UTRUSTとは?ブロックチェーン取引を加速させるエスクローシステム

2017年10月6日 BBC編集部 0

  ブロックチェーンは総合的ソリューションではない ブロックチェーン技術に期待されている最も重要な機能の1つは、エンドユーザーとビジネスサイドの両方にとって、よりシンプルで安全な支払い方法を提供することです。取引コストの低下、決済速度と匿名性の向上など数々の利点がもたらされることがブロックチェーンには期待されています。しかしその一方で、実際のビジネスをのぞくと、ブロックチェーンはより実務的な場面におけるサポートまでカバーしきれていない、というのが現状です。 買い手側が本当に望んでいるのは、売り手との取引で何らかの問題が発生した場合に、払い戻しや返金の保証などの強力な顧客保護のバックアップを得られることです。売り手側も同様に、ボラティリティに振り回されるなど暗号通貨を受け入れて起こる問題を恐れています。 UTRUSTとは? UTRUSTは、画期的な顧客保護メカニズムを備えた、バイヤーとセラー両方にメリットのある次世代の支払いモデルの開発を目標としています。バイヤーは強力な顧客保護モデルを使って商品やサービスを購入するために、あらゆる主要な暗号通貨を使用することができます。UTRUSTは、Paypalに似た紛争処理システムを備えており、これによって詐欺や不正リスクをほぼゼロに抑えます。UTRUSTは、支払い時期から納期までバイヤーを保護することを保証します。 またセラー側もUTRUSTプラットフォームを利用することで、、暗号通貨のボラティリティによる経営リスクや、取引関連トラブルのリスクを回避することができます。UTRUSTはセラーが同時に複数の暗号通貨を受け入れることを可能にし、価格の変動から売り手を保護しつつ、取引の即時決済を行います。また紛争処理システムによって、売り手はハッキングされたクレジットカードの支払いや、不正なチャージバックを仕掛けるような詐欺を排除することができます。 UTRUSTのしくみ セラーは特定の価格で市場で商品やサービスを提供します。 バイヤーはオファーをチェックし、購入の意思決定をします。 バイヤーは、変換コストの低い主要な暗号通貨の1つで支払うか、または変換費用の掛からないUTRUSTトークンを使用して支払いするか選択することができます。 UTRUSTはエスクローファンドを保有しており、セラーを暗号通貨のボラティリティのリスクから保護するために、、暗号通貨が即座に変換されます。(保持期間は加盟店のパフォーマンス履歴によって異なります) バイヤーは商品やサービスを受け取り、セラーは法定通貨で資金を入手します。 例えば、何らかの理由でバイヤーが品物を受け取らないなど、取引中に想定外の問題が発生した場合、セラーはUTRUSTに対して問題の申し立てをすることができます。バイヤーとセラー同士が自力で問題を解決できない場合、UTRUSTは審判員または仲介者として機能し、バイヤーとセラーからの証拠を収集し、バイヤーに払い戻したり、セラーに資金を出すなど問題の解決を図ります。 Crypto Valleyがブロックチェーンビジネスを育む UTRUSTはCrypto Valleyに加わることを発表しています。ホワイトペーパーによると、2017年9月から始まる、7ラウンドのICOを長期的に見据えているそうです。現在進行中のICOラウンドで$ 1.5mを調達することを目指しているようです。 Crypto ValleyはスイスのZugに拠点を置く有名なブロックチェーンと暗号化技術のコンソーシアムです。かの有名なイーサリアムプロジェクトも、Crypto Valleyに拠点を置いている企業です。この協会は、ビジネスフレンドリーな規制枠組み、ハイスキルな人材のプール、洗練されたインフラストラクチャーのおかげで、若いブロックチェーン企業の育成場として機能しています。スイス政府の支援もあり、新たなイノベーションの拠点としても注目されています。Crypto Valleyのもたらす創発効果と、UTRUSTの今後の動向にも注目です。

インドの保険業界13社が分散型台帳導入に向けて企業連合を形成

2017年9月1日 BBC編集部 0

  2017年8月、インドに拠点をおく13の保険会社が企業連合を組み、連合内で分散型台帳を用い、顧客管理の効率化を進めることを発表しました。分散型台帳上で顧客情報を共有することで、ユーザー側が新規契約を結ぶ際に重複する個人情報登録手続きなどを省略することが可能になるため、利便性の向上が見込まれているようです。 ユーザーにとって、乗り換えコストが最小限に 発表に際し、HDFC Life Insurance社の副代表を務めるAkshay Dhanak氏は「これまでのように各社がそれぞれのシステム上でデータの保管やテストを行う場合に比べて、ブロックチェーン上で同一の情報を会社を跨いで1か所にまとめることができれば、はるかに少ないコストでシステムを維持できる」と述べました。 今まではユーザーが保険商品を契約するたびに、KYC(know your customer)と呼ばれる本人確認作業が必須でした。また、保険商品によっては医療機関による診断書、給与明細書など、数種類の書類を用意する必要がありました。しかし、これらの作業はユーザーにとって負担が大きいだけでなく、重要な個人情報の移動に伴う書類の紛失など、重大なリスクも懸念されます。また、契約を他社に乗り換える場合は同様の手続きをもう一度行う必要があったため、ユーザーにとって保険契約の乗り換えのために多大なコストが発生していました。しかし企業連合内で分散型台帳を用いれば、これらの書類を一度提出するだけで、ユーザーは連合内の保険商品であれば気軽に購入できるようになります。 Fintechとブロックチェーンの今後 PwCのGlobal Fintech Report 2017によると、2020年までに決済、送金、デジタルID認証といった用途に用いるため、fintech(フィンテック)に携わる事業者のうちおよそ77%が何らかの形でブロックチェーンを活用することになるだろう、と予想しています。 IndiaFirst Life InsuranceのMohit Rochlani氏は、顧客情報の共有実現のために、連合内で足並みを揃えて、今後協調的にブロックチェーンの導入されていく展望ついて述べました。顧客情報の共有に関して、まだ法的な課題を乗り越える必要があるとしつつも、その先の未来にて実現する大幅なコスト削減と効率向上に期待感を示しました。 今回の13社が共同して分散型台帳を導入する計画は、国際的に活動するコンサルティングファームであるEY社が中心となって複数の外部テクノロジーパートナーと共に進めているようです。EY社のSachin Seth氏は、EY社がHyper Ledger、MultiChain、Cordaといった複数のプラットフォームとのパートナーシップを持っていることを述べた上で、保険業界のビジネス運用において、処理可能なトランザクション量や相互運用性などの点で最適な特徴をもつプラットフォームを模索していくことを示唆しています。 保険詐欺の検知にも使えるブロックチェーン 今回の発表で、13社による企業連合は「顧客データベースの共有による透明性向上と手続きコストの大幅な削減は、企業にとって、また顧客にとってもメリットのある仕組みである」と述べています。IDBI Federal […]

マイクロソフト、uPortなどが提携し分散型ID実用化へ向け前進

2017年5月29日 BBC編集部 0

  5月22日に行われたConsensus2017において、マイクロソフト、uPort、Gem、Evernym、Blockstack、Tierionは共同で分散型IDファウンデーション(Decentralized Identity Foudation、DIF)の設立を発表しました。DIFは、個人や法人が身元を確認するために必要な本人確認書類(ID)をブロックチェーン上に分散的に保持する上での標準化を図るべく、複数企業によって構成されています。今回の記事では分散型IDとは何か、またそれによって得られるメリットについて説明していきます。   分散型IDを用いた本人確認プロセスを実現へ 個人が本人確認を行うためには、従来は中央管理機関によって取得された個人情報をもとに発行された証明書を提示して証明する必要がありました。このプロセスでは、信頼のおける第三者(中央管理機関)がその本人確認情報の信頼性を担保していたと言えます。しかしその反面、各個人は自分自身の情報に自由にアクセスすることができなかったり、あるいは行政や警察機関によって無断でアクセスされる可能性があるなど、情報を完全に自分で管理しているとは言えませんでした。 この本人情報をブロックチェーン上で管理するのが分散型IDです。たとえば、DIFの参加企業の一つである「uPort(ユーポート)」は、以前よりイーサリアムを活用した分散型ID管理システムの構築を行っていました。これらのシステムでは集中型サーバーではなくブロックチェーン上に本人確認情報を記録しているため、サーバーがダウンすることはなく、本人確認情報へのハッキングや改ざんを防ぐことが可能です。 uPortについてはこちらの記事でも触れていますので、ぜひご覧ください。 →「イーサリアム・ビギナーズガイド-ビットコインとの違いとその活用可能性」   分散型IDファウンデーション(DIF)の狙いとは? DIFの取り組みでは、分散型IDを標準化することで複数業界に渡って本人確認として利用できるIDを構築することを目的としています。マイクロソフトの分散型ID担当者であるダニエル・ブフナー氏によれば、DIFでは人や組織、デバイスのすべてにIDを組み込むことを目指しているようです。ブロックチェーン上の分散型IDを企業間で共有することで、商業的なメリットだけでなく、人々にとっても非常に利便性が高まると述べています。 さらに、生体認証を用いる新たな分散型IDも現在開発中です。これは、身分証明の手段を持っていない難民や発展途上国の人々が本人確認を行うことを目的としています。彼らが身分証明を行うことができれば、より容易に公共サービスおよび金融サービスにアクセスすることができるようになるでしょう。 このように、分散型IDを用いることで人々の生活の利便性がさらに高まる可能性は十分にあると言えます。大手マイクロソフトが参画したことで、その実現に向けた取り組みの前進が期待されます。   ※画像は@iotatokenのツイート(https://twitter.com/iotatoken/status/866727260035985410)より

JPモルガンがZcash(ジーキャッシュ)のセキュリティ技術を採用

2017年5月26日 BBC編集部 0

2017年5月21日から24日にかけてZcash(ジーキャッシュ)の価格が高騰し大きな話題となりました。2016年10月28日にローンチされてから徐々に価格が落ち最近では100$を彷徨っていたZcashですが、5月21日夜から価格が急上昇し遂に約300ドル近くまで到達しました。ローンチ時の価格高騰と大幅下落以来あまり目立った動きのなかったZcashですが、この価格の上昇には、JPモルガンがZcashで用いられているセキュリティ技術を採用したことが要因として考えられます。詳しく見ていきましょう。   Zcash独自の暗号化技術「ゼロナレッジセキュリティ」を採用 暗号通貨Zcashの開発企業であるZcash Electric Coin Company(ZECC)は、世界最大の銀行JPモルガンと自身の持つエンタープライズ向けセキュリティ「Quorum」にZcashのゼロナレッジセキュリティーレイヤーを導入するためにパートナーシップを結んだと、2017年5月22日に行われたConsensus2017で発表しました。 JPモルガンが開発した「Quorum」はスマートコントラクト機能を持つイーサリアムベースのエンタープライズ向けのブロックチェーンです。ここにZcashの「ゼロナレッジセキュリティ」と呼ばれる暗号化技術を導入し、Quorumのセキュリティを強化するとのことです。 ZECC代表でZcashの開発者であるZooko Wilicox氏は「Quorumを通じ世界最大規模の金融機関であるJPモルガンはブロックチェーンの活用可能性をリードしており、我々Zcashはブロックチェーン上の資産を暗号化しセキュリティを高める技術において提携することで新たな可能性を実現できるだろう。」と述べています。 Zcashについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ジーキャッシュとは?-第二のビットコインとも言われる匿名性暗号通貨」   Zcashとイーサリアムの関係性 Zcashがローンチされる前から、Zokko Wilcox氏はイーサリアム(Ethereum)との繋がりの可能性を述べていたものの、当時は具体的な計画はありませんでした。しかし今回、JPモルガンの「Quorum」に技術提供を行ったことで、イーサリアムとの連携が実現したことになります。今後、様々なビジネス分野での活用を目指すZcashにとって、イーサリアムベースのJPモルガンのQuorumとの提携は、Zcashに大きな発展をもたらすことになるのではないでしょうか。今後の動きにも注目です。   (画像はETH News “J.P. Morgan’s Quorum To Integrate Zcash”より)

BBCミートアップ第4回イベントレポート

2017年5月25日 BBC編集部 0

  今回は、5月24日に行われましたブロックチェーンビジネス研究会(BBC)ミートアップ第4回「ブロックチェーンの活用について既存業界の課題から読み解く〜ブロックチェーンx IoT、不動産、著作権〜」の様子をご紹介致します。早いものでキックオフイベントも含めると5回目の開催でしたが、今回も60名を超える方々にお越しいただきました。   今回のイベントではブロックチェーンの既存業界への活用について、IoT、不動産、著作権の分野について具体的なお話を頂きました。   まずは著作権とブロックチェーンという観点から、アルタアップス株式会社の森川夢佑斗様からお話を頂きました。ブロックチェーンに関する基本的な知識を前提に、今の著作権管理の在り方をブロックチェーンで効率化するメリットについて、詳しくご解説いただきました。 続きまして、ブレークスルーパートナーズ株式会社の赤羽雄二様からお話を頂きました。IoT(Internet of Things)にブロックチェーンを組み合わせるメリットについて、個別の事例を中心にご解説いただきました。昨今話題になっているトヨタの自動運転車開発にブロックチェーンを活用する話題にも触れていただき、参加者の方も大変刺激を受けたのではないかと思います。 最後に、ニッセイ基礎研究所の佐久間誠様からお話を頂きました。普段馴染みのない不動産業界の業態について一から詳しくご説明をいただいたうえで、その構造の中でどのようにしてブロックチェーンを活用できるのかについてとても具体的かつ丁寧に解説していただきました。さらには既存の不動産仲介業者が将来的にはどのような役割を担っていくのかについても述べていただき、大変興味深い内容でした。 講演終了後、毎回恒例となりました懇親会の場を今回も1時間ほど設けました。登壇者の方々にもご参加いただき、講演中に聞けなかった質問等にもお答えいただいたほか、参加者の方同士での情報交換も盛んに行われておりました。   今回残念ながらご参加が叶わなかった方も、ぜひ次回の6月26日(月)のミートアップにはご参加ください! 第5回のテーマは、「ブロックチェーンの活用について既存業界の課題から読み解く〜ブロックチェーンx AI、エネルギー、リーガル〜」となっております。  参加申し込みはこちらから→http://peatix.com/event/268937/   それでは皆さん、6月のミートアップでまたお会いしましょう。

カラードコインとは?

2017年4月17日 BBC編集部 0

   分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からカラードコイン(Colored Coin)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 カラードコインとは?-様々な資産をブロックチェーン上で取引可能に  ビットコインが2008年に登場してから、ブロックチェーンを電子通貨であるビットコイン以外に応用する「ビットコイン2.0」や「ブロックチェーン2.0」と呼ばれる領域が活発化してきました。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上の取引データに、付加情報を記録することで、機能の拡張を目指し開発されました。具体的にはカラードコインを用いることでデジタルから現物まであらゆるアセット(資産)を取引することができます。詳しく見ていきましょう。   カラードコインの特徴:「レイヤー」を用い様々な資産取引が可能に  本来ビットコインそのものは暗号通貨の移転としての機能がメインであり、それ以外の用途について拡張性に欠ける部分がありました。しかし、ビットコインブロックチェーン上にビットコインの取引記録に加え新たに付加情報を記録することで機能を拡張する「レイヤー(層)」という概念が登場しました。カラードコインでは、この「レイヤー」を活用し、ビットコインブロックチェーンを用いながらにしてビットコイン以外の取引データ記録を実現したのです。  他の資産と結びつけられたブロックチェーン上のデータは「スマートプロパティ」と呼ばれており、株式などの金融資産や、モノの所有権などを記録することができます。ほかにも独自通貨(トークン)が発行できる機能を実装しているプロジェクトも存在します。実際にアメリカ証券取引所のNASDAQの非上場株式取引や、アメリカ小売大手のOverstockが公開した自社株取引プラットフォーム「TØ」などで、すでに採用が進められており、ビットコインだけでない様々な価値記録を実現したカラードコインの活用可能性は実に幅広いものとなりました。   カラードコイン発行の仕組み-価値を保証するのは誰か?  カラードコインの発行の仕組みは、オープンアセット・プロトコル(Open Assets Protocol)というシステムが代表的です。これによってユーザーは独自通貨(トークン)を発行することができます。たとえば太郎君が「太郎トークン」という名前のトークンを100枚発行することができるのです。   カラードコインの普及と今後の可能性-ビットコインブロックチェーン  カラードコインは、ビットコインブロックチェーンを拡張する形で取引されているため、その拡張性にはビットコイン自体の制約を受けるため限界があります。、その一方で、ビットコインブロックチェーンを用いているメリットもあります。  ビットコインブロックチェーンではマイナーの数が非常に多く、そのため外部からの攻撃に対する耐久性が強く改ざんが困難です。カラードコインは、ビットコインブロックチェーン上に記録されていることで、セキュリティ面での恩恵を受けています。またカラードコインはビットコインの秘密鍵・公開鍵を用いて取引できるため、利便性の面でも大きなメリットがあります。ビットコインブロックチェーンというひとつのプラットフォーム上で、通貨のみならず様々な資産の取引が可能となります。  ビットコインが発展するに従い、カラードコインもより注目を浴びていくかもしれません。今後の発展にも注目していきたいところです。

ブロックチェーンで分散型Uberは実現するか?

2017年4月11日 大串 康彦 0

ブロックチェーンを使ったSUberとは ブロックチェーンは金融分野以外にも広く応用が提案されていますが、多くが概念実証段階であり、ブロックチェーンの真価が発揮されるのを見るまでにはまだ時間がかかりそうです。「シェアリングエコノミー」も本人確認、信頼性の担保、取引の正真性の確保など信用に依存する部分があり、ブロックチェーンが貢献することが期待されています。未来の可能性としては、例えば次のようなシナリオが考えられます。 車を所有するのは過去のこととなり、ほとんどの人はライドシェアを利用している。たとえばシカゴでメリッサという女性がSUber(ブロックチェーンを使った「スーパー・ウーバー」)で車をリクエストしたとしよう。近くにいる自動運転車が条件をオファーし、メリッサのノードはあらかじめ登録した条件にもとづいて望ましいオファーをメリッサに見せる。メリッサは到着時間などの情報を考慮しながら、希望する条件を選ぶことができる。 自動運転車はスマートコントラクトで自動的に動き、自分の判断でメリッサにサービスを提供する。もっとも効率的なルートを探し、責任持って目的地まで送り届ける。無事に目的地に着いたら、スマートコントラクトで自動的に精算が完了する。自動運転車は手に入れたお金の一部を使って、必要であれば自分を清掃したりメンテナンスしたりする。 ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット 「ブロックチェーンレボリューション」P184から引用 以上は中央集権型で巨大な手数料ビジネスとなっているUberに代わりブロックチェーンを使った分散型のSUberというサービスが普及したというシナリオの一部です。本記事では、このようなシナリオに向かって動き出したスタートアップの事例La’zoozとArcade Cityを紹介します。 La’zooz   La’zoozはイスラエルで2013年に設立した「コミュニティが所有する分散型交通プラットフォーム」です。zoozというトークンを発行し、最終的には分散型の経済圏の生成を目標としているようですが、最初のサービスとしてリアルタイムライドシェアリングの提供を目指しているようです。(リアルタイムライドシェアリングというのは事前に相乗りを予約するのではなく、「今すぐ乗る」ことを前提に運転手と利用者をマッチングさせるサービスです。Uberもリアルタイムライドシェアリングのサービスです。) La’zoozはすでに走っている車の空席を埋め、稼働する車の台数を減らすことで車や道路への投資を減らし、交通問題を緩和するという大きな目標を掲げています。ドライバーとして稼ぐことを推奨・宣伝しているUberとの大きな違いの一つです。 Zoozトークンはトークンセールで購入する、開発に参加する、スマートフォンのGPSによる移動情報を提供する(「proof of movement」)ことのいずれかにより入手可能です。サービスの支払いにはzoozを使います。「collaboration(協力)」がキーワードになっており、運転手・プログラマー・デザイナーがその貢献度に応じてzoozトークンが支払われる仕組みになっているようです。このへんはUberより民主的に見えます。 ユーザーインターフェイスはAndroidのアプリを使っています。ブロックチェーンをどう使っているかは情報がありませんが、乗車記録、評判、支払い記録などをブロックチェーンに記録し、到着確認や評判の投稿などある条件でスマートコントラクトによる自動的に支払いが行われ、zoozが分配されることが考えられます。 肝心のサービスですが、La’zoozのウェブサイト中のCommunity Members Mapによると2017年4月現在、サービスが提供されている形跡がありません。リアルタイムライドシェアリングは普及戦略が重要で、ある地域内に一定の運転手と利用者の密度(「クリティカル・マス」といいます)が確保できないとマッチングが成立せず、サービスの提供ができません。まだクリティカル・マスに達した地域がない模様です。 La’zoozの場合、ある地域でクリティカル・マスに達するまでは「ゲームモード」になり、登録者(サービス利用希望者)がサービス利用希望者を増やすごとにzoozトークンが付与されるというインセンティブがあります。そしてクリティカル・マスに到達した後、サービスが開始される設計になっています。 残念ながらサービスが提供された形跡を確認できないため、La’zoozはまだ概念段階と評価せざるを得ません。   Arcade City Arcade Cityは搾取的な待遇に不満を持った元Uberの運転手が開始したライドシェアリングのプラットフォームで、分散型のUberのようなサービスを目指しています。ユーザーインターフェイスとしてiOSとAndroidのアプリが2017年3月にリリースされました。筆者が試したところダウンロードおよび登録は可能でしたが、おそらく東京でサービスが提供されていないこともありサービスを使うことはできませんでした。 […]

ブロックチェーンで電気の少額決済(マイクロペイメント)は普及するか?

2017年4月4日 大串 康彦 0

※ブロックチェーン+エネルギーに関する大串の最新の意見(2017年10月以降)については、Mediumを参照願います。 ブロックチェーンの特徴の一つとして「取引コストが低い」というものがあります。これは、ブロックチェーンにより仲介者なしの直接取引が可能になり、従来手数料を徴収していた仲介者が不要になることに起因するところが大きいです。取引コストが安くなれば少額の送金や現金以外での通貨の支払いにもメリットが出るし、デジタルコンテンツをはじめとする少額決済(マイクロペイメント)も意味があるものになるでしょう。 それでは、電気はどうでしょうか。本記事では電気の少額決済とは果たして意味があるのか、そしてブロックチェーンにより電気の少額決済は普及する可能性があるのかを考察してみることにします。 取引コストが低くなると少額決済のインセンティブが生まれる まず、取引コストが低くなることのメリットやインパクトについて考えてみます。最初のケースとして金融機関の送金手数料を考えます。仮定として、金融機関が徴収する送金手数料は取引コストを反映しているとします。 仮にある金融機関の3万円以下の送金手数料が300円だったとします。3万円送金するときの手数料は300円となり、現状の商習慣からは妥当でしょう。しかし500円送金して300円の手数料を徴収されたのでは、手数料は送金額の60%となり、とても高い印象を与えるかもしれません。結果、利用者は送金を諦めてもっと安い別の方法を探すかもしれません。 仮に、金融機関の取引コストが下がり、送金手数料が送金額の1%になったとします。今度は500円送金するときの手数料は5円です。この額では利用者は喜んで送金を行う可能性が高いでしょう。つまり、取引コストの低下により今まで行われなかった少額の送金が行われるようになります。 同様な原理はクレジットカードの手数料などにも当てはまります。客単価があまり高くない飲食店などで「クレジットカードでの支払いは○○円以上のみ対応します」のようなルールを見ますが、これは店側が払う少額決済のときのクレジットカードの手数料が割高となり、利益を損ねるためと推測します。取引コストの低下により、この問題は解決され、店は少額でもクレジットカードの支払いに対応できるようになるでしょう。 「1記事50円」でも商売が成立 次に、送金ではなくデジタルコンテンツの販売を考えてみます。取引コストが低くなると、今まではまとまった単位でしか売っていなかった記事、音楽、写真などを少額で切り売りして販売することが可能になります。上記の例と同様、少額決済が経済的に意味のあるものとなり、ニーズがあれば販売が推進されると予測します。 この場合は、売り手と買い手の両者にメリットが生じます。買い手は、今まで特定のコンテンツにアクセスするためには、コンテンツのまとまり(音楽のアルバムや書籍一冊)や毎月定額の購読料(サブスクリプション)を購入するしかありませんでした。 しかし、この買い手はコンテンツの一部分にしか興味がなく、それを入手するためにコンテンツのまとまりや購読を購入することは高額で割に合わないと考えていました。欲しかったコンテンツのみを少額で購入できるのですから嬉しいはずです。 売り手は、今までコンテンツの塊やサブスクリプションの販売方法では獲得できなかった顧客をコンテンツの切り売りをすることで獲得することができ、売上を増やすことができます。 まとめますと、上記のケースに共通するインパクトとしては、取引コストが安くなることにより、今まで経済的に意味を見いだすのが難しかった少額決済が経済的に意味のあるものとなり、推進されるということです。次に電気の場合について考えてみます。 電気の少額決済はローミングとともに使われる 通常、電気は使用場所を決め電力会社と契約し、基本料金に加え使った分だけの従量料金を毎月支払います。契約場所の家や会社で使用する分には通常少額決済という概念は当てはまりません。従って、契約場所以外で少量の電気を使うときを考えましょう。この場合は認証を伴い、携帯電話のローミングと似たようなイメージになります。 例えば、電気自動車のオーナーが自宅以外で充電する場合、カフェでノートPCを使用する場合などでしょう。法人であれば、上記個人の例に加え、自動販売機等の機材を借りた土地に設置する場合などがあるかもしれません。今回は個人の例で考えてみます。 自宅以外で電気自動車を充電する場合、現状では以下の選択肢があります。 1.商用の充電スタンドで毎分あたり○円(その他月会費や登録手数料が必要)で充電サービスを利用する 2.ショッピングセンターなどがサービスの一環として駐車場に設置している充電スタンドで無料で充電する 3.自動車メーカーが電気自動車オーナーに対し毎月定額または無料で充電できるシステムに加入し、スタンドから充電する 4.訪問先から電源を借りて充電する。何もしなければ電気代は訪問先負担となる。 このうち、1.2.3.は商用サービスとして成立しており、新たな少額決済のメリットはないかもしれません。最もメリットが生じるのは4.の場合でしょう。電気自動車の充電のために一回コンセントを貸したら電気代が跳ね上がることはありませんが、「電気のローミング」が可能になることにより、安心してコンセントを貸せるコンセントのオーナーが増え、電気自動車オーナーの利便性が増すことが期待できます。 参考まで、2時間充電したときの電気料金を概算してみます。日産自動車によると30kWhバッテリー内蔵の電気自動車リーフの充電時間は200V電源使用で約11時間(充電レベル0→80%)かかるそうです。仮に電気料金を25円/kWhとすると2時間の充電にかかるコストは、25円/kWh x […]

人材採用時にブロックチェーン技術の導入を検討

2017年2月22日 戸倉 瑤子 0

ブロックチェーン技術の特徴である、改ざんが困難な特徴を利用し、履歴書にブロックチェーンを導入する新たなプロジェクトが始まっています。 ブロックチェーン上の履歴書にはアクセスに制限をかけ特定の人しか閲覧することができないようにすると述べています。 卒業した学校や、今までの職歴は個人で変えられない事実であり、そこに目をつけた新たなプロジェクトといえるでしょう。 http://searchfinancialapplications.techtarget.com/feature/Why-blockchain-for-recruitment-might-be-a-future-HR-trend

企業向けイーサリアム「Enterprise Ethereum」が始動

2017年2月14日 BBC編集部 0

企業向けイーサリアムプロトコル利用にフォーカスしたプロジェクト「Enterprise Ethereum」が始動しました。 設立メンバーにはJPモルガン、Microsoftなど主要な金融機関、テクノロジー企業、天然資源企業のほか、ブロックチェーンスタートアップのBlockAppsなどが参画しています。 このプロジェクトではイーサリアムのメインのパブリックネットワークとは別に、企業利益追求という観点から新たなイーサリアムプラットフォームを構築することを目指しています。 最終的に「Enterprise Ethereum」は、ガバナンスや技術開発、産業協同にフォーカスしたワーキンググループを一体化させるメンバーシップモデルを基礎とすることを構想しているということです。 http://www.coindesk.com/jp-morgan-santander-said-join-enterprise-ethereum-blockchain-group/ Also refer to https://kingpassive.com/what-is-ethereum/