JPモルガンが手のひらを返す:ビットコインをデジタル・ゴールドとして評価するコメント

2017年12月6日 BBC編集部 0

  2017年9月13日、JPモルガンのCEOのJamie Dimon氏がBitcoin(ビットコイン)を「詐欺である」と糾弾したことを受け、ビットコイン相場が直後に24%下落するなどして、一時大きな騒ぎとなりました。これを受け、市場操作の疑惑でJPモルガンはスウェーデンの金融当局から勧告を受けたほか、Blockswater社から同疑惑によって訴追されるなど、問題は後を引いています。しかし、2017年12月5日、JPモルガンのアナリストであるNikolaos Panigirtzoglou氏が、ビットコインを「デジタル空間上の金」として評価するなど、従来の姿勢とは一転したコメントを打ち出しました。

KPMGがウォールストリート・ブロックチェーンアライアンスに加入

2017年11月17日 BBC編集部 0

2017年11月17日、世界4大会計事務所の一角であるKPMGが、アメリカ・ニューヨーク州の金融街を中心に活動している、ウォールストリート・ブロックチェーンアライアンス(WSBA、Wall Street Blockchain Alliance)に加入する署名を行ったことが、WSBA公式サイトのプレスリリースにて発表されました。 金融業界で進むブロックチェーンの導入 今回加入したことによって、KPMGはWSBAのボードメンバーに追加されました。今回のKPMGの加入によって、WSBA、ひいてはブロックチェーン技術全般の発展がますます進んでいくものと思われます。WSBAの議長であるRon Quaranta氏は「世界有数のサービス会社であるKPMGが、地球上のあらゆるブロックチェーン・イノベーションの最先端の現場に立ち会うことになった。私たちは、KPMGと共に、金融分野を超えて世界中でブロックチェーン革命が起きていくことを前向きに望んでいる。」と述べています。 今回の発表は、ブロックチェーン技術が大企業レベルにまで浸透してきたことを象徴する出来事といえるでしょう。近日ブロックチェーンの導入を発表した企業として、Mastercard、Bank of America、そしてAmerican Expressが挙げられます。特にAmerican Expressに関しては、同じく2017年11月17日に、Ripple社(リップル)のシステムを組み込んだことが発表されたばかりということもあり、いかに金融業界がブロックチェーンの導入でしのぎを削っているかが伝わってきます。 ブロックチェーンの推進 ≠ 暗号通貨の推進 ただし、ここでいう「ブロックチェーン」の意味する文脈については注意を払う必要があります。すなわち、「ブロックチェーン」は歓迎されていても、必ずしも「暗号通貨(仮想通貨)」が歓迎されているわけではない、ということです。しかし、今後も大企業の参入の発表が続いてくれば、「ブロックチェーン」をダークテクノロジー(未知の怪しいテクノロジー)として扱う、従来の懐疑的な目線は徐々になくなっていくことでしょう。 ブロックチェーンスタートアップであるCOTI社のCTOであるAdam Rabie氏は「企業のブロックチェーンへの参入は、アンダーグラウンドなテクノロジーといわれていたブロックチェーンが、マスへ拡大していくにあたって必須ともいえる要素です。ブロックチェーンを導入する有名企業とインフルエンサーの増加によって、ブロックチェーンに対する誤解が解け、メリットが世間に徐々に浸透していくことでしょう。」と述べています。日本国内でも、DMMやGMOといった大手IT企業がブロックチェーン技術を活用したサービスの発表をはじめ、日本でも「ビットコイン」を中心に、徐々に知名度が向上しています。しかしその背後にあるブロックチェーンの概念が世間に広く浸透するまでには、もう少し時間を要しそうです。国際的にみても暗号通貨への投資額が高いとされる日本ですが、ブロックチェーンへの「正しい理解」が進むことを願います。

ブロックチェーン関連企業のETF銘柄取り扱いを米国2社が申請

2017年11月9日 BBC編集部 0

ブロックチェーン企業銘柄のETF 2017年11月上旬、ETF(Exchange Traded Funds、上場投資信託)の取り扱いを専門とする2社がブロックチェーン関連ETF銘柄として、アメリカのSEC(Securities and Exchange Commission, 証券取引委員会)に申請を出していたことがわかりました。Reality Shares ETFs社の子会社であるReality Shares Advisors社は、ブロックチェーン企業への投資環境を整備するため、NASDAQと協働していくようです。時を同じくして、同じ目的で、Amplify Trust ETF社もSECに対して独自ETF銘柄の申請を行ったようです。 2社とも「ブロックチェーン企業への投資環境を整える」という文脈では同じでした。しかし事業計画書によると、それぞれが投資先として想定している会社は、まったく異なるものを描いており、ETF銘柄が真正面から競合する可能性は低いとのことです。   Reality Shares社は、申請時のコメントで 「今後多くの市場や産業がブロックチェーン技術の恩恵に預かるであろう、ということが予想されていますが、ブロックチェーン技術のもつ可能性にはまだまだ探求され尽くされていない領域がたくさん残っています。そのため、インデックス(同社の策定する指標)には、(ブロックチェーン技術が)活用されている会社と、そうでない会社の持分証券が含まれる可能性があります。」 “Blockchain technology may be used to […]

ブロックチェーンテクノロジーに熱視線を注ぐアフリカの若い起業家たち

2017年10月24日 BBC編集部 0

  トムソン・ロイター社主催のアフリカサミットにて、ブロックチェーンテクノロジーに関して多くの議論が行われたようです。メディアとマーケティングソリューションを提供するCreative Counsel社のCEO、Ran Neu-Ner氏は、個人や企業がブロックチェーン技術に参入していくべきであると強い主張を行いました。彼は、演説にて「ブロックチェーンはユーザーが取引を行えるという点で、インターネットの革命よりもはるかに革新的です。これは無視しがたいインパクトをもたらします。どのような形でもブロックチェーンの影響を受けない産業はありません。」と述べています。 金融分野に革命をもたらすブロックチェーン Blockchain Academy(ブロックチェーン・アカデミー)のCEO、Sonya Kuhnel氏は、ブロックチェーン技術は、貧困やインフラの未整備などが原因で銀行やその他のシステムにアクセスできない35億人以上の人々を、国際経済の流れのなかに統合することができると述べています。Kuhnel氏は、 「伝統的な大企業や、第三者や仲介者を介さずに、人々がお互いに直接取引できるようになります。取引手数料がはるかに低くなることによって、経済がさらに加速していくことでしょう。」と述べており、今後ブロックチェーンによって人々が低額の手数料でお金を転送し、経済発展に参加することが可能になるシステムが実現する未来を描いています。 Kuhnel氏は個人情報管理と検証の分野にも触れています。演説のなかで、個人情報関連の従来の課題を解決するアプリケーションを開発したスタートアップ企業を紹介しており、ブロックチェーンによって本人確認作業などが効率的に行われるようになり、金融や銀行関連の業務が高速化される未来について示唆していました。 ディスラプションが新たな基軸を生む Ran Neu-Ner氏は、ブロックチェーンが「新しい時代」の突入をもたらしたことを確信しています。 「現代は、(中央集権による)ビッグ・ビジネスの時代の終わりであると同時に、複数の人間がそれぞれバラバラなネットワークに参加する分散化された時代の始まりにあります。今までは「イノベーション」という名の創造が繰り返さえれてきましたが、我々は歴史の中で初めて「破壊と解体」に取り組みはじめました。」と述べています。 また同氏は、企業のデータに対する向き合い方について、このように付け加えています。 「データは通貨です。データに関するすべての意思決定を自分でしていないのであれば、既に取返しがつかない状態になっています。」と述べました。同氏は、ウォルマートやマイクロソフトのような大企業がデータの取り扱いに頭を抱えている中、Nike(ナイキ)を成功例のひとつとして取り上げています。ナイキのCEO、マイク・パーカーは、自社について、スポーツウェアの販売も手掛けている大手データ会社であると語りました。 今回のサミットでは、ブロックチェーンテクノロジーからデータ産業の今後まで、幅広いテーマが取り扱われたようです。現在、新たなスタートアップの出身地としてアフリカの一部地域が高い注目を集めています。今後、アフリカ発のブロックチェーン企業の誕生に期待が高まります。

Maybank銀行が銀行口座を持たない19000人の移民労働者へ決済ソリューションを提供

2017年10月18日 BBC編集部 0

  2017年10月4日、Maybank銀行のシンガポール拠点が、巨大な寮で生活を送る移民労働者に対して、ブロックチェーンベースのデジタル決済手段を提供することを発表しました。Maybank銀行は、InfoCorp社の提供するCrossPayというブロックチェーン決済ネットワークを利用するとのことです。 銀行口座がなくても決済ができる世界 CrossPayでは、決済に特化したプライベートブロックチェーンプラットフォームであり、顧客データの保管にブロックチェーンを活用しています。一方で、Maybank銀行は現在、寮の入居者を管理しているTSGroup社と入居者数の最終調整を行っています。ひとつめの拠点となっている寮には既に16,800人の移民労働者が住んでいますが、Mandaiに新たにできる拠点にもう2000人ほど住むことが見込まれているとのことです。InfoCorp社CEOであるRoy Lai氏は、インタビューに対して「ブロックチェーンの真価はオンラインの銀行口座を持たない人々に安全な決済手段を提供できることにある」と述べています。特に現地の銀行口座システムに不慣れな移民労働者に関しては、より便利な決済手段となることでしょう。 移民・難民にとっての希望 移民労働者向けのブロックチェーンソリューションは、今回のシンガポールの例に留まりません。フィンランド政府は、現地のfintech(フィンテック)スタートアップであるMONI社と提携を結び、同国に移住してくる難民向けにブロックチェーンベースのデビットカードを提供する計画を発表しています。国民IDを紛失していても、取引履歴を安全に追跡できるブロックチェーンの強みに注目が集まっています。 Maybank銀行の国際銀行部門トップのAmos Ong氏は、「金融サービスへのアクセスを持たない人々に対して、InfoCorp社と協力してサービスを提供していきたい」と前向きな姿勢を表明しています。ミャンマーのロヒンギャ問題をはじめとして、移民難民の問題は世界中で発生しています。一度国際経済から取り残されてしまうと貧困からの脱出が困難になるといわれていますが、このような領域においてブロックチェーンが救いの手を差し伸べていくことに今後も期待が集まります。

スカンジナビア半島一のキャッシュレス社会を目指すスウェーデン

2017年10月3日 BBC編集部 0

  スウェーデンは世界初のキャッシュレス社会の実現に向けて、急速に計画を進めつつあるようです。このようなニュースは電子通貨コミュニティにとっては朗報ではありますが、同時に様々な問題も懸念されています。ひとつは、すべての取引が可視化されてしまうことにより発生する、プライバシーの問題です。しかし、スウェーデンはbitcoin(ビットコイン)が既存の貨幣制度と同様に、取引の匿名性を保てるとして、注目しているようです。 紙幣のメリットが急速になくなりつつある現代 紙幣や硬貨による価値の取引は、物理的な管理コストがかかってくる上に、取引時に消費者に関するデータを何一つストックすることができないので、企業にとってはほとんどメリットがなくなりつつあります。そのため、スウェーデンを筆頭として、金融界はキャッシュレス社会への移行を推し進めているのが現状です。スウェーデンの中央銀行であるRiksbankの統計調査によると、スウェーデン国内の銀行1600店舗中、およそ900店舗は既に紙幣の保管を行っておらず、紙幣の引き出しや預入にも対応していないそうです。また、ATMの設置台数が徐々に減少しているだけでなく、スウェーデンクローナ(スウェーデンの法定通貨)の流通量自体も、2009年の1060億クローナから、2016年の600億クローナにまで低下しているそうです。 このような背景から、スウェーデンの中央銀行は政府主導型の電子通貨を発行すべきかどうかについて、検討を進めているようです。そして、ビットコインが解決策のうちのひとつとして、期待されています。 カード決済、電子決済が主流のスウェーデン社会 クレジットカード世界最大手であるVisa社によると、スウェーデン国内ではカード払いが主流となっています。そしてこの利用率は、平均的なヨーロッパ社会の3倍ほどとなっています。スウェーデンで広く普及している「Swish」というアプリでは、ユーザーはスマートフォンの電話番号を利用して、銀行口座から別の銀行口座へリアルタイムで送金を行うことができます。Swishの開発者に携わっているプレイヤーとして、Nordea、Handelsbanken、SEB、Danske Bank、Swedbankといった複数の銀行が名を連ねています。 このようにキャッシュレス化が広く歓迎されているスウェーデンですが、その一方でキャッシュレス社会のデメリットとして、携帯電話や銀行口座を保有できない層が社会から締め出されてしまう、ということがあります。しかしビットコインでああれば、利用するにあたって銀行口座を必要としないため、この懸念点を解消することができるかもしれません。キャッシュフローが完全に匿名化されることもないので、現実の貨幣のキャッシュフローに似た状態を作り出すことが考えられます。 キャッシュレスの世界最先端をいくスカンジナビア半島 このようにキャッシュレス化を猛烈な勢いで進めているのはスウェーデンだけではありません。同じスカンジナビア半島に位置しているデンマークも、キャッシュレス社会を目指しています。デンマークの経済産業省は、過去に小売業者や病院や郵便局といった基幹インフラに対して、電子決済の導入を行うように通達しています。事実、デンマーク政府は2030年に「完全キャッシュレス社会」を実現するという目標を発表しています。引き続き、スカンジナビア半島周辺国から発表されるであろう、キャッシュレスソリューションに注目です。

スイス金融規制当局がブロックチェーンに対して前向きな姿勢を表明

2017年10月2日 BBC編集部 0

スイスの金融規制当局であるFINMA(Financial Market Supervisory Authority)の2017年9月29日付プレスリリースにて、FINMAは現在スイス国内で行われているICOに対する捜査を強化していることを発表しました。 いくつかのICOプロジェクトがスイス現行法に抵触か スイスの金融当局は、国内で現在行われているICOの一部は、既にスイス国内で適用されている金融関連の現行法に抵触している可能性が高い、との見解を示しています。抵触している可能性のある法として、アンチマネーロンダリング法およびテロ対策法、証券取引規定、集団投資スキーム(ファンド)規制に関する法律、銀行法が挙げられています。今回の発表では、法に触れている可能性のあるプロジェクトの具体的な名前や数については述べられていません。しかし今後捜査が進むにつれ、法律違反に該当する企業に対して何らかの措置を取る可能性について強調しています。 文書によると、「FINMAは現在、いくつかの案件について詳細な捜査を進めています。FINMAは、金融市場法の抜け道をつくような行為や現行法に抵触するICO案件を発見した場合、法的措置を執行します。」とのことです。 ブロックチェーン技術に可能性を見出しているスイス当局 このように、違法なICO案件に対して厳しく取り締まりを進めていく姿勢をみせたFINMAでしたが、同文書内には、「FINMAはブロックチェーンの持つイノベーティブなポテンシャルを認識しており、今後もスイスの金融業界におけるブロックチェーン・ソリューションの開発と展開の支援を進めていきます。」との記述もみられました。このことから、スイス当局はあくまで違法な企業活動やICOプロジェクトに注視しているのであり、ブロックチェーンテクノロジーそれ自体については高く評価していることが伺えます。 現在、世界各国でICOの規制に関する状況は異なっています。中国政府や韓国政府は、ICOを禁止する方針を打ち出すなど厳しい姿勢を示している一方で、今回のスイス金融当局であるFINMAの発表によって、スイス政府のイノベーションに対する柔軟な姿勢が浮き彫りになったかたちになります。今後スイスから立ち上がるICOプロジェクトにも注目です。  

The Plastic Bankプロジェクトとは?ソーシャルビジネス×ブロックチェーンのもつ可能性

2017年9月28日 BBC編集部 0

リサイクルシステムをほとんど持たない途上国において、プラスチック製ごみを再利用するプロジェクトがIBMのブロックチェーン技術による支援によって実現されようとしています。銀行のような信頼性が高く、かつハブのような機能を有する金融インフラが確立していない途上国の多くでは、「信頼」をベースにした経済構造が未発達となっていました。しかし、ブロックチェーンによって信頼の可視化が可能になったことで、途上国において新たな経済圏が誕生しようとしています。 デジタルトークンが現金にとって代わる 「私たちは、今まで利益をあげることが難しかったリサイクルというコンセプトを、お金を貯めることができるコンセプトに変えました。」と、The Plastic Bankの共同設立者Shaun Frankson氏は語ります。彼は、The Plastic Bankの報酬モデル、その背後にあるブロックチェーン技術、そしてどのような信用の形をもって、グローバル世界に展開していくのかについて話しました。 2013年に設立されたThe Plastic Bankは、プラスチックのリサイクルの報酬として、現金ではなく、ブロックチェーン上で発行されたデジタルトークンを付与しています。これらのトークンは、非営利団体の開発したアプリを使用し、モバイル決済システムを導入している店舗で、食料や水と交換できるほか、公共料金の支払いに用いることもできます。 「これは世界中のどこであっても展開できるように設計されたシステムだ。」とFrankson氏は語りました。 The Plastic Bankを支えるIBMのテクノロジー The Plastic Bankのプログラムを支えているテクノロジーには、IBM Blockchain、Hyperledger Fabric(分散型帳票ソリューションのプラットフォーム)、IBM LinuxONEサーバーなどが挙げられます。 IBMは動作中のデータを自動的に暗号化するSecured Service Containersというセキュリティ機能を含む、新世代のLinuxONEメインフレームを発表しました。これにより、ブロックチェーン取引のためのセキュリティレイヤーが新しく追加されることとなりました。 IBMのDickinson氏は本技術について、「これはあなたが利用しているどのLinuxアプリケーションにも使用することができます。これにより、マルウェアやインサイダーによる攻撃から、自分のアプリケーションを守ることができます。」と説明しています。  […]

石油産業の構造にブロックチェーンが与えるインパクト

2017年8月30日 BBC編集部 0

  石油産業は、これまでDWC技術(Dividing Wall Column)やペトロリオミクス技術といったような、先進的なテクノロジーを他の業界に先駆けて積極的に取り入れてきました。しかしその一方で、今世紀で最も重要な技術のひとつといわれるブロックチェーンの導入に関しては遅れをとっていると言われています。今回の記事では、ブロックチェーンの導入が、石油産業の構造にどのようなインパクトを与えるかについて注目していきたいと思います。   石油業界の現状と課題 石油に対する世界的な需要は全体的には増加の見込みがある一方で、需要増加分以上に精油所の新設や増設が進み、供給過剰となってしまう可能性もあります。また、需要の増減については地域によって違いがあります。例えば、日本では少子高齢化や自動車の燃費向上によって需要が減少していますが、欧州では域内の製油所の整理が進み、中東などの域外からの輸入需要が増加する動きがあります。アジアでは新興国を中心に需要の伸びが期待されており、豪州では国内需要の伸びに応じて、輸入が増加する見込みです。また環境問題への対策として石油使用の規制が進められ、バイオ燃料への取り組みがさらに強まることも考えられます。 一方、石油の供給面でも構造的に懸念点があります。近年、石油の主要な産出地域である中東地域で政治的不安が広がっています。それを受けて、中東国家の反体制派であるテロ組織などに活動資金が渡らないように、石油の産出元の健全性が求められています。しかし、イスラム国とトルコ国境に不審な石油運送ルートの存在が衛星画像で指摘されるなど、石油への信頼性が大きく揺らぎました。   このように、石油や石油化学産業のサプライチェーンは⑴採掘から精製地、⑵精製地から最終消費者に届けるまでに数多くのプレイヤーを経由するため、非常に大きく複雑な流れになっています。現在の石油業界では、企業間や部署間での取引効率化やセキュリティ向上のため、業界内での合併や戦略的提携の拡大が進められてきました。しかし、これらの課題を低コストで解決できるポテンシャルをもつ、ブロックチェーン技術の活用に業界内で注目が集まっています。 金融や政治の分野で活用されるブロックチェーン 分散型台帳技術とも呼ばれるブロックチェーンは、取引記録の改竄が困難、悪意ある攻撃を受けにくい、容易に取引記録にアクセスでき透明性が高い、などの特徴をもっています。 financeとtechnologyを掛け合わせたフィンテックが進む金融業界では、与信審査やあらゆる業務の効率性を高めるべく、スマートコントラクトや分散型台帳を導入することによってエラー率の減少、取引の高速化、透明性向上に取り組んでいます。ブロックチェーンは他にも、社債取引、送金、詐欺対策、各種の売買取引に活用されており、これらは石油産業においても同様に活用できることが期待されています。世界最大級の産油国であるアラブ首長国連邦(UAE)では、既に行政レベルでブロックチェーンの導入が進んでいます。UAEは“Dubai Blockchain Strategy”を掲げ、2020年までにUAEの全ての政府機関でのブロックチェーン活用を目指しており、今後石油の分野にも進出していくことが期待されます。   石油業界でのブロックチェーン活用の今後の動向 現在の石油産業では、石油生産、精製、運送において、生産者や、供給者、建築業者、下請業者、精製工、小売業者といった幅広い人が関わっています。ここにブロックチェーンを導入することによって分散型台帳を参照することで、各箇所で行われていた膨大な事務処理を大幅に削減することができます。また、ブロックチェーン上で取引が容易に追跡可能になるので、石油取引に透明性を確保することができます。石油産業やガス産業において、取引の透明性向上は、規制管理の面でも非常に重要です。行政機関などの規制を行う主体は、ブロックチェーンの導入によって、取引の規制がきちんと実行できているか管理しやすくなるでしょう。取引コストの削減や、石油のルーツの健全性、取引価格の透明性が求められる石油産業界において、ブロックチェーン導入は1つの大きなキーとなりそうです。   [参考] http://www.ide.go.jp/library/Japanese/Publish/Download/Report/pdf/2007_04_16_05.pdf PwCあらた監査法人、『Industry snapshot: Oil and […]

BBCミートアップ第7回イベントレポート

2017年8月25日 BBC編集部 0

2017年8月23日(水)にブロックチェーンビジネス研究会(BBC)ミートアップ第7回が開催されました。今回のテーマは「ブロックチェーン×レギュレーション ー RegTech分野への応用と最新の規制状況について」でした。本記事ではこのイベントの様子をご紹介いたします。 今回のイベントではブロックチェーン技術のRegTech分野への応用とICOにおける最新の規制状況について、3名の専門家よりご講演をいただきました。 初めに、アルタアップス株式会社代表の森川夢佑斗氏より、ブロックチェーンに関する時事ニュースとして、主にビットコインのスケーラビリティ問題の動向や、エストニアによる国家のICOについてお話を頂きました。さらにレギュレーション分野へのブロックチェーンの活用可能性についてのお話がありました。Reg Techは大幅なコスト削減、特にコンプライアンスコストの削減につながることから金融機関を中心に注目が集まっているとのことでした。今後は金融機関以外にも導入が検討されることが考えられ、ますます注目が集まりそうです。 次にQRC株式会社の王氏から中国におけるブロックチェーンとRegTechに関する最新情報を共有していただきました。中国では暗号通貨のような新しい投資手法については積極的に受け入れるカルチャーがあり、ICOも2017年の5月から7月にかけて非常に早いスピードで成長しているとのことでした。ただ、現段階では中国政府はICOをネガティブに捉えていて規制を強めている傾向だそうで、今後も動向を注視する必要がありそうです。 最後にAZX Professionals Groupの池田宣大弁護士からICOにおける法規制についてお話しして頂きました。ICOは現状では資金決済法や金融商品取引法が適用されるとのことでした。現在は法律の抜け穴があっても、時機に法令の改正や修正が行われ得ることを前提に行動することが求められるというお話しがありました。参加者の方から多くの質問が出るなど、法規制への関心の高さが伺えました。 講演終了後には、前回までのミートアップと同じく、軽食を用意して懇親会の場を設けました。登壇者の方にもご参加頂き、質疑応答や情報交換の場として非常に有意義な時間をお過ごしいただけたようです。 9月にも勉強会の開催を予定しております。皆様のご参加をお待ちしております。