チューリッヒ大学とProcivis社がブロックチェーンベースの電子投票システムを開発へ

 

スイスのe-government計画を推進しているスタートアップのProcivis社と、チューリッヒ大学の情報科学部のCSG(Communication Systems Group)は、電子投票ソリューションを開発するための計画を発表しました。現在計画中のプラットフォームでは、有権者情報の提供から結果の評価まで、投票プロセス全体を電子的かつシームレスに取り扱うことを目指しています。Procivis社は、ブロックチェーンの起業家Daniel Gasteiger氏によって2016年秋に設立されたスイスのベンチャー企業です。同社は、社会のデジタル化と世界中のオンライン公共サービスの提供を可能にする「サービスとしての電子政府」プラットフォームを提供しています。

e-Votingで変わる投票のありかた

今回のプロジェクトは、Burkhard Stiller教授率いるProcivis社とCSGのチームにThomas Bocek博士による技術関連のバックアップサポートが入るかたちとなるそうです。Stiller博士とBocek博士は、ともにチューリッヒ大学に在籍しています。このチームのプロジェクトは、安全に電子投票を行うための投票サービスの実現を目指しています。本投票プラットフォームでは、例えば有権者に投票先候補に関する情報を提供する機能のように実際に有権者が投票を行う前のフェーズをサポートする機能から、投票数カウントと分析など、投票後のフェーズをサポートする機能まで備えるとのことです。開発後は、チューリッヒ大学内部で行われる選挙において、電子投票プラットフォームがテスト導入されることが検討されています。

このプロジェクトでは、Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーンを用いることで、安全性を確保するそうです。プラットフォームが完成したあとについては、選挙の透明性を保ちつつ、公平性を確保する目的でオープンソースライセンスの下で公開されていく予定です。また有権者の登録については、電子アイデンティティの発行と管理を可能にするProcivis社の「eID +」プラットフォームが用いられるとのことです。

産学共同で進められるブロックチェーンプロジェクト

Procivis創設者兼CEOのDaniel Gasteiger氏は、「電子投票システムは、電子ガバナンスの実現を支える中核要素です。スイス連邦議会は、電子投票システムの導入に向けた明確なスケジュールを発表しました。それ以来、我々はチューリッヒ大学と協力して、電子投票ソリューションの開発に貢献してきました。」と述べています。また、チューリッヒ大学CSGの 「P2Pと分散システム」の責任者で、大学側のプロジェクトを担当しているThomas Bocek博士は「ブロックチェーン技術に基づく電子投票は、投票の透明性を高めると同時に、技術的にも非常に挑戦的な内容となっています。これは非常に興味深い分野です。我々はこのエキサイティングなプロジェクトに携われることを楽しみにしています。」と述べています。プロジェクトのさらなる発展を目指して、Procivis社とチューリッヒ大学は、スイス内外にある学術機関や企業が今後さらに活動の輪に加わってくることを期待しているそうです。今後も産学共同で進められるブロックチェーンプロジェクトへの注目は高まっていくでしょう。

 

 

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BBC編集部
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