ルフトハンザ航空がスイスのブロックチェーン企業と提携、ICOへ

2017年10月31日 BBC編集部 0

  2017年10月10日、ドイツの拠点を置く大手航空会社ルフトハンザ航空が、スイスの旅行プラットフォームアプリを提供するブロックチェーン企業と提携することを発表しました。イーサリアムの技術を旅行業界に導入し、分散化を推し進めていくようです。 分散型航空券市場を提供するWinding Tree社 ルフトハンザグループは、スイスのブロックチェーンスタートアップであるWinding Tree社とパートナーシップを結ぶことを発表しました。Winding Tree社は、B2Bの分散型パブリックブロックチェーン上で、航空券の販売市場サービスを提供していることで知られています。今回の発表によると、今後ルフトハンザ航空のAPIを、Winding Tree社のパブリック・イーサリアムブロックチェーンと統合していくそうです。 Winding Tree社の航空券市場を用いることで、ユーザーはExpediaやBooking.comのような、OTA(オンライントラベルエージェンシー)と呼ばれる中間業者を経由せずに、より安く効率的に航空券を購入することができるようになります。一方、航空会社側(ルフトハンザ航空)にとっても、中間業者を迂回して直接顧客に航空券が販売できるだけでなく、各取引にかかる手数料も大幅に低下するため、メリットがある仕組みとなっています。 ルフトハンザの目線の先 ルフトハンザ航空は、「この先、ホテルや航空会社、その他旅行産業に携わっているプレイヤーは、Winding Tree社のプラットフォームの上でサービスを展開することになるでしょう。そして、ユーザーに対してコンテンツ(旅行商品)を提供することに特化したプレイヤーは、今後、ブロックチェーン上のB2Bの分散型取引市場にて流通しているなかから、ユーザーの希望に沿ったコンテンツを探し出すことになるでしょう。」と述べており、今後OTAが旅行商品を調達する先として、分散型市場が台頭してくる可能性について示唆しています。今後は実際の導入テスト開始に向けて、ルフトハンザ航空の提示する要件に合わせて、Winding Tree社がサービスを開発していくとのことです。 ブロックチェーンによって塗り替えられる旅行業界 Winding Tree社は、2017年11月1日から11月8日まで、同社の発行するLIF(リフ)トークンのICOを行うことを発表しており、ICO期間中に調達した資金はプラットフォームの開発費用として利用されるそうです。ルフトハンザ航空が投資している額については公表されていませんが、他の航空会社からも高い注目を集めているようです。 今回のルフトハンザ航空の発表は、ドイツ発の世界最大手旅行会社、TUI(Touristik Union International)を後追いした形になります。TUI社は2017年8月に、「Bed Swap」という独自のプライベートブロックチェーン計画を発表しています。TUI社の「Bed Swap」構想では、ブロックチェーン上でTUI社の抱えているホテルの空き部屋在庫情報を、スマートコントラクトを用いて管理する社内運用システムの実現を目指しているようです。 2000年代に入り、オンライン化の波が押し寄せていた旅行業界でしたが、ここにブロックチェーンの波が加わることによって、更に業界構造に変化が起こりそうです。引き続き、ドイツの旅行業界を支える巨人と、日本の旅行業界の動向にも注目です。

銀行はもういらない?「ブロックチェーン」が金融業界にもたらすインパクト

2017年6月7日 森川 夢佑斗 0

ここ1年でブロックチェーン技術を取り巻く社会は大きく変化した。連日、ニュースの見出しにブロックチェーンおよびビットコインという言葉が踊っている。「1990年代のIT革命以上」と言われている、ブロックチェーンのインパクトとテクノロジーの進化が巻き起こす第4次産業革命を直前に控え、我々はどう備えればいいのか。『ブロックチェーン入門』(KKベストセラーズ)の著者、森川夢佑斗氏に、ブロックチェーンを実用化した暗号通貨を中心に解説してもらった。 当記事は、『ブロックチェーン入門』の著書、森川夢佑斗氏がBEST TIMESにて連載した内容を再編集し構成しなおした記事です。   今ある銀行は必要なくなる ここ数日は、ビットコイン価格の高騰やビットコイン以外の仮想通貨である「アルトコイン」のバブルが大手メディアでも話題となっています。これら仮想通貨の基盤技術として認識されているのが、「ブロックチェーン」です。 ブロックチェーン自体は、幅広い分野に活用が可能と言われており、経産省の目算では67兆円の市場規模があると考えられています。ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれており、特に金融分野への活用が見込まれています。とりわけ冒頭でも触れたビットコインの登場は、まさに金融分野に大きなインパクトを与える存在でした。 ビットコインをはじめとする仮想通貨(「暗号通貨」とも呼ぶ。)は、仲介者なしに直接的に(P2P、ピア・ツー・ピア)受け渡しが可能です。つまり、銀行の存在なしにお金の送金が実現します。この特徴を取り上げて、ビットコインの登場により銀行は不要になるのでは?という見出しが多く見られるようになりました。事実その側面はあると考えられますし、ビル・ゲイツ氏も過去に「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」と発言しています。   銀行の主な3つの業務 もう少し詳しく見ていきましょう。銀行が行う業務は、大きく3つに分類されます。 ①預金業務 ②為替業務 ③貸付業務 預金業務とは、銀行口座を通して預入や引き出しなどお客さまの預金を管理する業務です。為替業務というのは、お金の振込や送金を行う業務のことです。貸付業務は、お客さまにお金を貸す業務のことで、銀行はその利率の支払いによって利益を得ています。   ビットコインは、管理者なしで銀行業務を代替している ここでビットコインの特徴をおさらいしましょう。ビットコインは、簡単にいうと世界共通で利用できる電子マネーです。基盤技術であるブロックチェーンにより支えられています。ビットコインを管理するためのアプリケーションさえ持っていれば、利用者同士で自由に受け渡しが可能です。Suicaを利用するためにSuicaカードが必要であることに似ています。 この時、ビットコインの仕組みを既存の銀行業務に当てはめて考えると、誰がいくらのビットコインを持っているかを管理し、安全に保有することが上記の①に当たる業務であり、利用者間での受け渡しを行うのが②に当たる業務です。 しかし、ビットコインにおいては、誰がどれだけのビットコイン持っているかを、誰か特定の管理者が管理しているわけではありません。世界中で行われた取引内容は、ブロックと呼ばれるデータを記録する箱に格納され、それらが数珠つなぎで更新されていきます。これをブロックチェーンと呼んでいます。そしてブロックチェーンは、複数人で保有されており、利用者は誰かが持っているブロックチェーン内のデータを参照しています。 誤解のないように補足しておくと、ブロックチェーンには、世界中の取引履歴が記録されている分散型台帳を指す場合と、それらを構成する技術体系全体を指す場合とがあります。 次にビットコインの受け渡しも、利用者間で24時間いつでも行うことが可能です。この際も銀行などの仲介者の存在は必要ありません。このインパクトは、特に複数の金融機関が横断して存在する国際送金において大きくなります。 このように銀行が従来担っていた預金業務や為替業務は、ブロックチェーンという技術により銀行のような特定の管理者を必要としなくなりました。   フィンテックにより変化する与信 […]

Rootstockとは?-サイドチェーンによりビットコインの機能を拡張

2017年5月31日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からRootstock(ルートストック)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。   Rootstockとは?-ビットコインブロックチェーンを用いながら様々な機能拡張を実現 Rootstockとはビットコインブロックチェーンの「サイドチェーン」の一つです。サイドチェーンとは、ビットコインブロックチェーンとは独立したブロックチェーンを用いることでビットコインブロックチェーンそのものの機能拡張を行うものです。イメージで言えばビットコインが大きな一つの木で、Rootstockはその木から生えた葉っぱに例えることができます。まさにRootstockのロゴがそれを表しています。 ビットコインは現在、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」という二つの大きな問題を抱えています。ビットコインはブロックに1MBまでしか記録することができないため、近年の取引量急増によって取引の遅延や手数料の高騰が生じています。またビットコインはシステムの関係上、送金完了までに約10分かかるため、これまで大きな課題として毎度挙げられ続けていました。Rootstockを用いることで、「スケーラビリティ問題」と「承認の遅さ」というビットコインの課題を解決することができるのです。 ビットコインのスケーラビリティ問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited」 Rootstockのもう一つの大きな特徴は、ビットコインブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行することができる点です。スマートコントラクトとは「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行される」ことで、ブロックチェーン上で任意のプログラムを実行できる機能を指します。 スマートコントラクトについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは」   Rootstockのサイドチェーンはどのように機能するのか? Rootstockの特徴①「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」 Rootstockは「双方向ペグ(two-way pegging、2WP)」という機能を備えています。双方向ペグとはビットコインブロックチェーンからサイドチェーンへの資産の移転を実行することです。正確には二つのブロックチェーンの間に一時的なトークン(RSKトークン)を生成し、承認を得ることでそのトークンが再びビットコインブロックチェーンに戻されます。 このとき交換レートを固定されており、ある量のビットコインの価値とある量のトークンの価値が等価となるように交換が実行されます。たとえば、1BTC=1RSKといった具合です。このようなプロセスを経て、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーンとの間の資産価値の整合性を保っているのです。 Rootstockの特徴②「マージマイニング」 もうひとつの特徴として、二つのブロックチェーン上の価値を等価とするためにマージマイニングを行います。マージマイニングとは、メインのビットコインブロックチェーンとサイドチェーン(Rootstock)の双方に対して同時にマイニング作業を行うことです。 またRootstockでは「GHOST」や「DECOR+」または「Fast Block protocol」といったトランザクション処理システムを用いることで、より大きなスケーラビリティと処理スピードの向上を実現しています。具体的には、一秒間に約100回ものトランザクション処理が可能になり(イーサリアムの五倍)、送金処理などが秒単位で実行できるようになります。   […]

リップル社が自身の保有するXRPの約9割の凍結を発表

2017年5月30日 BBC編集部 0

  2017年5月16日、リップル社(Ripple Labs, Inc.)は現在保有するXRPの約90%にあたる550億XRPを一定期間の間にロックアップすることを発表しました。本記事ではその概要について紹介したいと思います。 リップルネットワークの基軸通貨であるXRPの総発行量は1000億XRPとなっています。しかし、現在その約3分の2は運営主体であるリップル社が保持しています。そのため、リップル社が一度に大量のXRPを売却する可能性が懸念されていました。 リップルについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてお読み下さい。 →「リップルとは?-新たな国際送金システムを目指す暗号通貨」   XRPロックアップ(凍結)の概要 リップル社が今回発表したのは、リップル社が保有する630億XRPのうち、約88%にあたる550億XRPを2017年までに凍結(ロックアップ)するということです。これには Suspended Payments(SusPay)と呼ばれる機能が用いられ、XRPはスマートコントラクトを通じてブロックチェーン上に仮想的に生成されたエスクロー(取引仲介者)へと隔離されます。 2017年末または2018年以降、毎月1日に、各コントラクトにより10億XRP分がロックアップの期限切れとなると、リップル社がその分を自由に売却・分配できるようになります。つまり、55カ月後までの間に10億以上の大量のXRPが一度に売却される可能性がなくなったということです。もし、1カ月に10億XRPを分配しきれなかった場合は、その分がエスクロー機能によって再びロックアップされ、55カ月後以降に分配されることになるそうです。 リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏が明らかにしたところによれば、過去18カ月の間、1カ月に3億XRPを市場に分配していたそうです。XRPを市場に売却(分配)することでオープンソースコードを監督するエンジニアに支払う資本を調達していたとのことです。 実行までの具体的なスケジュールは明らかにされていませんが、ガーリングハウス氏はこのロックアップのプロセスが今年末までに完了するとみています。   XRPロックアップの影響は? XRPが市場に突然溢れると、XRP価格が暴落する恐れがあります。リップル社がXRPの大半を売却せずに保持しており、それらを一度に売却して市場をコントロールされる可能性があったため、市場からのXRPに対する評価は高いとは言えませんでした。しかし、今回のロックアップによって供給量に制限を加えたことで、そのリスクを軽減する狙いがあると言えます。 またガーリングハウス氏は、XRPが安定した暗号通貨であるという認識を広めることで、それを利用する企業や個人が増える可能性があると考えているようです。暗号通貨が市場に安定的に参入することによって、多くの銀行がその価格に悪影響を及ぼすことなく取引を行うことができます。   ますます影響力を強めるリップル リップル社はP2P(個人間)の仕組みに基づいて、分散型の金融取引を実現するための決済プロトコルを提供し、現在は国ごとに異なっている決済プロトコルをグローバルで統合し、あらゆる「価値」を世界中どこへでも動かせるようにすることを目標としています。 このため、国際送金をより簡単にしたいと望む銀行等がリップルとの提携をはじめているほか、世界中の企業とのネットワークを構築しはじめています。2016年にはみずほFGがリップルを活用した国際送金の実証実験プロジェクトを行い、そのネットワークに参加しています。また、2017年に入ってからは、三菱東京UFJ銀行がリップルを活用し、次世代型の国際送金サービスを2018年から始めることを発表しました。バンクオブアメリカ・メリルリンチなど米欧豪の大手6行とも連携し、手数料の引き下げと即時決済を実現していく方針です。 XRPの価格は上記の発表を境に上昇し、時価総額もイーサリアムを抜いてビットコインに次ぐ規模にまで成長しました。   […]

マイクロソフト、uPortなどが提携し分散型ID実用化へ向け前進

2017年5月29日 BBC編集部 0

  5月22日に行われたConsensus2017において、マイクロソフト、uPort、Gem、Evernym、Blockstack、Tierionは共同で分散型IDファウンデーション(Decentralized Identity Foudation、DIF)の設立を発表しました。DIFは、個人や法人が身元を確認するために必要な本人確認書類(ID)をブロックチェーン上に分散的に保持する上での標準化を図るべく、複数企業によって構成されています。今回の記事では分散型IDとは何か、またそれによって得られるメリットについて説明していきます。   分散型IDを用いた本人確認プロセスを実現へ 個人が本人確認を行うためには、従来は中央管理機関によって取得された個人情報をもとに発行された証明書を提示して証明する必要がありました。このプロセスでは、信頼のおける第三者(中央管理機関)がその本人確認情報の信頼性を担保していたと言えます。しかしその反面、各個人は自分自身の情報に自由にアクセスすることができなかったり、あるいは行政や警察機関によって無断でアクセスされる可能性があるなど、情報を完全に自分で管理しているとは言えませんでした。 この本人情報をブロックチェーン上で管理するのが分散型IDです。たとえば、DIFの参加企業の一つである「uPort(ユーポート)」は、以前よりイーサリアムを活用した分散型ID管理システムの構築を行っていました。これらのシステムでは集中型サーバーではなくブロックチェーン上に本人確認情報を記録しているため、サーバーがダウンすることはなく、本人確認情報へのハッキングや改ざんを防ぐことが可能です。 uPortについてはこちらの記事でも触れていますので、ぜひご覧ください。 →「イーサリアム・ビギナーズガイド-ビットコインとの違いとその活用可能性」   分散型IDファウンデーション(DIF)の狙いとは? DIFの取り組みでは、分散型IDを標準化することで複数業界に渡って本人確認として利用できるIDを構築することを目的としています。マイクロソフトの分散型ID担当者であるダニエル・ブフナー氏によれば、DIFでは人や組織、デバイスのすべてにIDを組み込むことを目指しているようです。ブロックチェーン上の分散型IDを企業間で共有することで、商業的なメリットだけでなく、人々にとっても非常に利便性が高まると述べています。 さらに、生体認証を用いる新たな分散型IDも現在開発中です。これは、身分証明の手段を持っていない難民や発展途上国の人々が本人確認を行うことを目的としています。彼らが身分証明を行うことができれば、より容易に公共サービスおよび金融サービスにアクセスすることができるようになるでしょう。 このように、分散型IDを用いることで人々の生活の利便性がさらに高まる可能性は十分にあると言えます。大手マイクロソフトが参画したことで、その実現に向けた取り組みの前進が期待されます。   ※画像は@iotatokenのツイート(https://twitter.com/iotatoken/status/866727260035985410)より

JPモルガンがZcash(ジーキャッシュ)のセキュリティ技術を採用

2017年5月26日 BBC編集部 0

2017年5月21日から24日にかけてZcash(ジーキャッシュ)の価格が高騰し大きな話題となりました。2016年10月28日にローンチされてから徐々に価格が落ち最近では100$を彷徨っていたZcashですが、5月21日夜から価格が急上昇し遂に約300ドル近くまで到達しました。ローンチ時の価格高騰と大幅下落以来あまり目立った動きのなかったZcashですが、この価格の上昇には、JPモルガンがZcashで用いられているセキュリティ技術を採用したことが要因として考えられます。詳しく見ていきましょう。   Zcash独自の暗号化技術「ゼロナレッジセキュリティ」を採用 暗号通貨Zcashの開発企業であるZcash Electric Coin Company(ZECC)は、世界最大の銀行JPモルガンと自身の持つエンタープライズ向けセキュリティ「Quorum」にZcashのゼロナレッジセキュリティーレイヤーを導入するためにパートナーシップを結んだと、2017年5月22日に行われたConsensus2017で発表しました。 JPモルガンが開発した「Quorum」はスマートコントラクト機能を持つイーサリアムベースのエンタープライズ向けのブロックチェーンです。ここにZcashの「ゼロナレッジセキュリティ」と呼ばれる暗号化技術を導入し、Quorumのセキュリティを強化するとのことです。 ZECC代表でZcashの開発者であるZooko Wilicox氏は「Quorumを通じ世界最大規模の金融機関であるJPモルガンはブロックチェーンの活用可能性をリードしており、我々Zcashはブロックチェーン上の資産を暗号化しセキュリティを高める技術において提携することで新たな可能性を実現できるだろう。」と述べています。 Zcashについてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →「ジーキャッシュとは?-第二のビットコインとも言われる匿名性暗号通貨」   Zcashとイーサリアムの関係性 Zcashがローンチされる前から、Zokko Wilcox氏はイーサリアム(Ethereum)との繋がりの可能性を述べていたものの、当時は具体的な計画はありませんでした。しかし今回、JPモルガンの「Quorum」に技術提供を行ったことで、イーサリアムとの連携が実現したことになります。今後、様々なビジネス分野での活用を目指すZcashにとって、イーサリアムベースのJPモルガンのQuorumとの提携は、Zcashに大きな発展をもたらすことになるのではないでしょうか。今後の動きにも注目です。   (画像はETH News “J.P. Morgan’s Quorum To Integrate Zcash”より)

スマートコントラクトにおける法的課題

2017年5月24日 BBC編集部 0

前回記事「現役弁護士によるスマートコントラクトの概観」に続き、スマートコントラクトの論点について説明します。今回は、論点整理的な記事となります。 スマートコントラクトの特徴(「ネット上の契約」との違い) スマートコントラクトは、契約の締結と履行の双方又は一方が、コンピュータ・プログラムによって自動的に行われるものであると理解されています。「プログラム」、「自動的」といったキーワードで、「ネット上の契約」と区別されますが、この差を要素に分けてみると以下のように整理できます。 従来のネット契約 スマートコントラクト 締結場所 インターネット ソフトウェア/インターネット 締結意思 人の入力 自動 or 人の入力 契約言語 自然言語 プログラム or 自然言語 履行場所 現実世界 デジタル台帳 or 現実世界 履行方法 請求行為・法的手続 自動 or 請求行為・法的手続 ブロックチェーン 想定なし 活用を想定 プログラム言語で書かれた契約が自動的に成立し、自動的にブロックチェーン上で契約の履行が完了するのが、スマートコントラクトの典型像です。しかし、ネット契約と同じように、相互の意思確認に基づいて自然言語で締結され、契約履行の部分のみ自動的に実行されるものや、反対に自動的にプログラムコードで契約が成立し、契約履行はリアルな方法で行うものも、「スマートコントラクト」の範疇と考えられます。 具体的にどのようなタイプのスマートコントラクトから普及していくかは、現在全世界で実証実験等が行われており、その状況を注視していくことになります。 […]

Æternityとは?-オフチェーンによるスマートコントラクトの実行を実現

2017年5月19日 BBC編集部 0

分散型台帳とも呼ばれるブロックチェーン技術は暗号通貨(仮想通貨)だけでなく様々な分野に応用が可能で、多くのプロジェクトが登場しています。こうしたプロジェクトの多くは従来の中央集権的な構造による問題点を解決することを目指しています。今回はその中からÆternity(エタニティ)の特徴、そして今後の展望について分かりやすく解説していきます。 Æternityとは?-スマートコントラクトのオフチェーン処理 イーサリアムに代表されるようにスマートコントラクトへの注目度は高まっており、多くの分散型アプリケーション(Dapps)が登場しています。Æternityは、スマートコントラクトをブロックチェーンに記録せずに実行する「オフチェーン処理」を組み合わせることで、スマートコントラクトをより拡張性の高い状態で実現しようとするものです。また、スマートコントラクトに用いる高度なオラクル処理の提供も行っています。   Æternityの開発目的-スケーラビリティ問題への対策 従来の多くのプロジェクトにおいてはブロックチェーン上に全てのトランザクションを記録する「オンチェーン処理」が主流でした。しかし、ビットコインなどでは、トランザクション数が増大することで取引の遅延が生じる「スケーラビリティ問題」が課題となっています。これに対し、ブロックチェーンに記録されない形でトランザクションを実行し(チェーンの外=オフチェーン)、その結果のみをまとめて記録する「オフチェーン処理」という解決策が提案されています。 ビットコインのスケーラビリティ問題についてはこちらの記事で詳しく解説しています。 →ビットコイン分裂の危機は、どうして生まれたのか?Bitcoin CoreとBitcoin Unlimited ビットコインでの問題と同様に、全てのスマートコントラクトをオンチェーンで行うのは、非効率であるとともに拡張性に乏しく、国際規模での利用に耐えられない可能性があります。Æternityはこのスマートコントラクトにおけるスケーラビリティ問題の解決を目指すプロジェクトとして設計・開発されています。   Æternityの特徴 ①スマートコントラクトのオフチェイン処理を行う「State Channel」 Æternityでは、「State Channel」という専用のチャネルを開設することで、オフチェーンでスマートコントラクトを実行することができます。Æternityプラットフォーム上でスマートコントラクト等の処理を実行する際には、ユーザーは暗号通貨「Æトークン」を支払う必要があります。そしてオフチェーンで実行された部分は省き、最初の状態とスマートコントラクトが実行された後の状態だけがブロックチェーン上に記録されます。仮にこのデータに齟齬が生じたり異議があった場合には、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行することで公平な形で記録を行うことができます。 ②新たなコンセンサスアルゴリズム「Cuckoo Cycle」 Æternityのコンセンサスアルゴリズムは、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake、PoS)のハイブリッド型です。従来のプルーフ・オブ・ワークではCPUを用いた膨大な計算をこなすため電力消費が大きくなってしまっていましたが、ÆternityではデバイスのCPUではなく、データの読み書きのスピードを担うメインメモリのDRAMを使用する「Cukoo Cycle」と呼ばれるアルゴリズムを採用しています。 […]

新たな資金調達手段「ICO」とは?

2017年4月28日 BBC編集部 0

ブロックチェーン周りで聞かれる新しい用語の一つに「ICO」という言葉があります。「ブロックチェーンを用いた〇〇がICO間近!」という言葉を見たことがある人も少なくないでしょう。今回の記事ではこのICOとはいったい何なのか、解説していきます。 従来の資金調達の形-株式公開、クラウドファンディング 資金調達手段には融資などの手段もありますが、今回の記事では「出資」にフォーカスして見ていきます。出資は、融資と違い返済義務がないため出資先が潰れてしまえば出資者は大損してしまいます。出資者はこのようなリスクを負うため、出資者に対しては必ず何らかのリターンを提供する必要があります。 日本において民間企業が出資を募るときの最も代表的な手段は、株式の発行でしょう。企業は株式を発行し販売することで資金を調達し、株主は株式を購入することで配当権や経営参加権などを持ちます。企業が成長し株式市場に上場すると、一般公開された市場において株式を売買できるため、より機動的な資金調達が可能になります。これを新規株式公開、またはIPO(Initial Public Offering)と呼びます。 また近年ではクラウドファンディングといった手法も盛んになってきています。これは何らかのプロジェクトが実現する前にあらかじめ「サービス受益権」を直接一般向けに販売しすることで、投資者のハードルを下げることを実現するものです。 近年、IPOによる株式公開やクラウドファンディングとは異なる、暗号通貨を用いた資金調達が登場しています。   暗号通貨建ての資金調達「ICO」とは? 「ICO(Initial Coin Offering)」とは、ある組織や企業が資金調達する際に暗号通貨やブロックチェーン上でトークンを発行し、それらを一般の投資家に向けて販売することで資金調達を行うことを指します。暗号通貨やトークンの発行を伴うため、ブロックチェーン関連のプロジェクトにおいてよく用いられています。「クラウドセール」や「プレセール」と呼ばれることもあります。たとえば、分散型予測市場プロジェクトの「Gnosis(ノーシス)」のICOでは、数分で1200万ドルにも上る資金調達に成功しました。 では、ICOにおけるリターンはどのようなものがあるのでしょうか。ICOにおけるリターンには複数のパターンがあります。以下のようにスマートコントラクトを活用し、様々な形態でのリターンを提供できるのも暗号通貨およびトークンならではのメリットだと言えるでしょう。   ICOにおけるリターンの3分類 (1)議決権 スマートコントラクトを通じ何らかの形で多数決による何かしらの意思決定に投票に参加できるというものです。株主のように運営主体の経営に関する議決に参加できる場合や、サービス内での投票に参加できる場合もあります。たとえば、自律分散的な投資ファンド運用を目指した「The DAO」のプレセールにおいて販売されたDAOトークン保有者は、The DAOにおいて提案された投資先への投資の可否についての投票に参加することができます。 (2)配当権 こちらのタイプは、サービス利用に伴う手数料収入などをスマートコントラクトによって配分するものです。このように直接金銭的なリターンを提供するものも多くあります。たとえば公正な著作権料分配を目指す「SingularDTV」がプレセールで販売したSNGLSトークンの保有者は、SingularDTV内の動画の再生回数に応じた収益を受け取ることができます。(1)の議決権と併せて付与される場合もあります。 (3)サービス内で使えるコイン サービスにおいて手数料や利用料などの支払いに利用することができるトークンをそのままプレセールで販売するパターンです。たとえば、コンピュータリソースの共有を目指す「Golem」がプレセールで販売したGNTトークンは、サービス内でそのままコンピュータリソースの購入に利用することができます。   […]

ブロックチェーンで分散型Uberは実現するか?

2017年4月11日 大串 康彦 0

ブロックチェーンを使ったSUberとは ブロックチェーンは金融分野以外にも広く応用が提案されていますが、多くが概念実証段階であり、ブロックチェーンの真価が発揮されるのを見るまでにはまだ時間がかかりそうです。「シェアリングエコノミー」も本人確認、信頼性の担保、取引の正真性の確保など信用に依存する部分があり、ブロックチェーンが貢献することが期待されています。未来の可能性としては、例えば次のようなシナリオが考えられます。 車を所有するのは過去のこととなり、ほとんどの人はライドシェアを利用している。たとえばシカゴでメリッサという女性がSUber(ブロックチェーンを使った「スーパー・ウーバー」)で車をリクエストしたとしよう。近くにいる自動運転車が条件をオファーし、メリッサのノードはあらかじめ登録した条件にもとづいて望ましいオファーをメリッサに見せる。メリッサは到着時間などの情報を考慮しながら、希望する条件を選ぶことができる。 自動運転車はスマートコントラクトで自動的に動き、自分の判断でメリッサにサービスを提供する。もっとも効率的なルートを探し、責任持って目的地まで送り届ける。無事に目的地に着いたら、スマートコントラクトで自動的に精算が完了する。自動運転車は手に入れたお金の一部を使って、必要であれば自分を清掃したりメンテナンスしたりする。 ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット 「ブロックチェーンレボリューション」P184から引用 以上は中央集権型で巨大な手数料ビジネスとなっているUberに代わりブロックチェーンを使った分散型のSUberというサービスが普及したというシナリオの一部です。本記事では、このようなシナリオに向かって動き出したスタートアップの事例La’zoozとArcade Cityを紹介します。 La’zooz   La’zoozはイスラエルで2013年に設立した「コミュニティが所有する分散型交通プラットフォーム」です。zoozというトークンを発行し、最終的には分散型の経済圏の生成を目標としているようですが、最初のサービスとしてリアルタイムライドシェアリングの提供を目指しているようです。(リアルタイムライドシェアリングというのは事前に相乗りを予約するのではなく、「今すぐ乗る」ことを前提に運転手と利用者をマッチングさせるサービスです。Uberもリアルタイムライドシェアリングのサービスです。) La’zoozはすでに走っている車の空席を埋め、稼働する車の台数を減らすことで車や道路への投資を減らし、交通問題を緩和するという大きな目標を掲げています。ドライバーとして稼ぐことを推奨・宣伝しているUberとの大きな違いの一つです。 Zoozトークンはトークンセールで購入する、開発に参加する、スマートフォンのGPSによる移動情報を提供する(「proof of movement」)ことのいずれかにより入手可能です。サービスの支払いにはzoozを使います。「collaboration(協力)」がキーワードになっており、運転手・プログラマー・デザイナーがその貢献度に応じてzoozトークンが支払われる仕組みになっているようです。このへんはUberより民主的に見えます。 ユーザーインターフェイスはAndroidのアプリを使っています。ブロックチェーンをどう使っているかは情報がありませんが、乗車記録、評判、支払い記録などをブロックチェーンに記録し、到着確認や評判の投稿などある条件でスマートコントラクトによる自動的に支払いが行われ、zoozが分配されることが考えられます。 肝心のサービスですが、La’zoozのウェブサイト中のCommunity Members Mapによると2017年4月現在、サービスが提供されている形跡がありません。リアルタイムライドシェアリングは普及戦略が重要で、ある地域内に一定の運転手と利用者の密度(「クリティカル・マス」といいます)が確保できないとマッチングが成立せず、サービスの提供ができません。まだクリティカル・マスに達した地域がない模様です。 La’zoozの場合、ある地域でクリティカル・マスに達するまでは「ゲームモード」になり、登録者(サービス利用希望者)がサービス利用希望者を増やすごとにzoozトークンが付与されるというインセンティブがあります。そしてクリティカル・マスに到達した後、サービスが開始される設計になっています。 残念ながらサービスが提供された形跡を確認できないため、La’zoozはまだ概念段階と評価せざるを得ません。   Arcade City Arcade Cityは搾取的な待遇に不満を持った元Uberの運転手が開始したライドシェアリングのプラットフォームで、分散型のUberのようなサービスを目指しています。ユーザーインターフェイスとしてiOSとAndroidのアプリが2017年3月にリリースされました。筆者が試したところダウンロードおよび登録は可能でしたが、おそらく東京でサービスが提供されていないこともありサービスを使うことはできませんでした。 […]