インドの金融界におけるブロックチェーンスタートアップの活躍

2017年9月9日 BBC編集部 0

インドの金融業界各社は、ブロックチェーンを利用した基幹システムへの移行に向けて、着々と準備を進めているようです。遡ること2016年10月、インドのICICI銀行は、同行にとって初となるブロックチェーンを使った国際貿易取引と海外送金実験を行っています。さらに、インドのYES銀行、Kotak Mahindra銀行、Axis銀行といったプレイヤーたちがICICI銀行のあとに続き、ブロックチェーンの送金実験を行っています。 インドで攻勢をかけるブロックチェーンスタートアップたち ブロックチェーンの導入に向けて、今日の世界中の金融機関は積極的に動いています。インドでは、インフォシスやTCSといったインドの巨大ITサービスプロバイダーと先を争うように、ブロックチェーンスタートアップたちによって、ブロックチェーンを用いた銀行の基幹システムの開発が行われています。 Primechain Technologies社は設立から1年しか経っていない若いスタートアップですが、マネーロンダリング防止、クロスボーダー支払い、資産登録、ローンのシンジケーションといった問題に対して、金融業界で団結してブロックチェーンを使った解決策を考案すべく、業界団体を設立しました。同社の共同設立者であるRohas Nagpal氏は、「ブロックチェーンはインドの金融業界において大きな役割を果たすようになってきました。この1年で、インド国営銀行を含む24名のメンバーを集めてきましたが、 2019年までにメンバーが750人にまで拡大することを期待しています。」と述べています。 Signzyというインドのスタートアップは設立からまだ2年目ですが、金融業界におけるKYC(Know Your Customer)と呼ばれる本人確認作業を、人工知能とブロックチェーンによって効率的に行う事業を展開しています。同社の技術により、従来は承認まで数日かかっていたKYC関連作業が、わずか数時間で済むようになり、大幅な時間短縮に成功しています。 Signzyの共同設立者、Ankit Ratan氏は「ブロックチェーンは、書類作成が必須となっている業界を(効率化によって)大きく変えていくでしょう。金融業界に限らず、不動産業界や物流業界などにも、同じ恩恵にあずかることになるでしょう。」と述べています。   金融業界と政府機関で注目されているブロックチェーン 国際的監査法人のPwC社によると、インドでは2016年だけで32以上のブロックチェーン企業が設立されているそうです。2017年1月、インド準備銀行(Reserve Bank of India, 以下RBI)の研究チームである銀行技術開発研究所(Institute for Banking Technology)は、ブロックチェーンがコスト削減、効率化、透明性を銀行業界にもたらすことを発表しました。同機関による報告書は、「技術的に成熟してきた現在こそ、インドの金融界にブロックチェーンを導入する絶好のタイミングである。」と述べています。 「ブロックチェーン技術はディスラプター(破壊者)として認識されていますが、多くの人の心の中ではブロックチェーンはbitcoin(ビットコイン)とリンクしているようです。ビットコインとブロックチェーンを同一視している人もいますが、ほとんどの企業はブロックチェーンテクノロジーの重要性と、暗号通貨(仮想通貨)との違いを認識しています。「今後、AI技術とブロックチェーンは、デジタル金融界における不正行為の検出の場面で、大いに役立つでしょう。」とRatan氏は述べています。 Nagpal氏は、「インド政府内でもブロックチェーンに大きな関心が集まっています。グローバル詐欺レポート(2015-16)によると、インドでの詐欺の分布率が世界で3番目に高い(80%)ことから、ブロックチェーンの活用による犯罪の防止が必要不可欠です。 […]

中国FinTech業界に大きな動き、中国人民銀行がFinTech委員会を設立。RegTechの応用を強化へ。

2017年5月15日 Wang Pengfei 0

2017年5月15日、中国人民銀行はFinTech(フィンテック)業界の健全な発展を促進し、直面している新しい課題に対応していくため、FinTech委員会を設立することを公表しました。 FinTech委員会のミッションは3つあります。ブロックチェーン業界への影響についても一つ一つ解説していきます。   ①FinTechの発展による金融政策・金融市場・支払清算などの領域への影響を研究し、政府として戦略・政策上のサポートを行う。 中国政府の政策はいつも遅れていると言われます。2013年からビットコイン取引量が長年世界一位にも関わらず、中国では未だにビットコインは「貨幣」もしくは「支払いの手段」として公式的に認められていません。さらに、キャッシュレス化の先進国とも言われる中国ですが、まだアリペイやWechat Payなどのモバイル決剤サービスに関する法律すらもできていないが現状です。 日本では金融庁がFinTech企業のために、経済産業省、財務省などの関係省庁と連携及び意見交換の場を提供できるFinTech協会が存在していますが、中国では似たような組織がなかったです。しかし今回、FinTech委員会が設立されることで、FinTech企業は政府と交流できる機会が増えることが考えられます。 さらに、FinTech委員会の設立は中国政府がFintechに本腰を入れるサインとも捉えられます。今後FinTech企業をサポートする政策が、次々に発表されることも期待できます。ビットコインの法的定義ついて出てくるのも、時間の問題ではないかと考えられます。 欧米諸国のように貨幣として認められることは難しいと想定されるので、日本と同じ「支払い手段」として認められることになるのではないでしょうか。   ②海外との交流・連携をさらに強化させ、中国の現状に適したFinTech管理制度を作り、新技術の金融業界への正しい応用をリードする。 先進国の法律や政策に基づき、中国の現状を考えた上でFinTech管理制度を作るという方針が見えています。現在、イギリス、シンガポールなどの中央銀行は規制のことを考えずに、金融イノベーションを促進するためのレギュラトリー・サンドボックスという制度を実施しています。規制の厳しい中国でも同じような制度を作り、FinTech企業のイノベーションを促進していくことが期待できます。   ③RegTechの応用実践を強化させ、ビッグデータ・AI・クラウドコンピューティングなどの手段を利用し、金融リスクの選別・回避の努力をする。 RegTech(レギュテック)というキーワードは、最近頻繁に中国政府の公文書にも出ており、今後ビッグデータ・AI・クラウドコンピューティングなどハイテク技術を使って、マネーロンダリングなどの対策をしていく動きが見えます。 現在中国では、ブロックチェーンプロジェクトのICO、暗号通貨の取引などはまだグレーゾーンです。ビットコインなどの暗号通貨に対するAML、KYCなどの実行は、伝統的かつ時代遅れのやり方だと非常に手間がかかる上、正確に行うことが困難です。そのため、ビットコインアドレスから取引履歴を分析し犯罪に関与しているか検証する「Coinfirm」のような、暗号通貨やブロックチェーンに特化したRegTechを促進し、既存のサービスに代わって採用していくことが想定されます。 今回のFinTech委員会の設立は、FinTech業界だけでなくビットコインをはじめとする暗号通貨やブロックチェーン業界にも大きな影響を与えていくことになるでしょう。中国にて関連事業を行う企業にとっては、今後の政府の動きは目が離せません。

G20サミットにおいて、ブロックチェーンなどの新技術にドイツ中央銀行総裁言及

2017年3月18日 戸倉 瑤子 0

ドイツ中央銀行総裁のJens Weidmann氏はベルリンで開催中のG20サミットにおいて、ブロックチェーンなどの新技術が金融市場の効率と利便性を高め、そして安価な手数料で素早い取引を実現する可能性について言及しました。 http://www.coindesk.com/german-central-bank-chief-blockchain-make-markets-faster/

シンガポール通貨金融当局(MAS)が、日本の金融庁と協議

2017年3月14日 BBC編集部 0

シンガポール通貨金融当局(MAS)は、相互フィンテックの進展を促進するため、日本の金融庁(FSA)と新たな提携をしたことを発表しました。 先週、MASはドバイとの間でブロックチェーンを含む契約を締結しました。 https://cointelegraph.com/news/singapore-regulator-selects-japan-for-next-fintech-knowledge-partner

日本銀行が、フィンテックおよびブロックチェーン技術の導入について言及

2017年3月4日 BBC編集部 0

日本銀行執行役員 桑原繁弘氏は、銀行が主催する「フィンテックフォーラム」で、The DAOの失敗について言及し、「分散型元帳の枠組みを構築する際には、緊急時への対応における柔軟性」を構築することが重要だと主張しました。 一方で「銀行自身は将来、業務にフィンテック技術を適用する可能性を考慮して、継続的にフィンテックの調査と分析を行う必要性を認識している。」と同氏は述べました。 http://www.coindesk.com/bank-japan-official-dao-style-problems-dampen-dlt/  

米国、仮想通貨に対する規制のさらなる整備を急ぐ

2017年2月20日 戸倉 瑤子 0

米国で施行されている仮想通貨の規制は実用的ではないため、Fintech企業の後押しになるような規制に調整していく必要があると議論されています。 現在は、仮想通貨の規制は州ごとに異なるため、州をまたぐプロジェクトの場合、各州でライセンスの取得を行う必要がありました。 OCC(通貨管理局)が発表したホワイトペーパーでは、Fintech企業のさらなる飛躍のため、各Fintech企業にパスポートの様なライセンスを持たせ、各州の規制にそれぞれ対処する必要がなくなるように検討しています。