Sonyがブロックチェーンベースの多段階認証システムの特許を出願

2017年11月1日 BBC編集部 0

2017年10月26日、Sony(ソニー)が、USPTO(United States Patent and Trademark Office 、米国特許商標庁)に、ブロックチェーンを用いたMFA(Multi Factor Authentication、多段階認証)システムの特許を出願したようです。電気機械メーカーはこの特許を用いることで、相互に結びついた2つのブロックチェーンプラットフォームを用いた、安全性の高い多段階認証ログインシステムを利用できるようです。 2つのブロックチェーンプラットフォームを用いる 米国特許商標庁から公開された資料によると、ソニーは2つのブロックチェーンプラットフォームを行き来することで、ユーザー認証を行うシステムを出願したようです。ここでは、ブロックチェーンプラットフォームAとBの2つがあると仮定して、説明します。ブロックチェーンプラットフォームAでは、ユーザーは通常どおり、ユーザーネームとパスワードを入力します。ユーザーがログインに成功すると、プラットフォームA上で「ログイン認証コード」が発行されます。 もう一方のブロックチェーンプラットフォームBは、プラットフォームAで発行された「ログイン認証コード」を受け取り、それを承認する役目を果たします。プラットフォームAのログイン認証コードを、プラットフォームBが承認したと同時に、プラットフォームB上でトランザクションの生成が行われます。ここで生成されるトランザクションに含まれる情報として、データの移動、コントラクトの生成、資産の移動などが挙げられるそうです。 MFAシステムの仕組み MFA(Multi Factor Authentication、多段階認証)システムとは、単一ではなく、複数の方法を用いてユーザー認証を行うシステムのことです。MFAシステムは、ユーザーがウェブサイトやプログラムにログインするために、2つ以上の資格証明情報(例:ログインIDとパスワードの組み合わせなど)を入力することで成立します。MFAシステムは、たとえハッカーをはじめとする侵入者がユーザーの「ユーザー名とパスワード」を盗むことに成功したとしても、ログインのたびにコードが変化する仕組みがあれば部外者がトークンにアクセスすることはできず、ユーザー資産の安全が保たれる、という考えに基づいて開発されています。 ソニーのブロックチェーンプロジェクトのこれまで 今回発表されたプロジェクトは、ソニーが開発している数あるブロックチェーンプロダクトのうちの一つです。以前にも発表があった通り、ソニーはIBMとパートナーシップを組み、教育現場に特化したブロックチェーンプラットフォームの開発を進めています。(2018年中のローンチ予定がアナウンスされています。)それだけに留まらず、ソニーはブロックチェーンの多分野への応用方法について、検討を進めているそうです。その項目として、サプライチェーン、ロジスティクス、データマネジメントなど、知的財産の管理が重要視される分野が挙げられています。 Sonyが教育現場におけるブロックチェーンベースの情報管理システムの開発へ http://businessblockchain.org/sony_education_platform_with_blockchain 引き続き、ソニーのブロックチェーンプロジェクトの動向に注目です。  

量子コンピュータでも破ることができないブロックチェーンが開発される

2017年6月27日 BBC編集部 0

ロシアの科学者が、世界初となる、量子コンピュータでも破ることのできない強固なセキュリティを持ったブロックチェーンを開発しました。今日では、量子コンピュータはまだ構想段階にあり、実現には至っていません。しかしもし仮に実現すれば、既存のコンピュータとは比較にならないほど高速に、かつ大量の情報を処理できるコンピュータが誕生することになります。   量子コンピュータがブロックチェーンの公開鍵暗号を突破する? 電子署名など高度なセキュリティが求められる場面では、「公開鍵暗号方式」という暗号化手法が一般的に用いられています。公開鍵暗号方式ではランダムな文字列の組み合わせからなる公開鍵・秘密鍵のペアが生成されます。秘密鍵は複雑な計算を経て作成されるので、その秘密鍵を特定するのは容易ではありません。そのため総当たりで数字を試して解読するほか方法がありません。このように、膨大な計算を処理できない人間や今日のコンピュータにとっては突破が極めて難しい、という点で安全性が担保されています。 公開鍵暗号方式についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーンを支える技術『公開鍵暗号方式』とは」 しかし将来的に膨大な計算量を一瞬で処理できる量子コンピュータが実現すれば、秘密鍵を総当たり的に特定することが可能になってしまうため、この公開鍵暗号方式によるセキュリティが確保できなくなってしまうことが考えられます。ブロックチェーン技術も同様に公開鍵暗号方式を用いた電子署名を採用しているため、量子コンピュータの登場によって秘密鍵が特定され第三者によって不正送金されてしまうといった可能性が懸念されます。   これに対し開発されたのが、量子コンピュータによってもハッキングされることのない、より強固なセキュリティを持ったブロックチェーンです。 量子コンピュータにも破れない、新しいブロックチェーンの仕組みとは? 今回開発された新しいブロックチェーンには、「量子鍵配送(Quantum Key Distribution、QKD)」という、量子暗号技術が用いられています。 量子は、「量子の重ね合わせ」と呼ばれる、古典力学で説明できない不思議な性質を持っています。すなわち、量子は「Aの状態」と「Bの状態」という、表裏一体の状態を同時に体現することができます。しかし、一度誰かがその量子を観測すると、途端に「量子の重ね合わせ」が解消され、AもしくはBの、どちらかの状態へと収束していくという性質を持っています。 また「量子のもつれ」という現象があります。これは、異なる2地点に分散した量子がそれぞれ量子が重ね合わさった状態で存在していても、片方の量子が観測され状態が収束すると、量子間の距離や媒介物などを一切無視して、時間差ゼロで、もう一方の量子の状態も収束する、という性質です。   一見不可解なこの「量子のもつれ」という現象ですが、外部からの侵入者を検知したい場合に効果的に用いることができます。すなわち、誰にも観測されていない、もつれを引き起こしている量子を、通信を行っているAさんとBさん二人のそれぞれの端末に配置します。この状態において、ハッキングなど外部からの侵入者によって量子が観測され、「量子の重ね合わせ」からひとつの状態に収束した瞬間に、通信を遮断することによって情報漏洩を即座に防ぐことが可能です。これが「量子鍵配送」と呼ばれる量子暗号技術です。 この量子鍵配送技術を用いたブロックチェーンは、二層構造を擁しています。第一層では、そのブロックチェーンに参加している二者に対して量子鍵配送を用いてそれぞれの通信の安全性を認証することで、そのブロックチェーンへの参加が承認されます。そして第二層では、「Toeplitz Hash」というコンセンサスアルゴリズムに基づいて、取引記録がブロックチェーン上に記録されていきます。   実用化に向けての今後の展望 量子鍵配送の技術は、既に金融業界の一部でも用いられ始めているとのことで、高度なセキュリティが求められる金融取引の分野での活用が期待されています。この技術がブロックチェーンに応用されるのは世界初のことですが、既存のブロックチェーンとは根本的に仕組みが異なるため、既存のものとは独自に新規のブロックチェーンを構築する必要があります。量子コンピュータが実現した未来では、量子鍵配送技術を用いたブロックチェーンが新たなスタンダードになっているかもしれません。   ※画像はInternational Business […]

海外では政府機関もブロックチェーン導入に意欲的

2017年2月3日 BBC編集部 0

IBMのDavid Zaharchuk氏はブロックチェーン技術の採用により、政府機関が契約管理、法令遵守、市民サービスおよびID管理を容易にすることができ、さらにセキュリティも強固になると述べています。 16か国の政府役員200人を対象に調査を行ったところ、回答者のうちの14%が、2017年にブロックチェーン技術を導入する予定であり、10人の政府リーダーのうち9人が、ブロックチェーン技術の積極的な投資に意欲を見せています。 リンク:http://blog.executivebiz.com/2017/02/ibms-david-zaharchuk-blockchain-tools-could-help-agencies-in-contract-mgmt-regulatory-compliance/