なぜ取引手数料が中国のビットコイン取引量に影響を与えているのか

2013年末から人民元建てのビットコイン取引量が急上昇し始め、2016年になると一度総取引量の98%を占めていました。当時、「ビットコインは中国にある」と喜びの声をあげた人もいれば、「ビットコインは中国に翻弄されている」という心配な声もありました。そんな、ビットコインへ大きな影響力を持つ中国市場の傾向について、取引所の手数料という観点から解説していきたいと思います。

 

取引手数料の撤廃後、取引高が急上昇し世界第一位へ

2013年9月、中国三大取引所の一つBTCCはビットコイン取引手数料を徴収しない方針を打ち出し、他の取引所も相次いて取引手数料の徴収を廃止しました。

その後、週約4%のスピードで上昇していたビットコインの取引量は急上昇し始めました。当月、中国ビットコインの日取引量は1.75万で、世界シェアの30%を占めましたが、1ヶ月後、中国ビットコインの日取引量は世界シェアの50%の10万に達し、アメリカを超え世界一になりました。

2014年、BTCCは一度取引手数料の徴収を復元したら、一気に1位から4位に転落し、取引手数料がずっと無料だったHuobiという取引所は1位となりました。

「ビットコインの取引手数料を廃止するだけで、そこまで取引量を影響するか?」と疑問を持っている方が少なくないと思います。実は、取引手数料無料の時にしかできない「ビットコインの高頻度取引」が一つの要因だと考えられます。

 

自動取引により活性化したビットコインマーケット

「高頻度取引(HFT, high frequency trading)」はもともと証券用語で、コンピューターアルゴリズムを実行することで、 市況を自動的に判断しながら株のやり取りをするという取引戦略です。ビットコインは株と比べ、値幅制限・取引量制限がなく、24時間365日取引できるなどの特徴があり、取引手数料がない場合、高頻度取引には最適とも言えます。

したがって、ビットコインの取引手数料を廃止するによって、投資者だけではなく、「ビットコインの高頻度取引」をしている投機者もたくさんやってきました。中国の三大取引所の自己分析によって、60%のOKCoinでの取引・80%のHoubiやBTCCでの取引は人間ではなく、ビットコインの高頻度取引のプログラムが行ったようです。

2017年1月6日、中国人民銀行はビットコイン取引所9所と会合し、その日ビットコインの価格は17%も下がりました。1月24日12時、中国三大ビットコイン取引所は0.2%の取引手数料を徴収し始め、1時間でOKCoinの取引量は89%も下がり、Huobiは92%減でBTCCは82%減となり、ビットコインの高頻度取引も中国の世界一ビットコイン取引量の伝説も終焉を向かいました。

このように取引手数料の推移と取引高の相関性から、自動取引による取引高の増加が見て取れるでしょう。中国当局からの規制などの影響もありますが、取引手数料が導入されたことで、中国での取引高は減少しましたが、一方で日本のように手数料がないもしくは低い国でもともと自動取引を行なっていた人々が流入していることも考えられます。(実際に、中国と入れ替わる形で日本は取引高世界第一位となっています。)

今後も中国のマーケットに特化した情報を発信していきますので、ご期待ください。

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Wang Pengfei
About Wang Pengfei 4 Articles
1991年生まれ、中国出身。厦門(アモイ)大学卒業後に来日し、外資系コンサルティング会社にて東証一部上場クレジットカード会社や大手生命保険会社などのクライアントを担当。その後、ブロックチェーン技術に出会い、ブロックチェーン企業へのコンサルティングを行うためロジェ・グローバルアソシエイツへ参画。400人以上のメンバーを有する中国「Shanghai Blockchain Meetup」へも積極的に参加しており、中国ブロックチェーン事情について精通し、中国を拠点としたブロックチェーン関連企業にも強いコネクションを持つ。