VR×ブロックチェーン「Decentraland」プロジェクトとは?

2017年8月17日、イーサリアムブロックチェーンベースのトークンを用いることで、VR(仮想現実)上に「土地」を買い、その土地で自由な活動を行える「Decentraland」というプロジェクトのICOが行われました。ICOの開始から僅か10秒間で2550万ドルを調達したことから、世界中から大きな注目を集めています。本レポートではこの「Decentraland」の特徴に迫りたいと思います。

Decentralandとは

プレイヤーが自身の代わりとなるアバター(キャラクター)を操作して、オンライン空間上で他プレイヤーと交流を行うゲーム自体は以前から存在しており、完全なるファンタジーではなくより実世界に近いものとしては、2003年より稼働している「Second Life」などが有名です。従来のオンラインソーシャルコンテンツは、企業などの運営主体があったため、ユーザーは数々のルールの下でプレイせざるを得ませんでした。また、従来は中央となる運営主体が解散すると、たとえユーザーが存続を望んでいたとしても、オンラインソーシャルコンテンツが消滅することを避けることはできませんでした。

 

しかし今回紹介するDecentralandは、中央集権となる運営会社が存在していません。そのため、ユーザーが一人でも存在する限り、永続的にこの仮想世界が存続します。Decentralandのプレイヤーは、一切のルールを課されることがなく、自身の所有する仮想空間上の「土地」において、完全に自由なプレイができます。この「自由」には、テクスチャの読み込みや、3Dオブジェクトの生成、一定の入力に対して一定の出力を出す各種アクションの設定、効果音や背景音楽の設定、物理法則の設定、支払いフローの設定など、幅広い項目があります。もしプレイの最中に他のユーザーとの交流を通して、何らかのルールが必要になったとしても、ユーザー同士でやり取りをして、ルールを作ることになります。

VR×ブロックチェーン

Decentralandは、「Second Life」のようなメタバース(仮想世界)の構築を目指して、2015年7月にベースとなるオープンVRプラットフォームが完成されました。ユーザーは自身の持つ「土地」の上ならば、想像力の許す限り、物理法則や運営主体によるルールに縛られずあらゆる好きな活動ができるという点で、Decentralandは他のメタバースと大きく異なっています。

2017年に入り、DecentralandのVR空間に存在する「土地」が誰のものであるか明らかにすると同時に、売買などを通してその資産的運用を実現可能する目的で、イーサリアムブロックチェーンが導入されました。DecentralandのVR空間上は、10m x 10m (33ft x 33ft)の土地に区分されています。この10m四方の土地は、10分に1度ブロックが生成されると同時に新たに出現し、ユーザーはICOで獲得した「MANAトークン」で、自分の土地となる「Land」を買い取ることができます。また、新たに生成(マイニング)されたLandが承認されることで、MANAトークンが報酬としてマイナーに与えられます。

 

Decentralandで何ができるのか

Decentraland上のあらゆるモノは、”Decentraland scripting language”という言語によって記述されるため、ユーザーがある程度プログラミングに精通していないとオンライン空間上で好きな物を設計できない、という制約があるものの、Decentralandはユーザーに大いなる「自由」を提供していると言えます。例えば、友達とオンライン上で話す以外にも、VRのゲームソフトを開発して自身の空間で売買する、車を作って試乗する、音楽ライブを観賞するなど、自分の想像力の許す限り、文字通り何でもすることができるという点が最大級の魅力といえるでしょう。また、法規制の厳しいカジノなど、現実世界では様々な制約があって難しいとされることであっても、ユーザーの手によって自由に実現できることから、世界中で大きな関心を集めているようです。今後の動きに注目です。

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BBC編集部
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