金融分野以外に広がるブロックチェーンの活用

 

インターネットがコミュニケーションを変えたように、ブロックチェーンは世の中のあらゆる「取引」を従来とは全く違ったものに変えると言われています。たとえばビットコインを用いれば、銀行などの仲介業者を経由せずに通貨を個人間で直接、つまりP2P(ピア・ツー・ピア)でやりとりできます。しかしビットコインはあくまで最初のブロックチェーンアプリケーションに過ぎません。ブロックチェーン技術の活用可能性は無限大に広がっているのです。

ブロックチェーンの世界では、すべてのプロセス、すべてのタスク、すべての支払いで、識別、検証、保存、共有が可能なデジタル記録と署名があります。弁護士、ブローカー、銀行家などの仲介業者はもはや必要ではないかもしれません。個人、組織、機械、アルゴリズムが障害なく自由に取引することができるようになります。これこそがブロックチェーンの大きなメリットであり、この特徴ゆえに大きな可能性を秘めていると言えるのです。

 

ブロックチェーンの仕組み

ブロックチェーンにおいては、すべてのトランザクションは参加者の合意(コンセンサス)によって承認される必要があります。約10分間に行われたトランザクションをまとめた「ブロック」と呼ばれるデータが生成されます。すべてのブロックはネットワークを介して同期・複製され、トランザクションデータが分散的に保持されることになります。。

ブロックチェーン技術についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

「ビットコインを支える技術『ブロックチェーン』とは?」

このコンセンサス処理とデータ複製のプロセスにおいては、膨大な量の計算リソースとストレージが必要になる可能性があります。ビットコインではブロックサイズの上限の問題から「スケーラビリティ問題」が生じ、取引遅延や手数料高騰といった問題に直面しています。しかしそれでも、ブロックチェーン技術は様々な業界で可能性があるとされています。

たとえば現行の金融取引には実に多くのプロセスを経る必要があります。今日のクレジットカード取引では複数の仲介者を経由する中で16もの段階を経る必要があり、決済処理の完了までに計7日もの時間を要します。一方でブロックチェーンを活用することで、同じような取引処理でも一時間以内で完了さできます。」

 

金融分野以外にも広がるブロックチェーンの活用例

スウェーデン通信機器メーカー大手のエリクソン(Ericsson)は、ブロックチェーンを用いてデータの真正性を検証する「Ericsson Data Centric Security」を開発しました。Forsgren氏は、多くの企業や組織はクラウド経由でデータを共有しているため、正確なデータを確実に処理する必要があると述べています。データは強固なセキュリティ対策によって保護されていますが、それでもハッキングなどに対しては脆弱性が否めません。これに対しエリクソンでは、ブロックチェーンを使ってデータの正確性を担保しています。このとき確認されたデータはブロックチェーン上には保存されないため、高いセキュリティを保つことができると言えるでしょう。

またオープンソースのブロックチェーン「Hyperledger」を開発するLinux Foundationは、企業内でのブロックチェーン活用促進に向けた取り組みを進めています。たとえば企業内におけるデータ管理や企業間取引の管理にHyperledgerを活用することで、これまで複数主体が関わることで効率性が低下していた部分の効率化を図ることができるのです。この場合はセキュリティ上の問題からブロックチェーン上の記録を制限する「プライベートチェーン」を採用しています。このようにブロックチェーンは銀行や貿易、IoTに至るまで、実に幅広い産業を変革する可能性があります。

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BBC編集部
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