KPMGがウォールストリート・ブロックチェーンアライアンスに加入

2017年11月17日 BBC編集部 0

2017年11月17日、世界4大会計事務所の一角であるKPMGが、アメリカ・ニューヨーク州の金融街を中心に活動している、ウォールストリート・ブロックチェーンアライアンス(WSBA、Wall Street Blockchain Alliance)に加入する署名を行ったことが、WSBA公式サイトのプレスリリースにて発表されました。 金融業界で進むブロックチェーンの導入 今回加入したことによって、KPMGはWSBAのボードメンバーに追加されました。今回のKPMGの加入によって、WSBA、ひいてはブロックチェーン技術全般の発展がますます進んでいくものと思われます。WSBAの議長であるRon Quaranta氏は「世界有数のサービス会社であるKPMGが、地球上のあらゆるブロックチェーン・イノベーションの最先端の現場に立ち会うことになった。私たちは、KPMGと共に、金融分野を超えて世界中でブロックチェーン革命が起きていくことを前向きに望んでいる。」と述べています。 今回の発表は、ブロックチェーン技術が大企業レベルにまで浸透してきたことを象徴する出来事といえるでしょう。近日ブロックチェーンの導入を発表した企業として、Mastercard、Bank of America、そしてAmerican Expressが挙げられます。特にAmerican Expressに関しては、同じく2017年11月17日に、Ripple社(リップル)のシステムを組み込んだことが発表されたばかりということもあり、いかに金融業界がブロックチェーンの導入でしのぎを削っているかが伝わってきます。 ブロックチェーンの推進 ≠ 暗号通貨の推進 ただし、ここでいう「ブロックチェーン」の意味する文脈については注意を払う必要があります。すなわち、「ブロックチェーン」は歓迎されていても、必ずしも「暗号通貨(仮想通貨)」が歓迎されているわけではない、ということです。しかし、今後も大企業の参入の発表が続いてくれば、「ブロックチェーン」をダークテクノロジー(未知の怪しいテクノロジー)として扱う、従来の懐疑的な目線は徐々になくなっていくことでしょう。 ブロックチェーンスタートアップであるCOTI社のCTOであるAdam Rabie氏は「企業のブロックチェーンへの参入は、アンダーグラウンドなテクノロジーといわれていたブロックチェーンが、マスへ拡大していくにあたって必須ともいえる要素です。ブロックチェーンを導入する有名企業とインフルエンサーの増加によって、ブロックチェーンに対する誤解が解け、メリットが世間に徐々に浸透していくことでしょう。」と述べています。日本国内でも、DMMやGMOといった大手IT企業がブロックチェーン技術を活用したサービスの発表をはじめ、日本でも「ビットコイン」を中心に、徐々に知名度が向上しています。しかしその背後にあるブロックチェーンの概念が世間に広く浸透するまでには、もう少し時間を要しそうです。国際的にみても暗号通貨への投資額が高いとされる日本ですが、ブロックチェーンへの「正しい理解」が進むことを願います。

アブダビ国立銀行が一部決済システムにリップルを導入

2017年8月18日 BBC編集部 0

アブダビ国立銀行は、いくつかの取引についてリップルネットワークの基盤となっている「XRP Ledger(旧Ripple Consensus Ledger、RCL)」を採用することを発表しました。 リップル(Ripple)とは、銀行がリアルタイムで決済できることを目的として設計されたプロトコルです。リップルを活用することの最大のメリットは、銀行と個人の双方が取引コストを低く抑えられる点にあります。既存の多くの暗号通貨では、トランザクションにかかる時間が長くなりつつあることや、手数料が不安定であるという課題があり、金融取引のような即時性や安定性が求められる場面で用いることに関して、大きな不安がありました。リップルはその点をカバーするような設計となっており、金融機関のビジネスユースにも耐えうると期待されているため、現在金融業界内で大きな注目を集めています。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」 また、リップルネットワークの基盤である「XRP Ledger」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?」   国境を越えた取引にリップルを使用するアブダビ国立銀行 2017年6月中旬、アブダビ国立銀行は国際取引にリップルを採用する計画を発表しました。この計画ではアブダビ国立銀行の既存のシステムにXRP Ledgerを統合することで、銀行から リアルタイムで送金を行うことができるとのことです。アブダビ国立銀行のあるアラブ首長国連邦は世界のトップクラスの送金額を誇るため、この連携を通じてリップルが世界中の送金において幅広く利用されるようになるでしょう。 アブダビ国立銀行が リップルを選択した背景には、リップルが国境を越えた取引の効率化に重点を置いており、特に複数の決済ネットワーク間の取引をターゲットとしているという理由が考えられます。   世界中の銀行がリップルの台帳システムに注目している リアルタイムでの送金・決済には、世界中の銀行が関心を示しており、リップルはここ数ヶ月で非常に注目度を増しています。アブダビ国立銀行とリップルネットワークとの提携の成否については、今後も慎重に見ていく必要があると言えるでしょう。アブダビ国立銀行とリップルの提携が成功すれば、リップルと世界中の銀行の間で今後積極的な提携が進む可能性があります。

リップル社がインターレジャープロトコル(ILP)のビットコインプラグインを公開

2017年6月12日 BBC編集部 0

2017年6月1日、リップル社(Ripple, Inc.)は「インターレジャープロトコル(InterLedger Protocol、ILP)」初のビットコインプラグインを公開しました。これによって、ブロックチェーントランザクションを異なる決済ネットワーク上送信することができます。本記事では、その公開内容について解説していきます。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」   インターレジャープロトコル(ILP)とは? 国際送金など複数の金融機関をまたぐ形での取引を行う場合、異なる取引記録データベース(=決済ネットワーク)を経由する必要があるため、大きな時間的・費用的コストがかかります。2015年10月にリップル社が発表した「インターレジャープロトコル」は、複数の取引台帳を接続することで異なる決済ネットワークにまたがる取引を実現します。具体的には、二者間の取引を仲介する「エスクロー」という機能を通じ、異なる決済ネットワーク上の資産をやり取りすることができます。これにより、複数の金融機関やブロックチェーンにまたがる取引をリップルネットワークを介して実行できるようになるため、時間や費用をかけずに取引を行うことができます。このリップルの発表以来、多くの金融機関がブロックチェーンの活用への関心を強めています。 リップルネットワークにおいてブリッジ通貨として発行されているXRPですが、金融機関の多くはKYCコンプライアンスなどセキュリティの問題から暗号通貨を銀行間取引に用いることに消極的です。その一方でブロックチェーンや広義の分散型台帳の活用には積極的であり、リップルネットワーク上のIssurance(イシュアランス、旧IOU)を用いた銀行間取引に向けての取り組みも進められています。一方で、インターレジャープロトコル自体はブロックチェーンではなくあくまで接続システムであり、既存のリップルネットワーク(XRP Ledger)とは独立して存在しています。 また、リップルネットワークの基盤である「XRP Ledger」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?」   ILPがビットコインへ対応 インターレジャープロトコルでは既存の決済ネットワークを接続することを目指していましたが、2017年6月にビットコインブロックチェーンへ接続するプラグインを公開しました。2017年6月1日、2日にドイツのベルリンで開催されたBlockchain Expoではリップル社によるデモンストレーションが行われ、パブリックブロックチェーン、プライベートブロックチェーン、中央集権的な取引台帳、従来の決済チャネルなど7つの異なる決済ネットワークを経由する一つのトランザクションが実行されました。これらを通じ、既存の取引チャネルとブロックチェーンの連携が実現されました。将来的には、全ての取引台帳が結びつくことになるかもしれません。 今回は公開されたビットコイン向けプラグインを用いた接続だけでなく、XRPを使用したインターレジャー取引も実行されました。これはXRPエスクローとXRP支払いチャネルの両方を使用して行われるものです。これらの技術により、取引記録の全体をETHに両替し、それらをいったんXRPに両替したのち、それらを最終的にユーロに戻すといったことが、より小さな費用・時間で実行できるようになります。   今後もプラグイン構築は拡大 今後インターレジャープロトコルは接続可能なブロックチェーンをさらに拡大していく予定です。例えば、ライトコインとの接続を可能にすることは、ビットコイン向けプラグインのコードを微調整するだけで可能になると言われています。また、ZcashやLightning Network、PayPalなどにも対応するプラグインを構築していくとのことで、今後もリップル社の発表に注目していきたいです。   リップルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 […]

リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?

2017年6月8日 BBC編集部 0

リップル(Ripple)はネットワーク内であらゆる価値と交換できるようにすることを目的とした決済プラットフォームです。リップルではビットコインと同様に、台帳によって各利用者の取引記録を管理しています。しかしその台帳は「ブロックチェーン」ではなく、より広義の意味を持つ「分散型台帳」(distributed ledger)と呼ばれています。リップルではこの分散型台帳は「XRP Ledger」と呼ばれています。 このXRP Ledgerは、主に法人の国際送金に対応しており、銀行等の途上国への事業拡大にも適した台帳であるとされています。2012年の運用開始以降、XRP Ledgerは、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)の次世代手段として運用されてきました。 このXRP Ledgerがさらにグローバルに採用されるようになるためには、承認システムを分散化し、システムをさらに強化することが必要だとされています。そこで本記事では、XRP Ledgerの仕組みと今後の分散化に向けた取り組みについて解説していきます。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」   これまでのXRP Ledgerの仕組み XRP Ledgerでは、ビットコインブロックチェーンとは異なり、コンピューター計算による取引の承認(マイニング)を行うのではなく、承認者(validator)による投票で承認が行われていました。このプロセスは、ビットコインのプルーフ・オブ・ワークに対して、プルーフ・オブ・コンセンサス(Proof of Consensus、PoC)と呼ばれます。ここでは、80%以上の承認者が有効と判定した取引のみを台帳に記録しています。この仕組みにより、数秒以内という非常に速い時間で、余分な電力の消費もなしに、取引を承認することが可能となっています。 承認者のリストはUNL(Unique Node List、ユニーク・ノード・リスト)と呼ばれ、UNLの各承認者はお互いを承認者として許可することでネットワークを形成しています。リップルの場合、基本的にはリップル社(Ripple Labs, Inc.)が指定するUNLが選ばれており、信頼性が担保されていました。管理者がいなくなってもネットワーク自体は継続されるので完全な中央集権的システムとは言えないものの、実質的にはリップル社が管理主体となるシステムをとっており、一方では非中央集権性が失われてしまうという懸念があがっていました。 […]

リップル社が自身の保有するXRPの約9割の凍結を発表

2017年5月30日 BBC編集部 0

  2017年5月16日、リップル社(Ripple Labs, Inc.)は現在保有するXRPの約90%にあたる550億XRPを一定期間の間にロックアップすることを発表しました。本記事ではその概要について紹介したいと思います。 リップルネットワークの基軸通貨であるXRPの総発行量は1000億XRPとなっています。しかし、現在その約3分の2は運営主体であるリップル社が保持しています。そのため、リップル社が一度に大量のXRPを売却する可能性が懸念されていました。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」   XRPロックアップ(凍結)の概要 リップル社が今回発表したのは、リップル社が保有する630億XRPのうち、約88%にあたる550億XRPを2017年までに凍結(ロックアップ)するということです。これには Suspended Payments(SusPay)と呼ばれる機能が用いられ、XRPはスマートコントラクトを通じてブロックチェーン上に仮想的に生成されたエスクロー(取引仲介者)へと隔離されます。 2017年末または2018年以降、毎月1日に、各コントラクトにより10億XRP分がロックアップの期限切れとなると、リップル社がその分を自由に売却・分配できるようになります。つまり、55カ月後までの間に10億以上の大量のXRPが一度に売却される可能性がなくなったということです。もし、1カ月に10億XRPを分配しきれなかった場合は、その分がエスクロー機能によって再びロックアップされ、55カ月後以降に分配されることになるそうです。 リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏が明らかにしたところによれば、過去18カ月の間、1カ月に3億XRPを市場に分配していたそうです。XRPを市場に売却(分配)することでオープンソースコードを監督するエンジニアに支払う資本を調達していたとのことです。 実行までの具体的なスケジュールは明らかにされていませんが、ガーリングハウス氏はこのロックアップのプロセスが今年末までに完了するとみています。   XRPロックアップの影響は? XRPが市場に突然溢れると、XRP価格が暴落する恐れがあります。リップル社がXRPの大半を売却せずに保持しており、それらを一度に売却して市場をコントロールされる可能性があったため、市場からのXRPに対する評価は高いとは言えませんでした。しかし、今回のロックアップによって供給量に制限を加えたことで、そのリスクを軽減する狙いがあると言えます。 またガーリングハウス氏は、XRPが安定した暗号通貨であるという認識を広めることで、それを利用する企業や個人が増える可能性があると考えているようです。暗号通貨が市場に安定的に参入することによって、多くの銀行がその価格に悪影響を及ぼすことなく取引を行うことができます。   ますます影響力を強めるリップル リップル社はP2P(個人間)の仕組みに基づいて、分散型の金融取引を実現するための決済プロトコルを提供し、現在は国ごとに異なっている決済プロトコルをグローバルで統合し、あらゆる「価値」を世界中どこへでも動かせるようにすることを目標としています。 このため、国際送金をより簡単にしたいと望む銀行等がリップルとの提携をはじめているほか、世界中の企業とのネットワークを構築しはじめています。2016年にはみずほFGがリップルを活用した国際送金の実証実験プロジェクトを行い、そのネットワークに参加しています。また、2017年に入ってからは、三菱東京UFJ銀行がリップルを活用し、次世代型の国際送金サービスを2018年から始めることを発表しました。バンクオブアメリカ・メリルリンチなど米欧豪の大手6行とも連携し、手数料の引き下げと即時決済を実現していく方針です。 XRPの価格は上記の発表を境に上昇し、時価総額もイーサリアムを抜いてビットコインに次ぐ規模にまで成長しました。   […]

パブリックチェーンとプライベートチェーンの違いとは?

2017年4月18日 BBC編集部 0

   ブロックチェーンには大きく分けて「パブリックチェーン」と「プライベートチェーン」という二種類があります。この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。今回の記事では、それぞれのメリットやデメリットも含めて解説していきます。   ブロックチェーンにおける「取引承認」のプロセス  ブロックチェーンにおいては取引の「記録」と「承認」という二段階のプロセスが存在します。まずブロックチェーンに取引が記録されるプロセスでは、プルーフ・オブ・ワークなどを通じて選ばれたマイナーが取引記録の塊である「ブロック」を生成します。 (プルーフ・オブ・ワークについてはこちらの記事で詳しく解説しています。)  その後マイナーによって生成されたブロックは、他のノードが同期したり、他のマイナーが次のブロックを繋げることによって徐々に「承認」されていきます。この時ノードやマイナーはブロックに記録された取引記録の検証作業を行っており、不正なブロックであると判断された場合には承認しないこともあります。つまり、ブロックチェーンでは多くのノードやマイナーによる検証作業を経て取引が承認されるほど、その取引記録の正当性が高まっていきます。   最大の違い-誰が取引承認を担うのか?  ここでパブリックチェーンとプライベートチェーンの最大の違いは、誰が取引の承認を担うのかという点です。結論から言えば、パブリックチェーンにおいて取引の承認を担うのは不特定多数のノードやマイナーです。たとえば、パブリックチェーンに分類されるビットコインにおいてマイナーの生成したブロックを承認するのは、ビットコインブロックチェーンに参加している不特定多数のノードやマイナーであり、ノードおよびマイナーには誰でもなることができます。  パブリックチェーンでは不特定多数による承認作業が取引の正当性の根拠となるため、特定の個人の恣意による操作や改ざんが非常に困難です。これは分散化の大きな利点の一つです。  このようにブロックが生成されるたびに全てのノードによって取引記録の検証と正当性の担保が行われているという意味で、パブリックチェーンは真に「パブリック」かつ「自律分散的」であると言えます。    一方プライベートチェーンでは、取引記録の生成や承認を行うことができるのは一部のノードに限られています。このとき、記録生成や承認のための権限が一部のノードに限定的に集中してしまっている点で、分散化の利点が失われてしまいます。また記録生成や承認の権限を持つノードは予め管理主体によって指定されていることが多く、管理主体が存在している点でも「非中央集権化」という側面が弱くなっていると捉えられるでしょう。このように特定の管理主体によって権限を持つノードが指定されているブロックチェーンを「許可型ブロックチェーン(パーミッション型)」と分類する場合もあります。  多くの暗号通貨はパブリックチェーン上に構築されていますが、たとえばリップル(Ripple)などは取引承認をユニーク・ノード・リスト(UNL)に限定しているため、プライベートチェーンに分類されることが多いと言えます。   プライベートチェーンの強みとは?-迅速な取引承認  プライベートチェーンにおいて、取引承認を一部のノードに限定する大きな利点は、迅速かつ効率的な取引の承認が実現できる点です。たとえば、ビットコインではプルーフ・オブ・ワークというプロセスを踏み、悪意のあるマイナーによる記録を防いでいますが、それには時間と膨大な計算を行うマシンパワーおよび電力消費が必要となります。一方、プライベートチェーンにおいては管理主体によってあらかじめ指定された信頼性が高くかつ少数のノード内部で取引の承認が完結するため、迅速かつ効率的な取引承認が可能になります。そのほかにもマイニング報酬など、正しい情報を記録するためのインセンティブが不要であるなどの利点があります。   プライベートチェーンの活用可能性-管理のしやすさ  プライベートチェーンの強みはそれだけではありません。パブリックチェーンが完全に自律分散的であるのに対し、ノードを指定することができるプライベートチェーンは裏を返せば管理がしやすいと捉えることができます。このためノードを信頼性の高い者のみに限定するだけでなく、たとえばブロックチェーンに記録された情報の公開範囲を指定できるなどの利点があります。  このようにプライベートチェーンでは中央による管理を損なうことなく、ブロックチェーンのメリットを取り入れることが可能なため、既存の金融機関などの中央集権機関による採用に適しています。具体的には既存のシステムを効率化するために活用されることが多く、実際に先ほど例に挙げたリップルは既存の銀行内システムや銀行間決済の効率化に活用される動きが進んでいます。  しかし、単一組織内でのプライベートチェーン採用においては、中央管理者によるデータ改ざんの可能性などが拭い去れず、従来型の分散型データベースと同じなのではないかといった議論も起きています。  一方で、国際送金や銀行間決済におけるリップル採用の例においては、単一の中央管理者というよりは複数の信頼の高いノード間で自律的に取引が記録・承認されるため、効率化に貢献する側面は大きく、分散化のメリットもある程度保っていると言えます。このように中央管理者が単一ではなく複数の主体からなるものは「コンソーシアム型ブロックチェーン」と分類されることもあります。   […]

テザーとリップルの共通性-カウンターパーティリスクとは?

2017年3月14日 BBC編集部 0

 「テザー」とは法定通貨に1対1でペッグされた暗号通貨です。テザーの取引を通じていわば、法定通貨をブロックチェーン上で取引することができます。一方「リップル(Ripple)」はグローバルな価値移動のための分散型台帳ネットワークです。今回の記事ではテザーとリップルに共通する構造について解説しつつ、その違いとリスクについて解説していきます。  テザーについてはこちらの記事で、リップルについてはこちらの記事でそれぞれ詳しく解説しています。   テザーとは?-法定通貨により裏付けられた暗号通貨  「テザー」とは法定通貨に1対1でペッグされた暗号通貨です。発行されるテザーはUSドル、ユーロ、日本円といった法定通貨それぞれに対応しており、たとえば1USDTは常に1USドルで取引されます。このように法定通貨の価値を持ちながら、暗号通貨として安全に価値を保存でき、また少額の取引手数料で送金が可能です。ブロックチェーンの利点と機能性を活用しつつ、一方で法定通貨の価値の裏付けによってビットコイン以上に安定した通貨価値を実現しています。  またテザーが保有する法定通貨と同額のテザーを発行するプロセスは「Proof of Reserves(プルーフ・オブ・リザーブ)」というシステムによって担保されています。ユーザーが法定通貨をTether Limitedに預けるタイミングで、Tether Limitedは同額のテザーを発行しています。このように、Tether Limitedに入金された法定通貨は発行されたテザーと常に同額で維持されます。  テザーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 リップルとは?−IOU(デジタル借用証書)を用いた送金ネットワーク  テザーに似たプロトコルとしては「リップル(Ripple)」があります。リップルはシリコンバレーのRipple Labs, Inc.によって開発・運営されている、グローバルな価値移動のための分散型台帳ネットワークです。  リップルネットワークではユーザーの他に「ゲートウェイ」という主体が存在します。ゲートウェイはリップルネットワークにおいて銀行に近い役割を担っており、ユーザーから法定通貨や暗号通貨などの資産を預かるとそれに対応するIOU(I owe you)と呼ばれるデジタル借用証書を発行します。ユーザーはIOUネットワーク上で取引することで資産の所有権を移転することができ、ゲートウェイでそのIOUに対応した資金を受け取ることができます。  リップルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。   テザーとリップルの共通構造-中央集権型が残存  ここでテザーをリップルネットワークで置き換えて考えると、流通するUSD TetherやEUR TetherはUSDやEURへの交換保証する借用証書(IOU)と言えます。そして法定通貨を預かって一種のIOUであるテザーを発行するゲートウェイの役割を持つのはTether […]

リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨

2017年1月13日 BBC編集部 0

 現在世界には数百種類を超える暗号通貨(仮想通貨)が発行されており、こうしたビットコインに続く暗号通貨のことをアルトコインと呼びます。今回はその中からリップル(Ripple)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 リップルとは?-グローバルな価値移動を目指す  RippleはシリコンバレーのRipple Labs, Inc.(リップル社)によって開発・運営されています。リップルはそれ自体の価値ではなく、リップルネットワークを通じてあらゆる資産価値をやり取りできる、「グローバルな価値移動のための分散型台帳ネットワーク」を目指しています。Googleが出資しているほか、みずほフィナンシャルグループやSBIホールディングスがリップルを用いて実証実験を行うなど、大きな注目を集めています。 リップルネットワークの基盤である「XRP Ledger」についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読みください。 →「リップルネットワークの基盤「XRP Ledger」とは?」   リップルの特徴①-分散型台帳で管理する「IOU」とは?  リップルネットワークは送金を行うユーザーと、ユーザー資産を保有・管理する「ゲートウェイ」によって構成されています。ゲートウェイはユーザーから資産を預かり、IOU(I owe you=借りている)と呼ばれるデジタル借用証書を発行します。IOUは預けた資産を受け取ることができる借用証書であり、資産の所有権を示していると捉えることができます。  そしてユーザーは、このIOUをリップルネットワーク上で取引することで資産の所有権を移転します。たとえばAさんがゲートウェイで100万円と引き換えに受け取ったIOUをBさんが購入した場合、BさんはそのIOUと引き換えにどのゲートウェイでも100万円を受け取ることができるのです。このようにリップルネットワークにおけるゲートウェイは銀行に近い役割を担っています。   リップルの特徴②-プルーフオブコンセンサス(Proof of Concensus)とは?  ビットコインなどで採用されているコンセンサス方式(承認方式)はプルーフオブワーク(Proof of Work、PoW)と呼ばれ、ノードと呼ばれる世界中のコンピュータが膨大な計算を行うマイニング作業を通じて記録者を選び、その承認を行っています。  一方でリップルネットワークにおけるIOU取引の記録作業は、限られた数の承認されたノードによって行われています。これをプルーフオブコンセンサス(Proof of Concensus、PoC)と呼びます。少人数かつ信頼性の高いノードに限って記録・承認を担うことで、プルーフオブワークに必要なマイニング作業での電力消費を抑え、取引承認にかかる時間を数秒以内にまで短縮できます。しかし一方で承認作業を行う者がクローズな状態になってしまうため、非中央集権性が失われてしまう恐れもあります。 […]