ブロックチェーン関連企業のETF銘柄取り扱いを米国2社が申請

2017年11月9日 BBC編集部 0

ブロックチェーン企業銘柄のETF 2017年11月上旬、ETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)の取り扱いを専門とする2社がブロックチェーン関連ETF銘柄として、アメリカのSEC(Securities and Exchange Commission, 証券取引委員会)に申請を出していたことがわかりました。Reality Shares ETFs社の子会社であるReality Shares Advisors社は、ブロックチェーン企業への投資環境を整備するため、NASDAQと協働していくようです。時を同じくして、同じ目的で、Amplify Trust ETF社もSECに対して独自ETF銘柄の申請を行ったようです。 2社とも「ブロックチェーン企業への投資環境を整える」という文脈では同じでした。しかし事業計画書によると、それぞれが投資先として想定している会社は、まったく異なるものを描いており、ETF銘柄が真正面から競合する可能性は低いとのことです。   Reality Shares社は、申請時のコメントで 「今後多くの市場や産業がブロックチェーン技術の恩恵に預かるであろう、ということが予想されていますが、ブロックチェーン技術のもつ可能性にはまだまだ探求され尽くされていない領域がたくさん残っています。そのため、インデックス(同社の策定する指標)には、(ブロックチェーン技術が)活用されている会社と、そうでない会社の持分証券が含まれる可能性があります。」 “Blockchain technology may be used to […]

ブロックチェーンで変わる?結婚のアレコレ

2017年11月6日 BBC編集部 0

  スマートコントラクトの登場によって、ブロックチェーンはより日常的な場面でも簡単に利用することができるようになりました。スマートコントラクトに署名をすると、契約内容はブロックチェーン上に半永久的に、ハッキングされない安全な形で格納されます。このブロックチェーンとスマートコントラクトの性質を生かしたビジネスが、「結婚」に関する領域で新たに誕生しています。 婚姻届けをブロックチェーン上に? 2014年10月5日、人類史上初めて、婚姻記録がパブリックブロックチェーン上に記録されました。David MondrusさんとJoyce Bayotookさんの結婚式は、フロリダ州オーランドのディズニーワールド内で開催された、プライベート・ビットコインカンファレンスで執り行われました。ふたりはQRコードをスキャンして承認ボタンを押すことでスマートコントラクトを締結し、婚姻関係を結びました。婚姻情報は、ビットコインブロックチェーン上にただちに記録されました。ふたりは婚姻に際し、 「命は有限であり、死がふたりを分かつことがあるかもしれない。しかし、ブロックチェーンは永遠である。」 とコメントを寄せています。 他にブロックチェーンに記録された結婚記録の例としては、ビットコイン活動家であるOles Slobodenyukさんと、Irina Dkhnovskayaさんの夫妻が挙げられます。2016年7月17日に結婚したふたりは、披露宴にてWeddingbook.ioというブロックチェーンプラットフォーム上で結婚証明書を発行しました。Weddingbook.ioは、Cryptograffitiというウェブサービスを用いて婚姻情報を登録しています。Cryptograffitiは、オンラインインタフェースを用いることで、ビットコインブロックチェーン上に秘密のメッセージを記録することができるサービスです。結婚証明書だけに留まらず、結婚の証人一覧や結婚の誓いをブロックチェーン上に半永久的に保管することができます。 イーサリアムブロックチェーンで結婚 すべての結婚がめでたく「成功」に終わるとは限りませんが、開発者たちは、年々ブロックチェーン上に婚姻情報を保管したい、という要望が増加している手ごたえを感じているそうです。いくつかのブロックチェーン結婚プラットフォームでは、ふたりの婚姻情報だけではなく、家族情報の登録も行っている、とのことです。IT開発者のGaurang TorvekarさんとSayalee Kaluskarさんは、2016年のイーサリアムブロックチェーン上で初めて婚姻を結びました。夫妻は、婚姻契約書のテンプレートをクラウドファイル管理システムからダウンロードし、Ethereum(イーサリアム)ベースのAttoresプラットフォーム上で電子署名をし、結婚しました。 Prenup With Loveというイーサリアムブロックチェーンベースのサービスは、同棲前の婚前契約情報を保管することができます。婚前契約の内容は多岐に渡り、例えば買い出しの頻度、家事の分配、最低限デートに割く時間、ふたりで見るドラマ番組などがあります。婚前契約は、ふたりがそれぞれのIPアドレスから、暗号化されたメッセージを送信することで締結され、スマートコントラクトに反映されます。これらのコードは公開されているため、新婚のカップルが気軽に利用することができます。しかし現時点では、これらの婚前契約に法的拘束力はないと考えられています。夫妻は、ふたりの決断について、下記のように述べています。 「ブロックチェーンのもつ無限の可能性を、私たちは家族問題の解決につかうことにしました。婚姻をブロックチェーン上で結ぶことは、賢い選択だと思っています。」 離婚をブロックチェーンにどう組み込むか そしてさらに、2017年10月、ロシアで初となるブロックチェーンサービスを利用した結婚が行われたそうです。Vasily LifanovskyさんとAlla Tkachenkoさん夫妻は、夫婦の暗号貯蓄資産をひとつの家族資産に統合しました。この手続きは、結婚状態を含めた様々なライフステージに応じた暗号資産管理を提供する、MyWishというサービスプラットフォーム上で行われたそうです。 MyWishは、思想や実装の面で、先ほどのPrenup With […]

Sonyがブロックチェーンベースの多段階認証システムの特許を出願

2017年11月1日 BBC編集部 0

2017年10月26日、Sony(ソニー)が、USPTO(United States Patent and Trademark Office 、米国特許商標庁)に、ブロックチェーンを用いたMFA(Multi Factor Authentication、多段階認証)システムの特許を出願したようです。電気機械メーカーはこの特許を用いることで、相互に結びついた2つのブロックチェーンプラットフォームを用いた、安全性の高い多段階認証ログインシステムを利用できるようです。 2つのブロックチェーンプラットフォームを用いる 米国特許商標庁から公開された資料によると、ソニーは2つのブロックチェーンプラットフォームを行き来することで、ユーザー認証を行うシステムを出願したようです。ここでは、ブロックチェーンプラットフォームAとBの2つがあると仮定して、説明します。ブロックチェーンプラットフォームAでは、ユーザーは通常どおり、ユーザーネームとパスワードを入力します。ユーザーがログインに成功すると、プラットフォームA上で「ログイン認証コード」が発行されます。 もう一方のブロックチェーンプラットフォームBは、プラットフォームAで発行された「ログイン認証コード」を受け取り、それを承認する役目を果たします。プラットフォームAのログイン認証コードを、プラットフォームBが承認したと同時に、プラットフォームB上でトランザクションの生成が行われます。ここで生成されるトランザクションに含まれる情報として、データの移動、コントラクトの生成、資産の移動などが挙げられるそうです。 MFAシステムの仕組み MFA(Multi Factor Authentication、多段階認証)システムとは、単一ではなく、複数の方法を用いてユーザー認証を行うシステムのことです。MFAシステムは、ユーザーがウェブサイトやプログラムにログインするために、2つ以上の資格証明情報(例:ログインIDとパスワードの組み合わせなど)を入力することで成立します。MFAシステムは、たとえハッカーをはじめとする侵入者がユーザーの「ユーザー名とパスワード」を盗むことに成功したとしても、ログインのたびにコードが変化する仕組みがあれば部外者がトークンにアクセスすることはできず、ユーザー資産の安全が保たれる、という考えに基づいて開発されています。 ソニーのブロックチェーンプロジェクトのこれまで 今回発表されたプロジェクトは、ソニーが開発している数あるブロックチェーンプロダクトのうちの一つです。以前にも発表があった通り、ソニーはIBMとパートナーシップを組み、教育現場に特化したブロックチェーンプラットフォームの開発を進めています。(2018年中のローンチ予定がアナウンスされています。)それだけに留まらず、ソニーはブロックチェーンの多分野への応用方法について、検討を進めているそうです。その項目として、サプライチェーン、ロジスティクス、データマネジメントなど、知的財産の管理が重要視される分野が挙げられています。 Sonyが教育現場におけるブロックチェーンベースの情報管理システムの開発へ http://businessblockchain.org/sony_education_platform_with_blockchain 引き続き、ソニーのブロックチェーンプロジェクトの動向に注目です。  

ルフトハンザ航空がスイスのブロックチェーン企業と提携、ICOへ

2017年10月31日 BBC編集部 0

  2017年10月10日、ドイツの拠点を置く大手航空会社ルフトハンザ航空が、スイスの旅行プラットフォームアプリを提供するブロックチェーン企業と提携することを発表しました。イーサリアムの技術を旅行業界に導入し、分散化を推し進めていくようです。 分散型航空券市場を提供するWinding Tree社 ルフトハンザグループは、スイスのブロックチェーンスタートアップであるWinding Tree社とパートナーシップを結ぶことを発表しました。Winding Tree社は、B2Bの分散型パブリックブロックチェーン上で、航空券の販売市場サービスを提供していることで知られています。今回の発表によると、今後ルフトハンザ航空のAPIを、Winding Tree社のパブリック・イーサリアムブロックチェーンと統合していくそうです。 Winding Tree社の航空券市場を用いることで、ユーザーはExpediaやBooking.comのような、OTA(オンライントラベルエージェンシー)と呼ばれる中間業者を経由せずに、より安く効率的に航空券を購入することができるようになります。一方、航空会社側(ルフトハンザ航空)にとっても、中間業者を迂回して直接顧客に航空券が販売できるだけでなく、各取引にかかる手数料も大幅に低下するため、メリットがある仕組みとなっています。 ルフトハンザの目線の先 ルフトハンザ航空は、「この先、ホテルや航空会社、その他旅行産業に携わっているプレイヤーは、Winding Tree社のプラットフォームの上でサービスを展開することになるでしょう。そして、ユーザーに対してコンテンツ(旅行商品)を提供することに特化したプレイヤーは、今後、ブロックチェーン上のB2Bの分散型取引市場にて流通しているなかから、ユーザーの希望に沿ったコンテンツを探し出すことになるでしょう。」と述べており、今後OTAが旅行商品を調達する先として、分散型市場が台頭してくる可能性について示唆しています。今後は実際の導入テスト開始に向けて、ルフトハンザ航空の提示する要件に合わせて、Winding Tree社がサービスを開発していくとのことです。 ブロックチェーンによって塗り替えられる旅行業界 Winding Tree社は、2017年11月1日から11月8日まで、同社の発行するLIF(リフ)トークンのICOを行うことを発表しており、ICO期間中に調達した資金はプラットフォームの開発費用として利用されるそうです。ルフトハンザ航空が投資している額については公表されていませんが、他の航空会社からも高い注目を集めているようです。 今回のルフトハンザ航空の発表は、ドイツ発の世界最大手旅行会社、TUI(Touristik Union International)を後追いした形になります。TUI社は2017年8月に、「Bed Swap」という独自のプライベートブロックチェーン計画を発表しています。TUI社の「Bed Swap」構想では、ブロックチェーン上でTUI社の抱えているホテルの空き部屋在庫情報を、スマートコントラクトを用いて管理する社内運用システムの実現を目指しているようです。 2000年代に入り、オンライン化の波が押し寄せていた旅行業界でしたが、ここにブロックチェーンの波が加わることによって、更に業界構造に変化が起こりそうです。引き続き、ドイツの旅行業界を支える巨人と、日本の旅行業界の動向にも注目です。

ブロックチェーンテクノロジーに熱視線を注ぐアフリカの若い起業家たち

2017年10月24日 BBC編集部 0

  トムソン・ロイター社主催のアフリカサミットにて、ブロックチェーンテクノロジーに関して多くの議論が行われたようです。メディアとマーケティングソリューションを提供するCreative Counsel社のCEO、Ran Neu-Ner氏は、個人や企業がブロックチェーン技術に参入していくべきであると強い主張を行いました。彼は、演説にて「ブロックチェーンはユーザーが取引を行えるという点で、インターネットの革命よりもはるかに革新的です。これは無視しがたいインパクトをもたらします。どのような形でもブロックチェーンの影響を受けない産業はありません。」と述べています。 金融分野に革命をもたらすブロックチェーン Blockchain Academy(ブロックチェーン・アカデミー)のCEO、Sonya Kuhnel氏は、ブロックチェーン技術は、貧困やインフラの未整備などが原因で銀行やその他のシステムにアクセスできない35億人以上の人々を、国際経済の流れのなかに統合することができると述べています。Kuhnel氏は、 「伝統的な大企業や、第三者や仲介者を介さずに、人々がお互いに直接取引できるようになります。取引手数料がはるかに低くなることによって、経済がさらに加速していくことでしょう。」と述べており、今後ブロックチェーンによって人々が低額の手数料でお金を転送し、経済発展に参加することが可能になるシステムが実現する未来を描いています。 Kuhnel氏は個人情報管理と検証の分野にも触れています。演説のなかで、個人情報関連の従来の課題を解決するアプリケーションを開発したスタートアップ企業を紹介しており、ブロックチェーンによって本人確認作業などが効率的に行われるようになり、金融や銀行関連の業務が高速化される未来について示唆していました。 ディスラプションが新たな基軸を生む Ran Neu-Ner氏は、ブロックチェーンが「新しい時代」の突入をもたらしたことを確信しています。 「現代は、(中央集権による)ビッグ・ビジネスの時代の終わりであると同時に、複数の人間がそれぞれバラバラなネットワークに参加する分散化された時代の始まりにあります。今までは「イノベーション」という名の創造が繰り返さえれてきましたが、我々は歴史の中で初めて「破壊と解体」に取り組みはじめました。」と述べています。 また同氏は、企業のデータに対する向き合い方について、このように付け加えています。 「データは通貨です。データに関するすべての意思決定を自分でしていないのであれば、既に取返しがつかない状態になっています。」と述べました。同氏は、ウォルマートやマイクロソフトのような大企業がデータの取り扱いに頭を抱えている中、Nike(ナイキ)を成功例のひとつとして取り上げています。ナイキのCEO、マイク・パーカーは、自社について、スポーツウェアの販売も手掛けている大手データ会社であると語りました。 今回のサミットでは、ブロックチェーンテクノロジーからデータ産業の今後まで、幅広いテーマが取り扱われたようです。現在、新たなスタートアップの出身地としてアフリカの一部地域が高い注目を集めています。今後、アフリカ発のブロックチェーン企業の誕生に期待が高まります。

CarbonXプロジェクトとは?気候変動問題に取り組むカナダのブロックチェーン企業

2017年10月20日 BBC編集部 0

その行動は本当に「環境に優しい」…? 多くの人々が気候変動問題に高い関心を持っている一方で、実際にCO2排出量削減に向けて行動をしている人は少数にとどまります。また「省エネ電球」のような環境に優しい製品を利用することがよしとされている一方で、ヒトはただそれらを「購入した」という事実だけで満足しがちで、その他のCO2排出量の削減行動に結び付くことは稀です。そして、環境に優しいとされる行動を地道に積み重ねている人たちがいる一方で、アメリカのニューヨークからデンバーまで、たった片道分のフライトに乗るだけで乗客1人当たり、車の走行距離12000㎞分に相当するCO2が排出されます。このような現状では、環境に優しい行動を積極的にとろうとするインセンティブが削がれていくばかりです。 CO2排出権をトークンに しかしもし仮に、CO2排出量の少ない、環境に優しい行動をとるたびに換金可能な報酬を得られるようになったら、私たちの行動はどう変わるでしょうか。そんな夢のような計画を進めているのが、カナダにあるブロックチェーン企業であるCarbonX社です。CarbonX社は、国連のREDD+という規定に基づいたCO2の排出権を購入し、代わりに換金可能なCxTトークンを発行しています。 仕組みはこうです。ユーザーが自家用車の代わりにバスに乗ったり、あるいは東南アジアから空輸されてきた食物の代わりに地元の海産物を購入すると、購入が発生したそのタイミングでCxTトークンを受け取ることができます。そして、そのCxTトークンを別の商品の購入にあてがうことができます。例えばホームセンターで「燃費のとても良い芝刈り機」を購入すると、購入時にCxTトークンがもらえ、そのCxTトークンで新たな商品を購入することができます。これらは一見すると複雑なプロセスのように聞こえますが、CarbonX社によると、処理は完全にバックグラウンドで行われるため、ユーザーのシームレスな買い物体験を阻害することはない、とのことです。 ブロックチェーン・レボリューションでも注目されていたカーボン・クレジット ブロックチェーンは当初より、複数産業をまたぐロイヤリティスキーム(ポイントサービスのような、購入時にユーザーが更なる特典を得られるサービスのこと)における活用が期待されていました。「ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか」の共著者の一人である、Don Tapscott氏は、「カーボン・クレジット(炭素クレジット)はトークン化しやすいため、ブロックチェーンで実装するにはもってこいでしょう。そして、カーボン・クレジットP2Pのオープンネットワークで取引できるようにするためには、今後”価値のインターネット”を実現していくことが不可欠です。」と述べています。ここでTapscott氏の述べている「価値のインターネット」とは、「株式、票、ポイント、知的財産、音楽などのような物理的実体のないものを、銀行や市場など中央集権構造を経由せずに、ブロックチェーン上でトークン化して電子資産としてやりとりできるシステム」のことを指しています。 アプリでCxTトークンを管理する Tapscott氏は、兄弟のBill氏と息子Alex氏、そしてロイヤリティー産業のプロフェッショナルであるJane Ricciardelli氏と協力して、CarbonX社を創業しています。CarbonX社は、小売業者や製造業者を代表してCO2排出権を購入し、各トランザクションから少額の手数料をとることで初期のCO2排出権の購入費用を補填していくようです。CarbonX社は、2018年度の第二期中にリリース予定であるスマートフォンアプリを通して、ユーザーがCxTトークンを買い物で利用できる状態を実現することを目指しているとのことです。例えば、ガソリン代にかかる炭素税の支払いに、CxTトークンを用いる、といったことも可能になるようです。(現在、カナダでは二酸化炭素の排出活動に対して課税を行う、”炭素税”の全土導入が検討されています。) Bill Tapscott氏は、インタビューで小売り業者がCarbonX社のプログラムを利用するメリットについて述べています。CarbonX社のユーザーは、合意の下でアプリ上の「炭素計算機」を利用することができ、効率的なCxTトークンの回収が行えるようになります。ユーザーにメリットを与えると同時に、各ユーザーの日常的に利用している製品や移動手段、各家庭のエネルギー消費活動が可視化されます。CarbonX社のプロジェクトに参加することで、企業はこの匿名ユーザーデータにアクセスすることができるようになる、という仕組みです。実際に、2018年の年初にCarbonX社のプロジェクトに参加するパートナー企業がいくつか発表されるそうです。 市場原理で利益の調整を 従来は、個人がCO2の排出量を緩和する(CO2排出上限を引き上げる)目的で、カーボン・クレジットが利用されることが主でした。しかし、今回の計画は従来とは異なります。Tapscott氏は、個人レベルの排出量制限では個人にとってうまみのある話でなくなる可能性について、懸念していました。平均的なアメリカ人は、年間一人当たり20トンものCO2を排出しているといわれており、これを西部気候イニシアチブの算出する炭素の現行市場価格に照らし合わせると、$400もの価格になるとのことです。1人当たりのCO2排出削減量を20%と仮定すると、年間の収益見込みは$80程度となります。しかし、$80のために習慣となっている行動を変えるユーザーは極めて少ないと考えられます。 この問題に対して、CarbonX社は、トークンの価格を炭素市場の価格から切り離すことを検討しているようです。ひとつの案では、トークンの価値が販売者の設定するトークン付与量に関連づけられるようです。例えば、環境に優しい食器洗い機を購入する場合、報酬として5CxTトークンを付与するか、あるいは3CxTトークンしか付与しないのか、販売者が自由に設定することができます。そしてこれと同時に、トークン価格は取引市場の状況も反映されていくようです。最終的な調整を経て、Tapscott氏らは年間$250をユーザーに還元することを目標としているそうです。 地球規模の問題に取り組むブロックチェーン企業 「気候変動問題は、もはや大きな組織や政府だけに任せておいて解決できる問題ではありません。現在ではまだ、ヒトに何か行動を促すための、効果的な手段は確立されていません。しかしこの誰もが使えるCarbonXのプラットフォームが足がかりとなって、気候変動問題が解決されていくことに期待しています。」とDon Tapscott氏は答えます。今後も地球規模の問題に取り組むブロックチェーン企業、CarbonX社に注目です。

Maybank銀行が銀行口座を持たない19000人の移民労働者へ決済ソリューションを提供

2017年10月18日 BBC編集部 0

  2017年10月4日、Maybank銀行のシンガポール拠点が、巨大な寮で生活を送る移民労働者に対して、ブロックチェーンベースのデジタル決済手段を提供することを発表しました。Maybank銀行は、InfoCorp社の提供するCrossPayというブロックチェーン決済ネットワークを利用するとのことです。 銀行口座がなくても決済ができる世界 CrossPayでは、決済に特化したプライベートブロックチェーンプラットフォームであり、顧客データの保管にブロックチェーンを活用しています。一方で、Maybank銀行は現在、寮の入居者を管理しているTSGroup社と入居者数の最終調整を行っています。ひとつめの拠点となっている寮には既に16,800人の移民労働者が住んでいますが、Mandaiに新たにできる拠点にもう2000人ほど住むことが見込まれているとのことです。InfoCorp社CEOであるRoy Lai氏は、インタビューに対して「ブロックチェーンの真価はオンラインの銀行口座を持たない人々に安全な決済手段を提供できることにある」と述べています。特に現地の銀行口座システムに不慣れな移民労働者に関しては、より便利な決済手段となることでしょう。 移民・難民にとっての希望 移民労働者向けのブロックチェーンソリューションは、今回のシンガポールの例に留まりません。フィンランド政府は、現地のfintech(フィンテック)スタートアップであるMONI社と提携を結び、同国に移住してくる難民向けにブロックチェーンベースのデビットカードを提供する計画を発表しています。国民IDを紛失していても、取引履歴を安全に追跡できるブロックチェーンの強みに注目が集まっています。 Maybank銀行の国際銀行部門トップのAmos Ong氏は、「金融サービスへのアクセスを持たない人々に対して、InfoCorp社と協力してサービスを提供していきたい」と前向きな姿勢を表明しています。ミャンマーのロヒンギャ問題をはじめとして、移民難民の問題は世界中で発生しています。一度国際経済から取り残されてしまうと貧困からの脱出が困難になるといわれていますが、このような領域においてブロックチェーンが救いの手を差し伸べていくことに今後も期待が集まります。

業界内パワーバランスの分散化を進めるブロックチェーンスタートアップ3社

2017年10月16日 BBC編集部 0

  今回はブロックチェーンビジネスを展開している3つのスタートアップ企業について紹介していきます。これらはそれぞれ金融業界や広告業界の既存の構造にブロックチェーンでアプローチしており、今後業界内でパワーバランスの集中構造が崩れ、分散化が進んでいく可能性があります。大まかではありますが、彼らが取り組んでいる業界内の課題とともに、概要を紹介して参ります。 Wish Finance社 中小企業向けローンの契約は、その作業に時間がとてつもなくかかる上に、借り手にとっては極めて制約された選択肢しか提供されていないように感じられるそうです。 Eugene Green(ユージーン・グリーン)氏によって設立されたWish Finance(ウィッシュ・ファイナンス)社は、中小企業のローンオプションを、ブロックチェーン上で提供することに重点を置いています。中小企業は、予測モデルや資産ではなく、会社の実際のキャッシュフローに基づく金利でWish Finance社を通じて融資を受けることができるようになります。 Wish Finance社は、Point of Sales(POS)というローン返済用に開発された分散型ソリューションをベースにビジネスを展開しています。融資を受けた中小企業は、各取引を行う際に、ブロックチェーン上のPOSを経由します。 ここでPOSを経由する際に、あらかじめ設定された数%の金額がWish Finance社に返還されることにより、中小企業はローンを返済することができます。ブロックチェーン上で取引が透明化されることにより、貸し手と借り手双方にとって信頼性を築きやすくなりました。   BitClave社 ブロックチェーンと暗号通貨(仮想通貨)に対して最も期待を寄せられている役割のひとつとして挙げられるのが、「市場における中央集権構造を破壊し、分散化を推し進めること」です。BitClave社はまさにその役割を果たそうとしている一例として挙げられるでしょう。現在個人が利用する検索エンジンとしては、GoogleやFacebookが有名です。しかし、ユーザーは検索をすると同時に多くの情報を引き換えにして、広告ネットワークのなかに飛び込まされることになります。BitClave社は、個人が自身のデータの主導権をGoogleやFacebookに奪われることなく、自分の意志に基づいて管理できる世界を実現しようとしています。 BitClaveについては下記記事にまとまっているので、ぜひご覧ください。 広告配信の分散化を進めるBitClaveプロジェクト http://businessblockchain.org/bitclave_project_basetechnology Ripio Credit Network社 現在世界中の起業家たちは、fintechにブロックチェーンが活用できる可能性に魅了されています。私たちが今利用できる金融サービスは、すべてがあらゆる制約の支配下にあり、法律に固められています。しかし、Ripio […]

【IOTA創業メンバーDominik Schiener氏 BBC独占インタビュー】後編

2017年10月14日 BBC編集部 0

このたびブロックチェーンビジネス研究会では、IOTAプロジェクトの創業メンバーのひとりであるDominik Schiener氏にインタビューを行いました。本記事は、前編に続く、後編記事になります。   IOTAの数ある機能のなかでも、最も重要な特徴はなんですか? スケーラビリティの特徴を除けば、取引手数料が掛からないということがIOTAの最も魅力的なポイントと言えるでしょう。ビットコインやイーサリアム上でビジネスを展開する際に、一番のネックとなるのは取引手数料です。結局のところ、全てのビジネスパーソンは利益を得るためにビジネスモデルを作ります。もしIOTAを使用すれば、彼らが取引によって得ている利益を明確に計算することができます。 IOTAの真価は、マイクロペイメントの場面において更に発揮されると思います。IOTAはパーミッションレス型であり、マイクロペイメントを可能にする唯一のブロックチェーンです。そして未来においては、機械はマイクロペイメントシステムに基づいて、互いにやり取りすることでしょう。   IoT時代を見据えて、既に様々なテストを行っているかと思います。実際にIOTAを利用したIoTプロジェクトについて、教えて頂けますか? ここでは、ほんのいくつかしかご紹介できません。ですが、我々が取り組んでいるプロジェクトのほとんどはモビリティ、エネルギー、ヘルスケア、スマートシティに関連したものです。私たちは世界中の大企業と協力をしていますが、現在取り組んでいるプロジェクトのうち、いくつかを紹介します。 Car eWallet これは想像がつきやすいかと思います。車にIOTAウォレットを与え、自動的に内部のサービス(インフォテイメントやオンデマンド)、外部のサービス(駐車料金や通行料金)に対して、車で支払いができるというものです。IOTAはこの点については完璧に適しており、特に我々が提供する「Flash」」を用いれば、瞬時に支払うことが可能です。 第四次産業革命 仕事場ある機械のセキュリティーを強めるために、ドイツとフランスにあるいくつかの大手製造企業と一緒に取り組んでいました。システムの脆弱性(アタックベクター)は、ユーザーが増えるほど高まり、セキュリティが困難となります。これらの問題を解決するために、IOTAでは自動で問題を追跡し、いつ何が起こったか、あるいはどんなコマンドが実行されたのかを知ることができます。またIOTAでは遠隔地からでも、安全に機械をコントロールすることができます。 デモの様子はこちらから: https://audit-trail.tangle.works/   CarPass Volkswagen, Innogy and BigchainDBと共に開発を進めていて、車にセキュリティの自動追跡機能を与え、いつ何が起こったかを確認できるようにしています。第三者に共有される走行距離やGPS座標などのデータは、とても興味深い分野です。これもまた、プライベートブロックチェーンと承認のないパブリック台帳の両方を利用可能とした全く新しいものとなっています。 分散型データ市場 20を超える企業と共に、プライマリデータ市場のパブリックデモンストレーションを設立しているところです。このデータ市場は機械間のマイクロペイメントでの売買を可能にする基盤となります。データはとても貴重なもので、IOTAはそれらのデータを安全に売買することを可能にします。これらの詳細については、間も無く発表されると思います。 IOTAプロジェクトの今後の展望についてお聞かせください。 […]

【IOTA創業メンバーDominik Schiener氏 BBC独占インタビュー】前編

2017年10月13日 BBC編集部 0

このたびブロックチェーンビジネス研究会では、IOTAプロジェクトの創業メンバーのひとりであるDominik Schiener氏にインタビューを行いました。IOTAプロジェクトはその発表以来、高い注目を集めており、2017年10月13日現在、暗号通貨(仮想通貨)取引市場での流通量が10番目に高いプロジェクトとなっています。本インタビューでは、IOTAプロジェクトの概要と現在進行中のプロジェクト、今後の展望についてお聞きしました。ぜひご覧ください。   はじめにDominikさんのご自身のことと、現在携っている事業について教えてください。  私の名前はDominik Schienerです。IOTAの設立したメンバーのうちの一人で、現在21歳です。出身はイタリアなのですが、IOTAプロジェクトをDavid Sønstebøと推進するため、現在はベルリンに住んでいます。 私はブロックチェーン技術に2011年頃から注目していました。初めはアルトコインのマイニングをしていて、その後に自分の会社を立ち上げました。私はスイスのザグにあるCrypto Valleyの創設を支援した一人で、ベルリンでIOTAのプロジェクトに携わる前は、ロンドンでも会社を経営していました。私は、分散型台帳技術は高いポテンシャルを持っていると思っていて、特にIoTやAIなど他の技術との掛け合わせに注目しています。私の主要な目的はこの技術を世界に導き、IoTでの最初の時代を切り開いていきたいと思っています。 ありがとうございます。IOTAの紹介と、その歴史について教えていただけますか?  IOTAの創設メンバー(Dominik Schnier氏、David Sønstebø氏、 Sergey Ivancheglo氏( 別名:Come-from-Beyond)、 Serguei Popov氏)は、2010年〜2011年頃からブロックチェーン技術に注目していて、四人全てが多様で相補的なバックグラウンドを持っています。私とDavidは起業家ですが、技術に関する知識も高いです。Sergey Ivanchegloは分散型台帳技術の専門家でSerguei Popovはランダム・ウォーク理論(株式市場の値動きの予測不可能性を論じた理論)と、確率の分野を専門とする数学者です。 我々がブロックチェーン×IoTの探求を始めたきっかけは2つあります。ひとつは、私たちがIoTのもつポテンシャルに早期から気が付いていたこと。もうひとつは、フォグ・コンピューティング(集中型のクラウド・コンピューティングと対立する概念、霧[fog]のような分散型コンピューティングのこと)のミクロプロセスを開発していくための、Jinnという物理的ハードウェアを保有していたことです。 私たちは、ブロックチェーンで実現できることの限界を知っていました。なのでIoTの世界観に特化した、Tangle(タングル)という有向非巡回グラフを用いた全く新しいモデルを開発しました。その後、私たちは2016年2月にICOで1337BTCを調達することに成功しました。   IoT時代に特化しているIOTAプロジェクト IOTAプロジェクトが描いているビジョンについて教えて下さい。 […]