KickCity KickCityの創業者は、市場規模30億ドルと見積もられている巨大産業である、イベント業界の抱えている問題について指摘しています。今日の世界では、1分あたりに100個以上ものイベントが同時に開催されていますが、イベントオーガナイザーやイベント代理店は、常に複数の問題に直面しています。彼らは自身のイベントのマーケティングや宣伝を行うにあたり、クレジットカード会社や銀行に多額の手数料を支払っていることに加え、チケットの転売や詐欺といった問題にも対処を行っていかなければなりません。イベントの予算のうち、およそ20%がマーケティング活動に用いられているとされるなか、半分以上のイベントオーガナイザーは集客率の低さに頭を抱えています。加えて、26.4%のイベントオーガナイザーは、どのオンラインツールを用いてイベントの集客を行えばいいのか把握できていないとのデータが出ており、非効率的なオンライン広告事業者に振り回されている可能性があります。 既存のオンライン広告配信プラットフォームは、ユーザーに多大な費用を負担させるようにデザインされている、といえます。しかしKickCityの提供するサービスは、既存のサービスとは対照的です。KickCityは、オフラインイベント参加者を母体とする、評価経済型のコミュニティプラットフォームで、ブロックチェーンベースで分散的に運営されています。KickCityのユーザーは、身の回りのローカルイベントを発掘して、イベントと潜在的な参加者となりそうな人をつなぐ(=宣伝する)ことで、デジタルトークンを得ることができる、というモデルになっています。 ブロックチェーンを用いることで、KickCityはイベント産業における非効率的な中央集権プレイヤーや第三者機関を回避して手数料を削減しつつ、分散型評価経済プロモーションシステムを用いてイベントオーガナイザーの業務時間を50%まで削減することに成功している、とのことです。 全体の透明性向上にブロックチェーンを 2.Crypto.Tickets 偽物のチケットによって、イベントオーガナイザー、チケット販売プラットフォーム、チケット転売事業者は長年の間苦しめられてきました。例えば2017年上旬、Ed Sheeran(イギリスのシンガーソングライター)のファンたちが、非正規のチケット販売業者から定価の8倍もの価格でチケットを購入した結果、会場で偽物であることが判明したために、10000人ものファンがコンサートイベントへの入場を拒否されるという出来事が発生しています。 Crypto.Ticketsは、このようなチケット詐欺を未然に防ぐことを目的として開発されたブロックチェーンプラットフォームです。イーサリアムブロックチェーンとスマートコントラクトを用いることで、Crypto.Ticketsはチケットを暗号化して正当性を保護することができるのです。Cryptp.Tickets社の創業者であるEgor Egerev氏は、「ブロックチェーンは既存のプレイヤー間のコミュニケーションを塗り替え、予約に関するすべての手続きの透明性を向上させることができます。イベントオーガナイザーはチケットに対して、それぞれジャンルや価格設定、交換、返金、転売ポリシーなど複雑なルールを設定しています。スマートコントラクトによってCrypto-ticketはこれらの全てをブロックチェーン上で実現しています。同時に、チケットを購入する顧客は、そのチケットが正真正銘のホンモノであることの確信を持つことができます。我々は、どのようなチケット販売システムでも利用できるブロックチェーンプラットフォームを開発しようとしています。」と述べています。 中央集権構造が利益の一極集中を招いている 3.Vibrate Viberate社は、音楽産業におけるプロモーションまわりの中央集権的な構造について、こう述べています。 「高度に中央集権化された構造では、極一部のプレイヤーに利益が集中し、大多数の小規模プレイヤーはもがき苦しむことになります。音楽産業におけるアンダーグラウンドで小規模なライブハウスやレーベルに所属しているイベントオーガナイザーは、大企業によって、収益構造の蚊帳の外に置かれています。」 今日の大規模なチケット予約代理店や、中央集権化されたチケット販売プラットフォームにマネーが集中しているライブミュージック産業のエコシステムにおいて、タレント・エージェンシー(タレント事務所)の恩恵に預かれるアーティストはごく少数に留まります。タレント・エージェンシーの後ろ盾がないアーティストは、マーケティング、セールス、ネットワーキング、リーガル、税制、資金調達といった様々な問題を自力で解決せねばならず、本業であるクリエイティブな活動に専念することが難しくなります。 同時に一方で、イベントオーガナイザーは、イベントに登場してくれるアーティスト探しに奔走しますが、当日ドタキャン、低クオリティなパフォーマンス、支払いの滞りといった様々なリスクに向き合う覚悟で仕事に臨まなければなりません。 Viberateはライブミュージック産業のグローバル市場を構築しようとしているブロックチェーンスタートアップです。Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンを用いてミュージシャンと予約情報の管理をし、スマートコントラクトを用いてチケットの販売を行います。Viberateは現在、タレント・エージェンシーやチケット販売業者とのパートナーシップを結ぶことを計画していますが、彼らの最終的なゴールは、世界中にいる、事務所の後ろ盾のないアーティストとイベントオーガナイザーのマッチメイキングをするプラットフォームを展開することにあります。 ミュージシャンは、このプラットフォームをプロモーションや露出媒体として用いることができる一方で、プロモーターにとってはイーサリアムブロックチェーンによる支払いシステムを、分散型のエスクローシステムとして用いることができます。 既存の配信プラットフォームと比較して、20倍の収益が見込める 4.TokenFM TokenFMは、既存のメディアが抱える問題点に対してブロックチェーンを用いた世界初の企業です。TokenFMは、メディアの分散化を推し進めるとともに、アーティストとファンを直接結び付ける活動をしています。 […]

ブロックチェーンで変わる?結婚のアレコレ

2017年11月6日 BBC編集部 0

  スマートコントラクトの登場によって、ブロックチェーンはより日常的な場面でも簡単に利用することができるようになりました。スマートコントラクトに署名をすると、契約内容はブロックチェーン上に半永久的に、ハッキングされない安全な形で格納されます。このブロックチェーンとスマートコントラクトの性質を生かしたビジネスが、「結婚」に関する領域で新たに誕生しています。 婚姻届けをブロックチェーン上に? 2014年10月5日、人類史上初めて、婚姻記録がパブリックブロックチェーン上に記録されました。David MondrusさんとJoyce Bayotookさんの結婚式は、フロリダ州オーランドのディズニーワールド内で開催された、プライベート・ビットコインカンファレンスで執り行われました。ふたりはQRコードをスキャンして承認ボタンを押すことでスマートコントラクトを締結し、婚姻関係を結びました。婚姻情報は、ビットコインブロックチェーン上にただちに記録されました。ふたりは婚姻に際し、 「命は有限であり、死がふたりを分かつことがあるかもしれない。しかし、ブロックチェーンは永遠である。」 とコメントを寄せています。 他にブロックチェーンに記録された結婚記録の例としては、ビットコイン活動家であるOles Slobodenyukさんと、Irina Dkhnovskayaさんの夫妻が挙げられます。2016年7月17日に結婚したふたりは、披露宴にてWeddingbook.ioというブロックチェーンプラットフォーム上で結婚証明書を発行しました。Weddingbook.ioは、Cryptograffitiというウェブサービスを用いて婚姻情報を登録しています。Cryptograffitiは、オンラインインタフェースを用いることで、ビットコインブロックチェーン上に秘密のメッセージを記録することができるサービスです。結婚証明書だけに留まらず、結婚の証人一覧や結婚の誓いをブロックチェーン上に半永久的に保管することができます。 イーサリアムブロックチェーンで結婚 すべての結婚がめでたく「成功」に終わるとは限りませんが、開発者たちは、年々ブロックチェーン上に婚姻情報を保管したい、という要望が増加している手ごたえを感じているそうです。いくつかのブロックチェーン結婚プラットフォームでは、ふたりの婚姻情報だけではなく、家族情報の登録も行っている、とのことです。IT開発者のGaurang TorvekarさんとSayalee Kaluskarさんは、2016年のイーサリアムブロックチェーン上で初めて婚姻を結びました。夫妻は、婚姻契約書のテンプレートをクラウドファイル管理システムからダウンロードし、Ethereum(イーサリアム)ベースのAttoresプラットフォーム上で電子署名をし、結婚しました。 Prenup With Loveというイーサリアムブロックチェーンベースのサービスは、同棲前の婚前契約情報を保管することができます。婚前契約の内容は多岐に渡り、例えば買い出しの頻度、家事の分配、最低限デートに割く時間、ふたりで見るドラマ番組などがあります。婚前契約は、ふたりがそれぞれのIPアドレスから、暗号化されたメッセージを送信することで締結され、スマートコントラクトに反映されます。これらのコードは公開されているため、新婚のカップルが気軽に利用することができます。しかし現時点では、これらの婚前契約に法的拘束力はないと考えられています。夫妻は、ふたりの決断について、下記のように述べています。 「ブロックチェーンのもつ無限の可能性を、私たちは家族問題の解決につかうことにしました。婚姻をブロックチェーン上で結ぶことは、賢い選択だと思っています。」 離婚をブロックチェーンにどう組み込むか そしてさらに、2017年10月、ロシアで初となるブロックチェーンサービスを利用した結婚が行われたそうです。Vasily LifanovskyさんとAlla Tkachenkoさん夫妻は、夫婦の暗号貯蓄資産をひとつの家族資産に統合しました。この手続きは、結婚状態を含めた様々なライフステージに応じた暗号資産管理を提供する、MyWishというサービスプラットフォーム上で行われたそうです。 MyWishは、思想や実装の面で、先ほどのPrenup With […]

イーサリアムのByzantiumハードフォークが完了

2017年10月17日 BBC編集部 0

2017年10月16日05:22 UTC(協定世界時)、Ethereum(イーサリアム)のアップデートが、公式に完了しました。イーサリアムネットワークにとって、通算で5度目のハードフォークとなります。 Constantinopleハードフォークは2018年中に実行か 2015年に発表されたイーサリアムプロジェクトの開発ロードマップで名付けられていた通り、Frontier、Homesteadバージョンに続く3番目のバージョンであるMetropolisバージョンへのアップデートが完了しました。Metropolisバージョンは、最小限の変更に留まるマイナーアップデートであるByzantiumハードフォークとさらなる変更が加えられるConstantinopleハードフォークの2段階のアップデートを予定しており、今回はByzantiumハードフォークが実行された形となります。なお、Constantinopleハードフォークの実行日時については未だ詳細な発表はなされていませんが、2018年中に行われるものとみられています。今回、Byzantiumハードフォーク実行直前にプログラムにバグが発見されたものの、イーサリアムコミュニティのエンジニアたちにより、無事にバグを回避することができた、とのことです。 イーサリアムMetropolisバージョンの詳細や変更点はこちら http://businessblockchain.org/ethereum_metropolis_update 利便性が増していくスマートコントラクト 近年のICOにERC-20トークンが用いられるようになってから注目度が急上昇していたイーサリアムですが、今後スマートコントラクトの利用場面において、さらに利便性が向上していくものと思われます。引き続きイーサリアムの動向に注目です。

業界内パワーバランスの分散化を進めるブロックチェーンスタートアップ3社

2017年10月16日 BBC編集部 0

  今回はブロックチェーンビジネスを展開している3つのスタートアップ企業について紹介していきます。これらはそれぞれ金融業界や広告業界の既存の構造にブロックチェーンでアプローチしており、今後業界内でパワーバランスの集中構造が崩れ、分散化が進んでいく可能性があります。大まかではありますが、彼らが取り組んでいる業界内の課題とともに、概要を紹介して参ります。 Wish Finance社 中小企業向けローンの契約は、その作業に時間がとてつもなくかかる上に、借り手にとっては極めて制約された選択肢しか提供されていないように感じられるそうです。 Eugene Green(ユージーン・グリーン)氏によって設立されたWish Finance(ウィッシュ・ファイナンス)社は、中小企業のローンオプションを、ブロックチェーン上で提供することに重点を置いています。中小企業は、予測モデルや資産ではなく、会社の実際のキャッシュフローに基づく金利でWish Finance社を通じて融資を受けることができるようになります。 Wish Finance社は、Point of Sales(POS)というローン返済用に開発された分散型ソリューションをベースにビジネスを展開しています。融資を受けた中小企業は、各取引を行う際に、ブロックチェーン上のPOSを経由します。 ここでPOSを経由する際に、あらかじめ設定された数%の金額がWish Finance社に返還されることにより、中小企業はローンを返済することができます。ブロックチェーン上で取引が透明化されることにより、貸し手と借り手双方にとって信頼性を築きやすくなりました。   BitClave社 ブロックチェーンと暗号通貨(仮想通貨)に対して最も期待を寄せられている役割のひとつとして挙げられるのが、「市場における中央集権構造を破壊し、分散化を推し進めること」です。BitClave社はまさにその役割を果たそうとしている一例として挙げられるでしょう。現在個人が利用する検索エンジンとしては、GoogleやFacebookが有名です。しかし、ユーザーは検索をすると同時に多くの情報を引き換えにして、広告ネットワークのなかに飛び込まされることになります。BitClave社は、個人が自身のデータの主導権をGoogleやFacebookに奪われることなく、自分の意志に基づいて管理できる世界を実現しようとしています。 BitClaveについては下記記事にまとまっているので、ぜひご覧ください。 広告配信の分散化を進めるBitClaveプロジェクト http://businessblockchain.org/bitclave_project_basetechnology Ripio Credit Network社 現在世界中の起業家たちは、fintechにブロックチェーンが活用できる可能性に魅了されています。私たちが今利用できる金融サービスは、すべてがあらゆる制約の支配下にあり、法律に固められています。しかし、Ripio […]

エストニアが世界初となる国家主体のICO計画を発表

2017年8月23日 BBC編集部 0

2017年8月22日、「北欧のシリコンバレー」という名で知られるエストニア共和国が、「estcoin」を発行に向けたICOを行う計画が発表されました。計画はまだ提案段階にある模様で、アナウンスが記載されたページ(https://e-resident.gov.ee/estcoin)には、まだ多くの情報は記載されていませんが、国家が主体として行われる初めてのICOということで大きな注目が集まっています。   電子政府化が進むエストニア 今回発表されたエストニア政府が発行するestcoin(エストコイン)は、同政府が外国人に対して電子居住権を付与する「e-Residency」プログラムに関連した用途で用いられるようです。エストニア共和国は、1500以上の島々からなる地理的事情から、行政機能の電子化が国家レベルで進められている国として有名です。政府の展開する「e-Government」計画により、エストニアの国民一人ひとりがICチップ付きIDカードを所有しており、この1枚で身分証明から銀行や医療機関など公的機関の利用、さらには納税まで行えるそうです。「e-Residency」プログラムは、これらの公的サービスを海外に在住している外国人に提供する目的で開始されました。「e-Residency」に登録している外国人は、市民権や居住権は与えられないものの、エストニア政府による各種公的サービスを享受できる他、海外からでもエストニアに新しい会社を設立し、経営することが可能になります。 ブロックチェーン国家エストニアについては、こちら ブロックチェーンは国家を超越するか – Bitnationとエストニアから見る未来国家 ICOの特設ページには、スマートコントラクトを搭載した初の暗号通貨(仮想通貨)「Ethereum(イーサリアム)」の開発者として有名なVItalik Burerin氏によるコメントが掲載されています。Vitalik氏のコメントには、「今回のestcoinのICOによって、e-Residencyに登録している電子居住者たちの間で、様々な活動ができるようになる。そのため、電子居住者コミュニティの結束力がさらに高まっていくだろう。さらに、estcoinがブロックチェーン上で展開されているので、スマートコントラクトを用いて様々なサービスと連携し、より利便性が増すだろう」と述べられています。 estcoinの計画は今のところはまだ提案段階にあるようですが、今後実際にどのように展開されていくのか注目です。

BBC学生向け勉強会「初心者対象|ビットコインから学ぶブロックチェーン勉強会」イベントレポート

2017年7月7日 BBC編集部 0

BBC運営メンバーの秋元です。7月5日に、学生向け勉強会の初心者向け特別編として「ビットコインから学ぶブロックチェーン勉強会」を開催しましたので、イベント報告をさせていただきます。   会場は株式会社コロプラ様のセミナールームをお貸しいただきました。(詳しくはこちら) 今回は「『ブロックチェーン入門』の著者の森川氏が話すブロックチェーンの可能性」ということで、Alta Apps株式会社の森川夢佑斗(モリカワムウト)氏に登壇いただきました。前半部では、BBC運営メンバーである学生が登壇者を務め、初心者向けにビットコインやブロックチェーンの説明を行いました。   登壇内容は以下の通りです。 第一部:「身近に使えるビットコインとは」/ 市原 第二部:「ブロックチェーンの仕組みと、そのメリットとは」/ 秋元 第三部:「『ブロックチェーン入門』の著者の森川氏が話すブロックチェーンの可能性」 / 森川 まず第一部では、「身近に使えるビットコインとは」を市川から説明させていただきました。海外におけるビットコインの普及状況や、ビットコインの特徴、使われ方、メリットなどの紹介があり、暗号通貨を身近に感じる事のできる内容でした。 第二部では、「ブロックチェーンの仕組みと、そのメリットとは」を秋元から説明させて頂きました。分散的で透明性・安定性があるというブロックチェーンの特徴や、不正や改ざんが困難とされる仕組みについてわかりやすく解説されていました。 そして第三部では、『ブロックチェーン入門』の著者であり、Alta Apps株式会社のCEOでもある森川氏から、ブロックチェーンの可能性についてご講演頂きました。 スマートコントラクトを利用した将来的な契約のあり方についてのお話や、セキュリティ管理コスト・サーバ管理コストを削減しつつ効率的にデータの共有ができるというブロックチェーンの特徴を利用してサプライチェーンやシェアリングエコノミー分野への活用が期待されるというお話も出ていました。実際のビジネスにどのように活用できるのかというお話については、関心を持っている参加者も多かったようで、熱心に耳を傾けている方が多くいらっしゃいました。 質疑応答も活発に行われ、一時話題となっていたMUFGコインの話や、プライベートブロックチェーンなどについての質問が挙がり、充実した時間となりました。 イベント終了後も、参加者同士でしばらくのあいだ意見交換が行われており、ブロックチェーンへの関心の高さがうかがえました。 今回は番外編として初心者向けの勉強会を行いましたが、7月の学生勉強会は13日に行われます。「ブロックチェーン2.0で世界はどう変わるのか」と題して、暗号通貨による社会や金融システムの変革可能性や、ICOについての話を取り上げます。今回来ていただいた方やブロックチェーンの仕組みを勉強されている方ははもちろん、初心者の方にも関心を持っていただける内容となっておりますので、ぜひお越しください。

EOSとは?ーより優れたDAppsプラットフォームを目指す新たなブロックチェーン

2017年6月28日 BBC編集部 0

2017年6月26日より、スケーラビリティ問題や取引コストの課題を乗り越える新たなブロックチェーンとして注目を集めている「EOS」のICOがスタートしました。この記事では、そのEOSの特徴について、詳しく見ていきたいと思います。   EOSの特徴について EOSはGraphene上で開発されており、BitShares(ビットシェアズ)同様に高度な情報処理能力を有しているほか、Ethereum(イーサリアム)のスマートコントラクト機能を併せ持っています。また、Ethereumなどのブロックチェーンで顕在化しているユーザビリティ問題の解決策も目指しています。 人間にやさしいデータ記録方式 まずEOSの大きな特徴として、ブロックチェーン上にバイナリでない方法で記録ができることが挙げられます。バイナリとは、0と1で構成されたコンピュータ言語のことで、人間が一目見ただけで、その意味を解読することが困難な形式です。 Ethereumでは、記録がバイナリで行われるため、ブロックチェーン上の記録を参照することが難しく、使い勝手の面で問題がありました。これに対してEOSでは、ブロックチェーン上に人間が読める状態で作成したプログラムを直接アップロードすることが可能なため、ユーザビリティが大きく向上することが見込まれます。 コンセンサスアルゴリズムは、PoSを採用 Ethereumでは、PoW(Proof of Work、プルーフ・オブ・ワーク)を採用しているのに対し、EOSではPoS(Proof of Stake、プルーフ・オブ・ステーク)を採用しています。これにより、マイニングにかかるエネルギーコストが低く、コンセンサス形成にかかる時間も短縮でき、さらに一部マイナーへの権利集中リスクも低くなります。 プルーフ・オブ・ワークについては、こちらをご参照ください。 ブロックチェーンを支える技術「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」とは スケーラビリティ問題を解決し、よる優れたDAppsプラットフォームを目指す EOSはさらに、Ethereumのスケーラビリティ問題についても解決を試みています。非同期通信と並行処理を採用していることで、EOSは、Ethereumと比較して取引処理能力が大幅に拡大します。Ethereumは取引処理能力がボトルネックとなり、実際のビジネスユースに耐えうるかどうかが懸念されていましたが、EOSはこのボトルネックを解決した形になります。 また、EOSは集中型アプリケーションと同様な機能を持つ分散アプリケーションをサポートするよう設計されており,トランザクション毎に使用料を支払わなくていいという特徴を備えています。昨今Ethereumの人気に伴い、取引手数料が高騰し、スマートコントラクトのビジネス展開が難しくなることが懸念されていました。これに対し、EOSは手数料をゼロにすることで、誰でも気軽にスマートコントラクトが履行できる世界を目指しているようです。   EOSのICOスケジュールについて EOSトークンの総量は、1,000,000,000EOSとなっており、Ethereumの基軸通貨であるEther(イーサ)と引き換えに入手できます。このうち全体の20%にあたる200,000,000EOSが、最初の5日間のプレセール(2017年6月30日まで)で販売されます。 プレセール後の7月1日以降では、全体の70%にあたる700,000,000EOSが、23時間毎に350回に分けて分配されます。(2017年7月1日から約335日間、1回あたり2,000,000EOSが分配)このように従来のICOの方法とは、大きく異なった形態となっています。 EOSの開発元であるBlock.One社によると、現在のICOは一部の人にトークンが集中しがちで、少数の人にのみオープンになっている実態について指摘しています。今回、EOSトークンでこのような新しい分配方法が採用されている背景として、EOSの根本的な設計思想が「真の意味で万人にとって開かれたプラットフォーム」を目指しており、トークンを通してより多くの人に開発を見守ってほしいとのアナウンスがありました。 BLOCKCHAIN CapitalのBrock […]

ブロックチェーンは音楽著作権管理のあり方を変えるか?

2017年6月20日 久保田 紘行 0

データの改ざんが難しく、誰もが参照可能なブロックチェーンには、実に様々な活用可能性を見出すことができます。その一つが「著作権管理」の分野です。特に音楽著作権は、作詞家、作曲家などの著作者にはじまり、歌手、演奏家などの実演家、レコード製作者、放送事業者など多くの関係者が関わるためより複雑です。そのため、著作権の管理にコストがかかったり、実際に誰が権利を持っているのかが不明確になるといったことも生じています。 直近では、音楽ストリーミングサービス大手のSpotifyはブロックチェーンスタートアップの「Mediachain Labs」を買収し、Spotifyの提供する楽曲とその著作権者をブロックチェーン上で紐付けるための技術開発を進めると発表しました。そこで今回の記事では、ブロックチェーンの活用が音楽著作権の在り方をどのように変える可能性があるのかについて見ていきたいと思います。   楽曲の著作権管理プロセス-使用料徴収と分配 楽曲の著作権は登録などの手続きを必要とせず、著作物を創作した時点で自動的に発生します。著作権法によって著作権侵害は親告罪であると定められているため、著作権侵害行為があった際には、著作権者自身で対処していく必要があります。著作権者は著作物の利用条件を明記した上で、利用条件に沿って「楽曲使用料」を徴収します。 さらに、徴収した楽曲使用料は著作権者だけでなくステークホルダーへの分配を行わなければなりません。特に音楽制作におけるステークホルダーは、前述の通り非常に多岐に渡るため、楽曲使用料の分配は非常に複雑です。 このように各楽曲の著作権を管理する際には、「再生や演奏に際して発生する楽曲使用料の徴収」と、「徴収した楽曲使用料の著作権者やステークホルダーへの分配」という二つのプロセスが存在しています。   著作権管理団体への委託が一般的、しかし課題も 著作権者が自らの楽曲の再生回数をすべてカウントして楽曲使用料を徴収することや、すべての著作権侵害を指摘するのは現実的に考えて非常に困難でしょう。そこで日本では著作権等管理事業法に基づく非営利著作権管理団体であるJASRACが日本のほぼ全ての楽曲の著作権管理を委託されており、楽曲使用料の徴収と分配を担っています。 しかし、JASRACが単独で300万曲以上の楽曲の著作権を管理し、楽曲全ての再生回数のカウントや、YouTube等への違法アップロードの発見、そして徴収した楽曲使用料の公正な分配には、非常に膨大なコストや手間がかかっています。 またJASRACそのもののあり方を問題視する声もあります。JASRACの楽曲管理における手数料が高額であることに加え、徴収した楽曲使用料が公正に分配されているかが不透明であることなどから、利権と化しているのではないかといった疑惑が取り沙汰されることもあります。また昨今ではJASRACが音楽教室のレッスンにおいて楽曲使用料を徴収する方針を決定し、それに対し歌手の宇多田ヒカルさんがTwitter上で反発を表明するなど、本来の著作権者であるアーティストの意向に沿わない形での楽曲使用料徴収が行われているケースもでてきています。 このように、音楽の楽曲使用料徴収には大きなコストと手間がかかります。さらに、日本では現状透明性が担保されていないためにJASRACの仲介に不信感が募ってしまっている状況です。   ブロックチェーンに基づく分散型著作権データベースの構築 ではこの楽曲に関する著作権管理は、ブロックチェーンを活用することでどのように変わるのでしょうか。このとき著作権者は、レコーディングされた楽曲データや楽曲の歌詞・譜面などを含む著作権情報を、自らの手でブロックチェーンに記録します。ブロックチェーン上の記録は改ざんが困難であるほか、記録されたデータは誰もが参照できます。すべての著作権情報をブロックチェーンに記録することで、巨大な「分散型著作権データベース」を構築するのです。 さらにスマートコントラクトを活用することで、楽曲の購入代金や再生回数のカウントに基づく楽曲使用料の徴収から、著作権者やステークホルダーへの収益配分まで、全てをプログラムに従い自動的に実行できるようになります。これによってJASRACなどの著作権管理団体が不要になるばかりでなく著作権管理という作業そのものが自動化されるため、仲介手数料の削減や効率化が大幅に進みます。また収益配分についてもあらかじめ締結された契約に基づくスマートコントラクトによって自動的に実行されるため、ステークホルダー間での収益配分についてより高い透明性・公平性が確保されます。   アーティストが自分で自らの楽曲を管理できる未来へ これらのビジョンを実現しようとしているプロジェクトの一つが、冒頭で紹介したSpotifyとMediachain Labsの取り組みです。このほかにも「Ujo Music」や「Dot BC」といったプロジェクトで同じような取り組みが進められています。 従来非常にコストも手間もかかっていた著作権管理ですが、ブロックチェーンとスマートコントラクトの活用によって、アーティストは自らの楽曲を自分の手で管理することができるようになったと言えるでしょう。つまり、アーティストは自らの楽曲の著作権情報を自分でブロックチェーン上に記録し、自動化された楽曲使用料徴収とその分配を通じて、著作権管理ははるかに効率的に実行できるようになるのです。それだけでなく、著作権管理団体という仲介組織を排すことで、透明性や公平性の確保にもつながっています。 […]

Qtumとは?-ビットコインとイーサリアムの融合へ

2017年6月15日 BBC編集部 0

新たなブロックチェーン「Qtum」が密かに注目を浴びています。Qtum(キュータム)とは、ビットコインの「UTXOベース」という特徴を活かしながら、イーサリアムの「スマートコントラクト」を実行することができる独自のブロックチェーンです。UTXOベースとは何かも含めて、分かりやすく説明していきます。 スマートコントラクトとは何かについては、こちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは?」   ビットコインの特徴「UTXO」による匿名性とは? ビットコインブロックチェーン上では、ビットコインの残高を管理する仕組みとして「UTXO(Unspent Transaction Output、アンスペント・トランザクション・アウトプット)ベース」が採用されています。それぞれのトランザクションデータの中にはビットコインの「インプット(Input)」と「アウトプット(出力)」が含まれています。各アドレスのビットコイン残高を、そのアドレスに向けて送信されたトランザクションに含まれるアウトプットの合計金額で計算します。このとき、そのアウトプットに出力されたされたビットコインをUTXOと呼びます。これに対し、イーサリアムなどでは直接アドレスに残高を紐づけて記録する「アカウントベース」のシステムが採用されています。 例えば、太郎さんが所有する3BTCを使用して二郎さんに2BTC送信したい時を考えてみます。この際に、単純に二郎さんへの2BTCの送金依頼をしただけでは、太郎さんにおつりは戻ってきません。ビットコインでは、インプットとアウトプットの差額は取引手数料としてマイナーに自動的に与えられるため、このケースではインプットとアウトプットの差額である1BTCが取引手数料として取られてしまいます。そのため、2BTCを二郎さんに送るだけではなく、おつりとして1BTCを自分のアドレスに指定しなければなりません。この時に新しいアドレスを作成し、おつり用アドレスとして指定することで結果的に追跡を困難にします。このように、UTXOは匿名性を保ちプライバシーが優れていると言われています。   スマートコントラクトをビットコインブロックチェーンに導入 ビットコインとイーサリアムでは、残高の管理の仕方が異なることは、上記の通りです。このUTXOとイーサリアムのスマートコントラクトを合体させようとしているのがQtumです。 これが今まで実現されなかったのは、ネットワーク内のスマートコントラクトコードの実行環境、スマートコントラクトを機能させるEVM(イーサリアムバーチャルマシン)がブロックチェーンから隔離された所に存在していたため、ビットコインブロックチェーンと繋げることができなかったからです。 これを解決するために、ビットコインブロックチェーン上に分散アプリケーションプラットフォームを構築し、ビットコインブロックチェーンとEVMの間の通信レイヤーとして機能するQtumアカウントアブストラクトレイヤーを導入します。これを機能させるために、Qtumは、3つのアップコード(OP_EXEC、OP_EXEC_ASSIGN、OP_TXHASH)を加えることでEVMに自動的に転送する手段として機能させ、特定の条件を追加しEVMを使用するトランザクションをUTXO環境内で機能させることができます。   UTXOにより、ライトウォレットが可能に またこのUTXOを活用することで、「ライトウォレット」を作成することが可能となります。ライトウォレットとは、ウォレットを通じてビットコインを保有するときにビットコインブロックチェーン上の全ての取引記録をダウンロードすることなく、自らのアドレスに関連した取引のみを選んでダウンロードできるウォレットです。これを「SPVプロトコル(Simplified Payment Verification Protocol)」と呼びます。ライトウォレットに対して、ブロックチェーン上の取引記録を全て保持するウォレットのことを「フルノード」と呼びます。SPVでは、自分に必要なトランザクションのみを抽出し、十数ギガバイトにも及ぶビットコインブロックチェーン全体をダウンロードすることなく、より少ない電力消費でビットコインの送金ができます。そのため、従来はデスクトップパソコンなどデータ容量の大きい端末でしかウォレットを作成できませんでしたが、モバイル端末でもウォレットを作成できるようになりました。 これによりQtumでは、モバイル端末上で動作するライトウォレットを、スマートコントラクトや分散型アプリケーションにネイティブに取り入れることができるようになります。また、この機能により、IoTデバイスをスマートコントラクトで保護して操作することも可能となるでしょう。   コンセンサスアルゴリズムは、PoSを採用 Qtumではビットコインブロックチェーンで使用されるプルーフ・オブ・ワーク(Proof of […]

法的契約生成プラットフォームのAgrelloがイーサリアムベースで展開へ

2017年6月10日 BBC編集部 0

6月8日、エストニアのブロックチェーンスタートアップAgrello(アグレロ)は、Lisk、Qtum、RSK、NEMなど他のブロックチェーンとの互換性を持つプラットフォームの基盤としてイーサリアム(Ethereum)を選択したことを発表しました。 Agrelloとは?-スマートコントラクトを利用した契約プラットフォーム Agrelloは、スマートコントラクトを利用して、暗号化技術や法的知識を持っていない人でも契約を結べるようにするシステムです。法的拘束力を持った契約をだれでも結べるようにするために、ワークフローの効率性、様々なブロックチェーン間の相互運用性、確立された法的システムにおける技術の採用を目指しています。 Agrelloについての詳しい説明はこちらをご覧ください。 →「Agrello(アグレロ)とは?ー簡易化された法的契約をスマートコントラクトとして自動生成可能に」   Agrelloはイーサリアムブロックチェーンを高く評価 Agrelloの開発チームはイーサリアムを最も確立されたブロックチェーンであると評価しており、世界に通用する人材を惹きつけると考えています。また、技術開発の可能性だけでなく、組織としての成熟度や、規制当局と協力してブロックチェーン採用を主流にする能力などを非常に高く評価しています。 Agrelloプロジェクトにおいては、ブロックチェーンとは直接関係のない分野の産業とも良好な関係を築く必要があります。例えば、契約内容を確定させるためには、法制度や金融機関との連携が重要です。また、AgrelloはAI技術との連携も検討しており、これによってシステムが複雑化する可能性があります。そのように複雑化したシステムであっても、イーサリアムブロックチェーンであれば十分にサポートできると考えています。   様々なブロックチェーンとの互換性を持つAgrelloプラットフォーム 以上の理由から、Agrelloのプラットフォームはイーサリアムのブロックチェーン上の分散型アプリケーション(DApps)として開発されると発表されました。ユーザーは、イーサリアム上の基軸通貨であるETHを通じて手数料を支払います。 また、イーサリアム上ではスマートコントラクトをカスタマイズ可能な形で生成できます。AgrelloのユーザーフレンドリーなUIによって、法的知識や暗号化知識のない一般ユーザーであっても契約をスマートコントラクトとして生成することができます。 そのほか、Agrelloのプラットフォームはイーサリアムを基盤としながらも、冒頭に述べたようにLisk、Qtum、RSK、NEMなど複数の他のブロックチェーンとの互換性を持っています。Agrelloの発表によれば、これらの様々なブロックチェーンはそれぞれ異なる領域に適用されるとのことです。   ※画像はETH News “Agrello Announces Its Distributed Platform Will Operate On […]