ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるスマートコントラクトとは?

ビットコイン(Bitcoin)は最初の暗号通貨(仮想通貨)として広く取引されるようになりましたが、ビットコイン自体は単なる送金手段として以外の役割は持ち合わせていませんでした。一方イーサリアム(Ethereum)には「スマートコントラクト」という機能が加わっており、送金手段としての暗号通貨という側面だけでなく「分散型アプリケーション(DApps)」構築のプラットフォームとしても機能しています。このようにブロックチェーン技術を通貨以外の用途へ活用するプロジェクトを総称して「ブロックチェーン2.0(ビットコイン2.0)」とも呼びます。

「スマートコントラクト」とは一言で言えば「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行されること」です。このスマートコントラクトを活用することで、どのようなことが可能になるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

 

従来の価値取引には仲介者が必要

たとえばAさんがBさんから通信販売で商品を買う場合には、BさんがAさんへ商品を発送し、AさんはBさんに代金を送金する必要があります。しかし、Aさんにとっては代金を支払っても商品が確実に届く保証はありませんし、Bさん側も支払いを確認する前に商品を発送することはリスクが伴います。このように購入者と出品者がお互いの信頼性について十分な情報を持っていない場合、代わりに「信頼を担保する仲介者(第三者)」を間に挟むことで円滑な取引を行っています。このような取引形態をエスクロー型と呼びます。通販業者やeコマース企業などがこの信頼を担保する仲介者にあたります。

この構図が、スマートコントラクトを活用することでどのように変わるのでしょうか。

 

スマートコントラクトがもたらすもの-「トラストレス」

スマートコントラクトとは「ある条件が満たされた場合に、決められた処理が自動的に実行されること」です。スマートコントラクトのもっとも身近な例は自動販売機であると言われています。「お金を入れて商品を選ぶ」という条件が満たされた場合に「選ばれた商品を出す」という操作を自動的に実行しているからです。

これを先ほどの通信販売に当てはめて考えてみましょう。スマートコントラクトを用いることで、「Aさんがサイト上で購入ボタンをクリックする」という条件が満たされた場合に、「AさんからBさんへと代金が送金される」「Bさんから商品が発送される」という二つの操作が自動的に実行されるようにプログラムを設定することができます。

このように、スマートコントラクトでは定められたコードに従って自動的に契約を実行します。プログラムはブロックチェーン上に記録されており改ざんが困難であるため、この場合のBさんや仲介者などの取引相手を信頼する必要がないトラストレスな形での取引が可能になり、信頼を担保する仲介者(第三者)を不要とすることができます。いうなれば、契約書そのものが契約実行をも行うことができる、「自力執行権を持つ契約」と言えるでしょう。これにより取引相手が信頼に足るかどうかを取引の度に考慮する必要がなくなり、また仲介コストを削減することができます。

 

スマートコントラクトの活用-「DApps」「DAO」とは?

スマートコントラクトを用いた活用例としては、「DApps(自律分散型アプリケーション)」や「DAO(自律分散型組織)」といったものが挙げられます。DAppsとは、スマートコントラクトを用い全てをコードに従って自動的に処理するアプリケーションです。従来の中央集権型システムをDAppsとして分散型アプリーケーション化することには、仲介コストの低下や中央管理者によるコントロールの排除、内部での改ざんや外部からの攻撃リスクの抑制など、様々なメリットが存在します。この意味でイーサリアムはDAppsを構築するためのプラットフォームとも言うことができ、実際に数多くのDAppsプロジェクトがイーサリアム上に構築されています。

また組織の意思決定やその実行などのガバナンスを全てスマートコントラクトに従って行うものを「DAO」と呼びます。通常の企業では取締役会など中央管理者によって経営されているのに対し、中央管理者が存在せず給与からマネジメントに至るまで全てがスマートコントラクトによって実行されている企業、というイメージです。

 

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今回の記事ではスマートコントラクトについて詳しく解説しましたが、スマートコントラクトと密接な関係があるイーサリアムとその関連プロジェクトについてはこちらのイーサリアム・ビギナーズガイド-ビットコインとの違いとその活用可能性」という記事にて詳しく解説しています。

また、以下のページではスマートコントラクトを活用したDAppsなどの各プロジェクトをご紹介しています。

Digix(ディジックス)とは?−金の所有権をブロックチェーン上で管理
Golem(ゴーレム)とは?-世界中のコンピュータからなるシェアリングエコノミーの可能性
SingularDTV(シンギュラーDTV)とは?-スマートコントラクトを活用した権利管理を実現
Akasha(アカシャ)とは?-改ざん・検閲を受けない自由な言論空間
Sensus(センサス)とは?-回答するほど儲かる、分散型の”知恵袋”

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