IOTAがデータ販売市場の確立へ:CISCO、Volkswagen、Samsungグループとパートナーシップ

2017年11月29日 BBC編集部 0

  2017年11月28日、IoTに特化した暗号通貨(仮想通貨)を提供するIOTA(アイオータ)プロジェクトが、世界有数のグローバル企業であるCisco Systems社、Volkswagen AG社、Samsung Group社を筆頭とする、複数の企業とパートナーシップを締結したことを発表しました。発表に際し、IOTAの共同創業者のひとりであるDavid Sønstebø氏は、今後これらの企業と協力し、安全なデータ市場を構築していく狙いについて述べました。 IOTA上で分散型データ販売市場を確立へ このプロジェクトでは、企業間でデータが売買できる市場を設立することを目指しているとのことです。IOTAによると、現在世界では一日あたり2.5京バイトものデータが生成されており、その量は毎月指数的な増加曲線を描いているとのことです。しかし、これらのデータはセキュリティが整っていないがために、99%が利用されていないという現状があるそうです。 Sønstebø氏は、 「いかなるデータにも金銭的価値がある。例えば、あなたが個人で気象観測器を保有しており、風速、気温、湿度、その他気象データを収集したとすれば、それらのデータは気象調査を行っている団体に販売することができる。私たちが目標としているのは、多様でオープンなデータ市場の確立である。それによって、企業や個人間でデータの流れが発生するようなインセンティブが生まれると考えている。」 と述べました。 BBC編集部では、過去にIOTAの創業メンバーのひとりであるDominik Schiener氏に独占インタビューを行っています。IOTAプロジェクトの目指す先について、詳しく述べています。ブロックチェーンとIOTAプロトコルの違いなどについては、こちらの記事にてご確認ください。 インタビュー記事はこちら 【IOTA創業メンバーDominik Schiener氏 BBC独占インタビュー】前編 国家・大企業とプロジェクトを進めるIOTA データは、IOTAの分散型台帳に記録されたと同時に、ブロックチェーンネットワークに接続している無数のノードに分配され、第3者による改ざんが不可能な状態になります。こうして安全性が確立した状態で、自由にデータを売買できる状態を実現することを目指しているようです。今回、IOTAとパートナーシップを結んだ企業は、今後それぞれの業界内においてデータを供給する役割を果たしていくようです。 ブロックチェーンの抱える課題でもある、スケーラビリティや取引手数料の問題を乗り越えると期待されているIOTAですが、IoTの機器間でのデータのやりとりなどで、今後活躍する機会が増えていくと期待されます。引き続き、IOTAの動向に注目です。

音楽・イベント産業で活躍するブロックチェーンスタートアップ5社

2017年11月15日 BBC編集部 0

  今回の記事では、音楽・イベント産業において活躍している、海外のブロックチェーンスタートアップを5社、紹介していきたいと思います。音楽・イベント産業は、大企業が絶大なパワーを有しており、彼らの後ろ盾なしには個人のアーティストが大きな成功をつかむことは難しくなっています。 このようにパワーバランスが偏った業界において、ブロックチェーン技術を武器に戦う新規参入者が、どのように展開していくかに注目が集まっています。またパワーバランスの問題だけでなく、チケットの転売問題など、長年イベント産業を悩ませてきた様々な問題をブロックチェーンが解決する可能性についても述べていきます。 イベント産業をディスラプトする 1.KickCity KickCityの創業者は、市場規模30億ドルと見積もられている巨大産業である、イベント業界の抱えている問題について指摘しています。今日の世界では、1分あたりに100個以上ものイベントが同時に開催されていますが、イベントオーガナイザーやイベント代理店は、常に複数の問題に直面しています。彼らは自身のイベントのマーケティングや宣伝を行うにあたり、クレジットカード会社や銀行に多額の手数料を支払っていることに加え、チケットの転売や詐欺といった問題にも対処を行っていかなければなりません。イベントの予算のうち、およそ20%がマーケティング活動に用いられているとされるなか、半分以上のイベントオーガナイザーは集客率の低さに頭を抱えています。加えて、26.4%のイベントオーガナイザーは、どのオンラインツールを用いてイベントの集客を行えばいいのか把握できていないとのデータが出ており、非効率的なオンライン広告事業者に振り回されている可能性があります。 既存のオンライン広告配信プラットフォームは、ユーザーに多大な費用を負担させるようにデザインされている、といえます。しかしKickCityの提供するサービスは、既存のサービスとは対照的です。KickCityは、オフラインイベント参加者を母体とする、評価経済型のコミュニティプラットフォームで、ブロックチェーンベースで分散的に運営されています。KickCityのユーザーは、身の回りのローカルイベントを発掘して、イベントと潜在的な参加者となりそうな人をつなぐ(=宣伝する)ことで、デジタルトークンを得ることができる、というモデルになっています。 ブロックチェーンを用いることで、KickCityはイベント産業における非効率的な中央集権プレイヤーや第三者機関を回避して手数料を削減しつつ、分散型評価経済プロモーションシステムを用いてイベントオーガナイザーの業務時間を50%まで削減することに成功している、とのことです。 全体の透明性向上にブロックチェーンを 2.Crypto.Tickets 偽物のチケットによって、イベントオーガナイザー、チケット販売プラットフォーム、チケット転売事業者は長年の間苦しめられてきました。例えば2017年上旬、Ed Sheeran(イギリスのシンガーソングライター)のファンたちが、非正規のチケット販売業者から定価の8倍もの価格でチケットを購入した結果、会場で偽物であることが判明したために、10000人ものファンがコンサートイベントへの入場を拒否されるという出来事が発生しています。 Crypto.Ticketsは、このようなチケット詐欺を未然に防ぐことを目的として開発されたブロックチェーンプラットフォームです。イーサリアムブロックチェーンとスマートコントラクトを用いることで、Crypto.Ticketsはチケットを暗号化して正当性を保護することができるのです。Cryptp.Tickets社の創業者であるEgor Egerev氏は、「ブロックチェーンは既存のプレイヤー間のコミュニケーションを塗り替え、予約に関するすべての手続きの透明性を向上させることができます。イベントオーガナイザーはチケットに対して、それぞれジャンルや価格設定、交換、返金、転売ポリシーなど複雑なルールを設定しています。スマートコントラクトによってCrypto-ticketはこれらの全てをブロックチェーン上で実現しています。同時に、チケットを購入する顧客は、そのチケットが正真正銘のホンモノであることの確信を持つことができます。我々は、どのようなチケット販売システムでも利用できるブロックチェーンプラットフォームを開発しようとしています。」と述べています。 中央集権構造が利益の一極集中を招いている 3.Vibrate Viberate社は、音楽産業におけるプロモーションまわりの中央集権的な構造について、こう述べています。 「高度に中央集権化された構造では、極一部のプレイヤーに利益が集中し、大多数の小規模プレイヤーはもがき苦しむことになります。音楽産業におけるアンダーグラウンドで小規模なライブハウスやレーベルに所属しているイベントオーガナイザーは、大企業によって、収益構造の蚊帳の外に置かれています。」 今日の大規模なチケット予約代理店や、中央集権化されたチケット販売プラットフォームにマネーが集中しているライブミュージック産業のエコシステムにおいて、タレント・エージェンシー(タレント事務所)の恩恵に預かれるアーティストはごく少数に留まります。タレント・エージェンシーの後ろ盾がないアーティストは、マーケティング、セールス、ネットワーキング、リーガル、税制、資金調達といった様々な問題を自力で解決せねばならず、本業であるクリエイティブな活動に専念することが難しくなります。 同時に一方で、イベントオーガナイザーは、イベントに登場してくれるアーティスト探しに奔走しますが、当日ドタキャン、低クオリティなパフォーマンス、支払いの滞りといった様々なリスクに向き合う覚悟で仕事に臨まなければなりません。 Viberateはライブミュージック産業のグローバル市場を構築しようとしているブロックチェーンスタートアップです。Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンを用いてミュージシャンと予約情報の管理をし、スマートコントラクトを用いてチケットの販売を行います。Viberateは現在、タレント・エージェンシーやチケット販売業者とのパートナーシップを結ぶことを計画していますが、彼らの最終的なゴールは、世界中にいる、事務所の後ろ盾のないアーティストとイベントオーガナイザーのマッチメイキングをするプラットフォームを展開することにあります。 ミュージシャンは、このプラットフォームをプロモーションや露出媒体として用いることができる一方で、プロモーターにとってはイーサリアムブロックチェーンによる支払いシステムを、分散型のエスクローシステムとして用いることができます。 既存の配信プラットフォームと比較して、20倍の収益が見込める 4.TokenFM TokenFMは、既存のメディアが抱える問題点に対してブロックチェーンを用いた世界初の企業です。TokenFMは、メディアの分散化を推し進めるとともに、アーティストとファンを直接結び付ける活動をしています。 […]

ビットコインゴールドのウェブサイト、分裂直後にDDoS攻撃を受けダウン

2017年10月25日 BBC編集部 0

  2017年10月24日、ビットコインブロックチェーンのフォークによって、新しい暗号通貨(仮想通貨)、bitcoin gold (ビットコインゴールド、BTG)が正式に誕生しました。しかし、このビットコインゴールドのクラウドウェブサイトが、継続的にDDoS攻撃の被害にあっていることが判明しました。 マイナーの集中がBTG誕生の契機に ビットコインゴールド誕生の裏側には、中国の大手マイニング業者、LightningAsic社CEOのJack Liao氏がいます。Jack氏は、中国にビットコインの大手マイナーが集中している現状を受け、マイナーの分散化を推し進めるために、通常のCPU/GPUとASIC(マイニングに特化したプロセッサ)のマイニングパワーに差がでない、新たなエコシステムを設計することを目標に掲げています。ビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)に加えて新たにビットコインゴールド(BTG)が誕生することで、集中しているマイナーが分散することを狙っているようです。しかし分裂して間もなく、開発チームはTwitterにて下記のように、問題が発生していることを報告しました。   “Massive DDoS attack on our cloud site. 10M requests per minute. We are working with the providers […]

EUによるブロックチェーン企業への投資額が累計500万ユーロを突破

2017年9月20日 BBC編集部 0

  2017年9月上旬、欧州委員会の中小企業(SME)グループ内にて、ブロックチェーンスタートアップ企業のSignatureit社、Authenteq社、The Billon Group社それぞれの事業案について、共有が行われました。欧州連合(EU)は、ブロックチェーンを含むさまざまな新規プロジェクトやテクノロジーの発展に取り組んでいるスタートアップ企業に対して、資金面での積極的な支援を行っています。資金調達は、Horizon2020という欧州における新規の研究開発・イノベーションを支援するための資金調達枠組みを通して行われており、Horizon 2020を通じてこれまでに6つの新興企業が資金調達に成功しているそうです。 スタートアップへ投資を行うHorizon2020という枠組み Horizon 2020のデータによると、EUは新興企業グループに対して、累計で5,471,131ユーロを拠出しているとのことです。資金調達に成功した6つの新興企業のうち3社は、それぞれ100万ユーロ以上を調達しています。残る3社は、それぞれ5万ユーロの調達に成功したとのことです。 ブロックチェーン研究を促進するためのイニシアチブを形成することは、ヨーロッパ諸国およびヨーロッパに拠点を置くテクノロジー業界の間で、一つの大きな焦点となっています。2017年8月、欧州委員会は、Horizon2020と連携して行う「社会的利益のためのブロックチェーン(Blockchains for Social Good)」の開発競争を促進する計画について公表していました。また、ブロックチェーンのなかでも暗号貨幣(仮想通貨)関連のビジネスを行うスタートアップ企業に対しての支援も積極的に行っている様子です。さらにこれだけに留まらず、欧州委員会は2017年より、ブロックチェーンと他のテクノロジーとの連携を狙ったブロックチェーン・オブザーバトリー(Blockchain Observatory)という組織を立ち上げる計画も進めています。 規制か支援か:状況が異なる各国 アメリカでは、SEC(アメリカ証券取引委員会)の規制によって、新興企業の自由な発展やイノベーションが妨げられている言われているなか、ヨーロッパはブロックチェーンの発展に向けた支援が進められているという構図です。現在世界各国でブロックチェーンに対する姿勢に差が見られており、今後の公的な規制や支援状況などにも注目が集まるところです。

中国でブロックチェーン×AI開発の初となる連合が結成される見通し

2017年9月19日 BBC編集部 0

  2017年9月3日、「AIとブロックチェーンテクノロジーのためのセミナー」が中国の清華大学で開かれました。セミナーではAIとブロックチェーンの融合、及び長期の発展を目指すために、「AI/ブロックチェーン技術開発連合」を発足させる案が出されました。この連合を結成する目的は、AIとブロックチェーン技術の統合を促進し、中国が新技術のグローバルスタンダードを策定することで、テクノロジーに更なる発展をもたらし、より広範な人々に利益をもたらすようにすることとされているようです。 ABCD連合とは? このABCD連合(ABCD Alliance)計画は、中国では初となるAIとブロックチェーンの発展のための連合となる見通しです。ABCD連合の準備委員会の長官である張氏によると、連合は「平等、自主性、相互利益の原則にしたがって、AIやブロックチェーン関連分野の専門家、企業、社会組織などと共に、民主的に運営される。」とのことです。現在、デューク大学、清華大学、浙江大学を含む国内外の有名大学の関連分野の専門家がABCD連合に参加する意向を示しています。 張氏は「AIとブロックチェーン技術の開発は、テクノロジーを発展させて行く上で、通るべき道であり、私たちは研究の協力と情報交換のプラットフォーム構築後援したいと思っています。」と述べています。 AIとブロックチェーンの統合が今後のトレンドとなるか セミナーに参加した複数の専門家によると、AIとブロックチェーンの統合は互いにシナジーを引き起こし、より刺激的で革新的な未来が実現していく可能性について予測しています。中国のITコミュニティーの中で最も大きいとされるCSDN(Chinese Software Developer Network)の副所長である孟氏は、「AIとブロックチェーンの融合はIT業界に新たな風を吹き込むだろう。」と期待感を表明しています。   また、MATRIXブロックチェーンのチーフである李氏は「AIとブロックチェーンの融合は、インターネットの価値を次世代のものにする効果がある。」と述べています。MATRIXブロックチェーンとは、近年話題のトークンエコノミーや商業的なアプリケーションなどではなく、AIとブロックチェーンの両テクノロジーを統合するための機能的なデザインを行っています。 李氏はブロックチェーンとAIの融合は、二つの価値をもたらすと予測しています。一つは、ブロックチェーンを支えるコンセンサスシステムにおいて、AIが人間の代わりとなって意思決定を行ったり、投票を行われるようになることで、人の手による判断が減少することです。二つ目はブロックチェーンによる情報管理システムを使うことによって、効率的にAIの開発を支援できることです。李氏は「ブロックチェーンは時間の空間の融合に使われており、AIは歴史(蓄積データ)を元に未来を予想します。AIとブロックチェーンの融合が行われれば、空間と時間のより近い関係が発見されるかもしれません。」と述べています。 AIとブロックチェーンの融合により、今では考えられないような次世代の技術が登場するかもしれません。今後も連合の動きに注目です。

シンガポールがブロックチェーンスタートアップから注目されている理由

2017年9月13日 BBC編集部 0

シンガポールは、ICO(Initial Coin Offering)を開始しようとするブロックチェーンのスタートアップ企業にとって、魅力的な国として認知されつつあります。シンガポールは、税制優遇規制、ライトタッチルール、州の資金調達など、新興企業の中心地として長年に渡り脚光を浴びてきました。実際、すでに多くのICOを開催しており、多額の資金とユーザーの注目を集めることに成功しています。 fintech関連分野への積極的な投資を進めているシンガポール シンガポール政府は、中央銀行であるシンガポール金融通貨局(MAS)を通じて、fintech(フィンテック)業界を支援するプログラムを複数展開しています。例えば、リードプログラムの1つとしてフィンテックプロジェクトおよびアプリケーションの開発に2億2,500万シンガポールドル(1億6,600万米ドル)もの支援を行っています。 さらに、中央銀行は法定通貨であるシンガポールドルをトークン化する、「Project  Ubin(プロジェクト・ウビン)」を実施しています。このプロジェクトは、Ethereum(イーサリアム)ベースのブロックチェーン上にシンガポール独自のトークンを発行することを目標としており、長期的には国内における銀行間決済ネットワークの機能の代替となるものを構築していくようです。 各国で異なるICOへの規制状況 MASは、ICO活動を保護する目的で電子通貨に対して法規制する動きもみせています。MASは、シンガポールが金融のハブとして今後より一層機能と責任を果たしていくために、違法なマネーロンダリングの防止に向けて積極的に対策をとっています。適切な規制によって投資家が保護されることにより、今後より多くの人々が安心してICOに参加することができるのではないかと期待されています。 MASは、「デジタルトークンの機能は、単にバーチャル上に再現された通貨の範疇を超えている。暗号通貨(仮想通貨)は、ブロックチェーンそれ自体のもつセキュリティに加えて、個人がもつ資産の所有権を明示する機能まで持っている。」と述べており、暗号通貨に対して大きな期待を持っていることが伺えます。 2017年9月に中国でICOが違法な資金調達として禁止されるなど、ICOに対する姿勢は各国で大きく異なっています。ICOの是非をめぐる議論はこれからも続きそうです。

欧州中央銀行総裁がエストニア国家によるICOを認めない旨を発言

2017年9月11日 BBC編集部 0

  2017年8月22日に発表されたエストニア国家によるICO計画に対して、欧州中央銀行の総裁であるMario Draghi氏が「ユーロ圏においては、国家が主体となって発行する通貨は認められない。ユーロ圏で使用できる通貨はユーロのみだ。」と発言しました。 ICOに対して様々な見解が取り巻いている現在 estcoinの構想は、エストニアの電子政府計画の一環として行われている、e-residencyプログラムの代表責任者であるKaspar Korjus氏によって提唱されたものであり、今後の具体的な進行については計画段階であり、協議をもって進められることが示されていました。 e-residencyによるICO計画の記事はこちら http://businessblockchain.org/estonia_estcoin_ico_project   estcoin計画は、暗号通貨(仮想通貨)という存在がニッチからマスの市場に進出していくにあたり、ひとつの指標とも呼べるべき存在でした。国家関連機関が主体で発行となってされる暗号通貨には高いポテンシャルが期待されますが、今回の欧州中央銀行総裁のコメントにより、estcoin計画は否認された形となります。2017年9月8日に中国がICOが「違法な資金調達」として禁止を表明するなど、国家によるICOの認識には差がみられます。今後も暗号通貨に対して、国々が規制を進めていくのか、あるいは推奨していくのか、注目が集まりそうです。

中国政府は不正なICO事業者に対して死刑を宣告できるのか?

2017年9月4日 BBC編集部 0

ブロックチェーン(Blockchain)における最新のトレンドとして、ICO(Initial Coin Offering)と呼ばれる資金調達の手法が注目されています。既存のIPO(新規公開株)とより明確に区別するために、一部ではToken Creation Eventsとも呼ばれています。 スタートアップ企業は、ビジネスアイディアとともにWebサイトに暗号通貨のアドレスを掲示し、それに賛同する投資家から資金を募ります。Coindeskによると、2017年上半期だけでICOはすでに累計18億ドルを集めていると報告されています。しかい、実態がないビジネスも新規ICOプロジェクトの中で散見されており、これらのプロジェクトの存在は業界のリーダーや証券弁護士に大きな打撃を与えています。米国の証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)も、投資家に対して不正な資金調達が疑われるICOプロジェクトに支援を行わないよう警告を発しています。 中国ネットユーザーの間で広がる疑念 このように各国政府による規制などの最新動向が注目されるICOですが、中国国内において不正が疑われるICOプロジェクトが現行法に抵触する可能性について、インターネット上で議論が行われていたようです。深圳に本拠を置くBitkanというニュースブログが、2017年6月29日、「中国政府がICOを通じて不法に資金を調達している人に対して、死刑を宣告できるのではないか?」という疑問を提起するポストを投稿しました。その結果、中国のあ暗号通貨(仮想通貨)ユーザーの間で広くシェアされ、死刑は可能性としてありえるのではないか、という考えが広がっていたようです。 しかし、ユーザーの懸念とは対照的に、ICOによる不正資金調達が死刑判決に至る可能性について、明確な根拠となる材料は存在していないそうです。 中国では、昨年だけで3600億ドル以上が資金調達によって集められていました。このように盛んに資金調達が行われている一方で、中国政府は不法資金調達について、厳しい姿勢で対処しています。2013年には、不法資金調達として2件の事件が報告されています。しかし、このどちらも死刑宣告には至っていません。中国において、違法な資金調達で死刑が言い渡された唯一の事件は、2011年に3人のグループが15,000人から55億人民元(当時8億6,700万ドル相当)を調達した事件のみです。 不正な資金調達を取り締まる現行法 中国刑法は1979年に初めて導入され、1997年以来現在の形で存在しています。そのうちの第160条(証券詐欺)と第179条(違法資金調達)には最大5年の懲役判決があり、第192条(金融詐欺)に関しては「特に巨額」の場合には終身刑が施行されるとされています。 第199条は、第192条を改正したもので、「関与する金額が特に大きく、特に重大な損失が国家又は国民の利益になる場合」には、死刑の可能性があるとされていました。しかし、第199条は、2015年の刑法改革の一環として廃止されています。 現在、中国で進められている裁判のうち、死刑が宣告される可能性がある事件が46件あるそうです。それらの多くは非暴力犯罪のためのものであり、経済犯罪によるものはほとんどありません。大部分は偽造医学の製作や販売、危険な食品、公職への横領に関連した事件に当てはまるそうです。 これらのことから、中国でICOによる資金調達を行う事業主は、悪意を持った不正を行わずに、資金調達を行う上で最低限必要なセキュリティを確保していれば、法に抵触する恐れは少ないといえるでしょう。引き続き各国の暗号通貨の規制状況に注目です。

ベトナム政府、暗号通貨の合法化へ

2017年8月29日 BBC編集部 0

2017年8月25日、ベトナムの公式通信機関であるVNA(Vietnam News Agency)は、ベトナムのグエン・スアン・フック首相が、bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)をはじめとする暗号通貨(仮想通貨)の取り扱いを定める法整備計画を承認したことを発表しました。これに伴い、近くベトナム国内で暗号通貨が合法化されることが期待されています。 グエン・スアン・フック首相は、法務省主導で現状の法制度の見直しを進めるように要請しており、ベトナム国家銀行と4つの関係省庁(情報通信省、公安省、工商省、財務省)と連携して改正案を策定していくそうです。 発表された今後の方針によると、2018年末をめどに通貨に関する法的規範文書を準備する計画のようです。それに先立ち、現行法の見直しは2018年8月までに完了する見通しです。2019年6月には暗号通貨に関する税制関連法の申請が完了し、同年9月には犯罪予防策や新法令の違反に関する規定が整備された状態を目指しているそうです。 IT産業への外国資本誘致を進めるベトナム また今回の法整備には、2015年に策定された民法上の財産権の適用対象を見直す計画も盛り込まれているようです。これにより、ベトナム内外の暗号通貨保有者や投資家の財産権や利益が、今後より一層保護されていくものと期待されます。 ベトナムでは国を挙げてIT人材の育成を行っており、近年多くの日本企業において、オフショア開発の拠点として注目を集めています。既にfintech(フィンテック)関連で、オンライン決済関連のサービス開発が積極的に行われているベトナムですが、今回の暗号通貨関連の法整備によって、ビットコインなどのメジャーな暗号通貨が合法化されると、今後その勢いはさらに増していくでしょう。   参考:http://en.vietnamplus.vn/government-considers-recognising-bitcoin-in-vietnam/116916.vnp

カナダでイーサリアム対応のATMが稼働開始

2017年8月25日 BBC編集部 0

2017年8月14日、カナダのオンタリオ州を中心に展開している暗号通貨(仮想通貨)対応のATMサービス「LocalCoinATM(ローカルコインATM)」が、Ethereum(イーサリアム)の対応を開始しました。これによりユーザーは、より日常的にイーサリアムの売買や預金をできるようになりました。これまでローカルコインATMは、BItcoin(ビットコイン)とLitecoin(ライトコイン)にも対応していたため、今回のアップデートで3種類の暗号通貨の取引が可能になりました。 日本では、仮想通貨による決済は現状ではあまり普及していないため、街中で仮想通貨対応のATMを見かけることはありません。しかし欧米をはじめとする海外では、仮想通貨決済に対応したカフェや小売店などが広がりを見せており、ビットコインをはじめとする仮想通貨対応のATMが普及しつつあります。 暗号通貨対応のATMが人気の理由 2017年8月現在、暗号通貨の売買はオンライン上の暗号通貨取引所を利用することが主流となっています。多くの暗号通貨取引所は、その運営主体がおかれている国の法律に従う必要があるため、アンチマネーロンダチング(AML)や顧客管理措置(KYC)など、犯罪の防止や消費者保護のための規則に則った運営がされています。これらの措置は取引の透明性を担保し、安全な取引の実現には欠かせません。しかしその一方で、公的身分証明書による本人確認をしないかぎり取引の全機能を使うことができないなど、暗号通貨取引所はユーザー目線にたつと不便な側面も目立ちます。このような現状に対して、ローカルコインATMのようなサービスは、暗号通貨の保管場所となるアドレスさえ保有していれば自由に売買することができるので、少額の暗号通貨を購入してみたいと考えているライトユーザーにとって非常に魅力的な選択肢となるでしょう。 アジアでも広がりつつある暗号通貨対応ATM 今回はカナダの暗号通貨対応のATMのご紹介でしたが、取引所でAMLやKYCの措置がとられている香港や韓国でも、暗号通貨専用のATMが人気を博しているそうです。イーサリアムの流通量が増加し、イーサリアム対応のATMの需要はますます増加の一途を辿ると予想されます。 2017年8月25日の時点で、ローカルコインATMは7か所で稼働しており、今後さらに2か所に増設されるそうです。カナダ在住の方や、これから観光で行かれるという方は、ぜひチェックしてみてください。   現在稼働しているLocalCoinATMリスト: トロント– Hasty Market – 161 Church Street, Toronto エトビコ – Hasty Market 2240 Lake Shore Blvd […]