Blockchain to Blockchain:今注目されている新たな「B2B」とは?

2017年10月4日 BBC編集部 0

  ブロックチェーン技術は現在、黎明期から普及期へと移行しつつあります。その傾向は、新規ICOプロジェクトの傾向に注視すると読み取ることができます。従来のブロックチェーンプロダクトは、通貨としての利用や、その他の価値の保存目的での利用などに主軸が置かれていました。すなわち、現実世界で起きている問題の解決や、現実世界にある価値の代替物を作る目的で、ブロックチェーンが活用される場合が主でした。 メタアプリケーションのICOが相次ぐ昨今 しかし現在では、ブロックチェーンのエコシステムにおける「メタアプリケーション」の開発に、投資家たちの熱い注目が集まっています。メタアプリケーションとはすなわち、「ブロックチェーン経済圏のなかにおいて発生している問題を解決するプロダクト」のことです。 一般的にメタアプリケーションは、直接的に消費者のニーズを満たすことがない一方で、企業体のニーズを満たすことに特化しています。いわゆるB2B(business-to-business)と呼ばれるビジネス領域に属しています。 昨今、メタアプリケーションを扱うICOプロジェクトが急増している背景には、ブロックチェーンエコシステム全体の「複雑性」が急激な勢いであがっていることが原因として挙げられます。世界を席巻したbitcoin(ビットコイン)という一大暗号通貨が誕生して以来、様々なアルトコイン(ビットコイン以外の暗号通貨)が誕生しました。新たに誕生したアルトコインやブロックチェーンは、それぞれが違う目的を実現するために設計されている一方で、実際のユースケースを見てみると、相互に関係性を持った経済圏が誕生していることがわかります。 巨大なマーケットに食らいつく これにより、異なるアルトコインやブロックチェーン間における、相互運用性や互換性が問題となってきました。暗号通貨の市場規模は、2017年10月現在で17兆円以上と推計されています。そのため、この相互運用性や互換性を実現する機能をもったメタアプリケーションを開発したプレイヤーには、莫大な資金やユーザーが集まる可能性に期待が高まっています。 このようなメタアプリケーションを開発プレイヤーの例として、Aionブロックチェーンを提供している、Nuco社が挙げられるでしょう。Nuco社は、グローバルコンサルティング企業であるDelloite社における、ブロックチェーン専門部門であるRubix社という前身企業をもとに作られているそうです。Nuco社は、銀行から自社のプライベートブロックチェーンを経由して、様々なアルトコインブロックチェーンの架け橋となるような機能を提供しています。社員数は20名ほどであるそうですが、ブロックチェーン技術を数年に渡って扱ってきた豊富な開発経験と、Delloitte社から得られるビジネスコネクションは大きな強みとなるでしょう。Nuco社は、Aionブロックチェーンにいちはやくエンタープライズユーザーを惹きつけ、ネットワーク効果を発揮することで、Aionブロックチェーンの価値を高めることを目指しているようです。 メタアプリケーション開発における3つの壁 しかしこの領域においては、3つの大きな課題が残されています。 一番大きな問題として立ちはだかっているのが、①スケーラビリティの問題です。Ethereum(イーサリアム)のRaidenネットワークが開発されたように、ビットコインのLightningネットワークや、ビットコインブロックチェーンのフォークが行われた背景には、このスケーラビリティ問題があります。 スケーラビリティ問題とは? http://businessblockchain.org/what-is-bitcoin-split-and-its-fundamental-problem これからの企業は、それぞれ大量のデータを含んだブロックチェーンを持つようになることを考えると、ブロックチェーン間のやりとりを担保する中間プレイヤーは、大量のトランザクションを捌けるシステムを開発することが必須となります。 スケーラビリティ問題は、ふたつめの②相互運用性の問題にも絡んできます。あるブロックチェーンから別のブロックチェーンへとデータが移動する場合、プログラムの使用上、互換性がないことや、バグが発生してしまうこと懸念されます。この問題に対処できなければ、メタアプリケーションにとって致命的となります。 そして最後に、③プライバシーの問題が挙げられます。暗号通貨の重要な特徴のひとつとして「取引の透明性」を担保できることが挙げられます。この特徴は活用方法によってはメリットになる一方で、一般に公開されることが望ましくない顧客の個人情報など、企業が扱うセンシティブなデータのやりとりにおいては問題となってきます。 これら3つの大きな課題を乗り越え、なおかつ複雑でリアルタイムなビジネスの取引を運用できる中間プレイヤーが、次の覇権を握るでしょう。 次世代B2Bビジネスの覇権を取るのは誰か? Nuco社のCEOは、「今日、すでに何百と存在しているブロックチェーンですが、じきに数千、数百万ものブロックチェーンが誕生するでしょう。今後のブロックチェーンの発達には、公私の主体を問わず、ブロックチェーン同士のネットワークを構築できるかどうかにかかっています。そして、我々はその実現に向けて活動しています。」と述べています。Nuco社は、EEA(Enterprise Ethereum Foundation、イーサリアム企業連合)の立ち上げメンバーでもあります。 日々混沌さを増しているブロックチェーンビジネスですが、今後この巨大なマーケットを制するプレイヤーが誕生する様子に注目です。

スカンジナビア半島一のキャッシュレス社会を目指すスウェーデン

2017年10月3日 BBC編集部 0

  スウェーデンは世界初のキャッシュレス社会の実現に向けて、急速に計画を進めつつあるようです。このようなニュースは電子通貨コミュニティにとっては朗報ではありますが、同時に様々な問題も懸念されています。ひとつは、すべての取引が可視化されてしまうことにより発生する、プライバシーの問題です。しかし、スウェーデンはbitcoin(ビットコイン)が既存の貨幣制度と同様に、取引の匿名性を保てるとして、注目しているようです。 紙幣のメリットが急速になくなりつつある現代 紙幣や硬貨による価値の取引は、物理的な管理コストがかかってくる上に、取引時に消費者に関するデータを何一つストックすることができないので、企業にとってはほとんどメリットがなくなりつつあります。そのため、スウェーデンを筆頭として、金融界はキャッシュレス社会への移行を推し進めているのが現状です。スウェーデンの中央銀行であるRiksbankの統計調査によると、スウェーデン国内の銀行1600店舗中、およそ900店舗は既に紙幣の保管を行っておらず、紙幣の引き出しや預入にも対応していないそうです。また、ATMの設置台数が徐々に減少しているだけでなく、スウェーデンクローナ(スウェーデンの法定通貨)の流通量自体も、2009年の1060億クローナから、2016年の600億クローナにまで低下しているそうです。 このような背景から、スウェーデンの中央銀行は政府主導型の電子通貨を発行すべきかどうかについて、検討を進めているようです。そして、ビットコインが解決策のうちのひとつとして、期待されています。 カード決済、電子決済が主流のスウェーデン社会 クレジットカード世界最大手であるVisa社によると、スウェーデン国内ではカード払いが主流となっています。そしてこの利用率は、平均的なヨーロッパ社会の3倍ほどとなっています。スウェーデンで広く普及している「Swish」というアプリでは、ユーザーはスマートフォンの電話番号を利用して、銀行口座から別の銀行口座へリアルタイムで送金を行うことができます。Swishの開発者に携わっているプレイヤーとして、Nordea、Handelsbanken、SEB、Danske Bank、Swedbankといった複数の銀行が名を連ねています。 このようにキャッシュレス化が広く歓迎されているスウェーデンですが、その一方でキャッシュレス社会のデメリットとして、携帯電話や銀行口座を保有できない層が社会から締め出されてしまう、ということがあります。しかしビットコインでああれば、利用するにあたって銀行口座を必要としないため、この懸念点を解消することができるかもしれません。キャッシュフローが完全に匿名化されることもないので、現実の貨幣のキャッシュフローに似た状態を作り出すことが考えられます。 キャッシュレスの世界最先端をいくスカンジナビア半島 このようにキャッシュレス化を猛烈な勢いで進めているのはスウェーデンだけではありません。同じスカンジナビア半島に位置しているデンマークも、キャッシュレス社会を目指しています。デンマークの経済産業省は、過去に小売業者や病院や郵便局といった基幹インフラに対して、電子決済の導入を行うように通達しています。事実、デンマーク政府は2030年に「完全キャッシュレス社会」を実現するという目標を発表しています。引き続き、スカンジナビア半島周辺国から発表されるであろう、キャッシュレスソリューションに注目です。

スイス金融規制当局がブロックチェーンに対して前向きな姿勢を表明

2017年10月2日 BBC編集部 0

スイスの金融規制当局であるFINMA(Financial Market Supervisory Authority)の2017年9月29日付プレスリリースにて、FINMAは現在スイス国内で行われているICOに対する捜査を強化していることを発表しました。 いくつかのICOプロジェクトがスイス現行法に抵触か スイスの金融当局は、国内で現在行われているICOの一部は、既にスイス国内で適用されている金融関連の現行法に抵触している可能性が高い、との見解を示しています。抵触している可能性のある法として、アンチマネーロンダリング法およびテロ対策法、証券取引規定、集団投資スキーム(ファンド)規制に関する法律、銀行法が挙げられています。今回の発表では、法に触れている可能性のあるプロジェクトの具体的な名前や数については述べられていません。しかし今後捜査が進むにつれ、法律違反に該当する企業に対して何らかの措置を取る可能性について強調しています。 文書によると、「FINMAは現在、いくつかの案件について詳細な捜査を進めています。FINMAは、金融市場法の抜け道をつくような行為や現行法に抵触するICO案件を発見した場合、法的措置を執行します。」とのことです。 ブロックチェーン技術に可能性を見出しているスイス当局 このように、違法なICO案件に対して厳しく取り締まりを進めていく姿勢をみせたFINMAでしたが、同文書内には、「FINMAはブロックチェーンの持つイノベーティブなポテンシャルを認識しており、今後もスイスの金融業界におけるブロックチェーン・ソリューションの開発と展開の支援を進めていきます。」との記述もみられました。このことから、スイス当局はあくまで違法な企業活動やICOプロジェクトに注視しているのであり、ブロックチェーンテクノロジーそれ自体については高く評価していることが伺えます。 現在、世界各国でICOの規制に関する状況は異なっています。中国政府や韓国政府は、ICOを禁止する方針を打ち出すなど厳しい姿勢を示している一方で、今回のスイス金融当局であるFINMAの発表によって、スイス政府のイノベーションに対する柔軟な姿勢が浮き彫りになったかたちになります。今後スイスから立ち上がるICOプロジェクトにも注目です。  

広告配信の分散化を進めるBitClaveプロジェクト

2017年9月30日 BBC編集部 0

イーサリアムブロックチェーンをベースにした検索エンジン「BitClave(ビットクレイヴ)」を提供しているBItClave社は、広告配信システムの分散化を押し進めようとしています。 BitClave社の提供する、The BitClave Active Search Ecosystem (BASE)というテクノロジーでは既存のブラウザと異なり、ユーザー自身が自身のブラウザにアクセスできるプレイヤーを制限することができます。このシステムにより、従来アドネットワークなどの仲介プレイヤーに広告配信を行っていた小売り業者は、直接的に商品を買う可能性が高い消費者にターゲットを絞ってプロモーション活動を行うことができます。 BitClaveが塗り替える広告配信市場   BitClave社の提供する検索エンジンでは、ユーザーがインターネットを閲覧している際に、プライバシー侵害につながる恐れのある第三者のネットワークや信頼できないデータソースからのアクセスを排除することができます。従来のシステムでは、アドネットワークとよばれる自由に取引できる広告枠市場を経由して広告配信が行われていました。しかし、このBitClaveの検索エンジンを中心とするネットワークでは、ユーザーと広告主がP2Pで結びつく新しい経済圏が誕生します。 例えばBitClaveエンジンのユーザーが車を検索していた場合、「車」といったキーワードで検索したユーザーのデータが、カーディーラーグループの手に渡ります。カーディーラーたちはその消費者に対して、車販売の広告を配信します。その広告を通して実際に取引が成立したかどうかにかかわらず、消費者はBitClave Consumer Activity Tokens (CATs トークン)をディーラーから受け取ることができます。そしてユーザーは、このCATsトークンを暗号通貨(仮想通貨)の取引市場にて、自由に現金に換えることができます。このフローは、車に限らず、不動産や保険など、あらゆる商品カテゴリで行われます。 広告業界を脅かす深刻な問題 現在オンライン広告へ流入しているトラフィックの約半分は、ボットと呼ばれる自動クリックプログラムによるものだそうです。広告販売業社は視聴数、クリック数などで広告枠を販売しますが、このような現状において、売り手側が媒介媒体(フェイスブックやグーグルなど)を使うと、実在しないトラフィックに対して支払うコストが発生して収支を圧迫している結果、巡り巡って消費者にまでコストの負担が生じています。 この問題に対して、BASEテクノロジーは新しいエコシステムを生み出すことで解決を図ろうとしています。ブロックチェーンによってアドネットワークなどの仲介プレイヤーをなくすことで、ボットの脅威から逃れられるだけでなく、広告主は低価格で自由に広告を配信することができます。 BitClaveを支えるBASEテクノロジー BASEテクノロジーでは、ユーザーデータの保管とユーザーアクティビティ管理にイーサリアムブロックチェーンを使用しています。マーケットダッシュボードや小売業者側の管理画面では、消費者の検索リクエストをブロックチェーンから読み込み、小売業者が設定したキーワードに呼応して、ブラウザ上に広告が配信されます。 BASE上には、ユーザーどのような嗜好、趣味、興味はあるのかを、なにを検索エンジンにかけたかといったようなユーザープロファイルデータが匿名の状態で蓄積されていきます。この蓄積された大量のデータをもとに、小売業者のマーケターは、BASE上に蓄積された各種のデータをブロックチェーン上からいつでも参照することができるため、広告のクリエイティブや販売方法の改善につなげることができます。また、BitClave社はこれらのデータをシンクタンクやアナリストに対して販売することも想定しているようです。 資金調達に成功したBitClaveの今後 BitClave社は、2017年7月のプレセールですでに180万ドルもの資金調達に成功しています。現在は、10月のCATsトークンの販売開始に向けて活動しているようです。このオープンセールによって、BitClaveの初期ユーザーを確保していくようです。広告業界の歪な力関係をブロックチェーンが塗り替える可能性に注目です。

暗号通貨管理に特化したIOTAベースの分散型スマートフォン

2017年9月29日 BBC編集部 0

14,000ドルのスマートフォン「Solarin」を開発していることで話題の、イスラエルのスタートアップ企業のSIrin Lab(シリン ラボ)社は、手数料が完全無料のオープンソースブロックチェーンを開発しています。Sirin Lab社は現在、ビットコインのパイオニアであるHal Finney氏の名前を冠した「The Finney」という最新モデルのスマートフォンを開発しているそうです。The Finneyは、世界初のハードウェアレベルで安全な暗号通貨(仮想通貨)を保管できるスマートフォンデバイスになりそうです。 世界初、IOTAベースのスマートフォン Sirin Lab社の発表によると、すべてのFinneyデバイスは、IOTAのTangleテクノロジーによって独立したブロックチェーンネットワークを生成します。このブロックチェーンネットワークは、取引遅延の原因になる中央機関やマイニングセンターを経由せずに、SRNトークンというSirin Lab社の提供するトークンを用いて、P2Pに暗号通貨のやり取りを行います。また、Finneyデバイスには暗号通貨ウォレットと安全な両替機能もデフォルトで備え付けられているそうです。 256GBの記憶容量と1600万画素の内蔵カメラを搭載しており、本体価格は約1000ドルとなっています。Sirin OSという独自のオペレーションシステムによって動作するようです。ただし、基本機能の利用にSRNトークンを利用する関係上、SRNトークンの所有者のみ購入できるとのことです。端末はユーザー行動ベースの侵入防止システム、物理セキュリティスイッチ、ブロックチェーンベースの改ざん防止機能によって保護されているため、理論上ハッキングが困難となっています。安全な暗号通貨のホットウォレットを求めている方には最適なデバイスかもしれません。今後も暗号通貨関連スタートアップのプロダクトに注目です。

The Plastic Bankプロジェクトとは?ソーシャルビジネス×ブロックチェーンのもつ可能性

2017年9月28日 BBC編集部 0

リサイクルシステムをほとんど持たない途上国において、プラスチック製ごみを再利用するプロジェクトがIBMのブロックチェーン技術による支援によって実現されようとしています。銀行のような信頼性が高く、かつハブのような機能を有する金融インフラが確立していない途上国の多くでは、「信頼」をベースにした経済構造が未発達となっていました。しかし、ブロックチェーンによって信頼の可視化が可能になったことで、途上国において新たな経済圏が誕生しようとしています。 デジタルトークンが現金にとって代わる 「私たちは、今まで利益をあげることが難しかったリサイクルというコンセプトを、お金を貯めることができるコンセプトに変えました。」と、The Plastic Bankの共同設立者Shaun Frankson氏は語ります。彼は、The Plastic Bankの報酬モデル、その背後にあるブロックチェーン技術、そしてどのような信用の形をもって、グローバル世界に展開していくのかについて話しました。 2013年に設立されたThe Plastic Bankは、プラスチックのリサイクルの報酬として、現金ではなく、ブロックチェーン上で発行されたデジタルトークンを付与しています。これらのトークンは、非営利団体の開発したアプリを使用し、モバイル決済システムを導入している店舗で、食料や水と交換できるほか、公共料金の支払いに用いることもできます。 「これは世界中のどこであっても展開できるように設計されたシステムだ。」とFrankson氏は語りました。 The Plastic Bankを支えるIBMのテクノロジー The Plastic Bankのプログラムを支えているテクノロジーには、IBM Blockchain、Hyperledger Fabric(分散型帳票ソリューションのプラットフォーム)、IBM LinuxONEサーバーなどが挙げられます。 IBMは動作中のデータを自動的に暗号化するSecured Service Containersというセキュリティ機能を含む、新世代のLinuxONEメインフレームを発表しました。これにより、ブロックチェーン取引のためのセキュリティレイヤーが新しく追加されることとなりました。 IBMのDickinson氏は本技術について、「これはあなたが利用しているどのLinuxアプリケーションにも使用することができます。これにより、マルウェアやインサイダーによる攻撃から、自分のアプリケーションを守ることができます。」と説明しています。  […]

日立製作所とみずほフィナンシャルグループがブロックチェーンの活用で提携へ

2017年9月27日 BBC編集部 0

2017年9月21日、日立製作所はみずほフィナンシャルグループと提携し、ブロックチェーン技術の導入を進めていくことを発表しました。日立製作所のサプライチェーンマネジメントの分野にてブロックチェーンが活用される見通しです。 日系大手2社が描くサプライチェーンの未来 発表によると、Hyperledger(ハイパーレッジャー)テクノロジーを用いて分散型台帳システムを構築し、10月を目途に2社で共同実験を開始していくとのことです。改ざん不可能な分散型台帳を、サプライチェーン上の製品の受注や運送の記録管理や、オペレーション全般のデータ収集に役立てることを目指しているようです。2社の発表では、理想の状態として全ての取引記録が社内のメンバーの誰にでもアクセスできる状態が掲げられています。 日立製作所内で商品の発注をかける際には、商品の注文、注文の承認、請求書の作成、請求書の承認という、最低でも4段階のステップを経る必要があるそうです。しかし、従来これらのステップは人の手で行われていたため、正確性や信頼性の面に問題がある可能性について指摘されていました。ここに対して、ブロックチェーンを導入して発注フローを整備することで、大幅な効率化につながる可能性があります。また日立製作所は、将来的に自社のIoTプラットフォームであるLumada(ルマーダ)に今回のブロックチェーンプラットフォームを組み込み、データ収集プラットフォームとしてさらに性能を向上させていくことを狙いとしているそうです。 日本発のブロックチェーンプラットフォーム みずほフィナンシャルグループにとって、ブロックチェーンプラットフォームの実証実験を行うのは今回が初めてではありません。2017年7月には、大手総合商社である丸紅株式会社や、損保ジャパン日本興亜株式会社に対して、取引の透明性向上に向けて同社のブロックチェーン技術を提供しています。 また、日立製作所も、2016年3月の段階でアメリカのカリフォルニア州シリコンバレーにブロックチェーン研究所を設立しているほか、ポイントサービスにおけるブロックチェーンの活用方法を確立するなど、積極的な活動をみせています。今後も日本企業発のブロックチェーンプロダクトに注目です。

ネスレ、ユニリーバらがサプライチェーンにブロックチェーン活用

2017年9月26日 BBC編集部 0

2017年8月22日(NY時間)IBMは食品大手10社とのブロックチェーン活用に向けた連携を発表しました。(関連記事)提携企業にはネスレやユニリーバといった世界的企業を含み、インパクトの大きい連携になりそうです。昨今ブロックチェーンは金融分野以外への導入が進められています。その中でもIBMは先進的に多分野でのブロックチェーン活用に取り組んできました。本記事ではこれまでのIBMのブロックチェーン活用に向けた企業とのコラボレーションと、今回の食品業界における大規模連携について紹介します。 IBMによるブロックチェーンのサプライチェーンへの活用事例 IBMはこれまで、多くの企業と提携しサプライチェーン活用を進めてきました。売上高世界一の海運企業であるMaerskとは海運業にサプライチェーンを活用しました。ダイヤモンドなどの分散型台帳を用いた価値保証を行うEverledgerとは、ブロックチェーン技術を提供してきました。今回の大規模提携にも参加しているウォルマートとは2016年10月より提携しており、中国産の豚肉やメキシコ産のマンゴーといった商品の流通経路追跡の実証テストに取り組んできました。ウォルマートの食品安全部門副責任者のYiannas氏はインタビューに対し、これまでのIBMとの連携を好意的に捉えている旨を述べています。 食品大手10社の大規模連携 今回IBMと提携することになったのは、ネスレ、ユニリーバ、ドール、ゴールデンステートフーズ、クローガー、マコーミック、マクレーン、タイソンフーズ、ウォルマート、ドリスコールの10社です。この提携によってIBMと食品販売企業、小売企業を含む大きなグループが誕生し、サプライチェーン技術の生産分野への活用に一歩近づくと言われています。 提携の目的2つあります。ひとつは正確な電子記録を保持することです。もうひとつは鶏肉やチョコレート、バナナのような食品のトレーサビリティを向上させることです。まずブロックチェーン導入によって、データ管理プロセスを改善することができます。現在のデータ管理には農場経営者・ブローカー・卸売業者・加工業者・小売業者・規制当局・消費者が関わっていて非常に複雑です。しかしブロックチェーン技術によって、より正確なデータ管理がよりシンプルにできるようになります。またブロックチェーンで追跡できる情報は、温度、品質、船積日、発送日、設備の安全証明などです。これによりトレーサビリティの正確性とスピードの改善が可能です。現在1つの食品の出所を追跡するのに数週間かかるようですが、将来的に秒単位に改善されることも十分考えられます。 一方ブロックチェーン技術を提供するIBMのこの提携の目的は、ブロックチェーン活用の拡大や食の安全性向上以外にもあると考えられます。それはIBMの既存のクラウドビジネスと融合した関連サービスの将来的な利用を取引企業に促すことです。またIBMのブロックチェーン部門の副責任者のBrigid McDermott氏は、将来的にProof of Concept(PoC, プルーフ・オブ・コンセプト)の領域のビジネスにも取り組むと述べています。ブロックチェーンのサプライチェーンへの導入はますます盛り上がっていきそうです。

GameCredit社がセルビアのブロックチェーンカンファレンスを支援

2017年9月25日 BBC編集部 0

GameCreditss社は、2017年8月26日に開催された「Blockemon 2017」というイベントにスポンサー企業として参加しました。Blokemon 2017は、セルビアで開かれた史上最大規模の企業によるブロックチェーン会議です。MicrosoftやIBMをはじめとするIT系の大企業や、Lykke社、BraveNewCoin社をはじめとするブロックチェーンのリーディングカンパニーらがスピーカーとして参加しました。様々な業界がブロックチェーンの進出によって塗り替えられていくなか、オンラインゲームの分野に目をつけたのがGameCreditss社でした。GameCreditss社は、ユーザー目線であるゲーマーや開発者の目線にたち、ゲーム産業に安全かつ便利な金融プラットフォームを提供することを目的にしています。 ゲーム業界における中央集権構造を破壊する すでに、150のデベロッパーと300のゲームがGameCreditss社が提供するモバイルストア、及びプラットフォームを利用する契約を結んでいます。GameCreditss社チームによると、彼らのブロックチェーンプラットフォームは、Google PlayやApple Storeのように、30パーセントのコミッション料をとったり、支払いまで60日間の期間をとったりすることはないとのことです。透明性の高い分散型金融ネットワークにより、開発者は従来のように金融会社の都合で行われる決済を待つことなく、開発資金にアクセスすることができます。 GameCreditss社についてはこちらから http://businessblockchain.org/about-cryptocurrency-gamecredits   ゲームのデベロッパーに対して、ブロックチェーンとトークンエコノミーの有効性をアピールするために、GameCreditss社は世界各地で行われるハッカソンに対しても積極的にスポンサー支援を行っているようです。今回のBlockemon会議では、ゲーム業界内各社を代表するエンジニアが終結し、48時間内に分散型のアプリケーションを作るコンペが行われました。コンペに参加したGameCreditssとMobileGoのチームは、自身のブロックチェーン開発経験の強みを生かし、11チーム中1位という見事な結果を残しています。 GameCreditss社は「48時間という時間的制約の中で、チームはプルーフオブコンセプトの仕組みによって、ゲーム開発者がアプリケーションをアップロードできるサービスを開発しました。そこからチームはゲームのプレイヤー誰しもがゲームのマッチ(試合や勝負の様子を収めた動画)を投稿できるようにしました。そのような機能を元に、ユーザーがアプリケーション上にアップロードされたゲームマッチの勝敗に賭けられるようにしました。」とインタビューに答えています。 スマートフォンの普及以来、ゲーミング市場がモバイル端末にまで拡大し成長を続けている昨今ですが、ブロックチェーンを携えたGameCreditss社の今後の動向に注目です。  

ブロックチェーンが採用市場を変える

2017年9月22日 BBC編集部 0

  金融分野に限らず、ブロックチェーンは今後様々な業界の市場を塗り替えることが期待されています。今回ご紹介する、採用市場も例外ではありません。プロフェッショナルの採用に特化した分散型ソーシャルネットワークであるIndorse(インドース)と、ブロックチェーンベースのシステムが採用されている人材市場のbitJob(ビットジョブ)は今までの学生の就職までの流れを変えようとしています。 bitJobとIndorseが個人のスキルを可視化する bitJobは、ネットワーキング、支払い、報酬の受け取り、インセンティブの設定が行えるオンライン上のサービスです。このシステムはEthereum(イーサリアム)ベースのブロックチェーン上で運用されており、学生はbitJob上に自身の履歴書やポートフォリオをアップロードし、そのデータを用いることでbitJob内外の求人に応募することができます。雇用者は候補者の履歴書データや評判をみることができ、選考を進めることができます。 現在、bitJobは学生のデータの信頼性をさらに高めていく目的で、Indorseとの連携を進めています。Indorseは個人のスキルをブロックチェーン上で管理するサービスです。Indorse上の過去の実績をアピールすることで新たに仕事を受注することができます。bitJobを利用している学生は、Indorseから与えられた記述式テストに答えることで、自身のスキルを改ざんできない形で可視化し、雇用者に対してさらなるアピールをすることができます。 可視化されていない?企業が学生に求めるスキルとは 近年グローバル化が進み人材競争が加速した影響により、入社時の学生に求められる経験やスキルは年々高くなっているそうです。しかしそんな状況にもかかわらず、企業が学生に対して求めているスキルは可視化されているとは言いづらく、学生が社会に進出する前に何を学ぶべきかが伝わっていない、という状況があります。このbitJobとIndorseのパートナーシップは、圧倒的な人材競争率を誇る業界において、学生が一歩前に出るための足がかりとなるでしょう。bitJobは、勤勉な学生に対して素晴らしい機会を透明性の高い方法で提供する、革新的なプラットフォームです。シェアリング市場の規模が拡大しているなか、bitJobは雇用者と被雇用者を初めて真のP2P方式で繋ぐ、ハイブリッドなブロックチェーンプロジェクトとなるでしょう。 近い未来、ブロックチェーンやAI技術によって現在存在している仕事の約半分がなくなると言われていますが、今後就職活動がどのような進化を遂げていくのか、今後も目が離せないでしょう。